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April 26, 2005

大畸人伝:岸田吟香

 魚戸おさむ短編集「大畸人伝」を読む。
 短編集で表題作の主人公は明治維新の奇怪な人物、岸田吟香と高橋是清である。岸田は、日本最初のジャーナリストであり、ヘボンの弟子であり、上海と日本の架け橋となった人物である。最初はよくある勤王派浪人であったが、師匠筋が安政の大獄で流罪となり、一時は吉原に逃げ込んで芸者の箱屋をしていたが、ヘボンと出会い、日本初の英和辞典を作ることになる。維新後はヘボン譲りの目薬を売って大もうけする一方で、客船会社を開いたり、東京日日新聞の編集長をしたりと、幕末ならではの、数奇な運命を辿る。
 実は、「上海退魔行 ~新撰組異聞~」の時、最初の上海明星32傑の一人と考えていた。「上海浪人」である。その後、やはり、岸田自身の知名度が微妙であることと、やはり、坂本龍馬のほうが有名であったため、岸田は1NPCに格下げになったが、これはこれで面白い人物であることは間違いない。

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