自分史:きっかけ
専門学校の授業で「自分史」を作成させ、「今、ここにいる理由」を考えさせる。
なぜ、ゲーム専門学校に来たのか? なぜ、クリエーターを志したのか?
あるゲーム、もしくは小説との出会いがあったという生徒もいれば、小さな頃から、お話が書きたかったという生徒もいる。「ドラクエ」がきっかけという人がいれば、「美少女ゲームにはまったのは転落の始まり」という人もいる。
その転換の焦点となる事件は何かを明らかにする。
そうやって、キャラクターのデザインに生かす実習なのだが、もちろん、私にも私なりの「きっかけ」はある。
多分、最初のきっかけは、小学校の頃、作文を誉められたからだ。
童話と称した冒険物語を原稿用紙10枚ぐらいで書き、先生だけでなく、級友からも誉められた。調子に乗って20作ぐらい書いた。
もう一つ、小学5年生の正月に、新聞配達で稼いだ小遣いで、春陽文庫の江戸川乱歩全集を買い始めた。完全に大人向けのほうである。多分、ここで何か道を間違った。そして、半年後には早川SF文庫を買い始めていた。
中学と高校の時代は本読みの友達がいたことが強く影響している。中学時代の悪友Iとは街の本屋を制覇した挙句の果てに10キロ以上離れた隣町まで自転車で古本を探しにいった。高校時代の悪友(これもイニシャルはIである)は、純正のSFマニア、特撮好きの上に、UFO研究までやるという筋金入りで、卒業後も色々刺激を与え合った。少し前にUFO関連本の翻訳すらやってのけたのだが、一時期、こいつが成田空港の管制官(地上管制だったらしいが)をしていたのである。ああ、この男についてはネタが多すぎる。だが、よい男だ。彼が結婚した時には心底、安堵したものだが、かたぎじゃないのは私のほうだった。
TRPGに出会ったのは大学に入ってからだが、ルーンクエストの真価に気づいた時は色々変わったと自分で感じた。結局、一心不乱にTRPGの設定と構造を考えた。他にもSFファンとして日本全国を渡り歩き、馬鹿なことをたくさんした。まあ、あの頃からまともな大学生ではなかったから、結局、こうなる運命だったのかもしれない。
それでも、私をここまで導いてきた(人や本との)出会いには感謝している。
それが今、私の仕事の礎になっているのであるから。
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