弱さと強さ:不足と成長
TRPG以外の話が続いたので、ちょっとだけ真面目に『真・女神転生TRPG~魔都東京200X~』の話を。
以前、書きましたとおり『真・女神転生TRPG~魔都東京200X~』(以下『真・女神転生X』)は現代編です。そのため、『Nocturne』の主役が魔人だったのと異なり、主役は人間です。システムは『Nocturne』からかなり継承した感じになっておりますので、その結果、人間は非常に脆弱な存在です。凄く弱い。HPも少ない。能力値も低い。低レベルの頃は攻撃すらそう簡単には当たらない。回避するのはもっと難しい。生き残るためには色々考えないと厳しいでしょう。
近年、最初から強いPCが作れるゲームが増えています。これはコンベンションでの安定性を追及した結果で、私も一つの道だと思っていますが、私自身のゲームは、そうした「強さの即時再現」にはこだわりません。弱い時期があるからこそ、成長が楽しいと思いませんか?
実際、学生たちと遊んでいると、レベルアップごとに、ちょっとずつ強くなるのがとても嬉しそうです。
このあたりのピュアな感覚を大事にしたいと思っています。
『真・女神転生X』では、悪魔のレベルでは1レベルから100レベル以上(ええ、あの四文字の方とか)までをサポートしますが、PCのレベルとしては、5レベルから40レベル前後までがプレイしやすい範囲かと思います。
その範囲の中でも、レベル帯によってプレイ感覚がかなり違います。5レベルではガキ数体に大苦戦しますが、10レベルを超えれば、マルチ・アクションも可能になり、派手な戦闘もできるようになります。20レベル以上となれば、はば広い戦術を駆使して、凶悪なBOSSとぎりぎりの戦闘をこなすことになるでしょう。30レベル以上ならば、PCは悪魔のような強さを持つことになるでしょう。
強さの違いが実感できれば、それが成長と言えるのです。
もしも、ヒーロー的なPCをプレイしたい場合には、20レベル以上を推奨します。これは今の『Nocturne』でも体験できますので、コンベンションで低レベルは・・・という向きはどうぞ。デザイナーとしてはレベル5から13ぐらいの、少しもどかしいあたりがお薦めですね。
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