« 大畸人伝:岸田吟香 | Main | カミングアウトした者の強み »

April 26, 2005

機能と意匠

 今日は学校の日。プログラム科新入生向けに、アナログ・ゲームの授業を行う。前半は先週と同じ「ブラフ」で、後半は「6ニムト」。
 プログラム科なので、まじめに、インターフェイスとか、確率とか、ハードとソフトの話をまぜながら、進める。
 今回のキーは「機能と意匠」。内部の仕組みは同じでも、その上に乗せる「外見」によって、ゲームは一変し、そこで生み出される物語や刺激は変わるという話。

 例えば、「プリンセス・メーカー」が、「ウィザードリイ」のキャラメイク部分にヒントを得て作られたのは有名な話であるが、これらの育成シミュレーションの根幹というのは「コマンド入力により、キャラのパラメーターが変化する」ということに尽きる。これが「機能」だ。
 「プリンセス・メーカー」ではその「機能」の上に、プリンセスの画像と会話パターンが乗せられ、パラメーターが変化すると、画像と会話が変化する。その仕掛けと、用意されたシナリオで、ユーザーは「お姫様を育てている」かのようなプレイを楽しむことが出来る。いわゆる恋愛系育成シミュレーションの類はすべて、この理屈の応用で作成できる。プリンセスの代わりに、メイドでも、妹でも、外装を乗せれば、そういう育成になるのだという話だ。そうして選ばれる外装が「意匠」の部分である。
 もちろん、シナリオの良さとか細かいインターフェイスの進化を否定する気はない。いや、どちらかと言えば、その「意匠の部分」のクオリティこそが重要になっている。

 ・・・という訳で、ゲーム・クリエーターを目指すものは、機能と意匠のかかわりに注目せよという話をしたのだが、どうも、あまり「プリンセス・メーカー」自体をプレイしている生徒が少ない。あれあれ、もう、そんな時代なのかと、驚く。以前にも、「エヴァンゲリオン」を見てませんと言われて、愕然としたが、「エヴァ」も、もはや10年前であった。確かに、綾波と同い年の女の子はすでに卒業して久しい。うわあ。時代は変わるものであるよ。

|

« 大畸人伝:岸田吟香 | Main | カミングアウトした者の強み »

Comments

The comments to this entry are closed.

TrackBack


Listed below are links to weblogs that reference 機能と意匠:

« 大畸人伝:岸田吟香 | Main | カミングアウトした者の強み »