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April 14, 2005

マンイーターの夜

「あなたの知らない世界を教えてあげる」
 魔女はそう言って微笑んだ。
 真赤な唇の上で、まるで別の生き物のように、ピンク色の舌が身をよじった。

 TRPGのデザインはシステム管理とイメージ管理のせめぎ合いだ。モンスターのチェックはデータ・レベルの再現力を確認するとともに、それをどう使いたいか、どんなシナリオになるかを考え続けることになる。
 『真・女神転生』には多くの女性型悪魔が出現し、セクシーな台詞を残している。
 屍鬼ボディコニアンという女性型ゾンビが有名だが、この名前はすでに時代から取り残されている。最近のネタということで「セレブニアン」というのはどうだろうか? セレブな人妻のゾンビである。いや、この発想からして古いかもしれない。
 ボディコニアンの上級バージョンとして、幽鬼マンイーターがある。ボディコニアンが赤のボディスーツに対して、マンイーターは白、まるで文字のないバドガールのようなノリだ、首のチョーカーがセクシーである。彼女のシナリオを作ろうと思った。ただボディコニアンの強化版ではなく、幽鬼の女王という感じでいこうと。もちろん、もっと上に邪悪な女神は沢山いるのだが、中盤のBOSSとしてストーリーに絡んでいけるようにしたい。
 魔術師で、自らを幽鬼に変えた人物とか。あるいは何かの因果で死ねないまま、幽鬼化したのか?
 享楽的な性格の影に、無限の寿命の影に隠れる諦めのようなものを散りばめてみようと思う。

「例え、100年生きても人生など分からないわ。
 それがどうやって生まれ、失われていくのか、気づかない限りはね」
 魔女はそこで一息ついた。
「だから、あなたをちょうだい。
 ワタシの中の空白を満たせるように」

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