ガンダムSEED Destiny:錯綜する軍事技術
相変わらず、『真・女神転生TRPG~魔都東京200X~』でてんてこまいの朱鷺田です。
最近の心の安らぎというと、やはり、アニメ。
マーケット・リサーチとか、学校で生徒と交流するためとか・・・・・・
・・・・・・ああ、言い訳は止めましょう。
初代ガンダム直撃世代です。小学校で「仮面ライダー」と「宇宙戦艦ヤマト」を見て、中学で「スターウォーズ」、高校で「ガンダム」です。はい、年がわかりますね。
最近、毎週の楽しみは、「機動戦士ガンダムSEED Destiny」(以下「種デス」)と「仮面ライダー響鬼」です。「エマ」とか「エウレカ・セブン」とか「ハチクロ」とかも見てますが、コメントをする段階にはないかと。この3月で終わった作品の中ではやはり「レジェンズ」がもっともお気に入りです。「プリキュア」はOPから縦回転がなくなった時が大きな転機かと。
閑話休題。
さて、「種デス」は娘も「種」以来のファンで、親子揃ってガンオタの道を邁進中。
ディアイザだそうです。えーっと。
回想が多いとか、キャラに頼りすぎとか、脚本ぐだぐだとか、時期ネタ多すぎとか、色々言われていますが、まあ、ストーリーの暴走具合が、刺激的です。アニメ雑誌を読まないようにしたら、もう翌週の話の予想がつかない。まあ、こうなるだろうという予想をことごとく裏切る凄いアニメである。「天使湯」とか、「ザクとは違うのだよ」とか。ザムザザーとか大好きです。このシリーズ構成をしている人は色々な意味でオカシイです。
これは誉め言葉ね。かなりヤル気ですね。
今週はミリアリアの「ディアッカ振った」発言が大ブレイクしておりますが、実際は、オーブ護衛艦隊 VS ZAFT航宙艦ミネルヴァのマルタ沖海戦の前哨戦、それもMS戦ではなく、艦砲戦ですよ。
それも宇宙船艦ではなく、海上戦艦です。うわあ。
トリマラン・タイプの高速空母とはいえ、海上艦艇が、MS搭載型宇宙戦艦と直接砲撃戦で戦うという状況はガンダムでは、あまり多いシチュエーションではない。戦闘の主役はあくまでMSだというのがガンダムの世界。だが、今回は通常兵器の活躍が目立った回でした。まず、AWAC(早期警戒機、日本だとやや古いP3Cが有名ですが)やヒューミント(人間による情報収集つまり諜報員)で情報収集した連合側が、ミネルヴァの進路に突出、MSの射出前に、自己鍛造弾の一斉砲撃で、ミネルヴァに大被害を与えるという展開に。
自己鍛造弾というのは、現在もある兵器で、射撃した後、飛んでいる間に砲弾を自動形成、より高い貫通力を得るというハイテク砲弾です。言葉で説明すると至極、無茶苦茶な兵器ですね。LAND WALKERを見た後は、モビル・スーツの方がリアルに感じるほど。
軍事ミーハーとしては、現代ではたぶん、フォークランド以来、まず見ることのできない現代の海戦を再現してくれたシーンなので、大喜びではあるのですが、これを真面目にやってしまうと、MSの活躍の出番がなくなってしまうのでは?とさえ心配になります。
考証好きの弱点でしょう。
ここからは、まさに野暮というしかない突っ込みに入ります。
逆に言えば、この、好きなだけ突っ込みをしてくれとしかいいようのない(多分、わざとやっている)種デスの作りが、私を魅了しているのかもしれません。(この辺は、一種のストレス発散だと流して下さい)
さて、通常兵器の活躍がどうしてMSの出番を奪うかといえば。
現在の海上戦闘艦の主砲は完全に電子化され、レーダーとリンクして、飛んでくるミサイルを撃墜することも可能です。さらに、バルカン砲で、飽和攻撃を行い、ミサイルを近寄せません。
飽和攻撃というのはまさに弾幕で、一定空間に十分な密度の弾丸をばらまくことで、そこに入ったら必ずあたる状況を生み出すという、究極の物量作戦です。これをリアルに再現してしまったのが、何回か前のダーダネルス海峡海戦で、オーブ軍の新型可変MS、ムラサメが、ミネルヴァに突進し、バルカン砲で撃墜されるカットがありました。新型MSがこんなにもろいとプラモがうれなくなりそうだけど、いいのかなあと思うほどもろい感じの描写ですが、MSを戦闘機に置き換えるとほぼこんな感じになるはずです。
ファランクス・システムが有効な範囲である限り、という限定の中では、現代の戦闘艦に体当たりなどできないのです。これは、すなわち、MSが手持ち武器で艦を攻撃するというシチュエーションそのものが非合理だというイメージを与えてしまいかねないのです。
ロボット・アニメでそれは色々まずいでしょ?
ガンダムの主役はMSだと思う身からすれば、通常兵器の活躍はぜひ、MS運用とマッチングした感じで見せてほしいなあと思います。初代からZまでの宇宙世紀は、MS時代なりの兵器運用がきちんとあったと感じる訳ですよ。
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