東京放浪 1/1ボトムズから六本木の蜘蛛まで
魔都東京のワールドガイドの取材で、都内をぐるぐると。
まずは1/1ボトムズを見るために、水道橋へ。
●江戸散歩・東京散歩
電車に乗る前に、最新の東京ガイドを確認しようと、寄った地元の本屋で「江戸散歩・東京散歩」を発見。最新の東京ガイドと、歴史古地図による比較対照解説が実に秀逸。具体的には、地域別の名所紹介のあとに、かならず見開きで地図が載るのですが、左が現代、右は安政6年(西暦1859年)頃の古地図で、当然、同縮尺。キーポイントにはマーク付きで、都内の歴史散歩入門のお役立ちアイテムですね。
例えば、六本木ヒルズのあった場所は、安政6年には長門府中藩毛利左京亮の屋敷で、ここで赤穂浪士のうち10人が切腹したとある。東京大学の本郷キャンパスは加賀藩と水戸藩の江戸屋敷のあととすぐ分かる。これは便利だ。吉原に至っては、文久3年(1862年)の店の配置まで分かる。
『真・女神転生X』マスターは必携というだけではありません。
1859年の江戸の地図ですよ、坂本さん。
「上海退魔行 ~新撰組異聞~」でも使えますね。
電車の中で読んでいると、麻布の項目で、六本木ヒルズにある蜘蛛のオブジェが。
「これ、見たい!」と第二の目的地決定。
●1/1ボトムズ
水道橋で降りて、東京アニメーター学院のならびにある会場へ。
1/1ボトムズは、およそ身長4m強。見上げるとでかい。本体の前にある専用の突撃銃は2mぐらいある。ターン用のスパイクなど細かいところに凝ってます。左手が連想砲なのは、スコープドッグの別バージョン、ブルーティッシュ系かな? 全体がさびた感じの鋼鉄製なので、現有機種というよりも、ウドの街のジャンク・ショップの雰囲気です。
直立しているのと、降着ポーズを取るギミックまでは再現されていないこともあって、後ろから腰のあたりやスカート周りだけ見ると、1/4ドムのデザート迷彩仕様かなとも見える。やはり、オリジナル迷彩か、さびてない感がほしかった感じ。降着ポーズが見たい!
●東京ドーム・シティ
地下鉄路線図から見るとどうも接続が悪そうなので、東京ドームの横を抜けて、後楽園駅まで歩くことに。
東京ドーム・シティというのはおかしなエリアですね。
水道橋駅西口から入った入り口は、後楽園遊園地やドーム、あるいはその先のスパ・ラクーアへ向かう家族連れや若者たちが歩く一方で、一層下がった場所には、血走った目でWINS(場外馬券売り場)の大画面と競馬新聞を凝視するギャンブラーな人々がいる。目を上げれば、東京ドーム・ホテルの超高層建築がそびえ立つ。
呆れていると、目の前のカップルの男の背中には「CHAOS BRINGER(混沌の運び手)」の文字が。
ええっと、これは啓示ですか?
ジャイアンツのテーマ曲が流れるドームを越え、ラクーア・シティへ。
紅虎の肉まんを頬張りつつ、見ていると、頭上をジェット・コースターが通過する。ラクーアの建物全体にもたれかかったようなコースは、JR福知山線の事故のあとではしごく、刺激的だ。
ラクーアで温泉に入りたい気分をぐっとこらえ、メトロの後楽園駅へ向かう。途中、遊べる本屋ヴィレッジ・ヴァンガードの看板を見つけ、ふらふらする。いや、ここで踏み込んだら、絶対、六本木にはたどり着けない、と涙を飲む。ええ、いい本屋はトラップですよ。さきほども神保町に背を向けるのに苦労したのだから。
●六本木ヒルズ
おのぼりさん状態で、まず、外から見る。でかい。うんうん。
お目当ての蜘蛛のオブジェは階段を上がった公園風のスペースに。これが実はアーチ代わりの大物で、あなたはハリウッドの60年代SF映画ですか!?というサイズ。
ここまで来たんだから、ついでに、展望台「東京シティビュー」に登ることに。
1500円払って52FまでGO! ああ、気圧が。
一気に上がっておいて、なんですが、私は軽い高所恐怖症の気があります。だから、高いビルの展望台がかなり危険なのですが、とにかく見晴らしがいいのと、久しぶりに東京の地理関係を確認したかったので、ぐるりと一周。予想外にお台場が近いのに驚いてみたり。六本木ヘリポートの存在にはしゃいだり。
あと、この展望台の片隅に、なんとASIMOの常設展示場があった。
少し遅かったので、もう動いてはいませんでしたが、昼間くれば、上半身が動く姿が見られるようです。
シティビューのチケットは、併設の美術館の入場券をかねているので、ついでにそちらも見学。
●さかさまになった部屋
まず、53Fに上がって、森美術館で開催されている「秘すれば花 東アジアの現代美術」と「ストーリーテラーズ アートが紡ぎ物語」をぐるりと。
現代アートはよく分からないのですが、さかさまになった部屋は面白かった。ある家がさかさまになったという感じで、天井に家具が配置されており、観客は床に寝そべって、それを見上げるというもの。自分が天井に張り付いているような気分になる。
あと、虫眼鏡をもって、バスルーム風の部屋で、指先ほどの製作物を探す展示も面白かった。TOTOの和風便器の中を、必死になってのぞいている図は、たぶん、観客もまた作品として鑑賞されているのだろう。
もう一つのストーリーテラーズはどうもピンとこないものが多かったが、少女の生足をした(それも赤い靴と白いショートソックスをつけた)狼の群れという謎の展示はショッキングだった。アニメ作品も多かったのだが、ちょっと疲れていて、パスしてしまった。
●都市の模型展
50Fに下がって、都市の模型展へ。
これはニューヨーク、東京、上海の都市模型が見られる。
NYの場合、ツイン・タワーのあった場所にはかつての栄光を示す透明プラスティックの塔は2本。
東京はなんというか、緻密のひとこと。わざと地名や解説は省かれており、観客は記憶を頼りに、東京を再認識することになる。シティビューで見たばかりなのに、迷うのはなぜ?
上海は、綺麗な高層ビルが目立つ。
その奥では映像展示が二つあるのですが、実はこれが、押井守監督の作った「東京静脈」と「東京スキャナー」という2本の映像。「静脈」は「パトレイバー2」で刑事が辿った東京の川の旅を実写で。「スキャナー」は東京上空からヘリの空撮で、名所巡りをして最後はヒルズ屋上のヘリポートに着陸するまで。どちらも東京の別の顔を見せてくれました。
帰りは、つい、復活した青山ブックセンターの前を通ってしまい、遭難しそうに。
海外雑誌の「スターウォーズ」特集とか、もう目の毒です。「スターウォーズ」は私の魂の映画ですよ。特に「帝国の逆襲」。
それでも外国人向けのFREE PAPERをめくっていたら、外人墓地に関する記事が乗っていたので、即GET。外人墓地の配置図が載っているとは・・・おそるべし。
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