現代の傭兵:PMC(民間軍事請負会社)
イラクで、拘束された斉藤さんの経歴が明らかになり、「傭兵」という表現があるが、彼の立場は、PMC(民間軍事請負会社)のスタッフ、いわゆるプライベート・オペレーター(企業の実行担当者)である。斉藤さんは、陸自の第一空挺団所属であり、その後、21年間、フランス外人部隊にいたというから、ベテランの職業軍人が新たな仕事として、イラクに入り、戦闘で負傷、敵に捕獲されたというのが実際の状態だろう。国軍の兵士ではないので、捕虜扱いされない可能性が高い。
イラク戦争は、民間企業の介入の多い戦争である。
兵站を、閣僚が経営する会社に丸投げしたことで問題になっているが、主戦場以外で、ガード業務や保全業務を行う兵士も民間委託が進んでいる。斉藤さんが属するHart Groupは多国籍のPMCで、まず、電気ネットワークの管理、保全、警備という総合的なソリューションを、アメリカ陸軍から請け負っていた。ハート社以外に数十社のPMCがイラクに関わり、軍事行動を含む活動を行っているという。
月刊PLAYBOYの2005年5月号に、このPMCに関する短いルポが掲載されている。いまや、PMCはひとつの産業になり、PMC用に武器を開発するメーカーもあるという。
「ブルーローズ」に登場するシュープリームの姿は決して、斬新ではなかった。現実はさらに先に進んでいたのかもしれない。
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