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May 06, 2005

室町お伽草紙(山田風太郎)

 「青春! 信長・謙信・信玄 卍ともえ」というラノベまがいの副題が妙にアンバランスな一冊ですが、実に傑作でした。
 追放された足利将軍の姉で、超美形の若き姫君、香具耶(かぐや)姫と、三百丁の南蛮鉄砲を巡って、若き日の織田信長、上杉謙信、武田信玄が京都で三つ巴、実際には松永弾正と堺衆も加わるので四つ巴、五つ巴の姫君争奪戦を展開するという、歴史伝奇浪漫。狂言回しに、元関白で飯綱使いとなった行空法師と、そこに拾われた少年日吉丸。その他、姫の護衛役に剣聖塚原卜伝と上泉伊勢守が登場するほか、堺側には、武田信玄の父で国を負われた武田信虎や、千宗易(利休)、織田には明智光秀、武田には名軍師山本勘助などなど、戦国のオールスターが総登場。山田先生、凄いですよね。

 ここで、タイトルの室町というのが気にかかる方もおいででしょう。
 実は、戦国時代と室町時代というのは非常につながりの深く、その区切りが曖昧な時代で、人によってずいぶん、範囲が変わる。応仁の乱以降を戦国と言ってしまうと、織田豊臣政権期が逆に浮く。それに、室町幕府は織田信長の時代まで存在はしているのである。足利の文化性と戦国の気風の入り混じり具合もまた、この時代の面白さである。さらに、現在の日本文化にいたる多くの流れが室町にあったことを考えるとこの辺の時代もまた面白そうである。このあたり、朝松健氏の近作「一休シリーズ」などが着目したゾーンである。
 いずれ、クトゥルフネタもからめて、取り上げてみたいものだ。

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