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May 02, 2005

日本を舞台にクトゥルフ

始めるしかないだろう。取り合えず二人で。だってこんな話、誰にしたって信用してくれないから
  -------------友成純一「覚醒者」より

 「覚醒者」読了。
 序盤のタイムリーさや、アル中話の切れっぷりに圧倒され、どこにいくかと思っていたら、その実、日本を舞台にしながら、クトゥルフ神話のお手本のような終わり方を見せていただきました。後半の流れは、日本的なインスマウス物の解釈(それもかなり直球なもの)を見せてもらいました。福岡の街を徘徊する異人たちの存在に我々が感じるものは、もしかしたら、ラヴクラフトの時代の白人が、アジアからの移民に対して感じたものと共通の何かを含んでいるかもしれない。ロバート・プライスの言葉がまたも脳裏をよぎる。

 日本人はすでに欧化し、西側諸国の一員であり、クトゥルフ神話を恐れる感性を共有できる・・・・・・?

 しばらく前から、クトゥルフ神話の舞台としての日本をどう扱うか、悩んでいる。現代よりは、「クトゥルフ・ダークエイジ」のように、歴史上の時代を扱うのが面白そうだ。

 幕末については、すでに、「上海退魔行 ~新撰組異聞~」で検討した。
 ええ、「ルルイエの坂本龍馬」とか、「武田観柳斉とネクロノミコン」とか。

 インスマウスのマーシュ船長が、南太平洋を訪れていたのは19世紀であるので、あの時期の上海や日本、琉球などで、インスマウス事件が起きていてもおかしくはない。いや、ダーレスの「永劫の探求」を読むまでもなく、あの周囲にダゴン秘密教団の魔の手が広がっていることは間違いない。

 さらに、あの時期のアジア周辺の政治状況に、クトゥルフ神話を絡めることも考えた。
 実は西表島海底遺跡も絡めて、あの付近、琉球弧陸に、クトゥルフ系の遺跡が混じっており、それを知った薩摩藩あたりが琉球処分に合わせて、何かやったというネタを考えた。実はこれはかなりいいネタで、日本帝国の台湾進出あたりまで、これで説明できてしまう。
 この当時、台湾は清朝にとって、「蛮族の住む離島」であり、台湾に関して問い合わせた日本帝国に対して、「あそこは蛮地だから(勝手にしろ)」と答えたという記録もある。清朝にそこまで思わせた理由は何かとか考えていくと、色々、話が大きくなってきた上に、かなり真面目に調べないと、書けない危険なネタになってきたので、一旦、置いてある。

 「クトゥルフ・ダークエイジ」が翻訳された今は、戦国末期から、江戸初期あたりが面白いのではないかと思っている。私は隆慶一郎氏の小説で、戦国物に目覚めた口なので、つい、傾奇者ネタが好きであるが、はてさて、どうしようか?
 そう思っていたら、朝松健氏が、戦国時代を室町末期まで広げることで、時代伝奇というジャンルを作り上げていた。これはもう少し勉強して見なければと思っている。
 ツン読状態だった「伝奇城」に手を伸ばそうか?

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