上海退魔行:アラスカ百万両
中岡「龍馬どん、聞いたか、露西亜がアラスカを、米利堅に720万ドルで売るそうじゃ」
龍馬「ちょっち待てや。そりゃまた安かねえ」
中岡「そっでも米利堅じゃあ、どでかい冷凍倉庫に720万ドル払う馬鹿おるかて言うとるそうじゃ」
龍馬「じゃったら、わしがその馬鹿になっちゃろか? ええか、720万ドルちゃあ、10万両にもならんじゃろ。ちいと勝さんに頼んでくるわ」
・・・という会話はあくまでも朱鷺田の妄想ですが。
1867年(慶応3年、大政奉還の年)、アラスカ経営に行き詰った露西亜帝国は、アラスカを、わずか720万ドルでアメリカに売り払ってしまいます。当時はエスキモーと毛皮ハンターしかいない寒冷地でしたから、買った側のアメリカ政府は720万ドル払って、馬鹿でかい冷蔵庫を買ったと非難を浴びることになりますが、その後、油田が発見され、豊富な地下資源の存在に、露西亜は歯噛みすることになります。
ちょうど、今読んでいる「坂の上の雲」の中で、秋山真之がアメリカに軍事研究のため、留学した関連のエピソードで、この話が出てきます。
720万ドルという金額を聞き、ふと浮かんだのが、「もしかして、当時の日本、つまり江戸幕府でも買えたのではないか?」という妄想です。当時の交換レートはかなり無茶な状況にあり、日本側に不利なものでしたが、1両=1ドルまでは行かなかったのではないかと思うので、1両=10ドルとかになれば、アラスカが百万両で買えた可能性があります。いわゆる徳川埋蔵金があれば、明らかに買えた金額です。
「上海退魔行 ~新撰組異聞~」的には、坂本龍馬がアラスカを買ったというネタにいきたいですね。
アメリカ議会が馬鹿でかい冷蔵庫に720万ドル出すのを渋っているうちに、交渉が長引き、1870年になって、坂本龍馬がサッスーン財閥あたりから金を引き出して、これを百万両で買ってしまう。
江戸幕府アラスカ藩・・・というか、アラスカ幕府、いや・・・まあ、名前は後で考えるとして。
上海に亡命していたサムライのうち、会津藩士などが、北の国に活路を見出して開拓団をアラスカに送り込む。手助けをするのは会津藩と付き合いがながく、史実でもアメリカ移民計画を進めたスネル兄弟あたり、五稜郭の函館共和国のノリで、榎本率いる開拓団は、アラスカ共和国とか建国してしまう。アラスカ白虎隊とか、アラスカ新撰組とか出来て、そのうち、石油が出たら、なぜか大金持ちになり、シアトルあたりを買収して・・・いや、これはこれで面白そうだ・・・。架空戦記物が5~6冊書けそうなネタになってしまった。
「アラスカ百万両」と題して、アラスカ売却計画あたりから、連作シナリオにしても面白そうだな。
もう、タイトルだけで、ご飯3杯はいけますよ。
*どこかネジが外れていました。修正しました。
The comments to this entry are closed.
Comments