クトゥルフ:Secret of Japan初見感想
二つの日本:一つは輝かしき現代。技術の粋を集めた鋼とガラスの近代都市。もう一つは堕落した封建制度の暝い迷路。この双方が中国沿岸に程近い、太平洋の火山列島に存在している。
末法の世は来る。仏陀の教えはもはや救ってはくれない。
秋葉原の帰りに打ち合わせたついでに、クトゥルフ神話TRPGのサプリメント「Secret of Japan」と「クトゥルフ・ダークエイジ」を入手、ざっと目を通しました。以下は最初の印象による紹介なので、詳しくは精査した後に。
前者の「Secret of Japan」は、最初に引用した通り、ケイオシアム社が刊行した日本サプリ。執筆者は愛媛の高校で英語を教えていたこともある研究者。ぱらぱらと見た印象では、結構日本のことを知っているのですが、やはり日本人としては色々、微妙な部分が多いですね。サムライ、ゲイシャ、スシが日本じゃないよといいつつ、今度はジャパニメーション的なネタが多い。仏教悪魔狩人とか、バイオ装甲とか、幽霊プロジェクトとか、黒蓮教団とか、色々。幽霊プロジェクトのエージェントの名前が高橋留美子と松本零士なのは苦笑。クトゥルフと名刺を手渡ししあう4コマがあったり、どうも、真面目なクトゥルフ製品っぽくない編集が散見する。
冒頭に、Call of Cthulhu in Anime-Styleという一文があるように、アニメ的に遊びたい要素が強いのかな。
地域サプリとしては頑張ってはいるとは思います。
A4サイズ360Pに、クトゥルフ神話世界の現代日本に関する、色々な情報がかき集められている。与那国島沖の海底遺跡とか、自衛隊の歴史(憲法9条の引用あり)とか、六道輪廻の概念とか、交通、経済、海外の探索者が日本に来た場合のカルチャー・ギャップ、教育制度などなど。
特に仏教のページは六つの世界と仏陀、妖怪を解説している。天狗(上位の独立種族)、狐(シュブ=ニグラスの系列に属する奉仕種族)、河童(水棲の吸血鬼、イグなどに近い)などを解説した後、別に、「妖怪」が上げられ、アザトースの眷属に設定されている。
歴史的な話も多く、織田信長はナイアルラトホテップの化身らしい。
この辺、あとでじっくり読んでから、本格的にレポートしよう。
後者の「クトゥルフ・ダークエイジ」は、ドイツで書かれ、人気を博した中世ヨーロッパでクトゥルフ神話を遊ぶという歴史サプリメントの邦訳。キャラクター作成や戦闘ルールも乗っているので単品でも遊べる。
舞台となるのは、アラビア語から『ネクロノミコン』がギリシア語に翻訳された西暦950年から、焚書になる1050年までという時代。世界観情報もしっかりしており、割と楽しそうである。
*一部手を入れました。
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