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June 25, 2005

ネクサス。それは絆

 あいかわらずアトランティスな日々ですが、今日はネクサスの話をしておかねばいかんでしょう。
 そう、今日、最終回を迎えた「ウルトラマン・ネクサス」です。
 若干、見落としがあるのですが、今日、語っておかないでどうする?という感じなのでちょっと語ります。

 これは傑作ですよ。
 放映は、土曜日の朝730という明らかに子供向けの時間です。前作は実写版「セーラームーン」でした。あれも凄い番組で、色々語りたいことがあるのですが、「ネクサス」も凄いです。
 だいたい、主人公はウルトラマンじゃないってあたりが、もはやイレギュラー。
 第一回では、突然、レスキューから配属を命じられた主人公は、郊外の何もない十字路に呼び出され、黒服、サングラスの男たちによってバンの中に拉致されるように引きずり込まれる。そうして連れ込まれた謎の基地で検査を受け、ナイトレイダーという特殊部隊の隊員に選ばれ、通信機を渡されるが、何をするのかも分からない。事件に巻き込まれて初めて、自分がビースト(怪獣)と戦うことを知る。
  さて、ウルトラマンはビーストと戦う存在ですが、特殊部隊はウルトラマンも、怪獣の一種と見なしていて、戦闘機で攻撃をしかけてしまう。悪のウルトラマンも登場し、よいウルトラマンは何度も負けてしまう。
 性格のきつそうな女副隊長ナギが「あれはビーストよ」とか断言するシーンもあり。
 そのうち、ナイトレイダーに関連する組織、メモリーポリスが、メンタルケアと称して、ビースト(怪獣)に襲われた人の記憶を消して回っているとか怪しいことが明らかになる。命がけで助けた少女が病院から出てきたら、記憶が改ざんされていた。切ないどころか、怖い。
 やがて、自分の恋人も怪獣の関係で犠牲になるのですが・・・・・・ええ、この言い方は正しくないですね。
 もはや恐怖映画の設定ですね。
 実際、狂ったような悲鳴や哄笑が響き渡り、どう考えても、朝730の番組じゃない。
 X-Fileとか、ホラー系が好きならば感涙物かもしれないが、小学生に見せる番組ではないと、結局、放映期間短縮に。

 お話としては、20年ほど前にあった、宇宙からの来訪者との接触がきっかけで、宇宙に存在にする凶悪な闇の存在があることが分かり、それに対抗するために、ナイトレイダースやメモリーポリスがひそかにビーストと戦ういびつな世界が出来上がる。「特撮怪獣番組」のレゾンデートルにとことん挑戦した設定と言えるでしょう。
 最終回までに、特殊な因子を持つウルトラマン変身能力者が次々に倒れながら(どうやら特殊な計画で生み出されたらしい)、光の力を継承していき、ついに最終回直前、最初は「ウルトラマン? あれはビーストだ」とか叫んでいたスパルタン系の女副隊長・ナギが光のバトンを受け取る。
 そして迎えた最終回、部隊の中にいた裏切り者が、仲間の女性隊員を銃で撃ち、闇の手先であることを明らかにする。そうして、わざわざ、基地の地下に封印されている宇宙からの遺物の封印を解く。ナギは怒りで変身するが、それさえも闇の罠であった。彼女の怒りで満たされた光のエネルギーは遺物で闇のパワーに変換され、恐るべき「闇のウルトラマン」を復活させてしまう。
 ここで、主人公が「いろいろあってもへこたれず、まだまだやさしい心」でナギを救い、最後のウルトラマンとなって、「闇のウルトラマン」を倒す。ただし、それは、怪獣のいない平和な世界という幻想の終わりを示すものであり、主人公たちはその後もビーストと戦い続ける。
 「1年後・・・」という1カットがこれほどインパクトを持ったのもひさしぶりだろう。

 色々、エヴァの影が見える瞬間もあるのですが、これはこれで、怪獣との戦いという図式に対して、スタッフが出した究極の答えかもしれない。面白かった。スタッフの皆さん、お疲れ様でした。

PS:現代伝奇物のTRPGならば、ネタは満載ですよ。設定はもはや「パラノイア」か「ダーク・コンスピラシー」。
 『真・女神転生X』でも、「ブルーローズ」でも、そのまま使えそうな話ばかり。

追記(加筆):ごめん。あの恋人のエピソード。見たときは「ひどいなあ」と思いましたが、ほぼ同一の筋立てを『深淵』でマスターした記憶があります。人でなしの度合いは一緒か。

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Tracked on June 27, 2005 09:16 PM

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