深淵:生皮
パキパキと音がした。
廊下には、茶色く平べったい破片が落ちていた。
紙のようだった。古くなった羊皮紙の破片だろうか?
しかし、両手の掌よりも大きなそれには何も書かれていなかった。
昨日は東京深淵CON-シキサイ-。『深淵』ファンの有志が季節ごとに開催してくれているオンリーCONである。今回も遊びにいってきた。例によって、第二版をマスターしてきました。
今回のシナリオ・タイトルは『生皮』。館物のホラーってこととラスBOSSだけ決めて、後は即興型。
キャラクターは、テンプレートからセレクト、運命は1枚ランダム、もう1枚は「運命の幻視」で。
●キャラクター
騎士ハインツ
雷の大公と戦い、沈黙の刻印を課された騎士。片腕が風虎の腕に。死者の声が聞こえる。
後半、追加された運命により、罪人として逃亡中の父を追いかけていることに(運命「親殺しの予言」)。
傭兵レイリア
純心無垢な妹、メリル(8歳)を養うために旅の傭兵を続ける女性。「愛する者に裏切られる」と予言されている。
踊り娘ティオナ
友殺しの予言をされ、幼なじみの少年ルアンを守るため、村を出奔した少女。大いなる運命を持っていると言われている。
吟遊詩人レオン・ランベルク
隣国に滅ぼされたランベルク一族の生き残り。今は吟遊詩人に身を落とし、家柄を示す短剣だけが心の支えである(運命「依存症」。縁故6)。妖精騎士の幻影を目撃し、青龍の星を示された。
●セッション内容:生皮
ティオナとレオンは旅商人の客寄せ代わりの旅芸人。ある時、危険地帯「妖魔の谷」を抜けるため、傭兵レイリアを雇い、おりよく知り合った騎士ハインツにも同道を求めた。谷に入ってから、骸骨の妖魔に襲われたものの、レイリアとハインツの奮戦でこれを撃退する。
一夜の宿を求め、ハインツの父の友人、マイルズ卿の荘園を訪ねるが、すでに無人と化していた。
館を探索していると、そこには古い羊皮紙の断片のような何かが落ちていた。
このあたりで、フラッシュバックのように、奇怪な幻影が見える。
皮をはがれたウサギのような不気味な影。
地下に続く暗い階段。
仮面のような表情の男。
黒い刃の剣。
触れると、手からはがれ落ちる生皮。
不気味な出来事に警戒する人々の前に、10年前に別れたはずの、ティオナの幼なじみルアンがなぜか現れる。
何か不自然な展開に釈然としないティオナ。
やがて、深夜、再び、奇怪な夢に惑わされた一行は、ルアンが消えていることに気づく。廊下には、はがされたばかりの生皮の破片が落ちていた。血まみれの生皮を辿り、台所の床にある隠し扉を開けると、そこには地下への階段があり、下った先には邪悪な魔剣で人の生皮をはいで、その姿を奪う怪物が隠れていた。
怪物はルアンを殺し、ハインツの父親の生皮を被っていた。
怒りのハインツの一撃が、怪物を一刀両断するが、その手から落ちた黒い魔剣は混乱するティオナを魅了し、その手に取らせる。同じく剣に魅了されたレオンがそれを奪い取るも、正しき主ではない吟遊詩人は魔力に耐えられず、その腕から生皮がはがれて落ちる。
激痛に耐えかね、レオンが取り落とした魔剣に向かい、ハインツが渾身の力を込めて、剣を振り下ろした。
翌朝、館を去るレイリアたち。妹メリルが姉に向かって、黒い金属の欠片を差し出す。
魔剣の欠片。
おぞましい記憶に、その破片を投げ捨てるレイリア。
(私は妹を守りきれたのだろうか?)
街につき、他の人々から別れるティオナ。一度は魔剣に魅了された自分を恥じ、新しい生き方を探して旅立つことにしたのだ。
しかし、その掌に時々走る、「チクリ」という痛みは・・・
<END>
●感想
ホラー物としてはまあまあ成功。
戦闘開始前に、夢歩きと影響値攻撃(強度16の恐怖)を繰り返し、PCたちの恐怖を高め、同時に、手札を削ることに成功した。戦闘開始時には、全員の手札が2、3枚に。
手札が削られるのは、プレイヤーとして「怖い」上に、その後、夢歩きをさせられると選択肢が減っている。出したくなかった「怖いカード」を夢歩きに使わざるを得ない。恐怖が加速するのである。
敗因は騎士に「叙事詩に残る一撃」を温存されていたこと。やや弱めの魔族(召喚値60)を用意していたので一撃即死してしまった。あと、運命の絡ませ方がもう少し弱かったかな。ちょっと反省。
次はJGC金曜日深夜に、サードカフェにて、『深淵』イベントの予定。
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