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August 31, 2005

中学生の質問に答えてみる

 高校の後輩から、「小説家の知り合いはいないか?」という問い合わせが来る。
 彼の娘(中1)が夏休みの宿題で、「なりたい職業を考え、その職業の人に質問する」ことになったのだが、なりたい職業が「小説家」だという。せめて、JGC前に言ってくれれば、その辺を歩いているゲストをとっ捕まえて質問を突きつけるのに……。
 しかたないので、私が答えることに。
 このBlogを読んでいる小説家がもし、おられたら、私の代わりに答えてほしいくらい。
 とりあえず、学校の授業のつもりで私が答えます。偉そうだなあと思っても流して下さい。僕のとは違う回答も大歓迎。

●質問内容
1.この仕事を選んだ理由は何ですか?
2.いつ頃、この職業に就きたいと思いましたか?
3.仕事の内容について教えてください。
(もちろん小説を書くのでしょうが、小説を書くためや本にするために、その他にやっている事とかありますか?)
4.小説の内容を考えるのは、何時、どの様なときですか?
5.小説のタイトルなどを考えるのは、いつ頃ですか?
6.締め切りなどでピンチの時は、どうしますか?
7.この仕事で、楽しいことは何ですか?
8.この仕事で、嬉しいことは何ですか?
9.この仕事で、辛いことは何ですか?
10.この仕事で、難しいのはどんなところですか?
11.この仕事をしていて、ふと思うことは何かありますか?
12.小説家になるには、どんな勉強をしたら良いですか?
13.小説家になるには、小説のどんなところを工夫したら良いですか?
14.小説家になるには、まず、何かをしたら良いでしょう?

●こちらの回答
娘さんへ

朱鷺田祐介です。初めまして。
本職はアナログ・ゲームのデザイナーで、雑誌などで記事を書いたり、神話や伝説の本を書いたりしています。
小説も以前、書いたことがあります。
「火龍面舞」
「丘の上の貴婦人」(上)(下)

本業はこっち
『真・女神転生TRPG~魔都東京200X~』
『クトゥルフ神話ガイドブック』

> 1.この仕事を選んだ理由は何ですか?
 好きな物語を自ら発信していたいから。 本を読むのが好きだから。

> 2.いつ頃、この職業に就きたいと思いましたか?
 作家になりたいと思ったのは小学生の頃。
 ゲームデザイナーは・・・いつの間にかなっていた。

> 3.仕事の内容について教えてください。
>   (もちろん小説を書くのでしょうが、小説を書くためや
>   本にするために、その他にやっている事とかありますか?)
 基本的に、原稿のネタを考え、頑張って文章にします。
 私は遅いほうなので、1冊の本に3ヶ月から半年かけます。
 およそ粗筋が思いついたら、一気に書きだし、詰まったら、調べ物をし、前を修正しながら、書き進めます。
 ここはかなり長いですが、詰まったら、うろうろしたり、もっと調べたり。

 仕事以外の普段としては、色々本を読むとか、常に情報に耳をそばだて、興味のあることは色々調べて面白がれるようにする。できる限り、空想をしてみる。

> 4.小説の内容を考えるのは、何時、どの様なときですか?
 何かの拍子でこんな話が、と思いつくことが多い。
 急ぎ、新ネタでと考える時には、外へ出て、喫茶店でノートに落書きしたりします。

> 5.小説のタイトルなどを考えるのは、いつ頃ですか?
 タイトルは書いているうちに割と思いつくほうなので、特にいつ頃ということはありません。
 企画段階でアイデアが出ていることが多いですね。書いている間に変わる場合もありますが、その場合、自分の中での落ち着きを優先します。

> 6.締め切りなどでピンチの時は、どうしますか?
 大変ですが、編集さんに説明して、お時間をいただくことが多いですね。
 納得するまで書かないと、いけないので。

> 7.この仕事で、楽しいことは何ですか?
 書くこと自体が楽しいですし、ネタを考えている時はとても楽しいですね。
 最近、歴史ネタの本やゲームが多いのですが、知らないことを学べるのは実に楽しいですよ。

> 8.この仕事で、嬉しいことは何ですか?
 本が出来た時、そして、面白かったという感想を読んだ時。

> 9.この仕事で、辛いことは何ですか?
 分かってもらえないとき、読者を納得させられなかったとき。
 自分の理想と現実が相容れないとき。
 そう、しばしば企画は修正を余儀なくされるのである。

 あと、収入が安定しないこと。
 本が出て、沢山売れて初めてナンボの商売ですからね。

> 10.この仕事で、難しいのはどんなところですか?
 作品がひとりよがりになりすぎないか?
 それは平凡に落ちていないか?
 何か忘れてはいないか?
 難しいというよりも、自分の表現力と感性、そしてパッションが、不足していないか、いつも不安になる。
 それでも、自ら語り手の位置にいようとすること。

> 11.この仕事をしていて、ふと思うことは何かありますか?
 「堅気の人生じゃねえなあ」とは思いますが、これはこれで楽しいのでよし。

> 12.小説家になるには、どんな勉強をしたら良いですか?
 小説家はなるものではありません。
 たいていの小説家は「なっちゃった」というものです。
 「書きたい」というパッション(熱情)があり、「作品を書いてしまった」という既成事実になったところから、作家が始まる。これはゲームデザイナーも一緒。

 まあ、すでに、パッションがあって、文章が進まないのは、読書が足りないというべきかな。本を読んだり、文字を書いたりするのが自然なようになるべきでしょう。

 小説家やライターにとって、何をやっても勉強です。もちろん、学校の勉強は大事です。中学の国語ぐらいはちゃんとやって、あとは図書館の本を端から読めばいいけれど、スポーツをしても、旅行にいっても、いや、何の体験であっても、それを解釈する気持ちがあれば、勉強になるはずです。

> 13.小説家になるには、小説のどんなところを工夫したら良いですか?
 新人作家は小細工に走らず、自分の求めるイメージをしっかりと描くことです。キャラクターでも、お話上の仕掛けでも、世界観でも、書き手のやりたいことを表現することだけに専心する。文章テクニックはその次です。

> 14.小説家になるには、まず、何かをしたら良いでしょう?
 小説を書きなさい。
 それ以外は必要ありません。
 小説を書き上げたら、あなたは小説家です。
 小説を書かなければ、絶対、小説家にはなれません。
 単純ですが、これが真実です。
 それ以外のことはそれぞれの勝手です。

-------------------------------------
 自分で書いていて心臓がドキドキ、耳が痛いですよ。ゲームデザイナーも一緒。ゲームが出来てなんぼ。
 さあ、仕事に戻ろう。

PS:バンタンの生徒諸君はこの質問の出し方が正しいかどうかを考えてみてほしい。答えやすいかというのもインタビューには重要な技法だ。

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アナサジ族はさすらう

 アナサジ族はひとつの場所には留まらぬ。
 なぜならば、神と約束したから。
 守護者マサウが待つ場所を探さねばならぬ。
 まだ探していない大地がどこかにあるはずだ。

 アトランティス本(仮称)も大詰め、新大陸の古代文明を残すのみなれど、北米の古代文明は意外に知られていないから、説明が大変。カホキアとかコンフェクティとかはミシシッピ河流域のマウンド・ビルダー(墳丘祭殿を作った種族)だからいいが、放浪癖の強い上に、都市化と自然への回帰を繰り返すアナサジ族(ホピ族やプエブロ族の祖先)の文明をどう説明していいやら。その上、そんな民族がカニ星雲の爆発とかハレー彗星の岩絵を残すのですよ。これも面白い。
 まあ、もう一息。明日中に南米まで行くぞ。

海法紀光「我が竜を見よ 外伝 秋葉原竜戦記」
秋葉原を零下150度の精霊災害が襲うという燃えシチュエーション。
むむ、これは『真・女神転生X』のネタ・・・いや、原作物?
面白かったですよ。

「エマ」(6)
ダークな表紙が怖いですよ。最悪の事態発生! 7巻が待ち遠しいです。

「宗像教授異考録」(1)
あの宗像教授復活。いいですねえ。
「イタコと土偶」「百足と龍」「聖徳太子とキリスト」「仏陀の高弟と鶏」
ネタの処理がうまい! 特に第三話は「ブルーローズ」ネタにそのまま使えるなあ。

さて、もうひと仕事。

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August 29, 2005

Shadowrun4thを頼んでしまった

 アトランティス本の仕上げでどたばた。『謎の地底王国アガルタ:ヒトラーも熱中させたブリル・パワーとは何か?』を読みながら、ナチス、崑崙とシャンバラのインターネットの調査中に、シャドウラン第四版が、Amazonで入手できることが分かったので、思わず発注してしまう。横にエントリーを置いておきます。

 JGCの生き返りで、『ストレイ・ドッグ』と『ロサ・カニーナ』を読了。ごきげんよう。
 次はJGC会場で海法さん自ら販売していた『秋葉原龍戦記』か?
 マジックの次期シリーズの小説版『Ravnica』(ギルドの都ラヴニカ)がAmazonから到着。読む暇あるのか?

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一部トラックバック制限

 今朝、アップした「JGC日記」に対して、無関係なサイトからのトラックバックが行われ、夕方に削除しましたが、また、繰り返されたため、当該メッセージへのトラックバック受付を停止しました。
 この状況が続く場合、サイト全体のトラックバック制限をするかもしれません。

 おそらくキーワードを自動的に拾うロボットか何かに引っかかったのかと思いますが、こうした処理をせねばならない状況は寂しいものですね。

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クトゥルフ神話サプリ:比叡山炎上

あれは見逃すことは出来ぬ。
焼き払え。
叡山の堂宇三千、僧俗四千をすべて灰塵と化してもこの世から滅ぼすのだ。


 JGC日記でも報告したとおり、クトゥルフ神話TRPGのサプリメントを製作することになりました。
 「クトゥルフ・ダークエイジ」に対抗して、16世紀末、戦国末期、織田信長時代を舞台にしたクトゥルフ神話事件を扱いつつ、戦国妖魔綺譚としても遊べるようにデザインする予定。

 タイトルは「比叡山炎上」
 信長を魔王と呼ばせた事件はなぜ起こったのか?
 日本版「クトゥルフ・ダークエイジ」を目指して製作開始。来年春発売予定。

 エンターブレインから刊行された後、米国ケイオシアム社より翻訳刊行の予定。
 英語仮タイトルは「Burning the Mountain」の予定。ケイオシアムではニンジャ・クトゥルフと呼ばれているそうですが、山田風太郎風味に加えて、隆慶一郎成分とか、朝松健成分とか色々入れる予定。
 死人(しびと)化したサムライやニンジャの正気度がどれほど低下しているかが目下の検討課題。

 『ネクロノミコン』も、イラン高原、インド経由で中国語訳された仏典に混じって流入させようかと。
 また、和寇がポナペ島周辺で拾い上げた謎の彫像とか。

 しばらく、このBlogでも色々ネタを準備していきたいと思います。ではでは。

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JGC日記

 JGC2005に行ってきました。簡単なレポートを。

*26日 会場入り。 
 4時前に現地入り。今年もまた娘同伴である。
 サードカフェに、挨拶に行き、TRPGサプリ6号を受け取る。
 今回のテーマは帝国。『深淵』ではレディアスが魔族帝国の夢に踏み込む。
 「上海退魔行 ~新撰組異聞~」はページの関係でワールドガイドを。

*『真・女神転生X』第一回
 19時からは『真・女神転生X』。
 当初、『金剛神界』ネタも準備していったのであるが、今回のJGCでは、『真・女神転生X』初体験というプレイヤーさんが多かったので、テクニカルなシナリオを避け、YS-CONで使用した『50ギガワットの夢』に変更。サンプル・キャラクターで、つくばエクスプレス建設現場に起こった大量漏電事件を解決するという話である。
 つくばエクスプレス開通半月前、地下変電施設で大量の漏電が発生、東京電力が調査に行くと、ダークゾーンがあり、「空飛ぶ生首」と「毒ひっかきをする人型の怪物」に襲われるという話。シナリオの想定期日がコミケ直前というのは秘密。
 依頼人は東京電力としたため、お約束のネタが。

依頼人「東京電力ですが」
PC「電気料金はちょっと待って下さい!」

 PCが調査を進めると、その背後に旧ソ連の超常現象研究所で開発されたプラズマ式異次元ゲート発生装置と謎のロシア人科学者「ドクター・スリル」の存在が明らかになってくる。スリルが召喚するであろう堕天使ガギソン(15L)は強敵であるから、何とか弱体化させないと勝ち目がない。そこでコネを回って戦闘準備開始。
 1回目のセッションでは、結局、ジャックフロストがガイア教団のマスター・アンドラスから、スーパーDX「ガイアの王笏」なるやばげなアイテム(「ランダマイザー」3発分)を借りてきて、何とか勝利。
 23時過ぎに終了。

*ミニ深淵CON
 24時30分から、松の間の1角を借りて、ミニ深淵CON。
 京都深淵CONの在胡さん、東京深淵CON~シキサイ~の印南さん、旧東京深淵CON新世紀の神山さんにGMのご協力をいただき、4卓成立。マスター陣も来てくださったプレイヤーの皆さんもありがとうございました。
 私は『深淵第二版』で即興型をマスター。

*不死の王とスミレの森
 北の森にあるとされる、『不死の王』の城を目指す旅。その背後にある『菫の公女フェレス』の聖域へ向かう「白馬を連れた娘」。故郷を滅ぼされ、『不死の王』の力を欲する吟遊詩人、不義の子でありながら、病身の父を救うため、『不死の王』への復讐を企てる少年、そして、禁じられた知識を求めたがゆえに、不和の侯爵サードナから「苦痛の刻印」を与えられた原蛇の魔道師。
 ついに、出会った『不死の王』は、かつて、学院を出奔した黒剣の魔道師で、原蛇の魔道師の旧友であり、少年にとって真の父であった。『不死の王』の言葉に翻弄される人々であったが、『不死の王』はその魔力の源たる宝玉を割られて、死の魔力に滅ぼされていく。
 城壁は崩れ、スミレの咲き乱れるフェレスの森の聖域への道が開かれる。
 癒しの森。
 ためらいもなく聖域へと去っていく白馬と娘。彼女の心の傷はこの森が癒すだろう。
 魔族との戦いの定めから逃れることが出来ぬまま、フェレスとの戦いに進む少年と、それを見守る決意をした詩人は、フェレスの幻影が織り成す森の迷宮に飲み込まれてしまう。
 旧友の死を目撃した魔道師は、さらなる叡智を求め、聖域を後にした。

(終了朝5時)

*27日昼  『真・女神転生X』第二回 1100~1600
昨日に続き、『50ギガワットの夢』。

「つくばエクスプレスが無事開通するかどうかは君たちの肩にかかっている!」
というと、やたら盛り上がる。
 2日目ということで、マスターもプレイヤーもハイテンションでセッションはかなり暴走。
 「運命の少年」の背景設定が「奇妙な趣味:漫画」となり、シナリオ開始想定期日を8月10日、解決の期限を3日以内としたことから、「早めに片付けて、有明に突撃だ!」という話に。私立探偵率いる駆け出しの退魔師グループはいつの間にか秋葉原を徘徊するオタク集団に。
 ドクター・スリルの相棒「パンツをはいたチンパンジー」が深夜秋葉原を徘徊。
 ルイ・サイファーからディスポイズンをせしめようとして、秋葉原のメイド喫茶に呼び出され、チョコパフェ勝負。
 オタク少年化したサマナーが太上老君から説教されたりしつつも、結局、星の智慧協会のナイ神父から、「不気味で歪んだ箱」(ランダマイザー内蔵、ただし使用者は効果に等しいDARK属性を得る。暴走しやすい)を借り出し、変電所に突入。ガギソンを無力化して戦いを有利に運ぶが、「箱」が暴走し、大騒ぎになりかけたり。
 結局、ピクシーの応援効果を「萌えパワー」と称するストリート・ファイターを前衛にガギソンを撃破。
 何とか1日で解決したPCたちはボーナスをせしめて、新たな戦場、有明へ。
 大爆笑でした。

*ちょっと一休み
16時終了。3連続セッションでぐったり。部屋に戻ってガンダムSEEDデスティニーを見たら、そのままダウン。
次のイベントは深夜なので、一休み。

*コール・オブ・クトゥルフ・トークショウ
 武田さん、牧山さん、坂東さんらとともに、「コール・オブ・クトゥルフ・トークショウ」と称する、新企画発表会。
 まずは伝説の企画「クトゥルフと帝国」の復活宣言。年末発売で、1920~30年代の日本を舞台にした冒険ができるようになります。
 もう一つが私の製作するクトゥルフ神話TRPGサプリメント。戦国末期、織田信長時代の日本を舞台に、クトゥルフ神話の探索が始まる。

 タイトルは「比叡山炎上」

 信長を魔王と呼ばせた事件はなぜ起こったのか? 日本版「クトゥルフ・ダークエイジ」を目指して製作開始。来年春発売予定。

 これらはいずれもエンターブレインから刊行された後、米国ケイオシアム社より翻訳刊行の予定。
 このあと、アークライトの宮野さんが持ってきたアメリカのクトゥルフ神話自主映画を見て解散。

*28日  『真・女神転生X』3回目
 今回も『真・女神転生X』未経験者が半分だったが、キャラクター作成からという要望が強かったので、今回は7レベルキャラクターを作成して、『50ギガワットの夢』に挑戦。
 2レベル上昇させたので、ガギソン弱体化アイテムはPCが頑張らないと与えない方向でいたら、頼らずに、突入。ガギソンがマハジオを連発するが、アウトサイダーが変身したアズミのメディアで対抗、その間に候補者=拳士が気合い=ヤマオロシ・コンボでダメージを稼ぎ、拳士=格闘家のスープレックスがガギソンの行動を削き、探偵サマナーがこれをフォローしつつ、銃を撃つという連繋を発揮する。
 しかし、7レベルPCに、15レベルBOSSのガギソンは強敵。BOSSのHP残り108点を残して前衛陣の命運とMP、回復魔法が枯渇。次のマハジオが来たら、全滅というところで、マスターの出目が2連続で外れ。こうして稼いだ1ターンで、何とか70点を削り、剣士のクリティカルで決着。やったぜ。

*新らしい波が来る
 閉会式後の打ち上げでは、色々、懐かしい顔と会えた一方で、今年デビューしますというデザイナーたちにもご挨拶いただきました。
 グループSNEに入り、北沢慶氏らと新作を開発中という力造君。ここ2~3年、関西のゲーム・メーカーを手伝いながら、イベントごとにお会いしていましたが、ついにグループSNEで新作に関わることに。おめでとう。
 FEARのゲーム賞に入賞し、Role & Rollの「カオスフレア」でデビューするという小太刀右京君。おめでとう。『真・女神転生X』や『真女神転生Nocturne TRPG~東京受胎~』でバリバリ遊んでくれているとのこと。ありがとう!
 新しい人々が新しいゲームを作る。とても楽しみであるよ。

*娘の話
 今年も娘を同伴しましたが、多くの皆さんに遊んでいただいたそうで、ありがとうございます。
 特に、富士見書房、ボードゲーム・キングダム、エポック社のボードゲーム、カードゲーム・エリア、四畳半半ダンジョン作成企画、そしてアトリエサードのカフェには入り浸っていたようで、お世話をかけました。
 『フォーチュンクエストRPG』では、パステル役を楽しく遊ばせもらったようです。ありがとうございました。
 最近リプレイを読んで、お目当てにしていたソードワールドRPGは3日とも抽選漏れでしたが、知人がフリープレイの『迷宮キングダム』卓に誘ってくれたようで、マスターの感想は「朱鷺田さんの娘だねえ。プレイスタイルが似ている」。むむむ。親として喜んでいいやら、悲しんでいいやら。
 HTTの『ドラゴンを倒せ!』に参加、ダイス150個で1000ちょいとか、うむ、ちと目が弱くないか、娘よ。
 非常にハイテンションで楽しかったそうです。皆さん、ありがとうございました。

*かくしてJGCは終わり……
 激動の3日間は終わりました。
 参加者の皆さんは楽しかったですか? 私は楽しかったです。
 また、来年もJGC2006でお会いしましょう。

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August 28, 2005

JGCより帰還

JGCより戻りました。へろへろですので、詳細な報告は明日以降ということで。
『真・女神転生X』を3回、『深淵第二版』を1回マスターし、『コール・オブ・クトゥルフ』のトークショウに出席。
さまざまなユーザーさん、クリエーターさん、メーカーさんと話せて面白かったですよ。

月曜日以降に詳しく報告するということにしますが、JGCで公開した情報を簡単に。
・『真・女神転生X』関連はサプリメント『金剛神界』製作中。西上君のリプレイも進行中。
・来年春目標で、クトゥルフ神話TRPGサプリメント製作開始。詳細は明日!

ではでは。

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August 26, 2005

JGC当日!

 台風一過。よし。JGC当日である。昨夜遅くまで『真・女神転生X』の追加スキルなんぞ作ってました割には、夜型シフト完了せず。眠い。行きの電車でもー1回睡眠か。いや、シナリオの見直しを。
 では、皆様、横浜プリンスでお会いしましょう。 次の更新は多分月曜日の予定。

 某本の原稿は超古代中国でスタック中。シャンバラとか、崑崙は簡単なのですが、考古学上の中国古代は、ガンガン拡張中なので、困る。紀元前5000年の玉器とか、渾沌像とか。長江文明の河姆渡遺跡あたりはまあいいんですが、氷河期の農村遺跡とかどうしようかね。

 原稿の傍ら、大石英司『朝鮮半島を隔離せよ』を読む。
 北朝鮮でロシアから流入した生物兵器『天然痘改:通称RAT3』が漏出、日中が封じ込め作戦を展開するという話。日本からの対策チームの護衛のため、習志野第一空挺団所属の特殊部隊サイレント・コアも護衛として日本海を渡ることに。
 サイレント・コアというのは、何度か中断しているシリーズで、主要キャラクターの何人かは一度退役、もしくは、戦死しているのですが、世界状況の変化で復活、今は土門・司馬の小隊長コンビ&音無隊長を中心に大石ワールドの最終ギミック化していてちょっと寂しい感じである。前のシリーズでは、毎回、ゲスト的な新隊員がいて、この活躍と成長(そして覚悟の死)がいいドラマになっていたのですが、この話では覚悟とか成長がなくて寂しいですねえ。『アメリカ封鎖』のオタク少年あたりからかな。

 しかし、サイレント・コアを読むと、ガンドッグがやりたくなる。しかたないので、リプレイ『ストレイ・ドッグ』を読み出してしまう。第一話『ビトレイアー』。レイジのコネ、元妻がよし。

 『いばらの森』読了。『ロサ・カーニア』へ。ごきげんよう。

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August 25, 2005

日々雑記:JGCカウントダウン

 水曜日はアークライトで打ち合わせ。
 『真・女神転生X』のあれとか、JGCのイベントとか、あれとかの話をする。『金剛神界』のスケジュールとか、もう大変である。
 ついでに、宮野さんにGenconで頼んでおいたBlueRoseを受け取る。ロマンチック・ファンタジーRPGとのこと。でもD20系であるな。タロットで運命を決めるようだが、ゲーム・ギミックまでは持ち込んでいないような。あとでゆるゆると読もう。
 さらに、TORGの復刻版を見せてもらう。おー、変わってねえ。
 「ポッシビリティ・ウォーズは終わっていない!」のキャッチ。サーコルドやランド・ビロウもあるらしい。
 書籍型なので、ドラマ・デックはどうするんじゃい?と思ったら、マスターシステムのを流用せよとか。
 ああ、シャドウラン第四版を頼むのを忘れていた。Amazonで頼むか……。

 アトランティス本の打ち合わせも。
 中国の超古代伝説というと、長江文明にシャンバラに崑崙とか。「秦の始皇帝は最近の話なので省略します」とか、ヤバイ発言をしている。「紀元前10世紀以降は近代だよな」とか、年代感覚が壊れ始めてますよ。

「そう言えば、紀元前~~年と、~~年前が混じってますから統一して下さい」
と担当さん。
 混じる、混じる。
 これは実は別のもので、専門書でも混じる場合がある。
 「紀元前~~年」は古文書などでおよその年号が分かるものの書き方。これは歴史的な事実との照合を取る場合に便利である。
 「~~年前」はC14や地層検討などの年代測定方法で現在からの時間的な距離が測定された場合の書き方で、年号とは一致しない。化学的年代測定ならば、誤差~~年が加わる場合もある。
 これの書き分けの結果だが、やはり気持ち悪い。
 考古学でも、混乱を招くので、「BC(Before Christ)」ではなく、「BP(Before Presence)」を使おうという話もあるが、これの基準点は1950年だったりするので、キリスト誕生が2005年前ではなく、1950年前になってしまい、気持ち悪い。

 今日の作業予定。JGC準備、アトランティス本、雑誌記事ひとつ。
 外出予定もあるのに台風接近中で外は土砂降りである。そんな中、義妹と甥、姪が訪ねてくる。甥っ子は東京に出てきたいようだ。

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イベント予定

JGC前日となりましたので、JGCの予定と近々のイベント予定を。

●8月26-28日  JGC2005

26日夜 19時~24時
『真・女神転生TRPG~魔都東京200X~』(JIVEスペース)
『真・女神転生X』は、西上と私で2卓ずつ3回開催します。直前のチケット配布に回って下さい。
私は『金剛神界』向けのテストルールを一部使用します。状況次第で高レベルプレイになるかも。
金曜日夜は5F。

同深夜 
『深淵第二版』GM (サード・カフェ)
「深淵」で複数スペースを取り、ミニ深淵CONという感じで。
深淵CON系のベテランマスター陣に協力をお願いしました。
私は第二版ルールで、即興シナリオを回す予定です。

27日昼 11時~16時
『真・女神転生TRPG~魔都東京200X~』(JIVEスペース)
土曜日は松の間です。グランペールさんとTCG、サードカフェの隣。

同深夜24時から26時
「コール・オブ・クトゥルフ」トークショー
私のほかに、牧山さん、坂東さんなどが出演予定。クトゥルフの今後の展開とか、色々なネタとか。
司会は武田さんと宮野さん。ほんとうに26時で終わるかどうかは……。

28日 11時~16時
『真・女神転生TRPG~魔都東京200X~』(JIVEスペース)
日曜日はまた5階で。

●9月以降の予定
9月11日    王子で行われるコンベンションに出席予定。詳細はまた近々。

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August 24, 2005

日々雑記:あと2日

 JGCまでのカウントダウン状態。原稿も同様なのでドキドキ。あっちこっちと電話したりしなかったり。原稿に行き詰って、積読本を漁ったりする。
 アマゾンのモホス大平原に残された第五の大河文明の話を調査中。ルーズベルト大統領の孫娘がなぜかアマゾン考古学の重鎮だったことが判明。面白いのお。

 思い余って、本屋に行く。つつじヶ丘駅前の書原はユニークな品揃えでよろしい。
 『ユリイカ』「雑誌の黄金時代」と称して、ライター陣の雑誌思い出話を詰め込んでいる。ジャンク雑誌の総解説記事が割りと面白い。OUTとか、ふゅーじょんぷろだくつとか、Quick Japonとか、自販機売りのエロ本とか、懐かしいんだか、下品なんだか。総解説の締めがユリイカなのはお約束ってことで。そして、その脇にある増刊号は『オタクVSサブカル』。なんか微妙に、若い頃の思い出話をされているよーで困りますよ。

 ガンガンコミック赤人義一『屍姫(1)』。死体から作られたゾンビ・バーサーカー、不死身の屍姫である女子高生が、イングラム片手にゾンビ退治をするアクションもの。セーラー服のまんま、手足が飛ぶような戦闘をする。

 大石英司『ダーティ・ボマー』読了。アメリカに対する同時多発核テロは、イギリスにも波及、日本にもダーティ・ボム(核汚染を目的とした通常爆弾)が持ち込まれる。相変わらずのザッピング手法が手馴れた感じで心地よい。対原発テロ用の陸自空挺の特殊部隊サイレントコアの活躍が少ないのは都市テロゆえの弱点か。パラダイス・ケーブ周辺の航空戦はちーっと安易過ぎないかね? 個人的には、犠牲多すぎ。

 架神恭介氏より、辰巳一世氏との共著『完全パンク・マニュアル:はじめてのセックス・ピストルズ』をいただく。ファッション・パンクから脱し、真のパンクロッカーになるための教本という大笑い本。

 椎出啓『親子丼』(同人誌の文庫ショートショート集)読了。会話のみで成立したラブコメ。漫画原作を読んでいるような軽妙さ。記号だけで人は泣けるのであろう。

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August 23, 2005

シャドウラン4版

 シャドウラン第四版の情報が少しずつ出ているようですね。◆公式サイト。
 Gencon発売のはず。JGCの時にでもショップをのぞこう。
 とりあえず、サンプル・キャラクター、母国語がArabicって、アラビア系の女エルフの武器スペシャリストかい!
 サンプルその2、コンバットメイジ。エルフかい!
 あと、キャラクター・シート。ふむふむ。ダメージ表記が変わっている。こう来たか。

 色々執筆中。雑用多数。学校の再開も近いので、授業計画とか夏前の課題の整理とかもせねば。
 宇宙考古学の話に加筆していたら、いつの間にかエシュロンな話になっていて、カットする。いいか、超古代文明だぞ、オレ。しかし、リアルな通信傍受網エシュロンはなぜかスルーされてしまっているなあ。

 そして、なぜか「いばらの森」に迷い込む日々。ごきげんよう……。

***サンプル・キャラクターが増えていたので、加筆

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August 22, 2005

週末はJGC

 今週金曜日からはもうJGC2005。おかげで週末は色々あったりなかったり。
 西上邸を訪れ、『金剛神界』の打ち合わせと称してゲーム。なぜか「クトゥルフ・ダークエイジ」を。あれ・・・。まあいいや。ほら、JGCでクトゥルフのトークもあるから。
 『金剛神界』は追加ルールの原案策定中。サマナーとか、格闘技とか、オカルト分の補充は、ゲーム処理が重くならず、的を外さずというのがやや大変。割とアウトサイダーは遊べそうである。

 西上邸からの帰りに、猫氏と種デス談義。反射衛星砲の件はさておき、アスラン=クワトロの構図が成立しなかったのが、やはり『若さゆえのあやまち』か。どちらかと言えば、キラとラクスには初代コーディネーターと星クジラを追いかけて、木星に旅立ってほしかったね。いずれにせよ、種デスの特色は微妙に政治を語る瞬間の陳腐さとリアリティのぶれではないかと思う。そこが作品として、ぶれを吸収できる何かが失われたために分かりにくくなっている。
 『星界の紋章』の世界観が分かりやすいのは、アーブが純粋な宇宙民族で、地面(惑星)に興味を持たないからだ。それゆえに『君臨すれど、統治せず』という立ち位置が成立した。

 エンターテイメントの世界で政治話をするならば、ロボットアニメよりも、近未来軍事シミュレーション小説のほうが的を得ているときがある。個人的には、大石英司さんの「サイレント・コア」ものがよいかと思う。
 90年代後半に書かれたアジア騒乱ネタのものはいずれも時期物の要素があるものの、現代日本の自衛隊特殊部隊がアジア戦線に参入する現代軍事アクションというもので、非常に面白かった。
 ガンドッグ好きは読め! ・・・というか、そのまんまシナリオネタにできますな。
 ここ2~3年、アメリカ封鎖から始まるアメリカ壊滅シリーズが続いていたが、南鳥島を爆破して、日本の領海を狭める陰謀と戦う話とか面白そうである。
 アマゾンで確認したら、間もなくハワイで戦艦ミズーリを強奪する話が上下巻で8/26に出るそうな。JGCの往復のお供になりそうだな。司馬さんのヴァンダミング・アクションで沈黙の戦艦ですか!
 とりあえず、横には『アジア覇権戦争<1>』へのエントリーを置いておきますよ。

 『ビートのディシプリン SIDE4』読了。これにて完結。
 舞台を中東に移し、ビートのカーメン探索は続く。ヴァルプルギスだの、アルケスティスだの、《枢軸(アクシズ)》の大物が登場、フォルテッシモとの対決が迫る。そして、物語は終わったどころか、新たな物語の序章が提示されてしまう。『ヴァルプルギスの後悔』へ。

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August 20, 2005

アトランティス→タナトス6→告知

 金曜日の日記。アトランティス本の関係で、夕方まで唸った後、アトリエサードの新事務所兼イベントスペース「タナトス6」のオープン・パーティに顔を出す。ハウスウォーミングパーティというべきか。新しい家を暖めるという。
 鈴木銀一郎先生と世間話したり、某社の人と企画の話をしたり、締め切りをつつかれたり。
 いい加減酒が回ったあたりで、鈴木一也大司教とアトランティスを語り合う。ハンコック、許すまじという点では一致する。なぜか神話論やらオカルト話へ飛ぶのだが、オカルト系の話をするとやっぱり鈴木大司教はすごい。
 そして話はなぜか萩尾望都。二人の共通見解は
「萩尾望都を読まずに少女漫画を語るべからず」
 でも、僕は「レッド・スター」が一番好きなミーハーですよ。

 えー、そんな訳で告知をひとつ。
 アトリエサードの「TRPGサプリ6号」がJGC2005合わせで発売。
 私も「深淵」と「上海退魔行 ~新撰組異聞~」の記事を書いてますので、よろしく。

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August 19, 2005

銀河の中心に

銀河の中心に棒状構造体発見! →

 こういうネタは割と燃えます。衝突する銀河……という訳ではないのですが、何かありそうだし。
 古代史とのバトル継続中、『ブルーローズ』を書いていた2001年から4年間、色々進展があり、これもまた大変。色々戦いつつも、JGC前に色々ネタの仕込みを。

 9月中旬発売のR&Rには、また西上君の『真・女神転生X』記事が載ります。追加クラスとスキル、スポット、ルール、FAQ、正誤表です。お楽しみに。JGC2005の『真・女神転生X』セッションは金曜日夜と土日の昼間、夜の僕の卓では『金剛神界』ネタをやりたいなと。
 土曜日夜にはクトゥルフ関係のトークショーがあるので、そちらのネタも準備中。Genconで渡米中の宮野さんに、デルタ・グリーン(クトゥルフ神話ベースの陰謀史観系軍事アクションRPG)を頼んでみたり。
 そんなことをしていると、田中宇氏のHPでアルカイダ陰謀説が……。『ブルーローズ』の時から、そういう感じはあったのですが、外電分析の専門家からこのネタが出てくると。
 資料本探しに行った図書館で、探していたのに見つからなかった大石英司『合衆国封鎖(下)』を発見、読了。
 ロシアの細菌兵器がアメリカを襲い、アメリカ封鎖が行われるという近未来シミュレーション小説。罹患者の乗った飛行機を撃墜するとか、テロリストの関係者が911で死亡したとか、色々リアル。2002年5月刊ということを考えると、衝撃的なものであるよ。続編も探すことに。

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August 17, 2005

日々雑記:ヴォストーク調査ほか

西暦2000年、各国の科学者が協力して南極ヴォストーク基地の地下3623mまで、氷床コアを採掘した。これにより42万年分の気象データが得られた。氷床の下に封じられた古代の湖を汚染しないため、掘削は湖の手前120mで止められた。  『古代文明と気候大変動』

 とりあえず生存報告。
 アトランティス本もオーパーツが終わり、最終章である「最新学説による超古代文明仮説」の章を執筆中、縄文文化とかマンモス・ステップとか、環境考古学の話を。とりあえず、ウェザーファクターとか、環境ポンプとか、縄文ネットワークとか、アガシー湖決壊とか。
 どこが超古代やねん。

 でも、これはこれで燃えるんですよ。

 紀元前5600年、黒海形成時のマルマラ海決壊の際は、黒海沿岸すべてで、毎日15センチずつ水位が上昇し、淡水だったエウクセイノス湖(原・黒海)が汽水に変わり、2年で150m水位が上昇したという。それは怖い。
 そこで、湖岸から逃げる人々がメソポタミアに逃げるのですが、その経路がアララテ山
 面白いねえ。

 冒頭の話は今年翻訳されたブライアン・フェイガンの『古代文明と気候大変動』からの話。
 ヴォストーク基地地下に封じられた古代湖の話は『ブルーローズ』の頃から注目しており、『クトゥルフ神話ガイドブック』の頃にも書いたが、直前まで掘削調査をしていたのか。汚染を避けるため、120m手前で掘削中止というのが色々感じるものであるよ。そのまま突き抜けたいという衝動をよくぞ抑えた。

 ギリシア航空墜落。被害者の方々のご冥福をお祈りいたします。
 全員の遺体が芯まで凍りついていたと聞いた瞬間、不謹慎ながら、『風に乗りて歩く者』を思い出してしまった。我ながら、業が深いものよなあ。

 宮城県沖地震。横長のストロークはかなり危険を感じました。何しろ5畳の仕事場は今、本の山なので。
 夕刊に報じられたプール天井落下の写真はかなりの恐怖である。

 学校の卒業生から、イベント出席の打診が来る。9月11日。詳細はいずれ。

 アトランティス本が終わっても、JGCまでの準備作業が色々ある。田口先生の魔族のイラストが最高。これも後ほど。じたばたじたばた。

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August 16, 2005

オーパーツ大全

 太古の地球に未知の宇宙人が来訪したという仮説を唱えたのはデニケンが初めてではない。1940~1950年代にはすでにハワード・ラヴクラフトやクラーク・ダールトンなどのSF作家が、太古の地球を訪れた異星人についての作品を発表しているのである。
 -----------『オーパーツ大全 失われた文明の遺産』クラウス・ドナ&ラインハルト・ハベック (学研)

 生存報告代わりに、今日の『思わず目が点になった文章』。
 2001年に、ウィーンを皮切りにドイツやスイスで、全世界のオーパーツを集めて開催された『未解明の謎』展の主催者コンビ(オーストリア人)が送るオーパーツ紹介の最新本。2004年に出たものが最近翻訳で出たばかりなので、色々最新情報が加わっていてありがたいやら、絶叫するやら。例のカブレラ・ストーンの持ち主が病死していたり、中国版『ピリ・レイスの地図』が発見されていたり。
 冒頭の一文は、古代文明と宇宙人来訪の話の一文である。クラーク・ダールトンはドイツ発の長編スペースオペラ・シリーズ『宇宙英雄ペリー・ローダン』(1500巻以上、邦訳も200巻以上あるはず)の仕掛け人で知られるドイツSF界の長老であるが、それと並んでラヴクラフトの名前が挙がるとは!
 ちなみにラヴクラフトは30年代半ばに病死しているので、40~50年代というのはドイツ語への翻訳時期から勘違いされたのであろうが、ここで、ラヴクラフトこそ古代文明=宇宙人起源説の提唱者だとか書かれていたら、どうしようかと焦りましたよ。

 ……てな調子で後から後からわいてくる超古代文明資料の前でじたばたしてます。

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August 14, 2005

黒智朱誅龍経

 では、一つ頼まれてはくれぬか?
 この先に、セイケイ寺なる叡山の末寺がある。そこの僧都殿にこの箱の中身を回向して欲しいのだ。

 今日はSさんが上京してきたので、約束の『クトゥルフ・ダークエイジ』改を。先日の黒い羊ネタ以来、頭を離れなかった『超訳・般若心経』に、『黒い仏』ネタを混ぜ、Secret of Japanのモンスター・データも足して、16世紀戦国ヴァージョンに。山中の怪しい寺院、誅智山星慧寺に迷い込んだ三河武士が、黒い密教僧と狐僧都の密儀に巻き込まれるというもの。
 GMはえんえん(リズムの異様な)般若心経を唱えるとか、怪しげな寺と唐天竺の由来の話をえんえんするとか、微妙に京極めいたネタ振りをしてました。
 玉手箱の中から黒智朱誅龍経と一緒に、蛸とも龍とも猩猩とも言えぬ触手と羽根を持った生き物の干物が出てきたり、700年ばかり前の胡国(ペルシア)で書かれた、虫の声の名前を持つ予言書の話(かなり嘘)を無理矢理聞かされたり・・・。
 ふふふ、楽しゅうございました。

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August 13, 2005

黒い羊

 黒い羊の姿をした異形の神々の声があっちからもこっちからも聞こえ、綾成す波の間に間にもそれは溢れ、波間に漂う僧に次々と行方をさして教えるのであった。
 それをほとけ草がだらりと垂れ下がるような岩場の上で着衣をひるがえして倣岸な老女が嘲り笑いその声は虚空にこだまする。

 
 生存報告代わりに、最近、クトゥルフ的だと思った一文を。
 建築家・渡辺豊和がイメージと都市計画からアトランティスを追いかける「発光するアトランティス 失われた文明の呼び声」より、般若心経の末尾、ギャーテイギャーテイハラギャーテイ・・・の部分(おや文字が出ないなあ)を、仏典解釈の先入観無しに、文字だけで考えて、超訳した文である。空海の設定した四国霊場88ヶ所はアトランティスパターンに通じるスーパーグラフィックであるってな話の中で出てくるのですが、本文の論旨より、こちらの情景のほうが素晴らしい。
 黒い羊というと、シュブ=ニグラス的ではあるが、どちらかといえば、ニャルラトホテップ様やも。

 アトランティス本の仕上げで奔走。微妙に資料が足りないので昨日は図書館行脚。
 今日はSさんが上京してくるのでゲーム。
 娘は昨日、有明巡礼を実行。後輩を誘ったら、後輩のひとりは家族に「そんな場所にいったら、さらわれる」と言われて断念したそうな。そのご家族の良識に脱帽。
 「黄薔薇革命」中、ごきげんよう。

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August 10, 2005

チャーチワードの死

 アトランティス編終了、ついでに、ムー編も終了。19世紀から20世紀のトンデモ超古代文明仮説を全速力で駆け抜けた気分である。もう少しだ。
 終わり次第、『真・女神転生TRPG~魔都東京200X~』のサプリメント、『金剛神界』と秘密企画に取り掛からねば。どちらもJGCお披露目である。色々大変。

 ムー大陸編の関係でチャーチワードの身辺調査をする。
 ジェームズ・チャーチワードは1851年生まれ、1936年没。
 肩書きは「作家、技術者、釣り人、茶農園主」。
 自称英国陸軍退役大佐。通称コロネル(大佐)。
 あるときはスリランカのプランテーション農場の経営者、あるときは、金属関係の製造特許を多数持つニューヨーク在住の技術者、あるときは大物釣りをこよなく愛する釣り人。
 そして、『失われたムー大陸』(1926年)を書いたのはなんと75歳の時である。
 80歳を越えてから続編3作を書いたほか、アメリカ心霊調査会を組織して、超古代文明に関する講演を繰り返し、1936年1月4日、ロサンゼルスでの公演中に倒れて、そのまま帰らぬ人となった。享年84歳。ニューヨーク郊外の墓にはムー帝国の紋章が刻まれている。(墓の写真
 妙に泣ける話だ。
 『失われたムー大陸』の話には色々うさんくさい部分があるし、生臭い部分も色々あって、チャーチワードを評価するには色々問題があるが、彼の死に方だけは、どうも涙腺を刺激する。コロネル(大佐)という愛称を持った老研究家が、手書きのイラストを片手に、エジプト論を語りながら、ロサンゼルスに死す。
 いいじゃないか、こういう生き方も。

***チャーチワードの関連書を横に置いておきます。

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August 09, 2005

ニューヨーク・アメリカン

 アトランティス編が終わりそうで終わらない。
 アイルランド=アトランティス話はなぜかローレンタイド氷床とアガシー湖決壊の話になる。氷河期が終わった直後、氷床が溶けて、カナダのど真ん中に巨大な湖が誕生する。日本がまるごと、入ってしまうほど大きな湖である。本来はミシシッピ経由で、メキシコ湾に流れるところを、ハドソン湾の氷壁が決壊、冷たい淡水がどっと北大西洋に流れ込んだ結果、海水が薄くなり(!)、海流が大混乱して、寒冷化が再開してしまう。いわゆる「ヤンガー・ドライアス事件」である。
 時期としては今からほぼ12000年前。アトランティス沈没の原因はこれか!
 この事件についてはニュートンのバックナンバーと、雑誌「氷雪」に掲載された極地氷雪用語集の「ヤンガー・ドライアス期」を参照のこと。

 こういうネタは面白いんですよね。燃える。

 ウルフ・エルリンソン博士は、このアガシー湖決壊に相当する第二次アガシー湖決壊が、紀元前6100年にも起きたと言う。世界中の海面が30センチばかり上昇したというから、とんでもない事件ですよ。ええ、洪水伝説もできますね。

 さて、現在の問題は漫画「イリヤッド」でも話題になった『シュリーマンの孫』事件。
 とりあえず、パウル・シュリーマンの記事「すべての文明の源アトランティスをいかに発見したか?」が載ったニューヨーク・アメリカンの記事(英文)を転載しているサイトを発見。解説を読むと、「新聞王ハーストが創刊したイエロー・ジャーナリズム系のタブロイド紙」と書いてある。うわああ。いわゆる東スポ系ですよ。げらげら。

 このあと、チャーチワードとムー大陸の話を。ああ、ゼカリア・シッチン先生の宇宙考古学話も触れておかねば。第12惑星ニビルと地球人家畜説の源泉ですよ。デニケンとハンコックは一言で流す予定。

PS:原稿に煮詰まったところで、封印してあったはずの「マリア様がみてる」を読んでしまう。ごきげんよう。

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August 07, 2005

アトランティスの女王ムー

 アトランティス本もマヤ編を終わり、後はアイルランドとか、北海とか。もう少しで大山を越える。まあ、もう少しあるんだけどね。しかし、私はなんで、ユダヤの失われた十支族とか、コロンブス=ユダヤ人説とか解説しているのやら。

 アトランティス学の流れを追いかけていくと、19世紀後半の珍人奇人の類と次々出会う。
 例えば、アトランティスとムーの間を結んだマヤ研究家オーギュスト・ル・プロンジョンは、ドネリーと並んで、現代のトンデモ学の基礎を作った人とも言える。
 ユカタン半島のマヤ遺跡を発掘、ながらくそこに住んだ挙句の果てに、間違いだらけのランダ式マヤ・アルファベット表を使ってブラッスールがトンデモ翻訳をした『トロノア写本』とチチェン・イツァーの壁画から、アトランティスの女王ムーとコー王子の悲恋を描いた。

 アトランティスの女王ムーの愛を巡って、兄弟である王子コーとアアクは争う。コーは女王の愛を得るも、アアクに殺され、国は奪われてしまう。そして、ついにアトランティスは滅び、海底に沈む。エジプトに逃れたムー女王はコーへの想いを込めて、スフィンクスを築いた。その後、彼女はイシスと名乗り、エジプト文明の基礎を作った。

 翻訳不可能なツールであるランダのアルファベットを煩悩溢れるイマジネーションで補い、『トロノア写本』をトンデモ超訳して、ムーという言葉を作ったブラッスールも、凄いが、ここまで暴走しちゃうル・プロンジョンも凄い。
 ル・プロンジョンはその後、エジプト研究に向かい、ピラミッドのサイズには超古代の叡智と人類の未来に関する予言が隠されていると言い出す。ボーヴァルの『オリオン・ミステリー』を遡ること、70年余り。さすがであるというべきか、いまだ、このネタなのかと呆れるべきか。

 そして、ムーの伝説はチャーチワードに引き継がれるのだが、こういうメンバーの生存期間を見ると、魔都・上海で、アトランティス・ムー論争の重鎮を集合させられることが分かる。チャーチワード、ブラッスール、ル・プロンジョン、ドネリー、そして、ブラヴァツキー夫人。
 うわあ、ダメダメであるな。
 ああ、「上海退魔行 ~新撰組異聞~」がやりたくなってきた。

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August 04, 2005

日々雑記:MSイグルーほか

 アトランティス本も佳境。クレタ編を書き上げる。サントリーニ島の発掘者マリナトス教授は割りと好きな人なので、ちょっとコメントを書き足す。
 クレタ調査の結果、サントリーニ=クレタの関係説を発表して注目されるも、第二次大戦勃発でサントリーニ島発掘を諦める羽目に。戦後、ギリシアに勃発した軍事政権を手玉に取って宿願のサントリーニ島のアクロティリ発掘を果たす。自説の誤りに気づくも、真相を追って発掘を続け、軍事政権崩壊の機運の中で謎の死を遂げた。発掘そのものが好きで、報告書を書く時間を惜しんで発掘現場の指揮を続けた男は自らが掘り出した遺跡都市の片隅に葬られた。
 興味深い人物である。

 マルタ編を簡単にまとめようと苦戦する。マルタ島とアトランティスは少し違うなとも思ってはいるのであるが、マルタ島の遺跡そのものは非常に面白い。新石器時代から紀元前3600年、同2200年頃の遺物が入り混じる「闇のハイポジウム宮殿」とか、沖合いの海底神殿遺跡とか、謎の轍型の溝とか。氷河期はヨーロッパ大陸の一部だったとか。

 この後、トロイ編とかアフリカ編とかマヤ編とか。かなり修羅場なので、更新が止まったら、そういうことで。その割には細かい打ち合わせや作業も色々あって大変である。

 仕事の傍ら小説版「機動戦士ガンダム MSイグルー 1年戦争秘録」(林譲治)を読む。
 原作は松戸のバンダイミュージアムで上映されたCGアニメで、1年戦争時のジオン軍新兵器開発部隊が主役という異色作だ。登場するのも、全長231mの艦隊決戦砲ヨルムンガンド、MS時代に反抗する試作重モビルタンク、かつてザクに敗れ去った試作MSの改良型「ヅダ」・・・
 ドキュメンタリータッチで書かれる未来の戦争秘話。ルウム戦役、北米侵攻、そしてオデッサ陥落へ。
 ガンダム世代にはたまらない作品である。それぞれのキャラクターの表情も往年の傑作戦争映画を彷彿とさせる。いいなあ。

PS:エンターブレインさんより、「アルシャードff」をいただく。作品が版を重ねるというのはよいことである。忙しいのでしばらく読む暇はなさそうだが、いずれゆるりと。

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August 03, 2005

ミ=ゴの侵略

 昨日のクトゥルフ・ダークエイジ(以下DA)を振り返ってちと思うところを少し。

 まず、10世紀の中世ヨーロッパというあたりをアバウトにとらえると、かなりプレイしやすい。
 GMも詳しくないが、プレイヤーも詳しくないと思えば怖くない。魔法があんまりないファンタジー・ホラーRPGだと思えばよい。まあ、ファンタジーRPGはゴブリン退治からという意見もあるので、ゴブリンを出した。DAのゴブリンって、シュブ=ニグラスの系統なので、実は怖いのですが・・・。

 クトゥルフ小説の文脈は相変わらず有効である。
 先日のシナリオも、いわゆる「遺産物」に、ミ=ゴの侵略をひっかけ、「闇にささやく者」のホラーテイストを加えた。ああ、ミ=ゴの侵略というギミックは便利である。
 深きものはあまりにも定番過ぎる上、やや弱い。ショゴスは強すぎるし・・・次はニャルラトホテップの暗躍か・・・誰も生き残れそうにないなあ。

 今回、第一セッションが壊滅した理由を考えてみると、老人の意志を伝えた後のフリータイムの使い方にプレイヤーが戸惑っていたことが上げられる。どうも、マスターがシーンを切り、老人の寝室から追い出されたように感じたらしい。
 「シーン定義」という言い方は、特にシーン制を定義しないDAには不適切かもしれないが、今回はクトゥルフということで、あえて、あまりシーン定義をせず、場面描写だけでプレイヤーの反応を待ち、その後、ゆっくりと「何かしたいことは?」と問いかける待ちのマスターリングを行った。
 これが、分かりにくかったのだろうか?

 このあたり、自分のマスターリングと、近年のセッション構造制度の関係に少々思う部分はある。
 (責任転嫁するつもりはない)
 DAに適し、かつ、混乱を招かないマスターのテクニックとして、シーン制をどう使うべきか? 色々ちょっと考えてみたい。

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August 02, 2005

『真・女神転生X』公式サイト

 JIVEさんのサイトに、『真・女神転生TRPG~魔都東京200X~』公式サイトがオープンしました。
 正誤表、FAQ、質問コーナー、キャラクターシート(MP算出式が修正済み)があります。
 ご利用下さい。
 また、製作予定のサプリメント「金剛神界」で扱って欲しい内容など、ご意見、ご希望がありましたら、ぜひ、質問などとご一緒に、質問コーナーのメールアドレスまでお寄せいただければ、製作の参考にさせていただきます。

 今後ともよろしく。

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クトゥルフ・ダークエイジ:遺産

わが甥よ、私はもはや長くはない。わが財産はお前に譲ろう。
その代わり、ひとつだけ頼みを聞いてくれ・・・

 学校の生徒がクトゥルフ系のTRPGをやってみたいというので、『クトゥルフ・ダークエイジ』をすることに。
 TRPGはほぼ『真・女神転生X』だけという彼らを相手に、10世紀のドイツの山奥で、いわゆる遺産物を。魔術に長けた老人が、死に際して、甥や弟子を呼び、禁断の魔道書や、異界から持ち込んだ薬草畑、『宇宙からの色』を封じ込めた井戸を処分させようとするが・・・

●第一セッション
  甥の水夫、大斧使いのきこり、邪悪な呪文を学んだ治療師。

 老人の台詞を伝え、後は書簡の指示に従えというが、手紙を開けないまま、それぞれ勝手に遺産確認に向かう。きこりは遺産代わりの山羊と騾馬を確認しようと厩に行くが、厩の中はすでに、怪物に襲われた後。馬車は前回、騾馬はバラバラ死体に。慌てて、治療師と裏山の畑に向かうが、途中で怪物に襲われ、最大戦力のきこりが触手に捕まって、死亡。
 治療師は『異界の門』を開く魔法で、脱出を図るが、門のつながった先はなぜかユゴス星。水夫がミ=ゴに捕えられ、意識不明に。ユゴス星で逃げ回った治療師も、『宇宙からの色』がひそむ池に踏み込んで、発狂し、死亡。
 セッション開始、2時間で全滅。情報0.

●第二セッション
  司祭、隠者、傭兵

 第一セッションの数日後、老人の住む山では怪光がちらつき、森には不可解な怪物が出没する。そう言えば、老人宅を訪れた甥や樵たちが戻ってくる様子もない。村人に急かされ、司祭は傭兵と隠者を連れて調査に向かう。途中、森の黒い子羊の亜種に襲われ、傭兵は早速、死にかけたが、なんとかロングソードで撃退する。

 老人宅につくと、なぜか虹色の光を放つ池が出来ている。奇怪な状況におののく一行に虹色の光が襲い掛かる。
 あわてて、館に逃げ込んだ一行は、ベッドに伏せていた老人から甥たちが姿を消した話を聞き、代わりに老人の頼みを聞くことにした。裏山の畑を焼き払い、井戸を埋めろというのだ。その代償として、老人の魔道書コレクションをもらうのだが、その中には手書きの『ネクロノミコン』があり、解読しようとした司祭と隠者が発狂しかける。

 深夜には、死んだはずの樵が出現、一行を恐怖に陥れる。老人に助けを求めると、老人のベッドにはなぜか老人の顔と手だけが・・・ぶちきれた傭兵は死んだ弟に向かって、剣を一閃、これを倒すが、弟もまた顔と手だけで、体の中心には奇怪な液体の詰まった金属容器しかなかった。

 恐怖に眠れないまま、一夜を過ごした一行は、再び、池の虹と接触、癒しきれぬ心の傷を代償に、『虹』の意識と目的を知る。『虹』は周囲の生命をすべて吸い取って、星の世界へ帰ろうとしていたのだ。それはあまりに危険な存在だった。
 一行は身の安全を守るため、老人の意思を実行する決意をする。ミ=ゴに襲われながら、畑に向かう一行。司祭が捕らわれ、意識不明になる傍ら、隠者が井戸を崩し、傭兵が畑に火を放った。ミ=ゴが襲ってきて、隠者も重傷を負ったが、傭兵が剣で貫いた。
 一行は老人の遺産が炎の中に消えていくのを背に山を下っていった。
 あの炎が全てを焼き尽くしてくれることを祈りながら・・・

●感想
 システムはBRPらしい軽さで扱いやすい。
 キャラメイクは完全割り振りなので、精神的に強く、戦闘も強いキャラクターができやすいのがやや難か。個人的にはランダム系のほうが好きだなあ。
 戦闘はさすがにデッドリーであるが、戦闘系がきちんとキャラメイクすれば、十分、対応できる。もちろん大型の怪物には一切、勝ち目がないので、調査系の技能が重要である。
 今回はプレイヤーも不慣れだったが、経験者相手ならば、十分気軽に回せそうだ。
 次は、例のネタで・・・

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鋼の錬金術師ほか

 アトランティス本はエドガー・ケイシーの後、ハプグッド博士の地殻移動説とアトランティス=南極説を終え、なぜか地中海説へ戻る予定。面白くて珍奇な説から手をつけた罰ですね? クレタ説、サントリーニ島説、トロイ説に地中海盆地説まで行ければいいが。

 執筆の隙を見て、劇場版『鋼の錬金術師 シャンバラを往く者』を見にいく。
 シャンバラですよ、シャンバラ。超古代文明本を執筆している身としては見ないと。(言い訳終了)
 1日は映画の日なので都内の映画館は1000円均一、というのが本当の理由かな。

 内容としては、ナチス台頭前夜のドイツを舞台に、シャンバラを目指すトゥーレ協会の野望と、もとの世界に戻ろうとするエドの想いが交錯していくというもの。元の錬金術世界との扉が開かれ・・・あちらの世界とこちらの世界で相互に物語が進む。ナチスに影響を与えたオカルティスト総出演という感じで、これにパラレル・ワールドでの共通人物が絡んで、色々ショッキングでかつドラマチックなものに仕上がっている。TV版の重要人物のその後も語られ、色々嬉しいヤら、寂しいやら。
 ドイツ側のおまわりさんと下宿屋の女主人の話はいろいろ切ないものであるよ。
 ナチス=オカルト・ネタは時期的にも燃えるものがあって、これは『ヒトラー』も見に行くべきか?
 結論として、ロイ・マスタングはやたらかっこよかったと。

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