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October 02, 2005

諏訪国未然記始末・再話

「諏訪国の内情を探り、諏訪大社の宝物である古文書を奪ってまいれ」

 今日は、学校の生徒が学内でTRPGコンベンションをするというので、ゲスト・マスター。作業の都合上、戦国クトゥルフを。シナリオは半村良風の「安土黄金城卍絵巻」とか、朝松健風味の「石山本願寺地下迷宮」とか、考えたのですが、リサーチ不足と、ネタがどんどんマニアックになって危険な香りがしたので、先日、プレイした「諏訪国未然記始末」をアレンジしながら、プレイすることに。

●シナリオ概要
 天文10年(1541年)、武田信虎(信玄の父)から、同盟国である信濃国の諏訪に潜入し、内情を調査、諏訪大社にある、聖徳太子の予言書「未然記」を盗んで来いといわれたPC一行は、御柱祭りに盛り上がる諏訪の街を訪れるが、祭りは暴走し、諏訪の街は空前の狂気に包まれていく。そして、諏訪の領主、諏訪頼重は危険な予言書「未然記」の呪縛に捕らわれ、未来を変え、自らの千年王国を築こうとする……。
 南蛮渡りの銀の笛(フルート)を吹く黒い人影(ナイアルラトホテップ)の陰謀によって、諏訪湖に封じられていた古代の邪神ミシャグチさま(ゲーム・データとしては、グラーキ)が目覚めようとしていた。4本の御柱が立てられたとき、ミシャグチさまは解放され、諏訪を中心とした邪神の千年王国が始まるのである。
 しかし、武田の密偵であるPCたちにそんな全貌など分かる訳もなく、狂乱の祭りの中へと巻き込まれていく。

●プレイ・レポート
 ゲーム学校の学内コンベンションなので、実はコアなファンが来る訳ではなく、参加希望者6名のうち、4名はTRPG未経験者である。クトゥルフ神話知識0%、戦国時代の知識は中学の日本史で終了、『戦国無双』と『信長の野望Online』の経験のみ。A4で4ページほどのキャラクター作成サマリーを作っていったが、ここでもうかなりパニック気味。

 キャラクターは戦闘特化の武士3名、うち二人、万猿と田畑が地位80%とやたら偉いので、武田24将に連なる甲斐での一、二を争う名家ということで、PCの指揮官に。もうひとり、しばむらが一応TRPG経験者の2年生だったので、この二人のお目付け役に。あとは、その配下で、案内役兼内情調査担当の狩人・太一、潜入担当の忍者・我茶王、占い&色仕掛け担当の道々の踊り子・菜月という分担に。

 キャラクター作成が終了し、OP代わりに、「天文10年、武田信玄の御父、信虎様の御世」とか説明を始めるが、ここで信玄の親父の話をし始めても反応無し。ネタばれはまずいが、信玄には反応してほしかったりもする。
 名家の武士2名が初心者の上、作戦立案に苦労していたので、「上海退魔行 ~新撰組異聞~」風に時間帯を整理し、ミニ・イベントを繰り返しながら、真相に迫っていく形式にする。

●初日
 諏訪入り直後、一の柱の逆落としに巻き込まれそうになる。諏訪の街はすでに祭りの熱狂の中に。
 旅籠に腰を落ち着けた後、ばらばらになって情報収集。
 踊り子の菜月は、正気度の下がった城主諏訪頼重に目をつけられ、しびれ薬入りの酒を飲まされ、あわやというところを、田畑の機転で救われる。
 一方、忍者「我茶王」は諏訪大社に忍び込もうとして、「忍び歩き」に失敗する。跳躍とか登攀とか、投擲は振っているのにね。
 湖畔を歩くお目付け役のしばむらは老婆から湖に近づくなと警告されるが、結局、初日の晩に、名家の武士1号こと万猿が、黒い人に遭遇し、湖の主に何か植え付けられてしまう。

●第二日
 昨夜の経験から、しびれ薬対策を立てる一行。
 二の柱も逆落としを経て、大社に建てられる。忍者はなぜか祭りの熱狂に浮かされ、柱の上に。その後、城への潜入に失敗、くのいちのシビレ手裏剣に倒れて地下牢へ。拷問されて心臓が止まったため、湖畔に捨てられてしまうが、あらかじめ血仙蟲を飲んでいたので、朝にはぐにょぐにょ復活。(どこがクトゥルフじゃあ!)
 代償として正気度がガリガリ削られ、暗所恐怖症の気が出たが、戻ってきたのでよし。
 諏訪の地図を作り終わった狩人の太一は諏訪大社の巫女まゆを垂らしこみ、ひとり美少女ゲーム路線に。
 万猿は体内に蠢く蟲に恐怖し、温泉で湯治。

●第三日
 もはやぐしゃぐちゃな状況で三日目突入。
 奉納相撲大会で田畑が善戦する間に、菜月が情報収集し、夜、城での宴会で古文書を見せてもらえることに。狩人は潜入作戦のために巫女衣装を入手すべく、NPC巫女とラブラブ・モードでフェイドアウト。
 一方、体内の虫に追い詰められた万猿は湖の主と決着をつけるべく、忍者とともに湖へ。本気で、主を呼び出してしまい、触手を2本切り落とす善戦を見せるが、さらに4本現れ、串刺しに。(死者一人目、合掌)

 恐怖に固まってしまった忍者は、何か植えつけられてしまう。

 夜になり、城主・諏訪頼重に自白剤入りの酒を盛って、古文書の秘密を聞き出した田畑と菜月だが、頼重は菜月を殺して予言書に自分の名前を書き足すとか言い出す。菜月は覚悟を決めて、頼重に抱かれ、時間を稼ぐことに。田畑は城を抜け出し、他のメンバーと合流、古文書を大社に持ち帰る神官を襲ってこれを奪い取るが、そこで、湖の主の魔力に引き寄せられ、抵抗する間もなく、主の餌食に。(死者二人目、合掌

 魔力を脱した我茶王、太一は諏訪の国境を目指す。
 ひとり、諏訪大社に戻ったしばむらは、魔力の源である御柱を切り倒そうとするが、神の怒りを買い、湖から飛んできた触手2本に貫かれ、死亡。(死者三人目、合掌)

 城に残った菜月は城主に抱かれた後、隙を見て逃げ出す(何度か切りかかられたが、幸運にも当たらなかった)
。国境で我茶王、太一と合流するも、ここで駆け落ちを約束した巫女、まゆを待つという太一と別れ、我茶王と菜月だけが武田信虎のもとに帰還する。
 かくして、「未然記」を手にした信虎は、菜月をながめ、怪しい笑いを浮かべる。

 武田家由来の古文書は語る。天文10年の信虎追放のことを、悪行三昧ゆえと。
 そして、信虎様を追放した武田晴信(後の信玄公)は、翌年、掌を返したように、同盟国諏訪を攻め、街を焼き払ったという。それが信玄の野心ゆえか、それとも別の理由があったかは今となっては分からない。

●感想
 プレイヤーが代わるとセッションもまるきり変わるという好例。
 ミニ・イベント形式は時間がかかるが、面白い。
 マルチタスク処理をしながらの力任せのマスターリングで乗り切ったので、家に帰った途端にダウン。
 年じゃのお。
 そうして、深夜に目覚め、Blogを書くのは割とダメな生き方かもね。

 さあ、明日は原稿、原稿。

**一部修正

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