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October 29, 2005

武死道1 ハネムーン・サラダ

土方「オマエの思うとおりにやればいいのさ。
 オマエが気に入らなきゃ、オマエが変えればいいんだぜ! どんな手を使っても!
 なんせオマエの国なんだから」
志波「……それって……今、流行の民主主義か?」
土方「うん! 違うな! それがこの世で生きる事だ」

●武死道1
 ヒロモト森一の『武死道』第一巻を読む。朝松健の『旋風伝~レラ=シウ~』を原作とするが、そこに見えるのはもはや『要塞学園』のヒロモトだ。
 第一巻は、蝦夷共和国の成立と崩壊の中で、会津白虎隊の生き残り、志波新之助が新撰組副長、土方歳三と出会い、その生き様を見届ける物語である。
 そして、この土方がやたらかっこいい。
 蝦夷に自分たちがやってきた意味は分かっている。あの戦いで生き残り、最後の決着をつけるためだ。
 それでも土方は戦い続け、戦死する。
 くそぉ、かっこいいぜ。

●「ハネムーンサラダ ソルト&ペッパー編」 二宮ひかる
 同名の5巻シリーズを上下2冊のコンビニ本に再編集したMy Best Remix。
 後編サウザンアイランド編は11月10日発売予定。
 かつて幼い愛を育みながらも、お互いのいたらなさで別れてしまった夏川実と斉藤遥子。
 転職したばかりの会社で苦戦する夏川は、前の恋人とのトラブルを引きずるお針子、斉藤一花と出会い、いきがかりの関係を持つが、その直後、小説家を目指し、上京する遥子が、実の家に転がり込む。やがて、三人は同居することになり……。
 二宮ひかる後期の傑作。
 これを境に、彼女のYOUNG ANIMAL誌での活躍は途絶えていく。レディース系ではなく、微妙な人間関係を描く作品が好きだったので、復活を期したい作家のひとりである。

●野蛮の園 3
 西川魯介の高専物ギャグも完結。メガネとメカとマニアックでエロいネタが最後までてんこ盛りでしたな。

●バスタード 23
 それはある意味、聖典であった。
 あの日、このシリーズと出会い、ああ、これをやりたかった、と思った。
 どこかで、糸が切れた。週刊連載が途絶え、月刊連載も不定期となり、どこかで読まなくなっていた。
 久しぶりに古本屋で出会い、思わず、手に取った。
 2004年5月発売の23巻。背徳の掟編、コキュートスにおけるウリエルとダークシュナイダーの激闘。それを見守る地獄の七大魔王とリリス、そして、遥か遠い浜辺に立つ救世主の少年。
 ああ、この壮大なビジョン。
 そう、これをやりたいと思った日があった。
 『真・女神転生X』でそれができるかはまだわからない。いつかどこか別の方法で、かもしれない。
 いずれ出来る手法を探そう。

★以下、加筆追加

●YOUNG ANIMAL
『ベルセルク』

 臨終も間近き老法皇に差し伸べられる「白き羽の啓示」。
 これもまた、「魔の御印」なれど……。
 こういう1シーンを描かせると、この人は本当にうまいなあと。

『弾丸餓鬼(タマガキ)』
 義足のサイガ銃兵にして女暗殺者・タマガキの戦いを描くアクション。作者は新人でこれが掲載2回目か。
 弓師範との激闘を描いた前作に対して、今回は武将暗殺から、追っ手の忍びとの戦いに。
 杖兼用の火縄銃をメインに、銃身ごと交換する短筒、仕込み義足ときましたが、今回はサイガ銃術「切り玉」に「いしばい」と来た。絵はまだ野蛮な感じだが、ストレートなバトルアクションが気持ちいい。『比叡山炎上』のネタにもさせていただこう。

●イブニング
『サトラレneo』
 映画、ドラマにもなった、想いが漏れ出してしまう天才型超能力者「サトラレ」の第二部。
 ヒロインは第一部の主人公、西山夫妻の娘・光。
 在宅勤務が普及し、ネットを通じて交友を広げた光は、ネットの仲間とともに、少女誘拐事件に挑む。
 ミステリーの形を取りつつも、きちんとサトラレの悲哀を描くあたり、この人もうまいなあ。

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