日々雑記:路上から見る
●樫の木の下で
金曜日は朝から学校である。企画科とライター科を合わせて3クラスのライティング。
コラムを書かせ、添削する一方で、テキストを読ませ、感想を聞く。まあ国語の授業である。時折、コラムの添削をしながら、ボーイズラブとハードゲイの違いを解説したり、ガンダムとBLの連動性に言及したりするが、そういうあたりがまあ、ゲーム学校か。しかし、ゲイとBLの違いは認知しておいてほしいぞ。
BLとレイザーラモンHGははるかに違うぞ。
期末課題の小説に向けて、簡単にプロットの話を。
以下、レジュメ。
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●分かりやすいプロットを書くこつ
・冒頭に、小説のジャンル、もしくは、テーマを1行でまとめる。
→別に概要があれば、それでよい。
・主人公の設定を簡潔にまとめる。
→書き出し例 18歳の少年◎◎は……
・5W1Hの充実。
→誰が、いつ、どこで、何を、なぜ、どのように。
・視点の切り替え、大きな場面の変化をはっきりさせる。
→改行、主語述語
・小説を展開するキーワード、シンボリズムを理解し、混乱させない。
→先にテーマを立てると、確立しやすい。
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言うのは簡単だが、実践するのは色々大変。
後半のテキスト講読は、どうも『干し若』が不評なのと、早めに読ませて起きたかったこともあり、「深淵」のサプリメント『人の夢、獣の夢』から『樫の木の下で』と、室井佑月の短編集『熱帯植物園』より『クレセント』に変更した。
『樫の木の下で』は、『新たなる暁』にまつわる一エピソード。まあ、教団本体は出てこない。ルウンを崇拝する辺境の村での夏祭りの話である。何も予備知識を持たずに読むと、蘇った儚いキアと、年上の強気な従姉妹リーティの間で揺れるヘタレ少年の話になる。ゲーム学校の学生であるから、この解釈において、「萌え」記号が評価の基準になる。その反応は面白い。自分の小説をテキストに使うのは傲慢かもしれないが、評価を聞けるので、色々参考になる。キアは狙った部分のあるキャラクターだが、リーティが今や萌え記号「強気姉」で解釈されるとは。
ああ、97年の夏、僕はこういう話を書いていたんだな。
『クレセント』は「セックスの後のみりんはうまい。」というキャッチーな一文から始まる傑作。主人公の女子高校生はいい子を演じながらも、アル中で援助交際中だが、つきあっている年上の医師との関係に悩む、という話。短いが、色々考えさせられる話である。
●打ち合わせ
『超古代文明』の再校が出たのと、諸般の打ち合わせでアークライトへ。
『超古代文明』は、11月16日頃発売予定。新紀元社より。
『真・女神転生X』関係の打ち合わせをうにゃうにゃ。このあたりは作業の進展、あるいは、関係各位の許可が取れたら、また、報告いたします。『真・女神転生X』は版権関係が複雑なのでお許しあれ。
『クトゥルフ神話RPG キーパーコンパニオン』をいただく。魔道書の解説が素晴らしい。『比叡山炎上』では、戦国日本に伝来した可能性のある魔道書を色々サポートする予定。あるいは、同じ事象を別の人が観察した内容をいれたいものである。『フサンの七つの謎』とか中国語版があるものを優先的にするが、ムー紀元のものは日本にあって問題なかろう。
その他、企画の話だか、雑談だか分からない話を色々。
今、『BLOOD+』のRPGを作ったらいいのでは? いや、今こそ、来るべきSEED第三部に向けて、『ガンダムSEED RPG』を、とか、『シャドウラン第四版』ってどこか出しませんか? とか。
まずはPDFでない本が届いてからという話でもあるが、『シャドウラン』は、個人的にとても好きなシステムなので、どこかで出るならば、応援したい作品である。FASAのゲームは面白い世界観が多いので、好きだ。そう言えば、末期の『アースドーン』はAD&Dに対抗して作られた野心的な作品であった。日本での刊行ラインはFASAの解散とともに止まってしまったが、今も熱心にプレイしているサークルがいる。海外ではFanProに引き継がれ、第二版のルールブックがLiving Room Gamesから出ている。
そういえば、マングースからRQのあたらしい情報も出たらしい。期待期待。
帰りがけにビールを飲んだら、新宿の路上で倒れそうになる。
ああ、ここでうずくまって、空から舞い落ちる初雪を見るんだとか呟くが、新宿駅地下街で倒れてもホームレスにしか見えないので、『もやしもん2』を読んで体調を整え、立ち上がる。
菌が見える農大漫画。
春祭企画で、学生閉じ込めて、バトルロイヤルとか、いいなあ。
●お買い物
『図解近代魔術』
B6版の新シリーズFファイルの1。見開きで魔術の基礎知識を一つずつ解説するシリーズ。
『もやしもん 2』
農大漫画その2.面白いよ。
『シュヴァリエ 1』
冲方丁原作で買ってしまった歴史ゴシック・ホラーアクション。王朝最盛期のパリ、若き女性の血で詩を書く「詩人」が続出、これと戦う「女騎士(シュヴァリエ)」スフィンクスの戦いを描く。
やや、絵が凄いが、まあ、ゴシックホラーということで。
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