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November 30, 2005

日々雑記:Blog効果

「翌日、体が痛くなるなんて若いわね」(二宮ひかるの漫画より)

 いや、若くはないから辛いんですよね。
 まだ、筋肉痛と疲労が抜けない朱鷺田です。若い頃とは違うよ。

●Blog効果
 すでに別エントリーで回答を返したが、Blogという発信手段を経ることで、ユーザーの皆さんから直接のレスポンスをいただけるようになった。期待もあれば、叱咤激励、しばしば厳しいお言葉もあるが、それもありがたいご意見であります。版権の都合、ビジネスの都合など色々あってお答えできない部分とかありますが、それはご容赦下さい。

●Blog効果その2
 11/16にこう書いた。

 「ボーイズ・ラブで分かる日本の歴史」か。
 ええ、どこか、これを出す勇気がある出版社はいませんか(笑)

 某社編集様より、「うちで出しませんか?」とメールをいただきました。
 ありがとうございます。

 若干、修羅の道に踏み込んだ気もしないではないが、気にしないことにしよう。
 (いまさら、という突っ込みは無しの方向で)

●Blog効果その3
 日々の雑記に混じり、学校のレジュメや講義内容、指導方針をBlogに書くようにしている。
 オープンソース化されたもので、困ったら、僕のBlogで「バンタン」を検索すれば、ほぼ私の授業内容は分かるようになっている。これは、私自身にとっても授業記録代わりということで参考になっている。
 問題は記事が250を越え、ちょっと検索しにくくなっていることだが、その場合は最悪、Google先生に手伝ってもらうのである。

●悩んだら、原点に帰れ
 比叡山から戻ると、プランナー科シナリオ専攻の生徒からSOSのメール。
 合評会向けのプロットを書いていて、もー大変という話。
 今学期、シナリオ専攻の合評会レギュレーションはアニメシナリオ1本65枚。
 シナリオ65枚は授業でも書いているそうなので、まあ、いいとして、今回はハードなレギュレーション付き。

「ポスト・ポケモン、ポスト・遊戯王のゲーム企画を考え、アニメ化シリーズ全体の構成を考えた上で、その1エピソードのシナリオを書く」というもの。

 これは、まさに今、各社で求められているもの。
 これが出来たら、来年、そのまま就職活動に使えるな。

 当然のごとく、企画段階で苦戦し、とりあえず目鼻が立ったら、シリーズ構成で苦戦している。目の前のプロットを上げてみるが、どうも迷走している感が抜けない。

 ここまで来ると送ってきたプロットにコメントするのは止める。

 企画の原点に戻れ。

 どんなゲームで、どんな物語を紡ぐのか?

 ポケモンがあれだけ広がるのは、ゲームの物語が明確で、揺るがないから。
 同じような物語のテーマが導ければ、プロットも広がるはずだ。

●2年生の授業終了
 昨日は学校。
 ライター科2年生のライティング・マラソンも今日で終わり。だからと言って、やることは変わらない。コラムを書き、テキストを読む。
 テキストは山田詠美の「24・7」から「HER」と加島祥造の「タオ~老子~」の冒頭部分を

 「HER」は中東へ取材旅行にいく白人作家に、同行した妹が恋愛する様子を眺める掌編。地元の観光ドライバーとの恋愛のために、現地風の美女へと変身していく妹を見る複雑な気持ちを描く。
 「まるで金色のクリームだ」
 二人の間に交わされる言葉はただひとつだけ。

 ちなみに、語り手の作家の恋人兼秘書の名前がネットというのは、リアルなのだが、妙なミスリーディングを招くのであった。

 「タオ~老子~」は、現代の詩人が老子を現代語訳したもの。絶妙な言語感覚を楽しんで欲しい。

●贈る言葉

 事実上、2年生は最後の授業であるので、例年通り、三つの言葉を贈る。

【1】3年間生き残れ
 業界で位置を得るために、まず、3年頑張れ。
 僕は最初の仕事(アニメ業界)で2年しか持たなかった。その後、ここまでやってきたが、ずいぶん遠回りもした。だから、若い人には3年頑張れと言葉を贈ろう。

【2】必殺技を見つけろ
 得意ジャンルでも、得意な文体でもいい。
 これなら、あの人!というものを見つければ、仕事になる。

【3】クラスメートは君のコネだ
 同期の仲間を大事にしなさい。
 同じ業界にいるクラスメートのネットワークはいつか役に立つ。僕も若い頃、大学時代のSF仲間たちのネットワークがずいぶん助けてくれた。その後もゲームの友人たちが色々協力してくれる。
 特に、編集、ライターになろうとするライター科の生徒たちにとって、クラスメートは最初の資産になる。今は分からないかもしれないが、5年後、10年後にきっと分かるときが来るはずだ。

●今日の素敵なできごと

 NHKニュースを見ていたら、突然、ストライク・フリーダムが大写しに。
 省エネ時代のプラモということで、バンダイのプラモ工場へ。以下、3分ほどの中継の間、画面はガンダム・プラモのオンパレード。NHKのアナウンサーがエール・ストライクとグフ(おそらくマスターグレイド)を持って、バトルさせるとか、アッガイ(MG)が大写しになるなど、なかなか無い光景を見ましたよ。

●魚屋さんの冬
 昨日、恵比寿駅前を歩いていたら、魚屋から何故か、何か見覚えのある服が着た巨漢が現れた。
 グレーと薄いブルーホワイトのパターンはおそらく米軍の冬季迷彩である。なぜ、魚屋に冬季迷彩が? 見れば、他にも魚屋さんの店員が同様の冬季迷彩をまとっているではないか? 
 それも、いずれもがっしりした体格の巨漢である。

 待て。

 ここは、実は魚屋に見えて、米軍冬季訓練部隊の拠点だというのか?
 恵比寿駅前にそんな敵がいるのか?

 思いつく敵は一つしかいない。

 魔王キングフロスト。

 やはり『真・女神転生X』はリアルな世界でも進行していたのだ。

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日吉奥宮にて大山咋神と酒を酌み交わす

 しばらくは、比叡山取材の思い出などを少しずつ語っていきたいと思う。

●日吉奥宮にて大山咋神と酒を酌み交わす

 取材三日目。
 日吉大社の取材。前日の比叡山踏破の結果、かなり疲れていたのであるが、日吉大社の御祭神である大山咋神の奥宮へ参拝せずにはおられない。
 東本宮で参拝道があることを確認、40~50分で往復できますというので、朝9時から参道にアタック。30段ほどの石段を越えると、あとは石がばら撒かれただけの坂道が続く。
 5分と経たず、登山モードでなかったことを後悔する。なんというか、せめてリュックサックであるべきだった。坂本で荷物を預けられなかったのも自滅の理由である。
 100m進んでは休むという状況で、這うように登る。体力の衰えというか、年齢を感じる。
 途中で杖代わりになる木の枝を発見、神の救いに感じる。

 30分後、ついに、奥宮に到達する。
 日吉大社の御祭神のうち、もともとこの山(八王子山)に居られた大山咋神(おおやまくいのかみ)は、この山自身を神体山とする山の神で、奥宮は、二つの祭殿の間に、ご神体である金大巌があり、これが大山咋神さまである。毎年ここから、神を招き、神輿に乗せて里の本宮へとご案内し、冬にはお戻しする。

 ご神体に参拝。
 お神酒が何本も捧げられている。日本の神様はお酒好きだ。

「では、一杯、行きますか?」

 カバンの中に気付け代わりのBlack Nikkaの小瓶があったはずだ、と思い出し、カバンを漁ると、能登川で買った走井餅が出てくる。これも捧げよう。

「外津国(とつくに)の酒ですが、お許しあれ」

 まず、大山咋神さまに一献、餅をひとつ添えた。
 その後、ウィスキーを一口あおる。餅を頬張り、あんこの甘さに舌鼓を打つ。
 山の空気が心地よい。

 下る道の厳しさは分かっているが、これもまた巡礼の道であろう。

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深淵:貫通武器の処理

「TRPG:サプリ6号:追加ルール」(p94)に関する質問メールが来たので回答します。

【質問】
<貫通武器の処理変更>
ダメージカードの運命番号を参照し、 【少ないものから減らします。】 この結果、ダメージ処理が一段階簡易になります。

【】内の記述表現がよくわかりません。

(1)運命番号が低いカードから「ダメージを順番に適用する」(=減らす?)という意味なのか。
(2)運命番号が低いカードのダメージのみを適用し「複数適用はしない」(=減らす?)という意味なのか。
(3)運命番号が低いカードは「ダメージから除外し運命番号が高いダメージカード1枚のみ適用する」(=減らす?)という意味なのか。

個人的には(1)じゃないかなと思うのですが。
上記、補足説明いただければ幸いです。

【回答】
 どれでもありません。
 貫通武器は、第一版と同様に、2/3などのように表記されます。A/Bとあった場合、B枚めくって、A枚選択するのですが、その選択にどうしても時間がかかりがちでした。そこで、BからAへ向けて、カードを減らすにあたり、除外するカードを「運命番号の低いもの」と定めたのです。
 その結果、1のダメージは、貫通武器では絶対に発生しないものとなり、91にある「叙事詩に残る一撃」は排除される危険が全くなくなります。

 この他、多くのご要望をメールにていただきました。感謝いたします。
 今後の製作の参考とさせていただきます。

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November 28, 2005

比叡山より帰還

 タイトル通り、比叡山取材より帰還。

初日(土曜日)
 安土城跡を踏破。安土城大手門の石段300段以上で死にそうな気分になる。杖って偉大な発明だ。
 安土をレンタサイクルで走り回った後、滋賀在住のZ氏と合流し、夕暮れの日吉神社へ。実は紅葉のライトアップ期間で、綺麗でした。その後、痛飲してバッタリ。

第二日目(日曜日)
 Z氏の友人たちとともに、比叡山三塔を踏破。最初の横川の奥、日蓮上人の修行場へ向かう急な階段でみんな死にそうな気分になる。おりしも向かいの尾根から、唱題行の読経が響いてきて、もはやこの世のものとも思えませんでした。その後、喘息気味で休息していた一人が山道で行方不明になりかけるなど、リアルにSANチェックが必要な気分に。
 最初の横川がハードだったので、西塔、東塔は極楽のようでしたが、西塔、弥勒の石仏脇で、ベヘリットのごとき、手作り地蔵像を発見したり、比叡山山頂でクラウドシティのごとき、UFO状の建物に遭遇したり、色々楽しい1日でした。
 その後、もう一度、ライトアップされた日吉大社から、西教寺に回り、紅葉を堪能、京都で焼肉を食べた後、健康ランドで風呂三昧してバッタリ。
 今回はZ氏のサポートが非常に助かりました。彼と仲間たちがいなければ、ここまで踏破できなかったに違いない。感謝、感謝。

第三日目(月曜日)
 Z氏の出勤に合わせて、栗東から電車に乗り、比叡山の門前町、坂本へ。
 ひとりで昼間の日吉大社を回る。奥宮のある八王子山に登るが、整備されていない斜面で死にそうになる。なんとかたどりついた金大巌でしばし休憩。下ってくると、地元の人がほいほい登ってくる。地元の比叡山高校生はトレーニングでこれを何回も上り下りするという。祭礼では1トンの神輿を担いで、あの坂を上がり降りするのである。人間って凄いなあ。
 日吉大社横に、横川までの比叡山表参道の石段がある。横川まで5.6キロ。息を切らして数百mのぼり、はるか彼方に石段が見えたので、踏破を断念する。ひとりだったら、絶対、遭難する。
 ケーブルカーで、東塔まで上がり、シャトルバス、ロープウェイ、ケーブルカーを駆使して、京都洛北の八瀬に抜ける。坂本は滋賀県の琵琶湖岸であるから、比叡山を横断したことになるのだが、この時間、わずか1時間半ほど。八瀬からの比叡山を確認し、取材終了。

 文明って偉大だ。

●付録
 帰ってきたら、メールが100通以上溜まっていた。意味のあるものは5通だけ。スパムの洪水には辟易する。
 東京深淵CON~シキサイの次は、1月22日だそうだ。なんとか行けるように頑張ろう。
 そして、「超古代文明」はもう店頭にあるようだ。

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November 26, 2005

出かけてきます

 えーっという訳で今から、比叡山に向かってGO。
 帰りは未定。たぶん日曜日深夜か月曜日昼。

●学校関係のメモ
 鯨統一郎「邪馬台国はどこですか?」から「悟りを開いたのはいつですか?」を読ませる。
 仏陀の悟りに関する好短編歴史ミステリ。色々反応が心配でしたが、おおむね好評でほっと安心。
 ターム2は後1週。課題の小説は皆、大変な状態。締め切りは12/20.

●青の救助隊
 息子がなけなしの小遣いをためて、「ポケットモンスター 青の救助隊」を買う。
 いわゆるポケモン版「トルネコの冒険」であるが、ポケモンになって、ダンジョンでの救助活動を行う。
 最初の質問でなれるポケモンが変わるあたりが面白い。

●図解 クトゥルフ神話
 購入。ああ、こういう視点もあったかという感じ。
 微妙に、こちらの思い込みと異なる図がついていて愕然とする。
 まだまだ勉強不足である。

●コミック
 月姫3
 NHKにようこそ 4
 リセット

 読了。並べると、なんかダメダメな感じがするなあ。リセットは生徒からの借り物。

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November 25, 2005

日々雑記:魔障ケ岳

 土日の比叡山行きに合わせて、色々ジタバタ中。
 色々電池が切れる直前な感じである。
 こーいう時に限って、ビデオが壊れている。HDDレコーダーに完全移行できないので、新宿の量販店で叩き売っている3年前の新型を買う。2年ぐらいは持ってくれるだろう。

●魔障ケ岳
 稗田礼二郎の妖怪ハンター物の連作短編シリーズ。
 修験道でも禁忌の場所とされた、魔障ケ岳で稗田ら4人が出会った奇怪な「モノ」は名前をつけるように要求するが、その結果……。
 言霊ネタに、山岳信仰が絡む一冊。時期的に色々ヒットしました。
 割とそのまま、『比叡山炎上』のシナリオになりそうなネタですよ。

●おおきく振りかぶって 5
 ひぐちアサの新感覚野球漫画ももう5冊目。
 夏の予選が始まり、西浦の初戦は、名門・桐青と。
 割と本格野球漫画の感じで進みますが、キャラクターの目配りがやはり、一味違う感じですね。
 楽しみ、楽しみ。

●ラノベ本でBL特集
 本屋でいわゆるラノベ特集本の最新刊を見る。
 後半がBL全力特集。
 一瞬、以前書いた「ボーイズ・ラブで分かる日本史」の企画が脳裏をよぎる。

●オタク・エリート
 よく分からない本が出ますな。
 政治家とオタクをくっつけて、何か新しいものを生み出そうという感じですが、秋葉原を副都心化しようとして、第二の西日暮里を作り出しかけている秋葉原開発計画に似たものを感じますね。
 なぜ、表紙が鳩山?
 誰が買うんだろうか? まあ、創刊号はオタク検定目当てで買うかねえ。

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November 23, 2005

クトゥルフ:比叡山龍宮伝説

 作業中、作業中。(呪文だな、これ)
 とりあえず、『真・女神転生X』リプレイ原稿監修UP。何事もなければ、来月中旬に刊行予定。あとは、『金剛神界』を仕上げねば。

●比叡山龍宮伝説
 今週末に、比叡山の取材に、京都に行くにしました。雪が降りませんように。

 ……という訳で、比叡山の歴史に関する本と格闘しております。今、手元にあるのは『比叡山と天台仏教の研究』、『山岳宗教史研究叢書』の第二巻で、図書館の奥から借り出してきた。Amazonで見たら、今もオンデマンド出版で流れているとか。
 ネタ拾いのノートをとりながらなので、あまり進みませんが、色々、面白い話がボロボロと出てくる。

 説話集『古事談』によれば、比叡山の山上からは貝殻がボロボロでてくるので、ここが実は龍宮城であったのだ、という伝説があるとか。

 龍宮城というのは、海底にあるという龍王の城。
 クトゥルフでいえば、ルルイエ。
 つまり、比叡山はルルイエであったのだ。
 (いやまて)

 琵琶湖に程近い比叡山は非常に湿気の高い山だそうで。
 ならば、深きものたちも、行動しやすかろう。
 僧兵の形をした<深きもの>が集っていれば、それは信長ならずとも、焼き討ちしたくもあるわな。

 ちなみに、比叡山焼き討ちは決して信長が最初ではなく、室町幕府の将軍、足利義教も比叡山を焼き討ちしている。実際には、義教と対立した比叡山の高僧たちが根本中堂に立て籠もり、自ら火を放って焼身自殺した、ということらしいが、それはそれで苛烈な風景である。

●どぶろくを飲む
 大分から、色々届く。いつもお気遣いありがとうございます。
 大分は戦国時代、ザビエルが直接宣教した地域で、お菓子の名前も、「ざびえる」「ドン・フランシスコ(大友宗麟のこと)」「ペドロ岐部(自力でエルサレム巡礼とローマ参拝を果たした大分出身のキリシタン)」とキリシタン系をいただきました。最近、ザビエルの本を読んだばかりなので、色々ヒットするものがありました。
 一緒に、お神酒をいただいた。いわゆるどぶろくで、麹の入った白酒ですが、結構きつい。絞ったら、かなりキリリとした辛口の清酒になりそうな感じである。最近、「もやしもん」にはまった我が家では「かもすぞ、かもすぞ」と言いながら、飲む。半分は、子供用の甘酒に。これはかなり贅沢な感じである。

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November 21, 2005

テーブルゲームフェスティバル

 昨日はテーブルゲームフェスティバル。
 実は、リプレイの関係で、色々修羅場なのですが、新作ボードゲーム、カードゲームのイベントなので、挨拶回りと新作チェックを兼ねて朝から浅草へ。とりあえず、チェックできた目ぼしいあたりの感想をメモ代わりに。

●天九牌 (グランペール)
 中国で遊ばれてきた本格的な数字遊び型カードゲーム。
 ドミノを大きくして贅沢にした感じの黒い牌を使う。この手触りが最高。3~4人で遊び、数字を続ける形で牌を出していくが、並べなれなかった点数がマイナスになる。プレイの雰囲気は麻雀だが、もっと軽くて奥が深い。1プレイ5分を時計回り1周、反時計回り1周の1セットで1時間以内に終わる。

●通路(ホビージャパン)
 ウィズキッズが作ったオリエンタルムード満点の迷路ゲーム。プレイ人数2~8.
 迷路カードを自分のコマの前に置くと、そこに書かれた迷路に沿ってコマが移動してしまう。端から落ちたら負け。3~5人で空中戦感覚で、混戦し始めると実に面白い。
 1プレイ、5分から15分(人数次第だが、4人以上が面白い)
 凄く気にいったので、帰りに買おうとしたら、もう売り切れで、デモ用をそのまま買い取ってきた。

●クイーンズ・ブレイド(ホビージャパン)
 対戦型ゲームブック、LOST WORLDの現代風リニューアル。
 キャラクターをムチムチ美少女にし、フルカラーアート約30枚を投入、ハードカバー仕様で1500円。
 元ネタのLOST WORLDは少し持っていた(バトルテック版もあり)が、久しぶりにプレイして面白かった。ずいぶん大判になり、美少女系ということで、画集だと思えばOK。すでに『Nocturne』でお世話になったえぃわさんが赤髪の女バーバリアンで登場済み。キム・ヒョンテとか、今後、希望。

●ドラベンチャーカードゲーム(エポック)
 エポック社さんのブースにご挨拶をしたら、新作カードゲーム「ドラベンチャーカードゲーム」のスターターをいただく。「ドラえもん のびたの恐竜」をモチーフにした、対戦型カードゲームで、ドラえもんのキャラクターを使って恐竜世界のトラブルをしのぎながら、探検レベルを上げていくというもの。戦闘はダイスで行うが、ダメージを受けすぎるとキャラクターが気絶してしまうので、勝ち目のない敵には逃げるのも一手。
 お助けアイテムが色々あるのと、しずかちゃんがいるので、のびたのパワーが+1とか、ドラえもんがよく再現されています。恐竜の絵がとてもかっこいいので、そのあたりがお好きな方もどうぞ。書き下ろしあり。我が家では小4の息子に早速、持っていかれました。

●1・2・3ゲーム(ヒラメキ工房)
 ボードゲームに興味があるという知人を連れていたら、まとめて、ヒラメキ工房のブースにつかまる。
 「カメレオン」という三角形パズルにハマリ、そのまま、ミニ将棋系ゲーム「ぐーちょきぱー駒取りゲーム」「矢進王取りゲーム」の試作品を体験、さらに、対戦型パズルゲーム「1・2・3ゲーム」のトーナメントに引き込まれる。
 手軽ですぐに遊べる頭脳ゲーム系は面白い。
 ミニ将棋系はタイトルが地味で、派手さはないが、5分でできる詰め将棋という感じで、攻め中心でよし。
 1・2・3ゲームは携帯に向くので、購入。

●ふぉ~ちゅんポーカー(童想会)
 試作品を体験。タロットのイメージに、マジック的なドロー、サーチ、ハンデス効果を組み込み、最終的に7スタッド・ポーカーでまとめたカードゲーム。久しぶりにマジック脳を刺激されました。やっぱり私は赤黒らしいなあ。

 他、色々遊びたいゲームがありましたが、とりあえず時間切れ。
 健部さんが、バネストの前でずっと新作ボードゲームの「ルッカ・チッタ」や「モブシティ」のデモをされていたが、タイミングが合わず、入りそびれた。また、今度。

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その他、行き帰りで読んだ本の感想を。
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●ザビエルの見た日本
 フランシスコ・ザビエルの書簡から、ザビエルの来日とその感想を読み解く本。当時の宣教の様子がよく分かる。『比叡山炎上』の資料として読了。ザビエルがピレネー出身で、ザビエル城を持つ地方領主の子供というのもよいネタである。

●コミック
シグルイ 5

 覚悟完了的な狂気の剣戟漫画。ついに、伊良子清玄が出現。この迫力はもはや止められないものであるよ。

美女で野獣 7
 イダタツヒコの自己満足路線まっしぐらですが、GXなのでよいでは? もはや伏字でしか表現できない狂気の愛(縁故7ぐらい)の毒島リリカが暴走しまくり、クライマックスへ。全ては愛であると。

ONE OUTS 15
 渡久地がオーナーになり、リカオンズVS球界のドン編開始。ナベツネ風のドンが妙に生臭くていい味を出してますな。

新暗行御史 12
 回想編の続き。英国っぽい西欧国での三人の話。世界観がぐっと広がる一方、黒魔術の出現で、一気にゴシック・ホラーへ。

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November 19, 2005

イベント&製品スケジュール

 R&R16号が出て、色々公開され始めましたので、ご報告ご報告。

●イベント・スケジュール

12月18日  イエローサブマリン秋葉原RPGショップにて『真・女神転生X』 『金剛神界』を反映したL15~20ぐらいの大破壊後シナリオを予定。

12月25日  秋葉原R&Rショップにて、クトゥルフRPGイベント。『比叡山炎上』の公開テストプレイ。いやもう、ユールの日ですよ、信長様。……というシナリオをやるかどうかは秘密。

 この他に年内スケジュールは色々。

11月26~27日 京都へ比叡山取材に行く。寒さと体力の限界に挑戦かな。
12月3日   横浜のマジック世界大会へ。今回はサイドイベントのラヴニカ・ドラフト狙いか。
12月4日   知人の某サークルに遊びに行く、と称してテストプレイ。

●製品スケジュール

真・女神転生TRPGリプレイ 白き刃の後継者(JIVE) 
西上柾・著。私は監修。破邪の聖剣「五光」を巡る激闘を描きます。12月中旬予定。……という訳で、今、最終段階。お楽しみに。文庫です。

真・女神転生TRPGサプリメント 金剛神界(JIVE)
 基本ルールを補完する追加ルール、追加スキル。金剛神界と大破壊後を遊ぶための追加データなどなどが乗ります。2006年1月予定。……という訳で、今、最終段階。お楽しみに。B5サイズ。

クトゥルフ神話RPGバリアント 比叡山炎上(エンターブレイン) 
 織田信長時代の戦国日本を舞台に、クトゥルフ神話の神格が復活する。第六天魔王、織田信長が日本の根本道場たる比叡山を焼き討ちした理由とは何か? 単独で遊べるクトゥルフ神話RPGのバリアント・ルールとなる。
 2006年3月予定……ということで年内脱稿予定。

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Shadows over Camelot

 昨日は、学校の後、アトリエサードのボードゲーム会。
 鈴木銀一郎先生がおいでというので、バンタンのK講師も誘って、高田馬場のタナトス6へ。「ダイアモンド」「Shadows over Camelot」「FAB FIB」を遊んできました。ええ、満足、満足。
 次は12月22日の予定。
 トーキング・ヘッド叢書の新刊「廃墟憂愁」をいただいた。このタイトルにびびっと来た人は、アトリエサードのトーキングヘッド叢書へどうぞ。11月22日発売予定。

●ダイアモンド
 ダンジョンタイルをめくりながら、ダイアモンド鉱山を進み、ダイアモンドを集めるゲーム。同じ事故に2回出会うと終わり、その回掘ったダイアも失われる。いつ変えるかは握りで決めるのがよし。ひよって安全策を取らねば勝てないし、突っ込みすぎて失敗することも。5回坑道にもぐるのだが、20分もあれば1ゲーム終わるあたりもよい。
 2回プレイ。1回目は慎重すぎて問題外。
 2回目は最初の行動で最後まで突っ込む賭けに勝ち、先行するも、突っ込みすぎてポイントが稼げず、自爆。うむうむ。面白いゲームである。

●Shadows over Camelot
 噂のアーサー王物語ゲーム。JGCでずいぶん進められたが、7人専用というあたりで泣く泣く見送ったものをついにプレイ。アーサー王と円卓の騎士になり、英雄の探索をこなしていくというもの。場合により(87.5%の確率で)ひとりが裏切り者であるというもの。
 ボードが広く、パーツも多いのであるが、その分、個々のルールが軽く、ビジュアルに訴えて遊びやすい。
 私は戦闘力に秀でたケイ卿を引く。

 いきなり、ランスロットとの対決が地獄めいた状況になったので、これを放棄することにして、私は渦に引かれ始めたエクスカリバーの回収に。ガラハッドとパルが聖杯探索へ。しかし、サクソン人の襲撃が激しく、エクスカリバーを持ち帰った頃には、キャメロット城の前には攻撃カタパルトの山が。潰しても潰しても出てくる。聖杯とエクスカリバーの探索が終わったため、これらのカードもカタパルトに回り、その結果、毎ターン、カタパルト発生の状態になっていたのである。クレヤボヤンスで未来をのぞいても災厄ばかりらしく、皆が命を削って悪の進行を止めようとするが、ひとり、またひとりと落ち、最後は何とか私が死んで、聖杯で復活し、そのままピクト人討伐に飛び込んで、円卓側の勝利。
 みんな、裏切り者の可能性にどきどきしていましたが、なんと裏切り者はなし!
 いや、面白いゲームでした。

●FAB FIB
 嘘つき妖精の数字遊びゲーム。カード3枚で出来るもっとも大きな数字を元に、はったりを掛け合うブラフ系のゲームである。今回は勘所が見えないまま、1抜け。

●深海の罠
 学校のメモ。
 金曜日は朝から晩までライティング。
 コラムを書かせた後、家から持ってきた寄付予定の漫画や小説を紹介する。
 特に「サトラレ」1~8巻は、ワン・アイデアを掘り下げ、優れたドラマを構築した好例として紹介した。第一部完結であるが、基本的に読みきり連作の形を取っているので、多少飛ばしても十分読める作品が多い。ドラマ化されなかった作品もぜひ読んで欲しいあたり。
 テキスト講読はブライアン・ラムレイ「黒の召喚者」より、「深海の罠」と、月刊PLAYBOY12月号の長渕剛インタビュー。

 「深海の罠」はThe Cyprus Shellの原題通り、キプロスの貝を巡るホラー短編。クトゥルフ風味はありますが、特に神格がどうのという訳ではなく、予備知識無しに読める素敵な作品。40年ほど前の作品なので、少々古臭いが、それも味である。一通の手紙で語られる貝の謎。
 貝が食べられなくなる、という生徒もいるほど。

 「長渕剛インタビュー」は以前2年生に読ませたものであるが、今回はキャラクターを深めるために、生の濃いキャラクターの発言を読んでもらう。マッチョ長渕の熱い魂に触れ、感動する生徒と、暑苦しさに耐えられない生徒と両極端である。

●ヴィンランド・サガ 2
 これでマガジン連載分が終了。
 トールズの鬼のような強さも凄いが、バーサーカー・モードとか、色々見所あり。

●鋼の錬金術師 12
 乱戦編。ホムンクルス、傷の男、大総統、シン国王子と忍者まで入り混じって暴走。
 ウィンリィのかかわりは泣けるなあ。

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November 18, 2005

妖蛆の秘密は信長の手に入るか?

 仕事中、仕事中。
 『永遠の冬』しかない日は裏で色々詰まっていると思って下さい。はい。
 『金剛神界』用のシナリオで唸る傍ら、『比叡山炎上』のために魔道書一覧を書いたり、書かなかったり。

●妖蛆の秘密

 クトゥルフ神話の有名な魔道書のひとつで、オリジナルは1542年にベルギーで印刷された。即座に教会から焚書を命じられ、20世紀には15部しか残っていないというものだが、『比叡山炎上』の時代はその直後である。焚書を逃れ、ベルギーから持ち出された数部が、海を越え、インドのボンベイへ。
 魔道書の流出に危機感を感じたローマ教皇は、当時、インドを発見し、支配を進めていたポルトガル王ジョアンに『妖蛆の秘密』を追跡し、インドで焼却することを命じた。しかし、国内の有能な人材の多くをインド侵略に向けたポルトガル王国は、わずか人口200万のうち、50万が海外、アフリカ、アジアへ向かっているという極端な人材不足状態で、逆に、有能な宣教師をローマに斡旋してくれと泣き付く。

 そこにやってきたのが、聖地エルサレムでの宣教を求めるイグナチオ・ロヨラ、フランシスコ・ザビエルらのイエスズ会である。当時、東方はオスマントルコ帝国とヴェネチアが戦闘を行っており、エルサレムどころか、地中海の東半分が大戦争中。
 行き場に困ったロヨラに目をつけた教皇は、イエスズ会をアジアへ送ることを決定した。
 ロヨラは新たな戦場を得て万々歳、二人のメンバーを選出したが、片方が病気で倒れたので、代理として、信頼するザビエルを立てた。

 ポルトガルについたザビエルに下されたのは、アジアでの宣教とともに、失われた魔道書『妖蛆の秘密』の追跡と焼却である。インドのゴアに達したザビエルは、すでに魔道書が東方のジパングに去ったことを知り、日本人従者アンジローとともに、日本への道を辿ったのであった。

 こんな感じで、ぎりぎり、信長の手にラテン語版『妖蛆の秘密』が……。
 さてさて。

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November 17, 2005

永遠の冬16:顕現

 それは始まり。
 それは終わり。
 それは……

 雪が舞っていた。

 ふわり。遠吠えの声とともに、雪狼たちが虚空から現れた。

(さあ、祈り、求めよ。我らが姫の顕現を)

 雪狼たちが空に向かって遠吠えする。
 ウィリスは立ち上がり、眼を閉じたまま、お迎えの祝詞を唱える。
 血まみれの大地を踏みしめ、舞の仕草を始める。両手を差し伸べ、ゆらゆらと複雑な弧を描く。
 ウィリスの祝詞に合わせて、雪狼が吠える声を上げる。
 雪狼の吠えるたびに、冷気が吹き荒れ、白い雪が舞い飛ぶ。

(この地を姫君に捧げん)

 それは約定の言葉。
 それは契約の言葉。
 それは開門の言葉。

(御顕現あれ!)

 ふわり。
 毛皮の帽子と白い鎧装束をまとったネージャが虚空から表れた。
 その手には青き氷の大槍。

「ウィリスよ、お迎え役ご苦労。
 これにより、汝は獣の王となる。
 これより、この地は我が領土。
 すべては《冬翼様》に」

 ネージャは微笑むと、目にも止まらぬほどの素早さで振り返り、その青き大槍を投じた。
 しゅっ。
 大槍は風を切り、鈍い音とともに、木々の間を突進してきた青白い騎士を軍馬ごと貫いた。騎士はたちまち霜に覆われた。
 怪物のような青白い軍馬はそのまま突進しようとしたが、やはり瞬間的に凍りついた足を踏み出した途端、足から、もろい陶器のように割れた。まず、踏み込んだ足が粉々に砕け散り、倒れていく胴体と頭がその後を追った。まるで水面に飛び込んだかのように、地面に激突したところから砕け散り、きらきらと輝く飛沫を撒き散らしていく。その飛沫がまるで水面を割ってできる波しぶきのようだった。
 騎士も、地面に叩きつけられ、陶器の人形のように砕け散った。

 それはずいぶんと静かな風景だった。
 悲鳴も血潮もなかった。
 ただ、かの呪わしき騎士は砕け散った。

 やがて、しんしんと降り続ける雪の中、ネージャは微笑んだ。

「もはや邪魔者はおらぬ。
 こここそ、冬の国。
 今宵より、永遠の冬が始まるのだ」

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反乱編終わり。
全体からすると、始まり。
まだ、書かれていないことがいくつもあるので、そのうち、続きを。
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November 16, 2005

BLで学ぶ日本史

●ジャンルの流れを押さえて

 昨日はゲーム学校。
 通常の授業の後、プランナー科の合評会に向けて、個別指導。私自身はプランナー科よりもライター科寄り、分担もシナリオ系やアナログゲーム系なので、個別指導と言っても3名ほど。
 ある生徒が育成シミュレーションの企画を持ってくるが、どうもぴんとこない。見るべきアイデアはあるのに、どうしてだろう?


 原因は二つあった。

【1】具体性に欠ける
 これは生徒作品に多いことで、コンセプトを推し進め切れておらず、具体例が少ないため、実際のプレイ風景やビジュアルが浮かんでこないのだ。育成シミュレーションは、手間をかけるゲームであるだけに、育成する対象の可愛らしさがキーワードになる。可愛い、萌えるというネタがなければいかんのである。どういう萌えでもいい。

【2】先例の研究が甘い
 ゲームの企画書では、しばしば、「既存の作品では~~」と差別化のポイントを上げるが、持ってきた企画書は、どうもピントが甘い。明らかに「プリンセス・メイカー」をプレイしていない。
 ある人気ジャンルがあれば、必ず、草分けのソフトがある。
 「プリンセス・メイカー」は、育成シミュレーションというジャンルを生み出したソフトである。正直、ここに全ての育成ゲームの基本要素が入っている。「プリメ」を知らずに、育成シミュレーションを語るのは、「ドラクエ」「FF」を知らずに、コンシューマー機のRPGを語るようなものである。
 これは先達の成功と失敗のポイントを知る機会なので、商品戦略には欠かせないものである。同じ轍を踏まないためにも、あるいは、何とかのパクリと言われないために、他の商品の研究が必要なのである。

●BLには歴史が必要

 2年生に、朝松健先生の「泥中蓮」を読ませる。
 すると、すでに仕事を始めている生徒が、漢字が苦手とか言い出す。もともと、時代小説を読ませるたびに、途中で力尽きるタイプなのであるが、今や、ゲームに対する熱情で押し切って何とかゲームライターとしての一歩目を踏み出している男だ。

「歴史とか苦手だと損ですよね」

 聞けば、最近、彼はボーイズ・ラブ系のゲーム紹介を担当することが増えているのであるが、歴史が苦手なので、維新物のBLとか、引き受けられず、仕事のチャンスを逃したというのだ。

 ああ、確かに。

 BL系で言えば、新撰組と平安朝(安倍晴明)は一大勢力だ。今年なら、義経も強いだろう。幼い頃はショタ、長じては、美形のヒーローと応用力も高い。戦国も信長×蘭丸は定番である。歴史系のBLを扱うならば、史実の有名人程度でパニックしていてはいけないし、土佐勤皇党とか、陰陽道とか、言われても逃げてはいけない。やたらマニアックな掛け算も多い。陀羅尼経でビビっていてはいられない。

 ふむふむ。日本史はBLに役立つ、ということか?

 いや、おそらく、今、BLの読者をしている女性たちも、それほど日本史が得意だった訳ではあるまい。婦女子の道を邁進するうちに、深みにはまった可能性も高いと思う。

 「ボーイズ・ラブで分かる日本の歴史」か。

 ええ、どこか、これを出す勇気がある出版社はいませんか(笑)

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永遠の冬15:殺戮

 我が声に答えよ。
 我が絶望に答えよ。

 カルシアスの敗北、ゾークの死とともに、兵たちは崩壊した。
 生き残っていた赤揃えの兵が斧槍を振り回したが、水魔たちが群がり、赤揃えの鎧はもはや見えなくなった。

「逃げるぞ!」
 青白い騎士が走り抜けた時から倒れたままのウィリスだったが、ダーシュに腕を引かれ、慌てて立ち上がる。息を荒くしながら、青白い騎士に背を向け、ダーシュとウィリスは街道とおぼしき方角へ向かって走り出した。
 水魔の吐いた霧がねっとりと足に絡む。
 林の木々の根っこがまるで生きているかのように、ウィリスのつま先に当たり、たびたび、体勢を崩させる。ひっくり返ったら、終わりだ。ウィリスは必死にダーシュの背中を追った。いつの間にか、剣は投げ捨てていた。空になった腰の鞘さえ邪魔だ。

 背後から蹄の音とともに、じっとりした湿気が押し寄せてきた。

「ダーシュ!」

 ウィリスは叫んだ途端、木の根につまづいてひっくり返った。

(右)

 雪狼の声に反応して、横に転がると、今、倒れた木の根を青白い蹄が踏み破って、通過していく。一緒に振られた剣の刃がウィリスの顔の上を抜け、そのまま走るダーシュの首へと叩き込まれる。
 丸い物が飛び、ずいぶん背の小さくなったダーシュは数歩走って林の木にぶつかり、倒れた。

「ダーシュ、ダーシュ、ダーシュ」

 ウィリスは呟きながら、立ち上がる。
 青白い騎士は、怪物のような青い軍馬の馬首をめぐらせる。
 ただ、無言で剣を持ち上げると、ぱんっと手綱を入れた。
 青い軍馬が、谷川の流れのような青い風となってウィリスに迫る。

 死ぬ?
 あの剣が僕を殺す?

 不思議と実感は湧かなかった。ダーシュの首が飛ばされた瞬間に、ウィリスの頭はよく動かなかった。

「うらああああ」
 水の騎士の剣が振り下ろされる直前、ウィリスの前に、大柄な姿が飛び出した。赤い斧槍が突き出され、騎士の剣を受け流す。
「馬鹿、ウィリス、逃げろ」
 水車小屋のヤンだ。
 その姿はすでに赤と青の血にまみれていた。水魔の血とおそらくヤン自身の血だ。
 ヤンは片手でウィリスを押しやる。
「みんな、やられた。お前は逃げろ」
 言われて、林の中に逃げ込む。
 慌てて、走り出し、「ヤンも……」と呟き、振り返った途端、ヤンが騎士の剣に刺しぬかれるのが見えた。
 悲鳴を上げながら、走り出す。
 もう必死だった。
 藪を突きぬけ、石を飛び越え、ただ走った。

 やがて、柔らかな何かに足を取られて地面に倒れた。

 鼻腔を、濃密な血の匂いが襲う。
 はっと顔を起こし、見回すと、周辺は死体だらけだ。見れば、ばらばらに引き裂かれた真紅の鎧が転がっている。踏み荒らされた薪の跡。
 そう、ここは最初に襲われた場所だ。
 足を取られたのは、誰かの死体だ。もう誰かは分からないが、あの御貸し武具はグリスン谷にあったミネアス様のもの。谷の仲間だ。
 立ち上がり、顔を見ようとしてためらう。

(弱い者、弱い者)

 雪狼の声が響いた。

(汝は獣の王。ここで死せば、谷は滅びよう)

 周囲にはまだ濃密な霧が漂っている。水魔の気配はないが、いずれ戻ってきてもおかしくはない。
 逃げなければ。
 しかし、ウィリスの足はもう震えて動かない。
 いや、どこへ行けばいいのかも分からない。

(我らの名を呼べ。我が姫君の名を呼べ)

 雪狼がささやく。

(されば、この地は我らが領土となろう)

 言葉の意味は分からなかった。
 ただ、生きたかった。
 ダーシュの仇とか、ヤンの復讐とか、そんな思いさえなかった。
 ただ、殺されるのが怖かった。
 ウィリスは祈った。雪狼へ祈り、雪狼の姫ネージャの名前を呼んだ。

 やがて、雪が舞い、ウィリスは雪狼の遠吠えを聞いた。

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反乱編第五話。
タイトル通りということで。
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November 15, 2005

永遠の冬14:夜襲

 矢羽の音、悲鳴、馬のいななき、そして、血潮の匂い。
 忘れたくても忘れられない。

 戦いの始まりは、夜の闇の中であった。

 ウィリスは雪狼の声で目覚めた。
 風見山へ踏み込む前夜、真夜中を過ぎた頃。部隊は街道を離れ、林の中で休息を取っていた。
 目覚めると深い霧が漂っている。このあたりでは珍しい、深くじっとりした霧だ。

(餌になるぞ)

 雪狼の声がウィリスにささやいた。
 首筋がちりちりする。
 ウィリスは隣で眠っていたダーシュをこづいた。
「ダーシュ、よくない霧だ」
 ダーシュは寝ぼけた顔でいたが、やがて、うなづき、水車小屋のヤンを呼んだ。
 ヤンはグリスン谷の全員を起こす。
「ああ、この霧はよくない」
 ヤンは、剣を取ると、ウィリスに一緒に来るようにいった。

「この霧はよくないな」
 カルシアスはうなづいた。彼と赤揃えの兵士たちはすでに目覚めていた。焚き火が高く燃え上がり、カルシアスはすでに赤い鎧を身につけ始めていた。
「まだ、川面からずいぶん上だと思っていたが、ここまで霧が上がってくるとなれば、奴ら、近いぞ。ゾークス、全軍を起こせ」
 鎧を付け終わったカルシアスは、ひらりと馬に飛び乗った。磨き上げられた真紅の鎧が馬上に輝くと、兵士たちはおおと声を上げた。華麗の一言で知られるマリュアッドの騎士である。同じく真紅の馬上槍と騎士盾を構えると、戦の神のようにも見えた。

 次の瞬間、霧の向こうで、叫びが上がった。
 数本の矢が霧を貫いて、飛来する。首に矢を受けた不幸な兵士がひゅーひゅーと悲鳴を上げて倒れる。
「来るぞ!」
 カルシアスの叫びに答えるように、霧の中から不気味な怪物が飛び出してくる。怪物は青白いぬらぬらした人型の生き物である。顔には人のような目鼻はないが、ウィリスは蛙のような雰囲気を覚えた。
「この水魔め!」
 カルシアスは、前進して、馬上槍を怪物に向かって突き出す。濡れたような皮膚にすべって、槍が流れた隙に、怪物がカルシアスに飛び掛るが、赤揃えのゾークが横から斧槍を突き出し、怪物を叩き落とす。そこへ赤揃えの兵士たちが群がり、剣を突き下ろす。

 後は乱戦であった。

 水魔は最初の一体だけではなく、次々に霧の中から現れ、カルシアスに向かってくる。
 赤揃えの5人の兵士が、一斉に斧槍を振り下ろし、水魔たちに傷を負わせる。ヤンはカルシアスの近くにグリスン谷の兵士を集め、水魔たちの横あいから襲いかかった。ウィリスはダーシュとともに、水魔に向かって剣を突き出した。水魔の体はぬらぬらして、剣はなかなか通らなかったが、何度もつくうちに、青みがかった血が噴出した。
 突然、ウィリスの体が弾き飛ばされた。
 何が起こったか分からなかった。
 見上げると、傷ついた水魔がウィリスを睨むように振り返っていた。戦場の中央で燃え上がる焚き火の炎を背に、水魔は暗く不気味な青い影に見えた。

「うらああああ」
 叫びとともに、ウィリスの倒れたすぐ横を蹄が通り過ぎていった。

 青白い。
 風というよりも、谷川の水のような透明な青。

 それは一瞬の隙をついて、戦場を突破した。
 青き騎士は、グリスン谷の兵士たちを踏み越え、霧の巻いた林の中を走り抜ける。
 赤揃えの兵士たちが振り上げようとする斧槍が林立する前に、それを踏み越える。
 構えた青い馬上槍が電光のように、カルシアスの赤い鎧に向かって突き出される。
 どん!
 カルシアスは、構えた盾ごと吹き飛んだ。

 ウィリスはその光景を始めてみた。
 鎧を着た真紅の人影が、馬上から弾き飛ばされ、宙を飛ぶ。
 そのまま、木の幹にたたきつけられ、複雑な金属音を立てる。
 まるで、濡れ雑巾のように、赤い血の跡を引いて、そのまま崩れ落ちる。

「カルシアスさま!」
 赤揃えのゾークが叫ぶ。助けに向かおうとする前に、青白い騎士が立つ。先ほどの突撃で折れた馬上槍はすでに捨て、片手半剣を構えている。
「ガレンナ砦の敵は取らせてもらった!」
 青白い騎士が叫ぶ。
 同時に、奇怪な青い軍馬が霧を吐く。周囲にじっとりとした嫌な空気が流れる。
「水の騎士め!」
 赤揃えのゾークが斧槍を突き出すが、盾に弾かれ、そのまま、切り下ろされる。騎士の剣はゾークの赤い兜を断ち割り、ゾークは脳漿と血を噴出したまま、崩れ落ちた。
「殺せ!」
 騎士の命令に水魔たちが飢えた叫びで答えた。
 殺戮が始まった。

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反乱編第四話。
マリュアッドの騎士は目立つのが仕事。ゆえに戦場での死亡率はかなり高い。
さて、ウィリスの運命やいかに。
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November 14, 2005

アザトースは禅マインド

 色々仕事中。学校の打ち合わせや年末課題向けの指導が入り、じたばた。リプレイの挿絵のラフとか飛んできて、少し幸せ。

●続・泡盛な日々

 先週、打ち合わせの帰りに新宿に寄ったら、西口地下で沖縄物産展をやっており、泡盛の古酒を試飲してくる。
 うまい。まろやかである。
 ああ、酒の熟成というのはこういうことか。
 新酒の尖ったあたりが、見事に消えていて、飲み終わりに芳しい甘みが香り、素晴らしい。
 駅前物産展で入る7年物でこれだとすると、20年とかどうなるのだろうか? 『もやしもん』の2巻に出てくる200年物の泡盛(実在は140年までとか)は、天にも昇る気分かも。 
 実験的に樫樽で熟成された泡盛があり、これも試飲させていただいたが、これは樫の香りが濃くついて、ほとんどウィスキーである。
 結局、予算の都合上、『菊の露』のGold VIP(どこのウィスキーだ)、2000円也で我慢したが、飲み終わりに香る甘い芳香に感涙しながら、楽しんでいる。

●Zetaの鼓動はキス

 「ZガンダムⅡ」見てきました。
 フォウはかなり書き直しで、ああ、声優も変わったし、シナリオも恋愛物だから、という感じですね。新作カットを増やしても、もう少し、フォウの話を書いてほしかったな。シャアの演説をカットするならば、サラの話もカットして1時間をフォウの話に、もう30分はハマーン様ではないかと。(ここは拳を握って、涙ながらに熱弁するところ)
 個人的には、屋上のデートは書き直してほしかった。
 やっぱり新旧カットの絵の差が厳しいんですよ。

 でも、そうすると、綺麗に決まったレコアさん裏切りの予兆が消えてしまうしなあ。

 次回のタイトルがまた、凄いね。ハマーン様の本領発揮シーンとか、尺に収まるのかなあ。

●アザトースは禅マインド

 ……だそうです。フロム「Secret of Japan」。
 いやまあ、一切空、一切無で、一切はアザトースの夢に過ぎませんがね。
 仏教の叡智も極めれば、空白の痴(智)にいたるとかいたらないとか。
 このあたりが先日の、『比叡山炎上』シナリオのもとであったりもいたしますよ。

●秘神界英語版Ⅱ

 クトゥルー・ジャパネスク書き下ろしアンソロジーの英訳版第二巻が、Amazonで購入できるそうです。応援として、横にエントリーを置いておきます。

●闇鍵師

 江戸に頻発する妖怪事件。錠前師錠之介がくるり屋として、魔性を錠前に封印する、という江戸伝奇漫画。
 赤名修の流麗な絵が、エロチックな描写と相まって、いい感じである。
 原作の中島かずきは劇団新感線。以前の「ジェノサイト」はいい感じで暴走していたが、今回はしっかり起承転結でまとまり、ネタもかなりいいですね。

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November 12, 2005

クトゥルフ:黒蓮宗、紅瑠璃堂始末

 黒智蟲聲経は、伝教大師の孫弟子、円鑑上人が唐より持ち帰られし貴き経文なり。
 それは大黒天の叡智をおさめ、般若心経の原点というべきもの。
 一切空、一切無、全ては虚しきものあり。
 大黒天~マハーカーラ~はこの世の中心にありて、全ての無を夢見るものなり。

 今日は戦国クトゥルフこと『比叡山炎上』のテストプレイ。
 ミッション内容は、比叡山を焼き払うと暴れ始めた信長様を止めるため、明智光秀が配下に命じて、比叡山堕落の根源たる邪宗、黒蓮宗を壊滅させるという話である。
 PCたちには、比叡山に潜入し、黒蓮宗の秘密集会を襲撃しろという命令が下る。
 PCたちは、90歳になる謎の老僧、実は剣の達人である山伏、弓がうまい狩人、隠行に長けた忍者の4名。不滅の法灯参拝を装って、比叡山に潜入する。秘密集会が行われる紅瑠璃堂に向かうが、内沙上人なる怪僧に発見され、「黒智蟲聲経」なる怪しげなお経の存在を知る。

 大黒天の叡智を集めた究極の経文であると言われる。
 大日如来でも、仏陀でも、阿弥陀如来でもなく、大黒天というのが怪しい。大黒天(マハーカーラ)はもとはシヴァである。それはとんでもない。

 内沙上人の動きがあまりにも怪しげなので、別のお堂にいって、「黒智蟲聲経」について情報収集すると、どうやらその趣旨は「一切空、一切無」という般若心経の字句をさらに過激にし、経文の字句さえも「蟲の聲(虫の声)」に過ぎぬという虚無経典だという。
 紅瑠璃堂の集会の危険を感じた一行は、高位の上人が紅瑠璃堂へ向かうのを尾行し、夜襲を計画するが、紅瑠璃堂には奇怪な怪物が番人としてついていた。紅瑠璃堂を焼くべく襲撃をかける一行だが、忍者が堂に近づくと、奇怪な経文によって、精神をかき乱され、妄想の中へ引き込まれてしまう。忍者の存在に気づいた怪物に襲われそうになるが、ネズミを囮にして間一髪の危機を逃れる。
 忍者自身は囮のネズミが瞬間的に食われたのを見て、一時的な発狂。

「ネズミが消えた、ネズミが消えた」

 何とか正気に戻った忍者は、紅瑠璃堂を焼かなくてはならないと決意し、堂に油をまき、そこへ狩人が火矢を打ち込む。山伏の奮戦で、怪物を倒し、黒い僧侶、内沙をも倒して紅瑠璃堂を焼き払うが、「黒智蟲聲経」は老僧の目前で虚空に消えてしまう。
 かくして、明智光秀の努力もむなしく、比叡山焼き討ちが始まるのである。

●感想
 タイトル通りのネタをグネグネとプレイするのだが、黒智蟲聲経の設定がさらに深まって面白かった。
 大黒天という流れが変で、かなり暴走した。
 円鑑上人は割りと口からでまかせであるが、それらしくも仕上がったのでよし。
 忍者も2回、発狂したしね。

 

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日々雑記:根来って読めますか?

 「根来」って読めますか?

 少し前、娘に聞かれて、私も妻も常識だろうと答えましたが、どうも、最近はそうでもないらしい。「コンライ」と読まれても困るのだが、「ネギ」も間違い。
 ためしに、昨日、学校の生徒にも聞いてみたが、ほとんど読めない。

 もしかして、根来忍者ってマイナーですか?

 正解は「ねごろ」。

●時代小説の読み方・邪道編

 昨日は学校で、生徒に朝松健先生の「泥中蓮」を読ませる。
 いわゆる室町伝奇アクションである。来週2年生にも読ませるので、あえて名を秘すが、風狂の僧が怪異と出会い、これを解決して去っていくという、実はウェスタン調の痛快さを持つ短編である。
 読み切れた生徒にはかなり好評で、最後の台詞はしびれる、という。
 その一方で、室町時代というのはどうも皆の範疇から脱落しているらしく、序盤の状況説明がぴんとこないまま、そこでスイッチが切れてしまう生徒も少なからずいる。実はこの辺、適当に流すのも、技術である。本来は色々教養があって、10倍楽しめる部分でもあるが、今は分からなくても、それは時代の雰囲気を表す描写なのだ、と受け取って読んでほしい。

 世界はすべて読者に明かされるものではない。
 掌の上にすべて乗っていないと安心できないのではよくない。
 
 やがて、他の作品を読んだり、室町時代の知識を増したりしたら、読み返すと、また面白いものとなる。

●ぽたぽた

 『ハネムーン・サラダ サウザンアイランド編』P300~305を使って、擬音と描写の話。
 カメラ(認識回路)が動き、海水が垂れるシーンから、実の覚醒、遥子の接近までの3コマは実にスリリングであるよと。

●スケジュール・メモ
 とりあえずの予定をメモ。何か年内の土日が埋まったような気分がする。

11月12日 今日、これからテストプレイ。
11月13日 Zを見に行こうかと。そのあと、打ち合わせ。

11月20日 テーブルゲームフェスティバル2005  ボードゲームの新作が遊べるイベントです。遊びに行く予定。

11月27日頃 もしかすると某所へ取材に。スケジュールと体力次第で未定。雪が降る前に。

12月4日 某サークルで遊ぶ約束を。いや、テストプレイだって(笑)

12月17日か18日 某地でイベント。『真・女神転生X』の予定。

12月25日  ユールの日ですよ、信長様!

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November 10, 2005

日々雑記:再会、再会

 相変わらずジタバタな日々。

●『超古代文明』校了

 『超古代文明』の最終校正でアークライトに飛んでいく。250ページぐらいを一気に見て、新紀元社まで編集さんと一緒に届ける。新紀元社の担当のTさんと直接会うのは10年ぶりぐらいかなあ。
 新紀元社さんは、『ウォーロック』の社会思想社と並んで、デビュー直後に、お世話になった出版社です。しばらく距離があいてしまったが、昨年の『クトゥルフ神話ガイドブック』で本当に久しぶりに、仕事させてもらいました。
 相変わらず、無謀な著者ですいません。
 これで私の作業は完全におしまい。刊行は少しずれ込んで今月末の予定となりました。見本が出たら、またお知らせいたします。

●もう一つの再会

 ぎゃざの記事でホビージャパンに電話したら、ずっと以前に、某デジタルゲーム誌でお世話になったA氏が電話に出た。最近、HJに入ったそうな。これは奇遇である。あの仕事は単発だったが、面白い雑誌の面白い特集で、割と好き勝手やらせてもらった。楽しい仕事であった。
 また、ああいう仕事があったら、ぜひ声をかけて下さい。
 しかし、業界の狭いこと、狭いこと。

●ハネムーンサラダ サウザンアイランド編

 ……という訳で、以前紹介した、二宮ひかる『ハネムーンサラダ』の後編。
 色々あって、三人で南の島に行くために、結婚する、というドコカで聞いたような話であるが、南の島でのドキドキするような一コマがあって、そこだけでもう十分ですよ。
 ENDINGのドタバタ加減もよいのですよ。

●西新宿にて

 ええ、なんというか、今、心の支えは、Amazonに注文した『シャドウラン第四版』ですが、3~5週間以内に発送とかいったまま、いつまでも届きません。少し寂しいので、帰りに、新宿西口のイエローサブマリンをのぞく。
 うーん、無い。
 店長さんに聞いたら、一度入って売り切れたらしい。次の入荷は月末とか。
 しかたないので、寂しく店を出る。
 都庁側に1ブロック行ったあたりに、陳麻家という、本格マーボー丼の店が出来ていたので、入って「陳麻飯」を食う。極限の辛さという触れ込みに違わぬ、辛くてうまいマーボー丼が出てきた。ビールがほしくなる味だ。

●深淵のキャラ作成ルール

「深淵はテンプレート方式ですよね。
 キャラクターは自作できるのですか?」

 某知人と話していたついでで、そんな質問をされる。
 『深淵』は、テンプレートがかっちりあるが、キャラクター作成ルールもある。『城砦』に載せた経歴式のものがそうである。基本ルールにも簡単なルールがあるが、あれは凄く大雑把なので、GMがNPCを作る際のガイドラインぐらいに考えてほしい。
 第二版も、『城砦』バージョンを踏襲するつもりであるが、運命の幻視の分、少し調整が必要であるなあ。

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November 09, 2005

日々雑記:少しずつ部屋の整理

 仕事中、仕事中。
 以前から進行中だった、『真・女神転生X』リプレイの第一次監修が終わり、一端編集さんにお渡ししました。また、西上君が頑張って書いてくれましたので、お楽しみに。詳細は近々。最近の「アレ」とはこの話。
 とりあえず、『比叡山炎上』のキャラ作成に目処も立ったので、『金剛神界』の残り原稿と格闘中。

●少しずつ少しずつ部屋の整理
 日々、寒さが増し、いつの間にか仕事場でもひざ掛けが欠かせない日々が続いています。仕事の合間を見て、仕事場の掃除とか資料の整理を少しずつしておりますよ。ただでさえ、アトランティス本、『真・女神転生X』と資料整理をする間もなく、来てしまったので、今、仕事場は足の踏み場もない。
 暖房も入りませんねえ。
 しかたないので、部屋の本を少し整理しようとして、気づくと無印「トライガン」3冊と、「トライガン・マキシマム」5冊を読破してしまう。せめて、今のネタに関係あるものにしようぜ、オレ。
 しかし、読み直してみると面白い作品である。
 西部のような雰囲気の孤立した開拓惑星の運命を巡るSFガンアクション。OURSでも盛り上がっているので、いずれ続きをまとめて読まねば。

 こうして、部屋の整理は遠のいていく。

●ガンダム美術展
 とりあえず、メモ代わりに。行くか? と言われると微妙だなあ。怪獣みたいなアルテイシアはちょっと。それより、Zの2を見にいかないと。金曜日あたりにこっそり行くかな?

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November 08, 2005

日々雑記:金毘羅ふねふね

 相変わらず、じたばたじたばた。
 アレの最終段階が見えてきて、イラストラフが飛んできたり。送信時間5時とか、編集さんも修羅場モードですが、私は忍者とか、神社の由来とかと格闘してます。

 修験道の再確認のために、思わず『はじめての修験道』という本を借りてしまうのであるが、山岳宗教を説明するのに『もののけ姫』を出すのは、先生、砕けすぎですよ。

●金毘羅様はサメ。

  『比叡山炎上』の神官キャラのために、神社の系統を書いていたら、金毘羅様のオリジンがサメの神だったことが分かる。それで航海安全か。もともとはヒンドゥーの福の神クーベラ。これが十二神将に入って、宮比羅(くびら)大将となり、三輪山の大物主命と習合される。大物主の行宮が琴平神社で、これが讃岐に勧請され、崇徳上皇と合祀されたのが、金毘羅大権現。いわゆる金毘羅宮である。
 御祭神は金毘羅大権現でしたが、明治の神仏習合令で、大物主神に変更される。
 しかし、金毘羅信仰が爆発的に広まるのは江戸以降で、『比叡山炎上』にはあまり使えないことが分かり、ちょっとしょぼんとする。

 明治の神仏分離令で色々、状況が捻じ曲がっているため、ちょっと苦戦中。戦国時代は、金毘羅様って大権現だったのね。あと、八坂神社も祇園神社であったりと、細かい名称がとても危険な感じである。

 しかし、Wikipediaでは、「八幡神=ヤハウェ説」まで取り上げられていた。
 むむ、すると、八幡大菩薩を信仰する武将は神の軍団であったのか?
 いや、なんというか、『比叡山炎上』というより、『真・女神転生X』のネタであるな。

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November 06, 2005

日々雑記:サイボーグ そして

 急速に寒くなってくる今日この頃、皆さん、いかがお過ごしでしょうか?
 私は寒くなって風邪気味になったのか、色々ヘロヘロですよ。とはいえ、監修せねばならないアレの原稿が飛んできて、明日までとかいう状態でジタバタやっております。

●比叡山は四大地獄
 昨日は図書館で調べ物。
 『比叡山』のムックを見ると、比叡山の暮らしは四大地獄、議論が厳しく、湿度が高く、寒くて貧しいという。『比叡山炎上』の頃は最後こそないものの、環境は厳しそうだ。この程度の寒さでひーひー言っている私には生きていけない世界かもしれない。
 その他、山岳宗教関係とか借り出してきたが、大丈夫かね。

●NHK特集 サイボーグ技術
 立花隆の最新科学研究レポートを見た。はるか昔にフィクションだったものが次々実現されていく図式はワクワクする一方、SFで描かれる与太話は現実化する恐怖も感じさせる。
 例えば、日本で開発されている、筋肉サポートシステムは、10倍の力まで出せる。事実上のパワードスーツである。プラスティックを多用した外装は特撮ヒーローのようにしか見えない。これが来年には実用化されるという。
 電気的に脳の機能を調整する脳深部刺激療法は、パーキンソン病などの神経性の難病にさえ救いをもたらす。さらに、脳の悲しみの中枢(CG25)をコントロールすることで重度の鬱病を解決できるが、感情支配装置の影が見える。記憶を操る海馬チップは、サイバーパンクにおける人格モジュールまで後一歩のところに来ている。

 ここに米軍の覇権構想が絡む。

 DARPA(アメリカ国防総省高等科学研究所)が目指すBMI(脳=機械インターフェース)。
 脳から直接神経信号を読み取り技術を開発したジョン・シェーピン教授は、脳構造の研究から、脳インターフェースの可能性に気づく。そして今、彼はロボラットと称して、ネズミの脳を電極からの信号で操る実験を進めている。快楽中枢を刺激することでその行動をコントロールする。カメラ付きのロボラットを操る研究にも進んでいる。米軍はこれを支援し、教授は猿での実験も成功させているという。
 パーフェクト・ソルジャーが誕生するのもそう遠くないのかもしれない。

●和泉元彌チョップ
 ちょっと馬鹿にしていた、和泉元彌のハッスル参戦ですが、金曜日夕方の東スポを見たら、見直しました。この青と金の衣装がかっこいい。さすが、狂言師。派手な衣装が似合う似合う。
 エンターテイメント主体のハッスルならの立ち位置でいいなあ。

 その前の、セイザーXが、洗脳されたライザーグレンを救いに行くという試合にもちょっとそそられました。個人的には、グレンよりも現セイザーXの主人公のほうが洗脳されやすそうな雰囲気でしたがね。

●メモ
タイタス・クロウ・サーガ一巻 『地を穿つ魔』
12月予定とのこと。
楽しみ、楽しみ。

買いそびれていた異形コレクション『オバケヤシキ』を入手。
次なる公募のテーマは「闇電話」か。2006年1月末。

**一部加筆。

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永遠の冬13:反乱

 奪われないために戦わなければならない。
 剣を取り、牙を磨く。
 それでも、生きていかねばならないから。

 ウィリス11歳の春は波乱に満ちたものとなった。
 西方風見山の狼煙が上がり、狼煙台のウィリスはさらに狼煙を上げた。東方、砂の川原の狼煙台が赤い煙を上げた。それは予想外の警戒を示す煙だ。

「風見山の銀山で何ぞあったのじゃな」
 村からの知らせで狼煙台から降りてきたウィリスに向かって、婆はそう言った。
 西方の風見山には古い銀鉱山がある。以前はずいぶん栄えていたというが、今や細々と流刑者が銀を掘るばかりだ。銀の質も落ちているらしい。今はミネアス様が治める砂の川原のほうが栄えているという。
「いずれにせよ、村は備えねばならぬ。
 戦となれば、兵10名、馬2頭を揃え、村にも守りが必要だ」
 そう言って村長がウィリスを振り返る。
「お迎え役を村から出仕させるのは心外だが……。
 人手が足りぬ。婆もお前に行けと」
「お前には雪狼様のご加護がある。
 時には、お前にしか見えぬものがあるかもしれぬ」
と、婆はうなづいた。
 そうして婆が虚空を見上げた。
「風が荒れておる。西から東、東から西。いずれも吠えておる」
 ウィリスの耳に、雪狼の遠吠えが聞こえたような気がした。

 狼煙の2日後、街道を見張っていた村人が慌てて、九十九折れを降りてきた。
「峠から、赤揃えの騎士が!」
 村長に率いられ、ウィリスら出仕の兵10名が馬2頭を連れて、坂を上った。
 峠から下ってきた騎士は、きらびやかな姿であった。全身を真紅の鎧で包んでいるだけでなく、磨き上げられた兜の額には水晶がはめ込まれ、鮮やかな紅白の羽とともに、この世ならぬ艶やかさを放っていた。大柄な軍馬さえも銀の馬鎧に包まれ、ただならぬ雰囲気を放っている。
 その傍らには同じく赤揃えのお仕着せをまとった歩兵4名が付き添っている。いずれも、分厚い鎖帷子の上から戦胸甲をつけ、まがまがしい輝きを宿す斧槍をかついでいる。
「これが噂に聞くマリュアッドの騎士か!」
 村長が恐れ入るように漏らした。
 マリュアッドの騎士はバッスル軍でも精鋭と名高い一族だ。砂の川原のような砂鉄の産地を支配し、バッスル侯爵に仕える一族の中でももっとも豊かで、もっとも誇り高い。その証がこの赤揃え、真紅の鎧だ。砂の川原を支配するミネアスは、この赤き一族の傍系に当たるという。
 対するグリスン谷のものたちは、鉄の額当てをつけただけの毛皮帽子を被り、厚手の毛皮を背負いばかりでほとんど鎧と言えるものは着ていない。武器も、古びた剣や槍ばかりである。ウィリスも、村長から借りた小振りの剣と数本の短剣を装備しているばかりだ。
「グリスン谷のものか?」
 騎士は面頬を上げた。
 そこにはミネアス様に似た若い顔が見えた。
「我はミネアスが一子、カルシアスなり。
 これより、西方風見山へ向かう。汝らは我に従え!」

 カルシアスは、徒歩の兵を引き連れ、西へと進んだ。
 途中、グリスン谷のような開拓村からの出仕兵を加え、その兵員は50近くに膨れ上がった。出仕兵たちは村ごとに1隊にまとめられた。グリスン谷の長は、水車小屋のヤンがついた。
「戦になったら、ウィリスは、ダーシュの横についていろ」
 ヤンはそう言った。

 グリスン谷から三日進んだあたりで、風見山から逃げてきた兵と出会った。
「反乱です。流刑衆が何者かに解放され、監視の兵を襲いました」
 脱出の際、矢を受けたままの兵士は苦しげに報告する。
「水魔が現れました。おそらくはラルハースの残党かと」
 カルシアスの顔が歪んだ。
 バッスルにとって、不倶戴天の敵ラルハースは水魔の国だ。ラルハースの主力である泉水騎士団は、その名の通り、泉の女神を信仰し、おぞましい水魔を使う。
 先日の内戦の結果、バッスルに友好的な甥ジェイガンが爵位についたが、逃げ出したガイウスやその配下である泉水騎士団の残党が、ロクド山に逃れたという噂もある。
「やっかいな戦になるぞ」

 かくして、少年はいやおうなく戦いに巻き込まれていく。

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少し間があきましたが、反乱編第三話という感じで。
戦いは果てしなく。
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November 05, 2005

日々雑記:ブライト様がサンバ

●ふしぎ星のふたご姫

 朝食を取りながら、アニメ『ふしぎ星のふたご姫』を見ていたら、悪に染まってしまった太陽の王子ブライト様がサンバを踊っていた。メラメラの国のサンバ祭りに乱入、洗脳音波で国民をCHARMしてしまうという悪の陰謀である。

 えー、どこの戦隊物ですか?

 序盤、善良で正義感の強いハンサムで上品だった王子が、悪に走り……というシチュエーションは、月の王子が身元を隠しながら、ふしぎ星に迫る危機を探索しているというシチュエーションと対応して、実によいファンタジーをなしておりますが、そこはよい意味で、子供向けアニメなので、しばしば脱線気味の回があり、今回は突如、サンバ合戦になってしまう訳ですね。しかし、あの高貴だったブライト様がアイドル張りにサンバを踊るとは!
 もちろん、最後はふたご姫の頑張りで何とか撃退するのですが、勝ったプリンセス側のダンスがみんな微妙なのは、いわく言いがたいものがありますね。特に、クールなヒーローのシェイドの踊りが一番微妙だったりするのが。

●シーンを作る

 昨日は学校。
 朝から、ライティング(2コマ×3)という割とハードな展開。昼休みも添削でつぶれるので、サンドイッチ屋のSUBWAYで、朝食・昼食兼用をまとめて買う。ここのサンドイッチは大きいので、2個もあれば腹一杯だが、今回はロールキャベツスープと、トルティーヤ系の柔らかい皮で巻いたロールを試してみる。意外とうまい。
 例によって、コラム執筆&添削、テキスト講読に加え、期末課題の歴史小説(20枚以上)に向けて、シーンを作れ、という話をする。

 まず、今週のモーニング掲載『ブラック・ジャックによろしく』から、最後の2見開き、ジョン・レノンとオノ・ヨーコの出会いの話の部分を読ませる。ここで再現されるのは、オノ・ヨーコのインスタレーション芸術。以前、私が六本木ヒルズで体験したものもこの派生型であるが、基本的に、観客を芸術の中に取り込み、体験させる物語性のある芸術である。コミックはそれを印象的に要約し、「精神科編」の最終回の気持ちに当てている。
 こういう風に、言いたいテーマにあわせて、シーンを作り、そこで言うべき台詞、アクションに向けて全てを構築せよ、というのが趣旨である。

 その後、テキスト講読。今回は、椎出啓の『親子丼』から「親子丼」「腹式呼吸」「ナマチチ」。異形コレクション「蒐集者」から、中島らもの遺作「DECO-CHIN」を。

 前者は知人から買った同人誌であるが、会話だけ短くシチュエーションを要約したラブコメ・ショート。かなりの天然バカップルの日常を描く。ゲーム学校の生徒なので、反応はよい。『親子丼』というタイトルだけでスイッチが入る場合も。逆に、一線を越え、これではもう萌えスイッチが入らないダメ人間とか、リアル・バカップルの被害者でもう許して、とか。色々面白い反応である。

 後者は、中島らもが事故の三日前に書いたという、事実上の遺作にして、異形コレクションだから出来た超問題作。フリークス&身体改造ネタなのであるが、同じ身体改造に向かう金原ひとみがダウナー系で、どうもつらいのに対して、さすが、中島らも、アッパー系である。こちらも評価が極端に分かれ、生理的にダメだったり、全くついていけなかったりする生徒がいる一方、強烈なインパクトに衝撃を受けるものまで。
 テキスト講読では10点満点で作品を評価させているが、「DECO-CHIN」の場合、0~3点と8~10点にぐっと分かれる。いやまあ、こういう問題作に5点とかつける感性のほうがユニークかと。

●ツインテール
 ヤングサンデーの新撰組漫画「月明星稀~さようなら新撰組~」が凄いことになってますよ!

 と、生徒から聞いて、帰り道で、本屋によって見ると……

 伊藤甲子太郎がツインテールになっていた。

 伊藤甲子太郎は後期新撰組の参謀格として迎え入れられたインテリで剣豪、後に新撰組から独立して御陵衛士を結成、油小路の決闘で殺されてしまう人である。弁舌さわやかで、近藤さんがほれ込んでしまうのであるが、血なまぐさい新撰組に内心、反感を隠せない人。
 ところが、その人の髪型がツインテールなのだ。

 分かりやすく言うと、『二人はプリキュアMax Heart』の「シャイニールミナス」。(いや、よけい分かりにくいか)

 話も絵も、いかにも、伊藤派上洛って感じでかっこいいんですが、このシャイニールミナスみたいな髪型が怪しいです。どうしたんですか、盛田賢司先生?

●コミック
 ついでに、本屋や古本屋を回って漫画を買う。

Y十M ~柳生忍法帖~ 1・2
 「バジリスク」で新たな「甲賀忍法帖」を作り上げたせがわまさゆきが「柳生忍法帖」に挑んだコミック。
 会津加藤家の配下、芦名七本槍に虐殺された堀一族の生き残り、女七人が、柳生十兵衛の助けを借りて復讐を果たす、江戸忍法物。
 「バジリスク」以来、忍法漫画の復活が注目されているが、やはりこの人はうまいし、艶があるねえ。七本槍の悪辣さも、いい感じである。

NARUTO 30
 サクラ&チヨバアVSサソリ編。次次繰り出される傀儡技に対抗するサクラ&チヨバアの激闘である。

おかわり飯蔵 1~5
 古道具屋にして、食生活研究家の魚柄仁之助が原作を担当する、お手軽料理コミック。
 枠に捕らわれず、自由な発想で、手軽に安くうまい料理を手早く、楽に作る。妻が、原作者のファンであったので、古本屋でまとめて購入。面白い上に後で役に立ちそうな感じがいい。

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November 03, 2005

南都六宗とか、神明神社とか

 色々作業中。あちこちに電話したり、電話をもらったり。
 ご新規の仕事の話も。実現するといいなあ(地獄も見えるけど)。
 ちょっとヘロヘロなので、『永遠の冬』はお休み。火曜日、床屋でやってもらった機械式のマッサージがとても気持ちよく、昇天しそうになったのは秘密である。

●南都六宗とか、不受不施派とか、神明神社とか

 『比叡山炎上』の第一次締め切りが迫り、職業解説を書く。僧侶や神官だけでは説明にならないので、戦国時代の仏教各宗派や、神社の系統の解説をすることに。
 各宗派の資料を読んでいると、開祖の大半が比叡山で学んでいる。さすが国家鎮護の根本道場である。

 江戸時代、キリシタン以上に弾圧された日蓮宗不受不施派とか面白いんですが、一応、派の明確化は秀吉の死後なので、少し残念。日蓮宗過激派でも設定するかな。開祖日蓮からして何度も流刑になった過激な人なので、戦国時代までの日蓮宗は、かなり過激でもOKかと。革命思想に近い人であったのでは。

 逆に、天台宗以前に、奈良で栄えた小乗仏教系の南都六宗(華厳宗とか)も、結構面白いかも。
 「義経」を見ている身からすると、南都の寺というと、平安末期に、平家と遣り合って、寺を焼かれ、その後、平家が源氏に負けると、捕えられた平重衡(響鬼の細川茂樹が演じた)の身柄を鎌倉に要求、報復として斬首するなど、バリバリの武闘派のイメージがあります。
 僧侶だけが悟ればいい、という小乗仏教~~いや、これは蔑称なので、部派仏教、または、アビダルマ仏教と呼ぶべきらしいが~~の宗派なので、『比叡山炎上』の時代にはややメジャーから落ち始めているのかなあ。

 困ったことは、当時のメジャーな宗派の多くに「信長と敵対」とか書かれること。
 そういう意味で、禅宗系は安全。一休禅師も臨済禅ですね。

 神社の系統も、地方神系の産土、氏神、鎮守はさておき、天照(アマテラス)の神明(伊勢系を含む)、素戔嗚(スサノオ)の八坂&熊野、大国主(オオクニヌシ)の金毘羅、建御名方(タケミナカタ)の諏訪、雷神・武甕槌(タケミカヅチ)&剣神・経津主(ふつぬし)の春日、応神天皇を祭る八幡、海洋神の住吉、これに稲荷を加えると、実に壮観である。

 しかし、この分類は、術系に対応させるんかい、これ?
 いや、それはクトゥルフじゃなくて、ルーンクエストだから(笑)。
 春日神社の巫女さんが、雷撃とか神剣とか唱え始めそうですねえ。まあ、平安から室町あたりの怪異譚とか仏教説話では、確かに、神性介入している場面は少なくないのであるが……。

●パイド・パイパー
 世の中は母親を毒殺しかけた女の子の話で盛り上がってますが、中学生ぐらいで猟奇殺人に興味を持ったりするのは実によくあることで、特に、イジメとか家庭内暴力とかストリートの状況とか、昭和末期の平和さはやはりもうない訳で、これに家庭内孤立(困ったことに親も本人も意識していない)が重なれば、何か色々起こるのですよ。
 少年少女たちにとって、世界はかなり攻撃的なものだったりする。
 浅田寅ヲの「パイド・パイパー」はそんな若者の世界を描いたコミック。
 国籍も精神傾向もバラバラな少年たちが、ストリートの暴力の中で生きていく話。ファミレスで包囲され、狂戦士のように暴れまくる帰国子女の少年とか、騙され、手錠で身動きできないようにされてからカッターで傷つけられる少年とか、ボウガンで狙撃されるストリート・ギャングのヘッドとか、ずいぶん血なまぐさい場面もあるが、触れれば切れるようなセンシティブな描線は一見の価値があろう。

**ちょっと修正

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November 02, 2005

邪馬台国はどこですか?

 昨日は学校、行き帰りで色々あったり、なかったり。

●今日の聞き間違い

 あまりに髪が長くなったので、登校途中に初めての店に飛び込んで髪を切ってもらっていたら、ラジオのニュースから聞こえた。

 ネット警察として最大手のヤフー

 ネット警察? と聞いた瞬間に、孫正義がアニメ版『ロックマン』に登場する名人さんのコスプレで、何か命じている図式が浮かんだ。いいのか、それ。しかし、ヤフーがネット警察とは、サイバーパンクな時代であるなあ。NTTネット警察とか、ライブドアネットセキュリティとかとシェア争いをしているんだろうなあ。
 本当は、警視庁がオウム関係の指名手配情報を「ネット検索として最大手のヤフー」に乗せた、という話でした。おかげで、床屋のお兄さんが割とトンチキなオウム話を始めてしまい、困る。微妙な解釈の間違いを止めようとコメントしたい気分がムラムラ。でも、やりすぎると、千歳烏山にあった道場関係の信者と間違われるのである。

●戦果アギヤー

 学校では2年生のライティング。コラムを書かせて、テキストを読ませる。今日のテキストは月刊PLAYBOY12月号から、「長渕剛」インタビュー。10年で肉体改造して、ムキムキロッカーに変身した長渕の声が熱い。お父さんとお母さんの馴れ初めの話には、警察署盗聴にまつわる共産主義革命家の話とかが出てきて、それはリアルかい!と突っ込む。
 今月のPLAYBOYは、カルロス・サンタナのインタビュー、世界の巡礼を取り続けた写真家野町和嘉、ボルドーでワインを飲みながら行うフルマラソン、ダルフール紛争の現状レポ、伝説のポルノ映画『ディープ・スロート』の内幕とかネタ満載である。現代アクション物のネタに困っている人は是非どうぞ。あと、高橋源一郎のポルノ批評が読めるのは秘密。今月のネタは『ビデオ・ワールド』……って雑誌かい!
 個人的には、佐野眞一の沖縄戦後60年史『沖縄コンフィデンシャル』第三回「密貿易の島と戦果アギヤー」が面白かった。ここ2ヶ月ほど読んでいなかったので、いくつか情報の漏れはあるが、戦後60年の沖縄で活躍した会人物を追いかけるというルポらしい。今回の舞台は最近、海底遺跡が注目される与那国である。終戦直後、与那国島が台湾との間で揺れた時期、米軍からかっさらった盗品や横流し品を台湾へ密貿易することが横行した。奪いに行くのが戦果アギヤーであり、与那国はその中継地点であり、共産勢力の拡大に米軍が緊張するまでの3年あまり、第二のハワイと言われるほど盛り上がる。
 与那国の伝承とか、歴史とか、興味深いネタが多い。戦後、日本に帰らず、台湾復帰論、与那国独立論などがあったというのもこれで初めて知った。
 筆者の佐野は戦果アギヤーと海賊の生き残りを訪ね、終戦後の沖縄の激しい様子を聞く。
 結局、アギヤーが何を意味するのかはよく分からなかったが、サタスペの亜侠の文字がもっとも似合うような気がした。

●バルザイの偃月刀

 生徒が持ってきたアニメイトの情報誌「きゃらびい」116号を見ていると、「バルザイの偃月刀」ネックレスが売られていた。定価3800円なり。当然ながら、デモンベイン関係のグッズではあるが、『ネクロノミコン』出典のアイテムをネックレスにして商売になるとは、日本も凄い国である。

●邪馬台国はどこですか?

 織田信長が抑鬱症状の結果、本能寺で自殺した、というネタがあると聞いて、鯨統一郎の歴史ミステリ短編集『邪馬台国はどこですか?』を読む。
 とあるバーで、常連三人が繰り広げる歴史検証議論バトルを繰り広げるというもの。鯨氏の処女作である。これは面白い。お釈迦様がEDで、妻の不倫が原因で出家したとか、推古天皇=聖徳太子=蘇我馬子・同一人物説とか、邪馬台国東北説とか、イエス復活計画とか、勝海舟催眠術師説とか。計六編、トンデモに見えそうな大胆仮説ですっぱり歴史を切ってくれる。実に楽しい。

●絶対可憐チルドレン 1・2

 今更ですが、買ってしまいました。
 週刊少年サンデー連載の椎名高志の超能力漫画。レベル7の超強力パワーを持つ10歳の少女三人とそのお目付け役皆本が繰り広げるコミカル超能力アクションもの。
 第一巻は短期集中連載時のもの。第二巻からは正式連載時のもの。

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November 01, 2005

永遠の冬12:烽火

 それは緩やかに近づき、素早く奪っていく。
 もっとも大事なものを。

 ウィリス11歳の春は続く。
 父のジードは、ガイウス探索部隊に加わるため、ガースらを連れて砂の川原に向かった。
 その朝、ウィリスは初めて、父の鎧姿を見た。
 前の開いた丸兜、胸当て、鎖帷子、鉄のすねあて、そして、腰から下げた長剣、背中に背負った円形の盾。そこここに鋼鉄の鋲が打たれ、歩くだけでがちゃがちゃと言う。ずいぶん重そうなそれらを父は軽々と持ち上げた。
 見送りの村人に答えて、軽く剣を抜き、振るって見せた。
 鈍い輝きを放つ剣がぶんと空を切る。
 重い鎧をまとっているとは思えない。
 戦士としての父は全くの別人だった。
 それは誇らしいとともに恐ろしいものでもあった。

 父は戦うのだ。

 最後に、父はウィリスと母を抱きしめて言った。
「ウィリス、お前はお前の役目を果たせ」

 父たちが村を出て行くと、ウィリスも荷物を背負って狼煙台に上がった。番役は持ちまわりになるが、春の種まきが終わるまで、村は忙しいので、もっぱらウィリスの仕事になる。
 狼煙台の役目は、東のバッスル侯爵から発せられる緊急招集を西へ伝えることである。はるか東の狼煙台に上がる狼煙を見つけたら、狼煙台に火をつけ、この日を三日三晩、燃やし続ける。この狼煙が発せられたら、さらなる戦の始まりだ。今度はグリスン谷のような小さな開拓村にも兵士が求められる。次なる出仕の割り当ては兵10名、馬2頭。若者のほとんどが戦に取られることになる。
 ウィリスはその日が来るのが恐ろしかった。
 東の狼煙台はミネアス様の領地の東の端にある。西の狼煙台ははるか西方、風見山だ。確かあのあたりには銀鉱山があって、多くの流刑者が山を掘っているという。

 狼煙台に上がって数日は、狼煙台の整備と薪の供給のため、多くの村人が出入りしていたが、それが過ぎると、番小屋はウィリスだけになった。
 食べ物を届けに、毎日、メイアが峰まで上がってきたが、夕方には村に下りていく。

 夜はひとりだった。
 いや、正確には違う。
 ウィリスには雪狼がいた。
 冷たい峰の空気の中に、雪狼たちの魂が隠れていた。
 だから、ウィリスは寂しくはなかった。

 何事もないまま、10日が過ぎた。

 ある日、メイアが上がってきたので、番小屋の前に座り、二人で食事をしていると、誰かに呼ばれたような気がした。見れば、西の風見山の狼煙台に白い煙が立ち昇っている。
 西?
 慌てて、東の狼煙台を見るが、煙は上がっていない。
 なぜ、西?
 ウィリスは西からの狼煙に関する命令は受けていなかった。
 しかし、これは狼煙だ。戦の印だ。
 ウィリスは立ち上がり、狼煙台に火を放つととも、メイアに命じた。
「村へ知らせを」
 少女が慌てて、山を下っていく姿を見送るウィリスの耳に雪狼の遠吠えが聞こえたような気がした。

 戦いが始まる。
 東ではなく、西から。

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グリスン谷へ迫る戦火の印。西から来る狼煙の意味は?
色々調整しながら、書いてます。
ご意見、ご希望はメールにてよろしく。
コメント、トラックバックは、無関係なサイトからのマルチポストが繰り返されたため、停止中です。
あしからず。
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メールに答えてみる

 色々スケジュールが錯綜してきて、優先度がくるくるくるくる。アレが飛んできたので慌てて確認。これはもう少しで情報公開できるといいなあ。『比叡山炎上』も、第一期締め切りが近いので、じたばた。
 まあ、ひとつずつひとつずつ。

●要望要望
 あちこちから『金剛神界』への要望メールが飛んできたので、少しだけ回答を。

 メシア教会の最終計画と戦いたい人には『Nocturne』の勢力ルールと貢献ポイントを利用した情勢変化をサポートします。NPC集と勢力解説もつけますのでよろしく。大破壊後の空白期で遊びたい人とか、金剛神界で修行したい人とか意外に多いのは色々驚きでしたが、その辺も拘束がきつくなり過ぎない範囲でルールサポートを入れました。
 もう少しお待ち下さい。ご意見、ご希望、ご質問、誤植報告は是非、JIVE公式HPへ。
 正誤表、FAQは『金剛神界』でまとめますのでよろしく。

 とりあえず、忘れないうちに、メールのついでに来た誤植指摘に対応しときます。

 P104 矢の販売価格は「10」ではなく、「100」。
 P93 「特定スキルの強化」の解説文に「複数回習得可」を追加。

●アヴァター大公領

 某友人より、『永遠の冬』に関する問い合わせメールが来る。

「アヴァター大公がいるのは、《高き砦》アヴァター山ではないのか?
 ヴァイケルファン・ハウヌスはアヴァター山に戻ったと、別冊FSGI5号に書いてありますよ」

 確かに、先日の記述の中で、「グレイドルは……かつてアヴァター大公が居られた都で」という記述は暴走であった。この部分を削除、「グレイドルはバッスル侯爵の都である」と修正した。
 ご指摘感謝。
 応援のお言葉、身に沁みます。多忙のため、途切れがちにはなろうが、可能な限り、書いていく予定。あと、他の話も書きたいのだが、その辺はいずれ。

 

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