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November 12, 2005

クトゥルフ:黒蓮宗、紅瑠璃堂始末

 黒智蟲聲経は、伝教大師の孫弟子、円鑑上人が唐より持ち帰られし貴き経文なり。
 それは大黒天の叡智をおさめ、般若心経の原点というべきもの。
 一切空、一切無、全ては虚しきものあり。
 大黒天~マハーカーラ~はこの世の中心にありて、全ての無を夢見るものなり。

 今日は戦国クトゥルフこと『比叡山炎上』のテストプレイ。
 ミッション内容は、比叡山を焼き払うと暴れ始めた信長様を止めるため、明智光秀が配下に命じて、比叡山堕落の根源たる邪宗、黒蓮宗を壊滅させるという話である。
 PCたちには、比叡山に潜入し、黒蓮宗の秘密集会を襲撃しろという命令が下る。
 PCたちは、90歳になる謎の老僧、実は剣の達人である山伏、弓がうまい狩人、隠行に長けた忍者の4名。不滅の法灯参拝を装って、比叡山に潜入する。秘密集会が行われる紅瑠璃堂に向かうが、内沙上人なる怪僧に発見され、「黒智蟲聲経」なる怪しげなお経の存在を知る。

 大黒天の叡智を集めた究極の経文であると言われる。
 大日如来でも、仏陀でも、阿弥陀如来でもなく、大黒天というのが怪しい。大黒天(マハーカーラ)はもとはシヴァである。それはとんでもない。

 内沙上人の動きがあまりにも怪しげなので、別のお堂にいって、「黒智蟲聲経」について情報収集すると、どうやらその趣旨は「一切空、一切無」という般若心経の字句をさらに過激にし、経文の字句さえも「蟲の聲(虫の声)」に過ぎぬという虚無経典だという。
 紅瑠璃堂の集会の危険を感じた一行は、高位の上人が紅瑠璃堂へ向かうのを尾行し、夜襲を計画するが、紅瑠璃堂には奇怪な怪物が番人としてついていた。紅瑠璃堂を焼くべく襲撃をかける一行だが、忍者が堂に近づくと、奇怪な経文によって、精神をかき乱され、妄想の中へ引き込まれてしまう。忍者の存在に気づいた怪物に襲われそうになるが、ネズミを囮にして間一髪の危機を逃れる。
 忍者自身は囮のネズミが瞬間的に食われたのを見て、一時的な発狂。

「ネズミが消えた、ネズミが消えた」

 何とか正気に戻った忍者は、紅瑠璃堂を焼かなくてはならないと決意し、堂に油をまき、そこへ狩人が火矢を打ち込む。山伏の奮戦で、怪物を倒し、黒い僧侶、内沙をも倒して紅瑠璃堂を焼き払うが、「黒智蟲聲経」は老僧の目前で虚空に消えてしまう。
 かくして、明智光秀の努力もむなしく、比叡山焼き討ちが始まるのである。

●感想
 タイトル通りのネタをグネグネとプレイするのだが、黒智蟲聲経の設定がさらに深まって面白かった。
 大黒天という流れが変で、かなり暴走した。
 円鑑上人は割りと口からでまかせであるが、それらしくも仕上がったのでよし。
 忍者も2回、発狂したしね。

 

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