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November 05, 2005

日々雑記:ブライト様がサンバ

●ふしぎ星のふたご姫

 朝食を取りながら、アニメ『ふしぎ星のふたご姫』を見ていたら、悪に染まってしまった太陽の王子ブライト様がサンバを踊っていた。メラメラの国のサンバ祭りに乱入、洗脳音波で国民をCHARMしてしまうという悪の陰謀である。

 えー、どこの戦隊物ですか?

 序盤、善良で正義感の強いハンサムで上品だった王子が、悪に走り……というシチュエーションは、月の王子が身元を隠しながら、ふしぎ星に迫る危機を探索しているというシチュエーションと対応して、実によいファンタジーをなしておりますが、そこはよい意味で、子供向けアニメなので、しばしば脱線気味の回があり、今回は突如、サンバ合戦になってしまう訳ですね。しかし、あの高貴だったブライト様がアイドル張りにサンバを踊るとは!
 もちろん、最後はふたご姫の頑張りで何とか撃退するのですが、勝ったプリンセス側のダンスがみんな微妙なのは、いわく言いがたいものがありますね。特に、クールなヒーローのシェイドの踊りが一番微妙だったりするのが。

●シーンを作る

 昨日は学校。
 朝から、ライティング(2コマ×3)という割とハードな展開。昼休みも添削でつぶれるので、サンドイッチ屋のSUBWAYで、朝食・昼食兼用をまとめて買う。ここのサンドイッチは大きいので、2個もあれば腹一杯だが、今回はロールキャベツスープと、トルティーヤ系の柔らかい皮で巻いたロールを試してみる。意外とうまい。
 例によって、コラム執筆&添削、テキスト講読に加え、期末課題の歴史小説(20枚以上)に向けて、シーンを作れ、という話をする。

 まず、今週のモーニング掲載『ブラック・ジャックによろしく』から、最後の2見開き、ジョン・レノンとオノ・ヨーコの出会いの話の部分を読ませる。ここで再現されるのは、オノ・ヨーコのインスタレーション芸術。以前、私が六本木ヒルズで体験したものもこの派生型であるが、基本的に、観客を芸術の中に取り込み、体験させる物語性のある芸術である。コミックはそれを印象的に要約し、「精神科編」の最終回の気持ちに当てている。
 こういう風に、言いたいテーマにあわせて、シーンを作り、そこで言うべき台詞、アクションに向けて全てを構築せよ、というのが趣旨である。

 その後、テキスト講読。今回は、椎出啓の『親子丼』から「親子丼」「腹式呼吸」「ナマチチ」。異形コレクション「蒐集者」から、中島らもの遺作「DECO-CHIN」を。

 前者は知人から買った同人誌であるが、会話だけ短くシチュエーションを要約したラブコメ・ショート。かなりの天然バカップルの日常を描く。ゲーム学校の生徒なので、反応はよい。『親子丼』というタイトルだけでスイッチが入る場合も。逆に、一線を越え、これではもう萌えスイッチが入らないダメ人間とか、リアル・バカップルの被害者でもう許して、とか。色々面白い反応である。

 後者は、中島らもが事故の三日前に書いたという、事実上の遺作にして、異形コレクションだから出来た超問題作。フリークス&身体改造ネタなのであるが、同じ身体改造に向かう金原ひとみがダウナー系で、どうもつらいのに対して、さすが、中島らも、アッパー系である。こちらも評価が極端に分かれ、生理的にダメだったり、全くついていけなかったりする生徒がいる一方、強烈なインパクトに衝撃を受けるものまで。
 テキスト講読では10点満点で作品を評価させているが、「DECO-CHIN」の場合、0~3点と8~10点にぐっと分かれる。いやまあ、こういう問題作に5点とかつける感性のほうがユニークかと。

●ツインテール
 ヤングサンデーの新撰組漫画「月明星稀~さようなら新撰組~」が凄いことになってますよ!

 と、生徒から聞いて、帰り道で、本屋によって見ると……

 伊藤甲子太郎がツインテールになっていた。

 伊藤甲子太郎は後期新撰組の参謀格として迎え入れられたインテリで剣豪、後に新撰組から独立して御陵衛士を結成、油小路の決闘で殺されてしまう人である。弁舌さわやかで、近藤さんがほれ込んでしまうのであるが、血なまぐさい新撰組に内心、反感を隠せない人。
 ところが、その人の髪型がツインテールなのだ。

 分かりやすく言うと、『二人はプリキュアMax Heart』の「シャイニールミナス」。(いや、よけい分かりにくいか)

 話も絵も、いかにも、伊藤派上洛って感じでかっこいいんですが、このシャイニールミナスみたいな髪型が怪しいです。どうしたんですか、盛田賢司先生?

●コミック
 ついでに、本屋や古本屋を回って漫画を買う。

Y十M ~柳生忍法帖~ 1・2
 「バジリスク」で新たな「甲賀忍法帖」を作り上げたせがわまさゆきが「柳生忍法帖」に挑んだコミック。
 会津加藤家の配下、芦名七本槍に虐殺された堀一族の生き残り、女七人が、柳生十兵衛の助けを借りて復讐を果たす、江戸忍法物。
 「バジリスク」以来、忍法漫画の復活が注目されているが、やはりこの人はうまいし、艶があるねえ。七本槍の悪辣さも、いい感じである。

NARUTO 30
 サクラ&チヨバアVSサソリ編。次次繰り出される傀儡技に対抗するサクラ&チヨバアの激闘である。

おかわり飯蔵 1~5
 古道具屋にして、食生活研究家の魚柄仁之助が原作を担当する、お手軽料理コミック。
 枠に捕らわれず、自由な発想で、手軽に安くうまい料理を手早く、楽に作る。妻が、原作者のファンであったので、古本屋でまとめて購入。面白い上に後で役に立ちそうな感じがいい。

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