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November 03, 2005

南都六宗とか、神明神社とか

 色々作業中。あちこちに電話したり、電話をもらったり。
 ご新規の仕事の話も。実現するといいなあ(地獄も見えるけど)。
 ちょっとヘロヘロなので、『永遠の冬』はお休み。火曜日、床屋でやってもらった機械式のマッサージがとても気持ちよく、昇天しそうになったのは秘密である。

●南都六宗とか、不受不施派とか、神明神社とか

 『比叡山炎上』の第一次締め切りが迫り、職業解説を書く。僧侶や神官だけでは説明にならないので、戦国時代の仏教各宗派や、神社の系統の解説をすることに。
 各宗派の資料を読んでいると、開祖の大半が比叡山で学んでいる。さすが国家鎮護の根本道場である。

 江戸時代、キリシタン以上に弾圧された日蓮宗不受不施派とか面白いんですが、一応、派の明確化は秀吉の死後なので、少し残念。日蓮宗過激派でも設定するかな。開祖日蓮からして何度も流刑になった過激な人なので、戦国時代までの日蓮宗は、かなり過激でもOKかと。革命思想に近い人であったのでは。

 逆に、天台宗以前に、奈良で栄えた小乗仏教系の南都六宗(華厳宗とか)も、結構面白いかも。
 「義経」を見ている身からすると、南都の寺というと、平安末期に、平家と遣り合って、寺を焼かれ、その後、平家が源氏に負けると、捕えられた平重衡(響鬼の細川茂樹が演じた)の身柄を鎌倉に要求、報復として斬首するなど、バリバリの武闘派のイメージがあります。
 僧侶だけが悟ればいい、という小乗仏教~~いや、これは蔑称なので、部派仏教、または、アビダルマ仏教と呼ぶべきらしいが~~の宗派なので、『比叡山炎上』の時代にはややメジャーから落ち始めているのかなあ。

 困ったことは、当時のメジャーな宗派の多くに「信長と敵対」とか書かれること。
 そういう意味で、禅宗系は安全。一休禅師も臨済禅ですね。

 神社の系統も、地方神系の産土、氏神、鎮守はさておき、天照(アマテラス)の神明(伊勢系を含む)、素戔嗚(スサノオ)の八坂&熊野、大国主(オオクニヌシ)の金毘羅、建御名方(タケミナカタ)の諏訪、雷神・武甕槌(タケミカヅチ)&剣神・経津主(ふつぬし)の春日、応神天皇を祭る八幡、海洋神の住吉、これに稲荷を加えると、実に壮観である。

 しかし、この分類は、術系に対応させるんかい、これ?
 いや、それはクトゥルフじゃなくて、ルーンクエストだから(笑)。
 春日神社の巫女さんが、雷撃とか神剣とか唱え始めそうですねえ。まあ、平安から室町あたりの怪異譚とか仏教説話では、確かに、神性介入している場面は少なくないのであるが……。

●パイド・パイパー
 世の中は母親を毒殺しかけた女の子の話で盛り上がってますが、中学生ぐらいで猟奇殺人に興味を持ったりするのは実によくあることで、特に、イジメとか家庭内暴力とかストリートの状況とか、昭和末期の平和さはやはりもうない訳で、これに家庭内孤立(困ったことに親も本人も意識していない)が重なれば、何か色々起こるのですよ。
 少年少女たちにとって、世界はかなり攻撃的なものだったりする。
 浅田寅ヲの「パイド・パイパー」はそんな若者の世界を描いたコミック。
 国籍も精神傾向もバラバラな少年たちが、ストリートの暴力の中で生きていく話。ファミレスで包囲され、狂戦士のように暴れまくる帰国子女の少年とか、騙され、手錠で身動きできないようにされてからカッターで傷つけられる少年とか、ボウガンで狙撃されるストリート・ギャングのヘッドとか、ずいぶん血なまぐさい場面もあるが、触れれば切れるようなセンシティブな描線は一見の価値があろう。

**ちょっと修正

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