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December 31, 2005

年末のご挨拶と日々の雑記:アフリカとか、センゴクとか

 今年も後、何分という状況になってきました。
 これが2005年最後の更新となります。

●年末のご挨拶

 本年は『真・女神転生TRPG~魔都東京200X~』と『超古代文明』、監修では『真・女神転生X』と『Nocturne』のリプレイを送り出すことができました。これも皆さんのおかげです。
 来年も、『金剛神界』が1月末、『比叡山炎上』が3月予定で、その後もこまごま、企画が上がっております。よろしくお願いいたします。
 『深淵第二版』も何とか来年こそ、と思っております。まだ、ご報告できるレベルには達しておりませんが、何とかするべく、頑張りますので、なにとぞご支援を賜りたくお願いいたします。
 『永遠の冬』の連載も頑張っていきます。次は11才の夏です。実際に、二人の子を持つものとしての想いを込めるとともに、この物語を通して、もう一度、『深淵』の世界を僕自身が手探りしながら、描き出していければと願っています。

 今年、Blogを始めて、様々なご意見、ご感想、ご質問などなどいただきました。
 諸般の事情から、お答えできないこともありますが、できる限り、この場を持って対応していきたいと思いますので、よろしくお願いいたします。

●琵琶湖灰堂羅観音菩薩

 ……という真面目なご挨拶はここまで。
 年末仕事納まらず……の朱鷺田ではございますが、折角の年末ということで、30日、31日はディベロッパーの西上君の家で、ゲーム会。早めについた私は、年末年始の打ち合わせをごにょごにょした後、二人でシャドウラン第四版を開いてアレコレ。
 システムが一新され、プレイアビリティが上がったねえ。
 でも、ダイスの振る数は少し増えたかも。
 もう少し解析したら、一度、やるぜ、チャマー。

 まずは『比叡山炎上』のシナリオを。
 琵琶湖の水軍を指揮する蓮田氏嫡男と公家の娘の見合いと称して、PCたちは琵琶湖に浮かぶ蓮田城の偵察をするというシナリオ。タイトルも『琵琶湖灰堂羅観音菩薩』
 もはや、詳細は言いますまい。
 観音様の名前で推察してくだされ。
 前半はホラー、後半は一大剣戟、最後に銀のフルートの音というもの。
 しかし、10体ものの、水魔のごとき水軍衆がわずか3ターンほどで壊滅、瀕死1名とは。

●通路

 今回も『通路』を持ち込みました。
 セットアップ1分、説明1分、ゲーム20分というのが実に快適。
 8人の大空中戦の醍醐味もみえてきました。
 途中、3人ほどでプレイしたときには、盤面を区切り、生存権を奪い合うという戦術を開発、これはこれで面白いものです。雰囲気的に、宇宙船の中で残りの酸素を奪い合っている感じかな。

●アフリカ

 クーニッツァのアフリカがあったので、初めてプレイ。
 アフリカ中に伏せられたタイルを開きながら、ポイントを稼いでいくゲーム。2回プレイして2勝。まあ、全員初めてでルールブックを見ながらでしたが、これは手軽で面白い。考える余地とランダム性がよくかみ合っている。
 沢山のタイルをめくっていくという探検手法がやはり楽しいですねえ。

●コミック
織田信長 さいとう・たかを

 いわゆるコンビニ本ですが、巻末の年表とか、割りと便利なので、セッション用に持ち歩いています。
 実は、信長とお市の方が肉体関係にあった、という伝奇っぽいエピソードが採用されており、意外にツボをついてきます。さすが、さいとう・たかを。

センゴク 7
 リアル戦国絵巻はついに、比叡山焼き討ちへ。
 顕如が暗躍し、浅井朝倉との戦いの渦に比叡山が関わる。
 もはや焼き討ちもやむなしか。
 仕事もあるけれど、歴史解釈が斬新でよい。狂気めいた歌舞伎ものの光秀とか、いいですよね。

武藏伝 ~異説 剣豪伝奇~ 1
 石川賢の描く、宮本武蔵VS柳生一門。
 とんでもSFではありませぬが、天海の呼びかけで、御前試合に出るべく、江戸へ向かう自称「宮本武蔵」の群れと、柳生の影である、柳生羅刹衆のバトル!
 示現流使いの義経武藏、巨漢の大仏武藏、美少女切支丹の武藏光姫などなど、もう素晴らしい!

怪獣の家 1.2
 星里もちるの、優しいラブコメディ。
 旅行会社の添乗員福田はほとんど新築の2階家に一人暮らし。その家がなぜか、怪獣映画で壊される家(のモデル)となることになり、これをきっかけに、美女二人が転がり込む。
 二人に優しく接する福田であるが、その裏には、ある悲しい事情が……。
 優しくもあり、悲しくもあり。
 この人の作品は好きです。特に、こういう優しく、少しギャグめいた設定が生きる。

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では、みなさん、よいお年を。
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December 29, 2005

永遠の冬19:言葉

 言葉が見つからなくても届けねばならない言葉がある。
 それがさだめだから。

 最初に感じたのは懐かしい匂いだった。
 ここ何年か、ずっとかぎ続けた薬草を煮る匂い。

 ああ、これは白銀草、煮出した汁を煎じ詰め、油となじませれた軟膏は……。

 ぼんやりした頭でそんなやくたいもないことを考えながら、うっすらと目を開けると、目の前にメイアがいた。
「ウィリス!」
 少女は叫んだ。その目には涙がたまっていた。
(どうしたんだい? 誰かにいじめられたのかい?)
 ウィリスはそう言おうとして、声が出なかった。
「無理をするな」
 メイアの肩越しに、婆の声が聞こえた。
「ネージャ様の加護があったからとはいえ、まる一日、雪に埋もれておったのじゃからな」

 雪?
 ネージャ様?

 ウィリスは分からなかった。
 いや、それよりも自分はなぜ、横になっていたのだろう?
 確か、僕は……。

 その瞬間、すべてが思い出された。

 鎧を着た真紅の人影が、馬上から弾き飛ばされ、宙を飛ぶ。そのまま、木の幹にたたきつけられ、複雑な金属音を立てる。まるで、濡れ雑巾のように、赤い血の跡を引いて、そのまま崩れ落ちる。

「馬鹿、ウィリス、逃げろ」
 水車小屋のヤンだ。
 その姿はすでに赤と青の血にまみれていた。水魔の血とおそらくヤン自身の血だ。
 ヤンは片手でウィリスを押しやる。
「みんな、やられた。お前は逃げろ」
 言われて、林の中に逃げ込む。
 慌てて、走り出し、「ヤンも……」と呟き、振り返った途端、ヤンが騎士の剣に刺しぬかれるのが見えた。

 振られた剣の刃がウィリスの顔の上を抜け、隣を走るダーシュの首へと叩き込まれる。丸い物が飛び、ずいぶん背の小さくなったダーシュは数歩走って林の木にぶつかり、倒れた。

「ダーシュ、ダーシュ、ダーシュ」

 ウィリスは叫んだ。

「みんなあああああああ」

 ウィリスの意識はそこで再び途切れた。

     *

「みんな、死んだ」
 ウィリスはやっと言葉を絞り出した。
「分かっている」
 ゼルダ婆が答える。
 あれからすでに四日が経っていた。
 あのあと、村の衆がもう一度、風見山の麓へ向かった。雪の下から仲間の死体を掘り出し、すでに埋葬した。カルシアスさまの遺体は村長自身が馬車で砂の川原へ運んでいった。
 遺体の様子から、戦いのひどい様子は見て取れた。
 カルシアス隊そのものが全滅していた。
 生き残りはウィリスだけだ。
 死体の多くは水魔のおぞましい鉤爪に引き裂かれ、また、水の騎士の槍に貫かれ、剣で断ち切られていた。水の騎士や水魔は粉々に砕け散っていた。
「ひどい戦いじゃったな」
 婆の言葉に、ウィリスは激しい嗚咽で答えた。

    *

 何か話そうとすると、涙が出てくる。
 嗚咽が止まらなかった。
 そのたびに、母やメイアが抱きしめてくれた。
 それでも、それでも、あの日のことをきちんと言葉に出来ない。
 話そうとするたびに、何かこみ上げてきて、ウィリスは何も言えなくなってしまった。

    *

 七日が立ち、村長とともに、最初に徴兵された5名が戻ってきた。
 ジードが姿を見せると、ウィリスはまた言葉を紡げないまま、泣いた。
 父はしっかりと息子の体を抱き上げた。
 何も言わず、外に出た。

 すでに春の日は暖かかった。
 鳥が鳴いていた。
 風は優しく、木の葉をそよがせた。
 遠くで、牛が鳴いた。
 水車小屋の回る規則的な音が響く。
 遠くで、子供の声が聞こえた。

 やがて、そっと畑の端に、ウィリスは下された。

 ゆるやかな丘一面に、青々とした小麦の葉が揺らめいていた。
 その向こうには芋畑やとうきび畑。
 さらに、向こうにはゆるやかな川面が見える。

「戻って……きたんだね」
 ウィリスはそう呟いた。
 ジードはうなずく。
「ああ、俺もお前も帰ってきたんだよ」

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第三章第三話。
年内の『永遠の冬』はおそらくこれが最後。次は年明けかな。
短めですが、第三章はこれで終わります。
次は11歳の夏。
グレイドル編の予定ですが、はてさて。

Blog自体は年内にもう一度更新したいところです。
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December 28, 2005

日々雑記:仕事納め?

 世は仕事納めだそうですが、私はまだ仕事です。

 今日も今日とて、先日から唸っていた話をひとつ書き上げて送る。とりあえず、好感触が戻ってきた。道はまだ長いが、頑張りましょう。その他、資料がどかどか届いて大変。
 実家をついだ兄から電話。帰省の相談をする。お年玉の金額調整とかもする。そんな金額ではないのですが、こういうすり合わせがけっこう必要なのですよ。

●金剛神界
 残っていたシナリオまで終わる。まだ、編集作業は続くが、来年、早い時期でいけそうだ。黒百合姫さんのかっこいいカラーイラストも上がってきた。楽しみにしてほしい。
 詳細は後日。

●シャドウラン
 海外発注していたシャドウラン第四版が届いた。ずいぶん時間がかかったと思ったら、船便だったようだ。
 中は緑と黒の2色刷り、ルールも色々変わっているので、この冬、暇を見て読みましょうや。早いうちに一度遊びたいものである。

●コミック ナルト31
 サソリ編決着。我亜羅救出。
 ああ、こういう1コマが描けるのがプロなんだねえ、と感心。

●ガンダムSEEDデスティニー特番
 深夜にこっそり放映していたものを見る。
 追加されたエンディング・シーンで、ラクス陛下がプラントに帰国する図式が、もはや女帝としか形容できぬ風情でした。女王種として、コーディネートされたのでしょう。妙に、ここだけ海外のSF映画のようで好きですね。

 さて、もう一仕事。納まってない仕事を何とかするべく頑張ります。

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December 27, 2005

上海退魔行:山本権兵衛

「独逸帝国空軍飛行船ライプニッツへ、ようこそ。
 ユーラシアを結ぶ最先端飛行船です」
「最先端を見て来いと、勝さんに言われたんじゃ」

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「上海退魔行 ~新撰組異聞~」お蔵入りNPC第二弾は、日本海軍の父、山本権兵衛。
そのほか色々コメントしたいこともありますが、それは後で。
ああ、仕事納めって何だろう(笑)
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山本権兵衛
男性 年齢18
属性:火 国籍:大日本帝国 レベル3
主星 拳士 伴星 機械化突撃兵/サムライ

知恵4 身体8 地位3 魅力3 敏捷7 
運気6 堕落0 生命点32 社会点12

【特技】 
疾風迅雷
軽功
掃地脚
柔術
心頭滅却
航空兵団
フルオート
戦上手
(対応天命の特技すべてを修得)

【キーワード】
プラス 勇猛4 正論3 信頼3 愛国心3
マイナス 伝統主義3 闇2 革命2 犯罪4

【解説】
 独逸第二帝国空軍飛行船ライプニッツ号で働く日本人船員。大柄で相撲の名人。後に、日本帝国海軍の育ての親となる山本権兵衛だが、維新後、勝海舟の紹介で独逸帝国海軍に留学する。本作では独逸帝国空軍に留学中で、ライプニッツ号の下士官となる。(1852~1933)

【会党】 ライプニッツ号
独逸帝国空軍が運用する豪華飛行船。上海=ベルリン間を僅か7日で結ぶ。クルーは国籍を超えた結束を誇る。
キーワード
プラス 世界主義3 自由3 秩序3 名誉3
マイナス 混乱4 伝統主義3 魔術3 陰謀3

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シナリオ・ソース

「消えた乗客」
 ライプニッツ号で上海にやってきた重要人物が上海で姿を消した。行方の探索を命じられた山本は、坂本龍馬の紹介で、PCたちに協力を求める。

「空中パーティ」
 上海に到着したライプニッツ号で開催される空中パーティに、怪盗紳士ルパンが現れ、高貴な宝石を盗むと予告してきた。PCは犯罪の防止を依頼されるが、ルパンの予告には裏の意図があった。
 空中パーティまでの間に、ルパンの真の目的を探り出すことはできるのか?

「ベルリンまであと何マイル?」
 欧州へ向かうVIPの護衛でライプニッツ号に乗り込むことになったPCたちは、VIPを狙って乗客に紛れ込もうとする暗殺者と戦うことになる。

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December 26, 2005

比叡山探索行 大黒天呪殺修法

 昨日はR&Rステーションでの「クトゥルフCON」である。
 シナリオは、何度かマスターした「比叡山探索行」の別バージョンである。

●比叡山潜入

 元亀2年7月、比叡山攻略を進める織田信長は、配下の羽柴藤吉郎秀吉に叡山攻略の情報収集を命じた。
 秀吉は、配下の者どもを召集する。

 尾張の地侍で、剣の使い手、大麻義明
 蜂須賀党の乱波、斬見丸(ざみまる)
 たたら師、百足
 堺の若き茶人で、鉄砲使いの才野宝嵐
 浄土宗の僧侶・義観

 最後の義観は、秀吉の配下が比叡山に潜入することを聞いた明智光秀が、最後の和平交渉のために、派遣した僧侶で、懐には光秀から比叡山の重鎮、円重上人への密書を抱えている。
 一行は坂本に潜入し、情報していくが、比叡山では信長呪殺の修法が始まっており、円重上人はその推進者だという。また、琵琶湖の水軍衆である、堅田衆が比叡山に大量の物資を運びこみ、戦に備えているという。堅田衆の搬入ルートを追っていくと、そこには異形の水軍衆、蓮田衆(はすたしゅう)の姿が。
「いあ、いあ」
と、異形の奇声を上げながら、荷を運ぶ蓮田衆の姿におののく一行。
 聞けば、彼らは竹生島の一部で信仰する湖の守護神、灰堂(はいどう)観音を信仰するという。
 やがて、発見した裏参道を抜けて比叡山三大聖域のひとつ、横川へと向かうが、その途中、奇怪な読経の声に惑わされる一行。斬見丸が探索に向かい、奇怪な大黒天を拝む狐僧正と遭遇、恐怖におののきながら逃げ出す。
 何とか横川に達するが、もはや、比叡山の退廃はおぞましきものとなり、蓮田衆と通じる平べったい顔をした僧兵に導かれ、円重上人の籠もる黒智殿へとやってくる。
 ひとり、斬見丸のみが後ろから忍んでゆくが、他の4人は庫裏に押し込められてしまう。
 斬見丸も、狐と化した僧侶に襲われ、一度はおかしくなって比叡山の山に逃げ出すが、何とか己を取り戻し、庫裏から仲間を救い出す。
 上人と会見せねば、と決意した義観に導かれ、一行は黒智殿に踏み込むが、もはや、信長憎しの円重上人は聞き耳を持たず、狐僧正としての姿を現し、戦闘へ。
 大麻の剣術と、才野の不動金縛りの術が決まり、狐僧正を倒した一行は、黒智殿にあった謎の書物を持って脱出する。
 信長様の下に戻った一行は、比叡山焼くべしという報告を伝えた後、謎の書物を提出するが、それは南蛮人の手で伝来した『妖蛆の秘密』であった。フロイスが止めるのを聞かず、それを手元に置く信長。後の、本能寺の変へとつながる悲劇の種は、ここで信長の手に渡ったのである。

●感想
 キーパー経験者3名を加えてのセッションで、ずいぶん貴重な意見が聞けた。
 けっこう、面白く出来たとは思うが、シナリオ的には力押し解決なので、もう一工夫したいところ。
 クトゥルフらしい殺戮劇になってもよかったかな。蓮田衆の群れが川から「いあいあ」言いながら上がってくるタイミングを逃したなあ。ずぶぬれの僧兵が深きもののおぞましき力を振るう用意はしていたのであるがねえ。

 終了後、内山さんと軽く飲み。ぶりのかま焼きを頼んだら、鰹のかぶと焼きのようなサイズの頭半身が出てきた。とんでもねえ。

●クリスマス
 24日はさすがに家族サービスをしました。
 午前中は原稿を書いたあと、午後は買い物に。息子がムシキングをするというので、久しぶりにゲームセンターへ。近くに置いてあった『三国志大戦』を眺めていると、インターフェースの良さがよく分かる。手馴れたプレイヤーがカード化された武将を動かす様はいかにも指揮をしている感じだ。正面の3Dビジュアルもよく出来ている。
 ああ、確かにコレははまる要素が満載だ。
 思わず、スターターを買って1プレイ。出たカードは甘寧、将欽、曹彰、潘璋。甘寧の戦闘力が半端ではない。
 これは面白いなあ。

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December 24, 2005

ボイスドラマとゲームブック

 明日のシナリオ準備中。
 2学期の宿題である小説の山が飛んでくる。

●ボイスドラマ
 先日、書いたボイスドラマの収録が終わったそうで、斉藤講師から「こぶし」の音声ファイルが飛んでくる。
 2分半ほどのものであるが、少しこそばゆい。うむうむ。色々反省点はあるが、これも結構面白いな。
 コミケで販売するそうなので、一応、告知を。

■サークル名
Black Heart☆
■スペースナンバー
金曜日(30日、コミケ2日目)
西地区 ”か”ブロック 14-b
■CDタイトル
星の標-Hoshi no sirube-
■販売価格
500円

●ゲームブック「竜の銀嶺」
 斉藤さんが属するクリエーターチーム「A-team」も同人誌を出すそうな。「A-team」はライトノベルズ作家、水城正太郎、新井輝を筆頭に若手の作家やライターが集まっている。
 ここのメンバー、枯野瑛氏が作成したゲームブック「竜の銀嶺」をいただく。
 骨太な本格ファンタジーで、ヒロインを救うため、竜に挑む英雄の旅路を描いたものである。FFスタイルのものではあるが、戦闘もかなりハードで、途中のイベント、謎解きにも力がこもっている。ラスBOSS戦前のレベルアップ、ヒロインとの語らいまであり、久しぶりに歯応えのある一作。
 同チームの作成する同人誌「金澤文庫」に掲載されるとのこと。
 詳しくは、下記HPへ。
 →AチームBlog
 →同人誌「金澤文庫」

●えにぐまなみ「酸素ルーム」

 昔、よく読んでいた少女漫画。
 あまりに寒いのでこたつを作ろうと、掃除をしていて、屋根裏部屋から発見する。
 えにぐまなみは、丸いフォルムがコミカルであるが、妙に優しいラブコメを書く。
 「酸素ルーム」というネーミングもよし。
 こうやって本を見つけてしまうから大掃除は危険なのだ。

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December 23, 2005

信長 あるいは戴冠せるアンドロギュノス

 『比叡山炎上』準備中。クリスマスCONの準備とか資料調査とか。

●信長 あるいは戴冠せるアンドロギュノス
 
読了。シリア出身のパール信者にして異端のローマ皇帝ヘリオバルガスと、織田信長を比べる一品。
 まさに堪能。

●コミック
げんしけん 6

 大野・荻上編、というべき流れ。荻上の同人誌活動とそれを微妙に見守る大野のやりとりがよい。
 大学青春編。核心は次回に続く。

職業 殺し屋。 6
 双頭の蛇編。キャラクター増加第一弾という感じである。

●ゲーム会
 昨夜はアトリエ・サードのボードゲーム会。
 多忙のため、3時間ほどだけ参加。鈴木銀一郎さんが持ち込んだ「Struggle of the Empire」(推定プレイ時間4時間)がちょっと羨ましかったが、短めのゲームとして持ち込んだ「通路」を果てしなくプレイ。
 やはり、このゲームは5人以上が面白い。
 空中戦がかなり複雑になるからだ。
 その後、インドネシアのクメール文明をテーマにしたボードゲーム(名前をメモし忘れた)をワンプレイ。
 クメール文明がジャングルに飲まれながらも、水路や寺院を建設していくシークエンスがよい。
 非常にプレイは分かりやすく、かつ、女神タイルを5枚引いたら、サドンデスという素早さもよし。

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永遠の冬18:風の旅

 一夜の夢だったならば、よい。
 一時の幻だったならば、よい。
 だが、それは……。

「村まで送ろう」
 ネージャは雪狼の群れを呼び寄せる。ゼルダ婆はためらわずに、雪狼の背にしがみついた。タグもそれに習った。メイアがためらっていると、ネージャがその手を取り、引き寄せた。もう片方の腕には意識のないウィリスが抱かれている。
「汝は我とともに」
 そうして、一際大きな一頭にまたがる。
 ネージャの外套が優しく、メイアを包んだ。

(暖かい)

 メイアは驚いた。
 雪狼の姫、と聞いて、その体はどれほど冷たいのか、その吐息はどれほど凍えるものなのか、と思っていたが、外套の中は心地よく、安らぐものであった。これならば、あの雪の中でも、ウィリスは大丈夫だっただろう。

「行け!」
 ネージャの声とともに、雪狼たちはざっと地を蹴った。
 そのまま、ふわりと浮かび上がる。

 ひゅうう。ひょおお~。風が鳴いた。

 雪狼は風を踏んで走る。
 その1歩、1歩が小さな雪片を撒き散らす。
 きらきらと陽光をはね返し、雪片が風に舞う。

「綺麗」
 メイアは思わずもらす。
「そうか」
 ネージャが満面の笑みをもたらす。
「お前もまた良き目を持つのか」

 風のように、雪狼は走る。
 風に乗って走る。
 風見山の麓から、尾根道を越え、グリスン谷へ続く斜面を一気に駆け下りる。

 逆落としの光景に、メイアはぎゅっと目をつむった。

 やがて、雪狼が歩みを止めた。
「ついたぞ」
 ネージャの声に、目を開くと、もう、ゼルダ婆の家の前であった。
 振り返ると、ゼルダ婆とタグを乗せた雪狼もたどり着いている。タグなど転げ落ちるように地面にへたり込んでいる。
 ネージャはメイアを下すと、その腕にウィリスを預けた。
「しばらく任せる。いずれまた会うことになろう」

 ネージャと雪狼たちは風に乗って舞い上がり、風見山の方角へと消えていった。
 季節外れの雪がグリスン谷の空に舞った。

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第三章第二話。
しばらくメイア視点の物語が続くかな。
永遠の冬に向かって、物語は続いていきます。
次回は来週の予定。
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December 21, 2005

日々雑記:剣豪対クトゥルフ

 『比叡山炎上』作業中。システム・パートが見えてきたので、ワールド資料を書きまくる。

●剣豪対クトゥルフ
 日本の剣術史は、古墳時代前期(紀元3世紀末から4世紀)に遡る。

 剣による戦闘の歴史だけを見るならば、磨製石器の剣が用いられた弥生時代中期(紀元前3世紀)に遡る。磨製石器の剣が胸に刺さったままの人骨が発見されている。 その後、紀元1世紀から3世紀の間に、金属製の剣(銅剣や鍛造鉄剣)が大陸から流入、優れた切れ味の剣が出現することによって、剣の技術が必要になる。

 日本最古の剣術と呼ばれるのは、鹿島神宮の祝部(はぶりべ、神官)、国摩真人(くになずのまひと)が編み出した鹿島の太刀である。これが鹿島神宮の神官七家に伝えられ、鹿島七流、あるいは、関東七流と呼ばれる関東の古流剣術となる。古墳時代前期とされる。

 関西でも、大陸から流入した片刃の刀剣を受けて剣術の技巧が形成されていく。その流れを背負ったのはどうやら修験者や僧侶であったようだが、表に出ぬまま、鞍馬八流、あるいは京八流と呼ばれる。12世紀の陰陽師、鬼一法眼が牛若丸、後の源義経に伝えたのは、鞍馬八流ではあるという。
 こちらも僧侶や修験者によって磨き上げられたものである。

 鹿島の神官や鞍馬の修験者は一体、何と戦うため、剣術を編み出したのか?
 さてさて。
 このあたりの流れを綺麗にして、塚原卜全や柳生石舟斎が、クトゥルフ神話と戦う話を用意せねば。
 残念ながら、宮本武蔵は出せないが、親父も結構強かったというので。

●合評会その2
 昨日は、GK(ゲーム企画科)シナリオ専攻1年生の合評会。
 今回は、「ポスト・ポケモン、ポスト・ムシキング、ポスト・ベイブレードを目指すオモチャ企画を前提に、漫画連載かアニメ放映を踏まえたシリーズ企画を行い、シリーズ構成とプロット、第一話のシナリオを作成する」というもの。非常に実践的なレギュレーションであり、おそらく大手ゲーム会社および系列の下請け会社に入れば、もっとも求められるものと言える。

 学校に入ってほぼ半年、シナリオを始めて最初の合評会であるから、作品もそれなりであるが、それぞれ何とか書き上げた。講師としてはそれを大きく誉めてやりたいところではあるが、2年制のゲーム学校にゆるゆるしている余裕はない。来年春には就職活動が始まる。その時、実力を示す作品がなければいけない。ゲームのシナリオ・ライターを目指すものならば、今回のような企画書、プロット、実際の作品の3点セットが必要だ。

 そのために、今回の作品で、自分に欠けているものを実感してもらわねばならない。
 日本語、企画力、想像力、構成力。
ビジネスとして作品を作ることの意味。
 それをプレゼンするという事実。

 そういう意味で色々ハードでしたよ。ほその講師の、血を吐くような言葉を、生徒の皆さんは忘れないで欲しい。

●暖かい新聞

 ハードな合評会の後は飲まずにはいられない。
 ライター科の忘年会の前に、そのまま生徒数名とJR恵比寿駅前のまぐろ屋で飲む。まぐろ丼専門店で、夜はそのまま韓国料理も出す一杯飲み屋に変わる。軽く飲むにはいい店である。
 生徒と飲みながら思うのは、突き詰めようとする意欲の甘さである。
 こういう話をすると、私自身にも返ってくることではあるが、自分の知っていること、見つけた事実がそのまま真実であると思うのは危険である。
 もう一度、Why?と問いかけてみるべきだろう。
 企画を極限まで突き詰めることが必要となる。

 例えば、何らかの理由でやむなく、新聞にくるまって寝るとしたら、どの新聞が一番暖かいだろうか?

 一応、枚数の問題は横に置く。さもないと、元旦の朝日新聞が一番暖かいとかいう結論におそらく達するからだ。複数枚使うという前提で考えると、後は表面の熱反射率と寒風の透過率、紙質に含まれる空気の含有率などによるだろう。
 経験上、一般の家庭紙の上を体の上下に敷き、もっとも外側にコート紙を用いるタブロイド新聞やカラー写真の多いスポーツ紙を重ねるのが暖かいようだ。

 経験上? まあ、コンクリートの上でこれをやった経験はありませんよ、まだ。

 その後、斉藤講師、卒業生でライターをしている松尾君、黒田君と合流、仙川の焼き鳥屋で一杯。ライター科の忘年会が流れた代わりだが、少数の気軽な飲み会というのはいいものであるよ。

●AV女優
 恵比寿駅前の青空書店に落ちていたので保護。1991~96年にAV情報誌に連載されていたAV女優たちへのインタビューを一冊にまとめたもの。以前より気になっていたものである。歴史の遺産である。

 仙川で斉藤氏らを待ちながら、パラパラと読むと、「コミケ」という見慣れた文字が。

 そこでインタビューを受けていたのは刹那紫之(せつな・しの)。
 「インモラル女子高生」でなぶられるヒロインを演じたが、実際には、SMクラブで女王様を務める極度の真性Sである。AV女優兼AV監督。自らAVの脚本を書き、夫を相手に、鬼畜めいた物語を演じる。
 彼女が性に目覚めたのは小学生。『パタリロ』に描かれたヤオイ・ネタに触発されて、ホモ雑誌を買い、ホモ漫画を描き始める。小学生を卒業する前に、地元の女子高校生が作っていた漫画同人サークルに加わり、エロ漫画の同人誌を作り、性の知識もそこで学ぶ。中学生になり、コミケで出会った女性H漫画家に弟子入りし、そのスタジオで行われたレズの狂態に参加するようになる。
 このあたりの描写は凄まじい。
 身長150センチ、当時20歳の一見清楚な刹那の愛らしい唇から語られる言葉に、筆者の永沢、カメラマンの松沢が意識を失いそうになる。同席していた『ビデオ・ザ・ワールド』の中沢編集長も、こめかみを押さえて一時退出する。海千山千のAV業界を見てきた彼らも知らない世界がそこにあった。
 これもまた、この世にある闇のひとつ。肉色の闇である。

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December 20, 2005

日々雑記:バトル・ダンジョン

 昨日は、学校の合評会で疲れ切って帰宅。何もできないまま、ダウンしてしまった。歳だなあ。
 今日も昼からもうシナリオ編があるが、これも仕事。
 頑張りましょう。

 ……という訳で日記。

●YS-CON11 『真・女神転生X』セッション

 日曜日はイエローサブマリン秋葉原RPGショップでコンベンションGM。
 ところが、予約客が2名、来ない。4名で組んで、溢れた人が第二希望に回っているのに、当選した人が来ないってどうなっているのでしょう? その日、架線事故で電車が遅れたようですが、遅刻の連絡を入れてくれた人もいたので、来ないなら来ないで何か対応して欲しいですねえ。予約したんだから。

 しかたないので、店が調整に入り、3名に増やしてセッション開始。
 なぜか、雷鳴の田中さんがプレイヤーに。

 『金剛神界』用のシナリオなので詳細は秘すが、まずは大破壊後の六本木で依頼を受けた一行は、さらなる情報を求めて、新宿へ向かうが、謎の悪霊(ピシャーチャ)に遭遇。PC1予定の剣士/サクセサーを誰も使わなかったのでガンスリンガー/トレジャー・ハンターと斬馬刀天使が前衛に立っている。
 死にそうになりつつも何とか突破。
 新宿のメイン・ダンジョンは、『金剛神界』用のランダム・ダンジョン・システムを投入。スパルトイ(剣・ガンに強い)に苦戦するうち、ハマ(敵即死40%)の強さに目覚める。

 「ダメージじゃないって偉い! 40%即死ですよ!」(いや違う)

 結局、ダークゾーンだの、バーだのが乱立するヘンテコ・ダンジョンを踏破し、第一シナリオを終えたところで、時間終了。そのままギリギリまでBOSS戦で遊びました。前半だけで2レベル成長、後半でも1レベル成長して最終BOSSへ。ダンジョンはいいのお。

●ボイスドラマ

 土曜日、バンタンの講師仲間で声優雑誌やゲーム雑誌のライターとして活躍されている斉藤さんから、コミケで出すボイスドラマの同人CDに何か書かないかとメールが来た。声優志望者たちが集まって同人CDドラマを収録するそうな。ボイスドラマの脚本はやったことがないし、面白そうなので引き受ける。
 以前、ここで紹介した椎出啓氏にも声をかけ、『親子丼』シリーズをボイスドラマ化するとのこと。よしよし。
 日曜日、秋葉原に行くとちゅうで、BLネタと、お約束のシャア・ネタを思いついたのでノートにメモ。
 月曜日の朝、なぜか『こぶし』のネタを思いついて目覚める。朝6時。

「お前は拳の握り方をいくつ知っている?」

 で、スタートする恋愛物のショートショート。
 とりあえず、その3本を送っておく。
 どうなるかちょっと楽しみ。

●合評会編その1

 月曜日はGK(ゲーム企画)科の1年生の合評会。
 基本的に、企画書を配り、3分間のプレゼン後、3名の講師からコメントをもらうという形式である。講師連は誉めたり、けなしたり、暴れたり。
 今回は、ターム2(2学期)ということで、緊張感を持って欲しいという細野講師の提案で、質疑応答の代わりに「プレゼンを理解できたか?」「企画が面白かったか?」の2質問に挙手していただく形式に変わった。これはいい。挙手の数で自分自身が結果を理解できる上に、意味のない質問や、質問と称した自己主張を封じられる。ぜひ、ライター科でも推奨したいところ。

 今回、残念だったのは、バカ・エネルギーが足りなかったこと。

 適度に綺麗にまとまった作品が多く、バカ・ゲーがあまりない。あっても、バカ度、インパクトが足りない。どこまでバカなネタで押し切れるか? そういうエネルギーが足りませんよ。
 そう言えば、2会場に分かれたうち、私のところでは18禁がひとりもいなかったな。

 あと、企画はもう少し脳内シミュレーションを繰り返してほしい。脳内でシミュレーションできていない人が多すぎる。
 例えば、ファンタジー世界の種族間抗争を天使が仲裁するというゲームがあった。
 しかし、これは気をつけないと簡単な解決に落ち着いてしまう。

「戦いは終わるさ。全てを滅ぼせばな!」(ザラ議長閣下 IN ガンダムSEED)

 ゲームの最適解を求めると、ダメな世界に陥るのは危険である。
 あるいは、それが『バランス・オブ・パワー』になってしまってもいけない。現代のユーザーはストレスに弱いし、ゲームにリアルなストレスなど求めてはいない。(うわ、我ながら嫌な解釈だ)

 今日は昼からシナリオ組の合評会。
 夜はライター科の忘年会。

●読書メモ
 とりあえず、ここ三日ほどで読んだ本を。宇月原の『信長』はゆっくり進行中。

20歳(はたち)からの「日本人の心」講義  馬場啓一
 Yさんからの頂き物。タイトル通り、若者向けに日本史に大きく影響を与えたトピックを背景から解説するものである。平易であり、面白い。歴史再入門という人にお薦め。

新世紀エヴァンゲリオン 鋼鉄のガールフレンド2ND 第6巻
 学園エヴァ・漫画の最終巻。パラレル・ワールドのエヴァ・キャラクターによる恋愛物。ファン向けと言うべき作品ではあるが、面白いですよ。完結。お疲れ様。

大奥 第一巻
 謎の奇病によって、男性の数が1/4に減少、男女の立場が逆転した江戸時代を舞台に、大奥に集められた美男三千名(公称)と、新将軍・吉宗(もちろん美女)を巡る物語。BLもの?かと思っていたら、非常に真っ当な歴史If物のSFでしたよ。第一エピソードはよいドラマに仕上がっておりますな。

餓狼伝
 夢枕獏の傑作格闘技小説のコミック化。最近が『バキ』の板垣恵介版が有名だが、それに穿孔する谷口ジロー版が文庫で再刊された。圧倒的な筋肉描写が凄い。

ホムンクルス 【1、2】
 トレパネーション(頭蓋骨穿孔)によって超能力を得た半浮浪者の見る世界の実相とは?
 異能をカギにした人間ドラマ。面白い。続きが気になる。

アガペ 【1】
 無償の愛(アガペ)を持つ少女が、日本初の交渉人(ネゴシエーター)として事件に立ち向かう、というシリーズの第一巻。理論、経験、人格と分担したチームの関係が興味深い。黄色をメインとした表紙の装丁が気になっていた作品である。

おねがいティーチャー 【1】
 林家志弦は以前から気になっていたイラストレーター。可愛い女性をうまく描く。
 宇宙人である美人教師と病弱な高校生の秘密なラブコメディ。一般書。

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December 18, 2005

少し思い出話をしよう

 今日は日本のゲーム業界黎明期に活躍した多摩豊氏の命日である。
 慶応HQというゲームクラブを皮切りに、アナログゲーム、デジタルゲームの黎明期に活躍された多摩さんは、ツクダの箱ゲームを作成され、初期の国産TRPG「スタートレック」などを送り出す一方、雑誌ウォーロックの創刊に携わり、初代編集長を務めた。18年前、ニフティ・サーブのSFフォーラムでRPGを遊んでいた私に、多摩さんが声をかけてくれたのが、私のデビューのきっかけである。

 色々お世話になった。
 デビューしたばかりの若造に色々な仕事を振ってくれた。
 私がしでかした大ぽかに呆れながらも色々対応してくださった。

 多摩さんは、非常に先進的なマック・ユーザーで、ウォーロックは18年前の段階で、初代マッキントッシュと初期のページメーカーによって作成されていた。おかげで一冊の雑誌は、ほぼすべて多摩さんの編集で出来上がっていた。それはまた斬新な試みであったと言えよう。

 色々、ご一緒した時間もあったはずなのに、思い出されるのは、多摩さんがウィザードリイの翻訳をされていたときの話だ。「なんで地下迷宮の底に、モンティ・パイソンのギャグが転がっているのだよ」と大笑いするその顔。なぜかそればかり思い出される。

 しばらくして、膠原病が発症された多摩さんは1997年12月18日に亡くなられた。亡くなられる数日前、急を聞き、病室に多摩さんを見舞ったが、もはや、何を話していいか分からなかった。

 あれから時間がずいぶん経過したが、私は結局、ここにいます。

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クトゥルフと帝国

●祝刊行「クトゥルフと帝国」

 10年待った「クトゥルフと帝国」がついに発売となりました。
 私は直接、関与しておりませんが、昨夜はアーカム・メンバーの打上に顔を出し、Tさんから「クトゥルフと帝国」をいただきました。久しぶりに、高平氏にも会え、楽しい一時でした。そのまま、新宿で痛飲して帰宅。

 しかし、『クトゥルフと帝国』はいいサプリである。
 表紙がかっこいい。これですよ、これ。『比叡山炎上』もきちんと時代を反映したイメージで行きたいねえ。
 個人的には、特に、アジア各地の信仰や秘密結社に言及しているあたりが素敵である。
 シナリオも3本ついてお徳。

●読書メモ
聚楽 太閤の錬金窟(グロッタ)

 読了。めくるめく錬金術と戦国伝奇絵巻。素晴らしい。
 内藤陳氏ではないが、読まずに死ねるか! 的な作品である。
 同じ宇月原氏の『信長 ~ 戴冠せるアンドロギュノス』へ突入中。

GUNSLINGER GIRL 6
 イタリアの対テロ組織で戦う「少女」たちの物語もはや6巻目。
 2期生の物語を1から描くもの。悲しくも美しく、かな。

Venus Versus Virus 1
 眼帯ゴスロリツインテール魔法少女(うーん、こう書くと萌え記号の塊であるな)が魔物と戦うというコミカル伝奇アクション。巻き込まれ、暴走する女子高生もまたよし。

●もにょもにょ
 金曜日から色々打ち合わせ中。これから3ヶ月連続締め切りの予感。わーい。
 ついでに、飲んで帰ってきたら、バンタンの斉藤講師の関係でまたもにょもにょ。それは私もですか?
 まあ、面白そうなのでOK。 
 ……ところで、私は18日イベント、19、20日と学校の合評会。年内に『比叡山炎上』。
 いつ書けるのかなあ。
 まあーいい、何とかしましょう。

●メッサーシュミット
 生徒の作品指導で久しぶりに情報確認。
 メッサーシュミットはドイツ航空機界の雄。
 Me262シュヴァルベがいわゆる世界初のジェット戦闘機。
 Me323ギガントが、翼幅50mの巨大輸送機。6発プロペラ機。
 Me163コメートから秋水への流れはドラマチックである。メモメモ。

 参照→Wikipedia メッサーシュミット

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イベント予定

●イベント・スケジュール

12月18日  イエローサブマリン秋葉原RPGショップにて『真・女神転生X』を。『金剛神界』を反映したL15~20ぐらいの大破壊後シナリオを予定。……という訳でこれから行って参ります。

12月25日  秋葉原R&Rショップにて、クトゥルフRPGイベント。『比叡山炎上』の公開テストプレイ。    「ユールの日ですよ、信長様」というシナリオをやるかどうかは秘密。

2006年
1月22日   深淵CONシキサイが確かこのあたり。行けるといいなあ(少し遠い目)

1月29日   イベントGM 『真・女神転生X』予定 詳細は近日

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December 16, 2005

永遠の冬17:雪野原

 雪が舞う。
 春の空に白く、白く。
 雪狼の雄叫びが上がる。
 もはや山は冬の領地。

 さくさく。

 夜明けとともに、狼煙台に上るメイアの靴の下で霜が砕けた。
 息が白い。
 夜明けの光に茜色に染まる峰の上にかかる空は澄んで高い。

 ひょおおお、ひょおおお。

 風が木々を揺らす。
 風の音を追いかけるように、凍えるような風が通り過ぎる。
 外套が不意の強風をはらんで、斜面を進む少女の体を持ち上げようとする。
 必死で地面に這い蹲り、あたりの木にしがみつく。

 ひょおおお、ひょおおお。

 風の声はまるで雪狼の遠吠えのよう。
 遥か西の峰から響いてくる。
 風見山の方角だ。

「ウィリス」

 少女は一言、呟いた。
 お迎え役の少年は戦いの装束をまとい、旅立っていった。

    *

「風見山のあたりがずいぶん白いぞ」
 狼煙台につめていたカディの爺がそう言った。
 指差す先、西の峰は真っ白に雪化粧している。
 そして、その麓、尾根道に近いあたりは乳のようなねっとりとした霧に覆われている。
 まるで雪雲そのものが舞い降りてきたかのような濃い霧だ。
「ゼルダ婆に伝えてくれ。雪狼が戻ってきておると」

    *

「やはりそうかのぉ」
 婆はメイアの話を聞いてうなづいた。
「冬の扉が開かれ申したか」

    *

「どういうことじゃ、婆よ」
 婆に呼び出された村長が聞き返した。
「ウィリスが危機に陥ったのじゃよ」と婆が答える。
「あれは歴代のお迎え役の中でも、特に、ネージャ様の寵愛を受けたるもの。
 おそらく、雪狼が助けに向かったのじゃ」
「雪狼が戻ってきたのはそのせいか?
 しかし、春からこの寒さでは谷はたまらぬぞ」
「わしがお迎えに行く。
 ウィリスが救われねば、あの雪雲は去らぬ。
 メイア、一緒にきておくれ」

    *

 風見山に至る街道はもはや雪に覆われていた。
 婆はメイアと、牛飼いの息子タグに荷物を背負わせて、この雪道を進んだ。
 白いものが混じる冷たい風が吹きぬけ、雪狼の遠吠えが轟いた。
 それでも、ゼルダ婆は足を止めない。
「雪狼どもが案内をしよるわ。急げ、急げと」

   *

 風見山の麓に近いあたりで、婆は雪狼の声に呼ばれ、道を外れた。
 まばらに木の生えたくぼ地へと向かう。
「この先じゃ」
 綿のような雪が深く積もり、木々には凍りかけた雪がびっしりと張り付いている。
 1歩踏み込むごとに、寒さがつのる。
 くぼ地を巡る木々の影には、透き通った雪狼たちの姿が舞っている。
 そして、今やはっきりと見える一匹の雪狼が婆を先導していた。
「ば、婆、おれ、今、何か踏んだ」
 雪の中に腰まで浸かりながら、牛飼いのタグが言った。
「ガチャガチャ言った」
 雪の下に埋もれた何か金属の塊。
「おそらく、兵士の鎧じゃろう」
 婆が答える。
「ここで、カルシアス様のご一行は戦いになったのじゃな。
 このくぼ地で休まれていたおりであろう。
 おそらく雪の降り出した前の晩じゃ」
「じゃあ、この雪の下には……」
 タグはさらに顔を青くした。
 婆がうなづき返す。
「ウィリスは!?」
と、メイアが問いかける。
「あれはおそらくこの先じゃ。
 雪狼が急げと言うておるからのぉ」

 やがて、くぼ地の奥に達した。
 そこは今も身を切るような寒風が吹き荒れ、雪が舞い続けていた。
 目を開けることもできぬほど。

「姫様! 先代ゼルダが参り申した!」
 婆は雪の上に平伏して、そう叫んだ。
「お迎え役をお助けいただき、ありがたきこと。
 これよりは、我らがその者の世話をいたしましょうぞ」

 さっと雪が晴れた。

 くぼ地の中央、雪野原の中央に、毛皮の帽子と外套に包まれた大柄な女性の姿が蹲っていた。
 雪狼の姫ネージャである。

「大儀であった」

 神々しい声が響き、外套がさっと払われると、そこから眠ったような少年の姿が現れた。
「ウィリス!」
とメイアが叫ぶ。
「ゼルダよ、娘よ、では、我らが王をよろしく頼むぞ」

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とりあえず再開。
第二章の終わりのようにも見えますが、一応、第三章の始まり。
第16回がまとまりすぎて、少し間があいてしまいました。
風邪が治らない状態で、冬の寒さを書いていますよ。
年内多忙のため、おそらく、次は来週かと。
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December 15, 2005

日々雑記:清盛が歩く

 『比叡山炎上』作業中。基本に帰りつつ、暴走する戦国日本の狭間でじたばた。『金剛神界』のイラスト・ラフとか飛んできたり、学校の合評会課題が届いたりと大騒ぎ中。2005年もあと2週間であります。

●KIYOMORI
 テムザックの新型2足歩行ロボット。
 公式サイトが結構かっこいいですよ。
 宇宙人めいた新型ASIMOが盛り上がってますが、KIYOMORIの和風感覚はそのまま『真・女神転生X』『ブルーローズ』で使えそうである。
 テムザックのページでは家庭用から災害支援までの各種ロボット、犬を思わせる家庭用四脚型警備ロボット「番竜」とか、家庭用カメラ型内蔵型ロボット・インテリア「ロボリア」とか、ネタになりそうなものを沢山紹介している。
 ちなみに、関西弁認識機能のついた受付支援ロボット「テムザック2号」(96年)は、「お茶持ってきて!」と頼むと「ちょっと待っときや!」と返事するとか。10年前でそのネタかい。恐るべし、テムザック。

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December 13, 2005

『真・女神転生X』リプレイ見本到着

●リプレイ見本到着

 『真・女神転生TRPG~魔都東京200X~リプレイ 白き刃の後継者』見本が到着。
 今週末には店頭に並んでいるはずです。
 黒百合姫さんの華麗な表紙が目印!
 Amazonで予約開始していますので、横にエントリーを置いておきます。

●デビルサマナー 葛葉ライドウ 対 超力兵団

 どんどん加速中。とても楽しみですね。
 メガテンで大正ロマンという内容がなかなかいいですね。
 モーショボーが可愛いよ。→公式サイト

●お買い物

聚楽 太閤の錬金窟(グロッタ) 宇月原 晴明
 『比叡山炎上』には欠かせませんよとお薦めの宇月原作品が新潮文庫に落ちていたので購入。秀吉時代の話ではあるが、「殺生関白」豊臣秀次の事件の背景に、南蛮の錬金術師やイエズス会の異端審問官、服部忍者軍団や蜂須賀党乱破集団などが入り乱れる。これは凄いな。デビュー作の『信長~あるいは戴冠せるアンドロギュノス~』も急ぎ、探さねば。

異形コレクションXXXIV アート偏愛(フィリア)  井上雅彦・編
 文庫書き下ろしのホラーアンソロジー。
 朝松健先生が戦国剣豪物を書かれたというので購入。『輝風 戻る能わず』である。伝奇剣豪短編なり。とにかく読む。うむ、こうこられたか。なるほど快作なり。
 定例の公募テーマは、1月末締切が『闇電話』、5月末締切が『進化論』とのこと。

図説戦国地図帳 学研
 戦国時代の大名の割拠状況を地方ごとに示したカラー地図帳。資料用に。

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December 12, 2005

出雲南蛮記念祭

今宵はメシア誕生の日。
さあ、皆でパライソに向かうのだ!

●出雲南蛮記念祭

 土曜日は『比叡山炎上』のテスト・プレイ。
 PCたちは、元亀2年12月、信長の命により、出雲国大浦村に漂着した南蛮のパーデレ(宣教師)の調査面談に向かうことに。

 PCは公家、巫女、神人(神社の従属民)、僧兵崩れの4名。

 貧乏公家、藤原人麻呂は、礼法指南と方違いの指導だけが生活の糧という貧乏公家。信長の京都上洛後、朝廷側の下級官吏として信長のご機嫌伺いに奔走し、織田勢の荒武者や尾張のあぶれ者に行儀を仕込む仕事を得ていたが、元亀の兵乱で多忙な信長勢に代わり、出雲国に漂着した南蛮船とパーデレの調査面談に向かうことに。
 護衛として同行するのは尾張劔神社から礼儀見習いに送り込まれた巫女みなも。一見、美人だが、怪力無双で大槍を振り回す今巴御前である。さらに、同じく劔神社の神人にして、水虎の血筋を引く醜い小男、不知火は、斬馬刀を背負った武者もどきである。これに、人麻呂の邸宅に居候していた僧兵崩れの流仙が加わる。

 途中、出雲大社観光などしながら、大浦の村についた一行は、村中で改宗してしまった状況に遭遇する。寺から僧侶を追い出し、仏像を焼き、村境の石地蔵まで打ち壊す過激な所業に驚く。
 パーデレ・ザミャーヒはドイツからやってきたという。温厚そうな彼は丁寧に応対してくれるが、やがて、宗旨の話になると多弁になり、流仙を論破してしまう。
 今宵のミサの準備があると、パーデレが席を外した隙に、PCは情報収集へ。貧乏公家の人麻呂は、信長様を喜ばせる南蛮渡来の品がないかと座礁した南蛮船を漁りに向かう。浜辺に座礁した南蛮船の中には不可解な死体が放置され、不可解な雰囲気である。やがて、黄金に輝く蜂蜜と奇怪な手紙を発見するも、誰もポルトガル語が読めない。

 その後、ミサとともに事態は急転、黄金の蜂蜜酒を聖体拝受した上、石のオカリナを吹かれてしまう。
 空を埋める「烏とも、蜂とも、腐乱死体ともいえぬ有翼の怪物の群れ」。

 その姿に発狂した人麻呂は教会の庫裏から盗み出した地球儀を抱えて牛車の中で蜂蜜を貪り食らう。村人が有翼の怪物に連れ去られて昇天する中、みなもは得意の大槍で怪物の群れを切り開いて脱出する。先に逃げ出した不知火は怪物から逃げ回る。流仙は陶酔の中にあったが、覚醒し、脱出する。

 人麻呂は発狂したまま、牛車ごと空へと運ばれてしまう。正気を取り戻した時には遥か空高く上昇しており、一か八かで地球儀を抱え、飛び降りるが、そのまま墜落死。

 村を離れ、ほっと一息ついた三人であるが、追いかけてきた「見えない怪物」によって、いきなり流仙が引き裂かれてしまう。流仙の血を吸い、姿を現した「怪物」に向かって、みなもの大槍が唸る。
 不気味な怪物は倒され、二人は出雲大社に逃げ込んだ。

 翌日、出雲大社の神人衆と向かった村にはもはや誰もいなかった。
 村外れ、杉の木の頂に引っかかった人麻呂の屍を弔い、京の都に戻った二人は品々のみを信長様に献上し、持ち帰った南蛮の書物と手紙は密かに劔神社の奥に封じたのであった。

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 伴天連シナリオということで作成。
 キリスト教を戦国末期の公家や僧兵崩れに解説するという珍妙なシーンが個人的にはツボでした。同じようなネタとして、「上海退魔行 ~新撰組異聞~」で新撰組隊士に、共産主義を解説するというシーンをやったことがありますが、こういうカルチャーギャップのシーンは面白いですねえ。
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●義経 最終回
 タッキー版「義経」終了。
 セットとCGが安っぽかったとか、弁慶立ち往生がさらりと流されて残念だったねえとか、色々コメントはありますが、これにて終了。お疲れ様でした。
 「新しき国へ」というタイトルで、あのまま、ジンギスカン伝説に行くか!とも思いましたが、「新撰組!」ではないので、そういう話も出来ないでしょう。

●新シルクロード 最終回 長安、永遠の都
 何度か見逃しているが、NHKの「新シルクロード」も最終回。
 西安(旧・長安)で進むハイテク都市化と、遣唐使が訪れた頃のコスモポリタン・シティ、大唐帝国の首都、長安が重なって描かれる。かつて、この都に留学し、帰国前に死んだ井真成という日本人を狂言回しとするが、これを演じるのが「新撰組!」で山南総長を演じた堺雅人である。似合うなあ、その服。
 市当局の告知からわずか2週間で一方的な立ち退きを迫られる再開発地区の住民たち。このあたりはさすが共産主義国家。日本だったら、2年はかかるな。
 60ものハイテク系大学が集まり、大学城と呼ばれる西安。
 興味深い1時間でした。

●今日の一言

 基本に帰れ。

 思い込みで危険なミスを犯すところであった。注意注意。
 そして、気配り豊かな助言をして下さった方にも感謝を。
 多くの人の好意の中で、私は生きているのだ。
 今日も頑張りましょう。

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 年内は『比叡山炎上』、『金剛神界』、次の企画本、合評会審査と色々多忙ですが、面白そうなお話は大歓迎。多少、日記に間があくかもしれませんが、そのあたりは適宜埋めていきます。
 久しぶりに『深淵』の話も書きたいのですな。
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December 09, 2005

戦国吸血鬼伝 信長神異篇

 『比叡山炎上』用資料検索中&職業拡張中。戦国武将、足軽から、兵法者、忍者、僧兵、巫女、伴天連、茶人、猿回しまで。いや、それでいいのか?

●ゆうきりん「戦国吸血鬼伝 信長神異篇」

 編集のTさんに、『比叡山炎上』の参考になりますよと進められ、Amazonで入手、読了。
 ヨーロッパで宿敵、神殿騎士団との戦いに疲弊した吸血鬼〈不死王〉がヨーロッパから戦国時代の日本に逃走、これを追いかけて、聖騎士が信長期の日本に飛び込んでくるというお話だが、まさに『比叡山炎上』と同じ時代である。〈不死王〉が比叡山に潜み、信長がこれを焼くという展開までその通り。続編が出ていないようなのはちょっと残念。
 かたや、吸血鬼D、こちらはクトゥルフ神話の魔道書と流れは異なるが、ここはうまくオリジナリティを出したいところ。負けないように頑張りたい。

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December 08, 2005

上海退魔行:伊藤甲子太郎

世界はもうあなたの思っているようなものではないのです。

革命。

これこそ新しい時代の旗印です。
もはや幕府も身分も、サムライさえも不要なのです。

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 『新撰組!!』続編のニュースにあわせた訳ではないが、諸般の事情でお蔵入りになっていた「上海退魔行 ~新撰組異聞~」のNPCデータが発掘されたので、少しずつ掲載します。
 キャスト・レベル3ですので、以前、紹介した『キャスト・レベル3で遊ぼう』でも使用できます。
 まず、ヤングサンデーで凄いことになっている伊藤甲子太郎から。
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伊藤甲子太郎
男性 年齢35
属性:闇 国籍:? レベル3
主星 テロリスト 伴星 幽鬼/サムライ
知恵5 身体8 地位5 魅力9 敏捷4
運気6 堕落6 生命点32 社会点20

【特技】 
アジテーション
海王星、そは世界の果て
革命という名の怪物
幽体
幻夢の誘い
武芸百般
免許皆伝
葉隠れ
(対応天命の特技すべてを修得)

【キーワード】
プラス 名声5 革命4 陰謀3 権力3
マイナス 新撰組3 貧困3 欧米3 野蛮2

【解説】
元新撰組幹部。攘夷派の論客で近藤の信頼を受けたが、御陵衛士となって分離したため、油小路で暗殺される。(1835-1867)本作では幽鬼となって復活、無政府主義者に加わった。天性のアジテーターとして大衆を操ることを好む。旧名・鈴木大蔵を名乗ることが多い。

【会党】静安寺党
日系の無政府主義革命組織。代表の伊藤甲子太郎が静安寺跡でしばしば演説したため、こう呼ばれる。
キーワード
プラス 革命5 陰謀3 知識3 優雅3
マイナス 伝統主義3 新撰組2 暴力3 貿易2

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シナリオ・ソース
「油小路、再び」
 徳川昭武の側近となっていた近藤勇局長が不慮の落馬で怪我をする。見舞にいった土方は近藤から、勇自身がかつて心酔しながらも、勝手な分離工作を行ったため、暗殺を命じた伊藤甲子太郎の件で気弱な発言を聞く。夜な夜な、油小路で暗殺された伊藤の亡霊が夢枕に立つのだという。
 闇の力の関与を感じ取った土方はPCたちに真相の究明を命じる。
 すると、伊藤の実弟・鈴木三樹三郎が上海を訪れ、芦屋道満の力を借りて甲子太郎の魂を呼び戻したことが分かる。幽鬼として復活した甲子太郎は近藤を魔術的に支配するために悪夢を送り込んでいたのだ。

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日々雑記:加納城、新撰組続編

 『比叡山炎上』のため、資料検索中。その次の仕事の件もあって、宗教本や神話本を山ほど図書館から借りてきたら、腰が痛くなった。腰の後ろに簡易カイロをあてがったら少し楽になったが、ちょっときついところ。また、整体に行かないと行けないかな。そんな訳で、色々多忙です。はい。

●純米加納城

 滋賀のO氏より日本酒が届く。『純米加納城』。六年古酒。切れ味のいい辛口である。
 ありがとう。
 蔵元でも品薄の一品という。
 よいつまみを合わせたいところであるが、スルメあたりで飲んでしまいそうだ。

●新撰組続編

 昨年放映されたNHK大河ドラマ『新撰組!』の続編が来年1月3日に放映される。公式Blogがあるというので、リンク
 『新撰組!!』は、「上海退魔行 ~新撰組異聞~」からの流れで、ずっと視聴していた。エンターテイメントらしいフィクション性を含めつつ、当時の若者の視点がしっかりしていた物語だったので、ずいぶん入れ込んだ。セットや映像は妙に安っぽい瞬間があるものの、面白かった。芹沢鴨がかっこいいのもいい。
 本編は主人公が近藤勇なので、話は板橋で終わってしまうのであるが、続編では、生き残った土方が五稜郭で戦死する姿を中心に描く。つい、この前、『武死道』で読んだ時代なので、実に楽しみである。

●BLEACH

 新撰組にトリビュートされた雰囲気が満ちる死神バトル・コミックのアニメ版も、大詰めに。
 刊行されたばかりの第20巻に追いついてしまっていますが、キャラクターの味もいいですな。追いついてしまったら、『NARUTO』のように、ハズレの多いオリジナル・ストーリーを半年進めるのであろうか? まあ、一護がまた死神業をさせられるという展開ならば、しばらく続きそうですね。

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December 06, 2005

シャドウラン X360へ

『シャドウラン』がXbox360でゲーム化されるそうだ。

 →情報元

 個人的には凄く引かれるのだが。
 Xbox360はかなり悩みますねえ。レヴォリューションとPS3はいずれ手を出すことになりそうなだけに。さて、我が家のどこに置こうか?

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ボーイズラブ小説の書き方

 昨夜、遅くまでかかって『金剛神界』用の大破壊後シナリオを脱稿。
 GP15~20ぐらいで、ヒロインを救うために、死ぬほど戦闘してくれというシナリオ。サンプル・キャラクターに、斬馬刀持って堕天した天使エンジェルがいるあたりでかなりダメな感じですな。

 これから年末までは、『比叡山炎上』だとか言っていると、バンタンから、20日の合評会用シナリオ65枚×10が飛んでくる。あとでもう4~5本は追加される予定。

 午後から神田神保町に行き、先日書いた「BLで分かる日本史」(仮)の打ち合わせ。
 色々ごにょごにょ。
 美少年だの、衆道だの、アンドロギュノスだの、昼間から喫茶店で述べてはいけなそうな台詞を並べ立てる。講談調で日本史馬鹿ネタをBLにからめて下さいとか、BL教師と生徒の会話という設定はどうだろうとか、大の大人が昼間から議論。いや、電波系の文章をでっち上げるのは得意ですが。

 実現すると面白そうですねえ。
 できれば、BL系小説家さんとの共著で行きたいところですが、はてさて。

●ボーイズラブ小説の書き方

 ……ということで編集さんから、資料代わりにいただいたのが「ボーイズラブ小説の書き方」(花丸編集部・著/白泉社)です。
 これが、実に丁寧で初心者向けの小説作法本として、非常に分かりやすい。
 あくまでも、BLという目的を忘れず、丁寧に、真摯に、BL小説の書き方を、日本語のレベルから、投稿の常識、コミケとの関係に至るまで解説し、付録のCD-ROMにはお薦めワープロ・ソフトまで収録されている。
 表紙は恥ずかしいが、正直、学校の教科書にしたいぐらいである。
 持ち帰って娘に渡したら、「これ便利!」とも。

 いただいた瞬間、パラパラとめくったら、BL作家になるために役立つ推薦本のコーナーのはしっこに、拙著『ファンタジーメイキングガイド』朱鷺田祐介、と書かれているのを発見する。
 ありがとう、役に立ったなら、嬉しい。
 ちょっと複雑な気分がしないでもないが、ほら、BLはファンタジーだから。

●プチせどり

 帰りに渋谷に回り、駅前の青空書店でプチせどり。
 せどり、とは、古本を買いあさり、転売する古書商売のことで、特に古書店などを巡って目ぼしい本を漁ること。いわゆる青空書店は正規の古書店ではない。盛り場や駅で拾った漫画雑誌や文庫本などを露天で転売しているに過ぎない。そのため、本の内容を見る目を持たないから、時折、とんでもないものが落ちている。
 以前、隆慶一郎氏の『花と火の帝』のハードカバー版上下が並んでいたときには、思わず保護してしまった。今は、シナリオ専攻の生徒に貸し、そのまま学校に寄付されるはずだ。他人に貸したまま帰ってきそうにない漫画を見つけて補充することもある。『信長公記』の漫画版もこうして見つけた。
 JR南口から京王井の頭線に向かう路上を少し寄り道すると、青空書店が4ヶ所あり、時間があるときはそれを眺めて歩く。
 見ると、最初の露店で漫画をあさる、若き女性が。うむ、その手つき、そのチェックしている漫画、ただものではないな! 直前の打ち合わせが打ち合わせだっただけに、彼女の選ぶものが気になる。イマドキの若い女性が好む漫画とは何なのか? 歴史系BL漫画だったら、取材を申し込みたいぐらいである。
 しかし、彼女は男性向けも、女性向けも一緒にがっと買い込む。
 いわゆるオールラウンダーか!
 取材は諦め、所用を済ませて、別方向の青空書店をアタックしていたら、そこにも彼女がいた。
 うむ、どうやら彼女も、プチせどりであったのかな?

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December 05, 2005

超古代文明、好評発売中

 先日のTGR-CONでもまだあまり知られていなかったようなので、告知を。

 『超古代文明』(新紀元社)  11月下旬に発売されました。

 アトランティス、ムー、オーパーツ、各地の古代文明に関する知識をまとめた一冊です。
 おかげさまでそれなりに好評のようなので、次の企画も動き出しそうです。こちらも頑張りますので、よろしく。

 この後の刊行予定は以下の通り。

 12月17日頃   『真・女神転生X』リプレイ『白き刃の後継者』(JIVE)
 2006年1月予定 『真・女神転生X』サプリメント『金剛神界』(JIVE)

 2006年春予定  『比叡山炎上』(エンターブレイン)

 色々企画が詰まっておりますが、ばりばり仕事をしていきたいと思いますので、来年もよろしく。
 (いや、まだ早い)

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諏訪国未然記始末・比叡山の霧

 昨日は渋谷のTGR-CON分科会にお邪魔して、『比叡山炎上』のテストプレイ。
 ここの会員Aさん、Kさんのお誘いであったが、当人は風邪でダウンしている。私も咳がなかなか抜けない。皆様もお風邪にご注意を。この会は同会のスタッフ向けのゲーム会だそうで、蓋を開けてみると、私の『比叡山炎上』に加えて、『クトゥルフ・ダークエイジ』と『スター・レジェンド』。歴史物クトゥルフ2卓並ぶとは。
 結果、3名のプレイヤーを得て、早速、キャラクター作成から。

●諏訪国未然記始末
 まず、何度かプレイレポートを書いているシナリオ『諏訪国未然記始末』をプレイ。

 天文10年(1541年)、武田信玄の父、信虎様の御世。
 PCは信虎様の配下となって、同盟国・諏訪の御柱祭に潜入、国情を調査した上、諏訪国の秘宝、聖徳太子の予言書『未然記』を奪ってくるという話。本来、甲斐と諏訪は同盟国である。先年、晴信(信玄)の妹が若い領主、諏訪頼重に嫁いだばかりである。ここで「わしは諏訪が欲しい」とか言い出す信虎さまの目がかなり怖い。明らかに正気度が低下しているが、世は戦国である。それもまた日常茶飯事。

 武士の竜田利継、女忍者のしずく、猿回しの九丸の3人組が諏訪国へ潜入、何とか国情の調査を進めるが、どうも今年の御柱祭りは熱狂の度合いがオカシイ。その上、夜な夜な諏訪湖が青く輝き、諏訪の守護神ミシャグチさまに夢で呼ばれるのである。
 恐怖を感じた三人は素早く秘宝を盗もうと決心、忍者のしずくが諏訪大社に忍びこみ、盗み出すことに成功するが、それは……

 人の皮で装丁され、異国の言葉で書かれた横書きの魔道書である。

 こんなものを持っていてはいかんと、忍者と猿回しが慌てて、甲斐国に戻り、信虎様に手渡すが、今度は信虎様の目が異様な輝きを放ち出す。九丸は「解読の手伝いをせえ」と言われてはたまらないと、しずくはより身の危険を感じ、二人は諏訪へ戻る。
 一方、諏訪では、竜田が領主・諏訪頼重と宴会するも、領主の様子は怪しいし、腰元の動きが妙に鋭い。どうやら、腰元がくのいちらしい。その内、酒で潰されてしまう。
 その夜、やっと合流した三人は、諏訪様に嫁いだ北の方様を訪ね、未然記が強力な霊験を持つ予言書であることを知り、ミシャグチ様との対決を決意するが、四の柱が立てられたことでミシャグチ様が一時的に解放され、それを目撃した九丸が発狂、竜田に襲い掛かって殺される。ミシャグチさまと対決するべく諏訪湖岸に立つ修羅の武士、竜田はミシャグチさまの触手に切りかかり、5本の猛攻をしのぐも、さすがに両手の剣を折られて、殺される。見守っていたしずくも、逃げそびれ、猿飛びの術で飛び退ろうとするが、触手の動きは速く、背中から串刺しにされて死亡する。

 かくして、全滅。

 いや、その後、血仙蟲の効果でもきもきと復活する九丸。甲斐国に戻るのも危険ということで、噂に聞いた尾張のうつけものに取り入ろうと諏訪国を逃げ出すのであった。

 翌天文11年、武田信虎は乱行故に国を追われた。後を継いだ武田晴信(後の信玄)は、同盟国諏訪を攻め、諏訪頼重を殺害、自らの妹が生んだ遺児・虎王を傀儡として諏訪制圧を果たすのである。

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4時頃に終わったので、キャラクターデータはそのままで、設定だけ変えてもう一セッション。
尾張に向かった九丸が、木下藤吉郎と名を変えた、という暴走を取り込み、日吉丸、比叡山へ。
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●比叡山の霧

「比叡山の腐れ坊主どもめ!」
 信長様の癇癪が爆発する。
 元亀元年、浅井・朝倉との戦いで苦戦する織田信長は、浅井・朝倉を側面から支援する比叡山に警告を与える一方、側近の木下藤吉郎に比叡山攻略のための調査を命じる。まずは、比叡山の中枢である三塔のうち、横川へ出る道を見つけろと。
 藤吉郎はかつて、道々の者として放浪した頃の日吉丸(九丸)に戻り、配下で修羅の武士、竜田と女忍者のしずくとともに、比叡山に分け入ることに。そこへ、比叡山を焼きたくない明智光秀がやってきて、横川の高僧への密書を託す。
「比叡山は鎮護国家の霊場。俗世の争いで焼きたくはない」

 かくして、九丸たちは比叡山に踏み込むが、山中で奇怪な読経の声に惑わされ、森には天狗の影が飛ぶ。
 やがて、奇怪な唱題行を唱える寺院にたどり着き、そこで一夜を借りることに。
 本堂をのぞくと、そこには全身真っ黒な大黒様の仏像があるのだが、どうもオカシイ。まず、全体は七福神の大黒様らしい。でっぷりした腰回り、背中に背負った袋はまさに大黒様だ。しかし、どうして、その他に腕が6本、あるのだ? そして、顔の部分が黒い布で隠されているのはなぜだ?

 どうも聞きたいことは多いのであるが、踏み込むと地獄を見そうなので、三人はそのまま、庫裏を借りて休むことにした。夜中も唱題行の声が響き、竜田は、砂漠に立つ夢を見る。地平線からやってくる黒い羊の群れ。それを率いる老婆は問いかける。

「迷っておるのか?」

 思わず、うなづいた竜田に、老婆は天を指差す。
 見上げれば、天空、星空の中心に浮かぶ大黒天が見える。
 その手から一筋垂らされた索を登り、黒い神の顔を見たところで、竜田は夢から覚めた。

「分からぬ、あれは一体?」(何とか発狂に至らず)

 このままではいかんと、一行は唱題行を続ける寺院を後にし、早朝の山道を進む。途中、奇怪な貝塚や巨大なひれ付きの足跡を目撃するが、深入りすると危険なので、横川へと急ぐ。
 横川の高僧に明智の密書を渡すも、驕り高ぶった高僧は聞き入れもしない。どうも、信長呪殺の修法を薦めているらしい。ここで、高僧がすでに人間ならざるものに変容していることを見て取り、しずくは恐怖に捕らわれる。
 これ以上、山にいてももはや無駄と見て取った三人は坂本への参道から下山する。

 途中、天狗が襲ってくる。

 天狗の杖で激しく打たれ、意識を失いかける竜田だが、修羅と化して踏みとどまる。
 そこで九丸の秘術「カグツチ」がかかり、竜田の剣が燃え上がる。すでにしずくの手裏剣で傷を受けていた天狗は燃え上がる竜田の二刀流で切り落とされる。

 下山を急ぐ三名だが、再び不気味な読経の声が全山に響き、思わず九丸は振り返ってしまう。
 その目に映ったのは比叡山の上空に現れる奇怪な大黒天の姿。おぞましき姿に九丸は発狂、残り二人は耳をふさいで下山、織田軍のいる瀬田へと向かったのである。

 元亀2年9月、織田信長は6万の軍を持って比叡山を包囲し、堂宇三千を焼き、僧俗四千を殺した。
 この時、横川攻めを命じられた木下藤吉郎(後の秀吉)はその攻め手を緩め、横川から落ち延びる僧たちを見逃したという。しばしば、それは幼名を日吉丸といい、比叡山に所縁のある秀吉ゆえの配慮といわれるが、それは実は秀吉の心に刻み込まれた恐怖ゆえ、もしくは狂気のゆえであったのかもしれない。その真相は誰も知らない。

●感想
 慣れたプレイヤーだと展開が速い速いという感じでした。
 忍者がきちんと仕事をしたり、修羅と化した侍が戦ったりとなかなか小気味いい展開になりました。
 さて、次は、25日のクトゥルフCONだ。

 ちなみに、六本腕の大黒様は実在し、比叡山東塔の大黒院で見ることが出来ます。色は金色で、顔を隠してはいませんが、福福しい大黒様の背中から、如来系の余分な腕がにょきにょきと生えているという、神仏習合の過程を体現した奇怪な姿です。出世大黒天として信仰されています。

PS:帰宅したら、マジック世界大会の結果が出ていた。森勝洋君が日本人初の世界チャンピオンに、日本チームも国別対抗でアメリカを破って首位に、年間最優秀プレイヤーも日本人と三冠獲得。ホームタウンとはいえ、マジックの本格上陸(1994)以来、11年目の快挙と言えよう。おめでとう。

***一部加筆訂正

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December 03, 2005

日々雑記:日吉大社古墳群

 風邪が治らない朱鷺田です。
 今日は横浜を諦め、昼間はうちでゆっくり原稿の予定。

●日吉大社古墳群
 比叡山取材で直接、見られなかったものの、注目しているのが、日吉大社周辺に散見される古墳群。日吉大社以前から、坂本のあたりは古代王国が存在していた可能性が高いと言われている。
 もともと琵琶湖周辺は、渡来人の集団が多数住む地域でした。比叡山延暦寺の開祖、伝教大師最澄も、漢(あや)氏の首長、三津首(みつのおびと)の息子で、朝鮮半島由来の仏教を推進していた地域である。
 何か色々出てきそうな感じである。

●戦国室町の石工集団、穴太衆(あのうしゅう)
 同じ坂本のあたりには穴太衆と呼ばれる石工集団がいた。彼らも渡来人系とされ、大津周辺の横穴古墳群を築いたのは彼らとされる。穴太積みと呼ばれる独特の石垣技術を持ち、当初は寺社の建設、宝塔や墓石の作成、寺社や邸宅の石垣作りをしていたが、室町時代から江戸時代初期にかけて築城に活躍、安土城をはじめ多くの築城に関わったと言われている。
 こうした石工集団は寺社の支配下にあったとされ、坂本に近い穴太衆は比叡山や日吉大社の大きな影響下にあったのだろうが、比叡山炎上後、その支配を解かれた彼らは日本各地で活躍することになる。技術を保護するため、免許制度を導入する一方、石積みの際には天幕で隠すといったことも行われたらしい。
 残念ながら、江戸幕府による平和が彼らの仕事を奪い、各地に散っていた穴太衆はそれぞれその地に定着、石工や引き屋などになったという。

 彼らの動きの中に、フリーメイソンめいたものを感じた。
 そこまでの魔術性はないようだが、『比叡山炎上』では、少々遊ばせてもらえそうだ。

●マジック決勝に日本人4名
 今週、横浜ではマジック:ザ・ギャザリングの世界大会が開催されています。ここ三日の戦いで、ベスト8が決定、そのうち4名が日本人という素晴らしい結果となりました。日本人初の世界チャンピオンが出るといいですねえ。ざっとTOP8のデッキを見ましたが、浅原氏の歴伝デッキは凄まじいですね。青緑コントロールや白緑ビートダウンが突っ走る中、ひとり自分の道を行ってますね。
 遠くから応援しますよ、頑張って下さい。

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December 01, 2005

日々雑記:リセットをかけながら

 12月になりました。もはや師走です。
 さすがに比叡山が答えたのか、咳が止まらない。風邪を引いたらしい。
 こういうときはじっくり養生しながら、ゆっくり原稿を書いていきます。

 横浜では昨日から、マジックの世界大会が始まっており、土曜日あたり顔を出そうとも思っていたのですが、体調次第では諦めないといけないかもしれません。土曜日の夜には2年生たちが宴会をすると言っているし、これもここで顔を見せておかないと卒業式まで会えなくなるだろう。日曜日は知人のコンベンションで『比叡山炎上』のテストをするので体力も温存したい。悩ましいところです。

●リセットをかけながら

 昨日は某社で『比叡山炎上』の打ち合わせ。
 職業を増やし、テーマの本質に立ち帰ることに。
 昨日の朝、自分で日記に書いたことを言われる立場になるのですねえ。

 色々融通が利かないときがある。
 精神が肩こりを起こしているのかなあ。
 少しずつ少しずつ、修正しながら、前に進んでいきましょう。

 『比叡山炎上』はさらに面白くなる予定。

●Moonchild

 打ち合わせの帰りに、新宿に寄り、資料本探しのついでに、アドホックで漫画を買う。「MOONLIGHT MILE(11)月の三銃士」と「年上の彼女(3)」「ライトノベルズ完全読本(3)」購入。

 「MOONLIGHT MILE」は前巻から続く、理代子の妊娠と月の政争に関わる陰謀。密かに理代子の子供を中絶しようとする月駐留米軍の暗躍に、理代子と吾郎の旧友たちが立ち上がる。個人的な出来事があり、小さな命が救われる瞬間はとても嬉しい。
 月面の対テロ用ドーベルマンというのはなかなか凄まじいな。
 後半の復活劇も感動するもの。

 「年上の彼女」は、コミカルな同棲編だが、アゲハの立ち位置がよい。
 アニマル系列で出た甘詰留太作品の中ではやはり一番いい感じである。

 「ライトノベルズ完全読本」は後半が、読本流のBL解析。例の企画用の参考資料だが、最近の作品はさすがに押さえきれない拡大を見せているものであるなあ。

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