日々雑記:剣豪対クトゥルフ
『比叡山炎上』作業中。システム・パートが見えてきたので、ワールド資料を書きまくる。
●剣豪対クトゥルフ
日本の剣術史は、古墳時代前期(紀元3世紀末から4世紀)に遡る。
剣による戦闘の歴史だけを見るならば、磨製石器の剣が用いられた弥生時代中期(紀元前3世紀)に遡る。磨製石器の剣が胸に刺さったままの人骨が発見されている。 その後、紀元1世紀から3世紀の間に、金属製の剣(銅剣や鍛造鉄剣)が大陸から流入、優れた切れ味の剣が出現することによって、剣の技術が必要になる。
日本最古の剣術と呼ばれるのは、鹿島神宮の祝部(はぶりべ、神官)、国摩真人(くになずのまひと)が編み出した鹿島の太刀である。これが鹿島神宮の神官七家に伝えられ、鹿島七流、あるいは、関東七流と呼ばれる関東の古流剣術となる。古墳時代前期とされる。
関西でも、大陸から流入した片刃の刀剣を受けて剣術の技巧が形成されていく。その流れを背負ったのはどうやら修験者や僧侶であったようだが、表に出ぬまま、鞍馬八流、あるいは京八流と呼ばれる。12世紀の陰陽師、鬼一法眼が牛若丸、後の源義経に伝えたのは、鞍馬八流ではあるという。
こちらも僧侶や修験者によって磨き上げられたものである。
鹿島の神官や鞍馬の修験者は一体、何と戦うため、剣術を編み出したのか?
さてさて。
このあたりの流れを綺麗にして、塚原卜全や柳生石舟斎が、クトゥルフ神話と戦う話を用意せねば。
残念ながら、宮本武蔵は出せないが、親父も結構強かったというので。
●合評会その2
昨日は、GK(ゲーム企画科)シナリオ専攻1年生の合評会。
今回は、「ポスト・ポケモン、ポスト・ムシキング、ポスト・ベイブレードを目指すオモチャ企画を前提に、漫画連載かアニメ放映を踏まえたシリーズ企画を行い、シリーズ構成とプロット、第一話のシナリオを作成する」というもの。非常に実践的なレギュレーションであり、おそらく大手ゲーム会社および系列の下請け会社に入れば、もっとも求められるものと言える。
学校に入ってほぼ半年、シナリオを始めて最初の合評会であるから、作品もそれなりであるが、それぞれ何とか書き上げた。講師としてはそれを大きく誉めてやりたいところではあるが、2年制のゲーム学校にゆるゆるしている余裕はない。来年春には就職活動が始まる。その時、実力を示す作品がなければいけない。ゲームのシナリオ・ライターを目指すものならば、今回のような企画書、プロット、実際の作品の3点セットが必要だ。
そのために、今回の作品で、自分に欠けているものを実感してもらわねばならない。
日本語、企画力、想像力、構成力。
ビジネスとして作品を作ることの意味。
それをプレゼンするという事実。
そういう意味で色々ハードでしたよ。ほその講師の、血を吐くような言葉を、生徒の皆さんは忘れないで欲しい。
●暖かい新聞
ハードな合評会の後は飲まずにはいられない。
ライター科の忘年会の前に、そのまま生徒数名とJR恵比寿駅前のまぐろ屋で飲む。まぐろ丼専門店で、夜はそのまま韓国料理も出す一杯飲み屋に変わる。軽く飲むにはいい店である。
生徒と飲みながら思うのは、突き詰めようとする意欲の甘さである。
こういう話をすると、私自身にも返ってくることではあるが、自分の知っていること、見つけた事実がそのまま真実であると思うのは危険である。
もう一度、Why?と問いかけてみるべきだろう。
企画を極限まで突き詰めることが必要となる。
例えば、何らかの理由でやむなく、新聞にくるまって寝るとしたら、どの新聞が一番暖かいだろうか?
一応、枚数の問題は横に置く。さもないと、元旦の朝日新聞が一番暖かいとかいう結論におそらく達するからだ。複数枚使うという前提で考えると、後は表面の熱反射率と寒風の透過率、紙質に含まれる空気の含有率などによるだろう。
経験上、一般の家庭紙の上を体の上下に敷き、もっとも外側にコート紙を用いるタブロイド新聞やカラー写真の多いスポーツ紙を重ねるのが暖かいようだ。
経験上? まあ、コンクリートの上でこれをやった経験はありませんよ、まだ。
その後、斉藤講師、卒業生でライターをしている松尾君、黒田君と合流、仙川の焼き鳥屋で一杯。ライター科の忘年会が流れた代わりだが、少数の気軽な飲み会というのはいいものであるよ。
●AV女優
恵比寿駅前の青空書店に落ちていたので保護。1991~96年にAV情報誌に連載されていたAV女優たちへのインタビューを一冊にまとめたもの。以前より気になっていたものである。歴史の遺産である。
仙川で斉藤氏らを待ちながら、パラパラと読むと、「コミケ」という見慣れた文字が。
そこでインタビューを受けていたのは刹那紫之(せつな・しの)。
「インモラル女子高生」でなぶられるヒロインを演じたが、実際には、SMクラブで女王様を務める極度の真性Sである。AV女優兼AV監督。自らAVの脚本を書き、夫を相手に、鬼畜めいた物語を演じる。
彼女が性に目覚めたのは小学生。『パタリロ』に描かれたヤオイ・ネタに触発されて、ホモ雑誌を買い、ホモ漫画を描き始める。小学生を卒業する前に、地元の女子高校生が作っていた漫画同人サークルに加わり、エロ漫画の同人誌を作り、性の知識もそこで学ぶ。中学生になり、コミケで出会った女性H漫画家に弟子入りし、そのスタジオで行われたレズの狂態に参加するようになる。
このあたりの描写は凄まじい。
身長150センチ、当時20歳の一見清楚な刹那の愛らしい唇から語られる言葉に、筆者の永沢、カメラマンの松沢が意識を失いそうになる。同席していた『ビデオ・ザ・ワールド』の中沢編集長も、こめかみを押さえて一時退出する。海千山千のAV業界を見てきた彼らも知らない世界がそこにあった。
これもまた、この世にある闇のひとつ。肉色の闇である。
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