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January 31, 2006

事実とは何か? グレイの正体

 昨日は学校。そのせいか、ちょっと腰が痛くて疲れた感じ。年を感じますなあ。今日は一日原稿、『比叡山炎上』とアレと、まあ、そういうところで、色々締め切りが炎上中。

●講義メモ
 ライティング×2.ライター科は合評会作品の返却も兼ねる。
 基本的にコラム執筆とテキスト講読。

●事実とは何か?
 今週のテキスト講読は、「読む順番」を仕込む。

【1】本多勝一 「事実とは何か?」
 朝日新聞の名物記者が書いたジャーナリズム論より、冒頭を。
 「事実とは何か?」を考える。

【2】グレイの正体
 月刊ムーより、「これがエリア51で撮影されたグレイだ!!」(飛鳥昭雄+三神たける)
 グレイ=河童説を紹介する記事を。
 ええ、「事実」とはなんでしょうか?

【3】人はなぜやおうのか?
 中島梓「タナトスの子供たち」より、第一章「人はなぜやおうのか?」前半。パソコン通信時代に、中島梓(栗本薫)先生がオンラインで語られた「やおい」論。
 ここにもまた別の「現実」がある訳で。
 BLという言葉がない時代に、「やおい」を動詞化してしまう先生の言語感覚に脱帽する。文中、(爆)とか使われていますが、まだ2ちゃんねるが影も形もなかった頃ですから、その先駆的な立ち位置にも注目すべきかと。

●かみちゅ!
 帰り道でコミック版「かみちゅ!」第一巻をGET。
 鳴子ハナハルさんは、可愛くて色気のある女の子を描ける人だなあ、とは思っておりましたが、まとめて読むとなかなか風情がありますなあ。こういう神様がたくさんいる街の話はとても好きですねえ。

●少女漫画の10年
 部屋から出た漫画の山をまた生徒に貸すために学校へ。
 えにぐまなみの「よよぎ2(よよぎのじじょう)」などを持っていくのだが、これがちょうど10年前のブーケ(マーガレット増刊)に乗っていたほのぼのラブコメ。そして、この前、言及した「ケダモノ少年少女」と並べると……10年間の進化? それとも退化? 色々思うところあり。

付記:よよぎ2(よよぎの自乗/事情)
 人に頼られると断れない優柔不断少女、よよぎが幽霊の「よよぎ」(もと演劇部のエース、BFができなかったのが心残り)に取りつかれてしまう。よよぎに恋する少年(生真面目だが、ヤクザの息子)は、ふたりのよよぎの間で翻弄される。

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January 30, 2006

『金剛神界』発売

 『真・女神転生X』サプリメント 『金剛神界』は本日発売です。
 内容は、大破壊後での冒険のために設定された、追加ルール、追加クラス15種、追加スキル、アイテム、悪魔データ、大破壊後ワールドガイドなど100P。

●JIVE-CON at R&R station
 昨日は『ゲヘナ ~アナスタシア~』『金剛神界』発売に合わせたイベント、JIVE-CONでした。『真・女神転生X』組は私と西上、『ゲヘナ』組はグループSNEの友野さん、田中公侍さん、アークライトの刈谷さんでした。
 まずは開会式代わりの軽いトークのあと、各自セッションへ。

 私がマスターしたのは、『金剛神界』掲載のシナリオなので、詳細は秘しますが、GP20、ランダム・ダンジョン3発でそれぞれにBOSSがいるというハード・シナリオです。
 真面目にフルシナリオをプレイすると、12時間はかかるというダンジョン・ハックものなので、コンベンション用に、ランダム・ダンジョンを二つ省略し、1個を簡易処理して、事実上、BOSS三連戦で臨みました。情報収集2サイクルの上でダンジョン突入、終わってみると全員2レベルUPという派手な展開でした。
 皆さん、お疲れ様でした。

●TOKYOミレニアムにご意見、ご投稿を
 ……という訳で、次は『TOKYOミレニアム』の予定です。
 後書きにも書きましたが、今後のサプリメント用に読者投稿を募集します。データ化してほしいアイテム、クラス、スキル、悪魔などから始まり、こんなネタを!というのでも構いません。
 投稿された内容につきましてはデザイン・チームで検討、採用した作品はディベロップの上、サプリメントに掲載いたします。
 投稿はJIVEあてに、郵便かメールで。JIVEの『真・女神転生X』公式HPからのメールが便利です。

 その他、『白き刃の後継者』の続編とか企画中です。サプリメントの具体的な日時が明確になりましたら、また、こちらで報告いたします。

●ネクロノミコン アルハザードの放浪
 読了。
 カナダの魔術研究家が、ラヴクラフトの作品中の記述を取り込んで再現した魔道書『ネクロノミコン』。その仲で語られるのは狂えるアラブ人、アブドゥル・アルハザードの放浪物語。ロブ・エル・ハリイェー(虚無)と呼ばれた砂漠での放浪、古代都市イレムで発見した匍匐する爬虫類種族の魔術的な遺産、イタクァーと呼ばれる謎の存在が語った秘密、エジプトとバビロンの秘密、隠されたマギ族の修道院など、奇怪な旅を追いかけるものである。
 <旧支配者>の七帝とか、地底に封じられたイタクァーとか、色々「聞いていない」設定が次々出てきて、大変。地底を這うものたちの魔術的な七つの門はどこかで使いたいなあ。

●TV関係備忘録
・BLOOD+

 シベリア特急編。雪のシベリア特急でエカテリンブルグへ向かう小夜たち一行。それを襲う翼手。
 ホラー演出も素晴らしいのですが、この展開は「ブルーローズ」向きですよ。小夜をサポートするのは「赤い盾」(ロスチャイルドのこと。ロスチャイルド//ロートシルトは英語で言えばRED SHIELD)であるとか、ネタはつきません。前回にあった、ヤクザのお嬢さんが、小夜の義兄カイを追うため、組の金を5000万奪って、フランスへ飛び出すというエピソードもやたらハリウッドめいた展開でいいな。

・エウレカセブン
 ボダラ教徒の聖地、ボダラ宮に潜入するレントンたち。
 ボダラ宮の設定はチベット風ですが、妙に密教的な瞬間があり、『比叡山炎上』的なツボをつきます。先週の、突発フットサル大会も、エウレカらしいいい話でしたね。
 OP、EDが変わり、最終クールに突入。

・魔法戦隊マジレンジャー
 ンマが復活し、危機の予感が高まる中、燃え上がるマジブルーの恋。
 しかし、この家族は優しく、また騒々しいなあ(笑)
 天空聖者が壊滅し、次回、決戦!

・仮面ライダーカブト  (第一回)
 小惑星落下から七年。謎の宇宙生物との戦いを展開する戦闘部隊がいたが、宇宙生物は強力で被害は拡大、ついに、ライダーシステムの投入を決断するが……。
 テイストはアギト、龍騎、555の雰囲気に戻りましたね。まだ、設定が見えないので、次回以降ということで。

・ふたりはプリキュア MAX HEART (最終回)
 ジャアクキングが復活、プリキュアと悪の幹部たちの最終決戦中。前回、3人が倒されるも、ブレスレットを破壊され、パワー切れの二人にジャアクキング自身が迫る。
 絶望と破壊の描写がよい。世界の破滅を見ながらも、卒業文集の心配をするブラックとか、等身大の少女を描こうと試み続ける。最後の力を振り絞り、戦うプリキュア、そしてシャイニールミナス。
 輝きは、再び世界を救う。
 次回より、新ヒロイン二人組に代替わりし、新シリーズがスタート。

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January 28, 2006

金剛神界とネクロノミコン

 明日のシナリオとか、『比叡山炎上』とか、某原稿とかかなりクロスオーバー状態ですよ。メールもいただいておりますが、しばし、ご容赦を。とりあえず生存報告代わりに。

●金剛神界
 Amazonでも販売が始まりましたので、左右にリンクを出しておきます。正式発売日は1月30日ですが、都内ではすでに店頭に出ているようですね。

●ネクロノミコン アルハザードの放浪
 ドナルド・タイスンの奇書、Amazonより到着。オラウス・フォルミウスの序文から始まり、アルハザードが砂漠で学んだ、<旧支配者>の七名の帝と超古代の秘儀について語る。これから読みますが、目次を見るだけでも<旧支配者>の七邪神を惑星になぞらえたり、アトランティスやルルイエなどに続く七つの門がでてきたり、色々ドキドキしますよ。色々SAN値が下がりそう~。

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January 27, 2006

金剛神界の書影

『真・女神転生X』サプリメント『金剛神界』の紹介ページが、JIVEの公式HPに出来ています。
こちらへ。

黒百合姫さん渾身の表紙をお楽しみ下さい。

正式発売日は1月30日の予定。
Amazonは今朝の段階ではまだ入荷していませんでしたが、予約可能になり次第、リンクを張ります。

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日々雑記:合評会とか北斗の拳とか

 『比叡山炎上』作業中。色々大変。細かいチェック作業に埋没しそうになる。ほかの仕事もあるので、色々ごにょごにょしてますよ。はい。

●北斗の拳
 先日、最近の生徒の中には『北斗の拳』を知らない子までいる、と書いたら、卒業生のK君が、劇場版『真救世主伝説 北斗の拳』の公式サイトを教えてくれた。話には聞いていたが、全5部作で新たに作られるという。ケンシロウ(阿部寛)、ラオウ(宇梶剛士)、レイナ(柴咲コウ)というキャスティングに色々ドキドキする部分はあるのだが、これからどう進んでいくのか、興味深くワッチしていきたい。

●合評会
 25日は朝からライター科の合評会。色々あってちょっと暴れたりしましたが、全体的には面白く価値ある合評会でした。生徒としては、この結果をどう受け取るかが、今後の伸びに大きく影響するところだろう。

 注意点は二つ。

【1】読者と想定誌を理解しよう。
 その本の読者はどんな人々だろうか?
 何を読みたいのか?
 何を求めているのか?
 何を先に話す必要があるのか?
 そして、その本はどこまで許してくれるのか?

 難しいともいえるし、明確だともいえる。
 『ファミ通』の読者は吉川三国志を読んでいるか? 

【2】そろそろ具体的な仕事を想像しよう
 想定誌を自由にした結果、ゲーム誌以外を選択してきた人がいた。その分、採点は辛くなる。
 仕事として、それは成立するのか? 
 あるいは、その作品を春から始まる就職活動に持っていけるのか?
 次は本番である。

●さとちき
 引地君の合評会作品は「ストリート・ミュージシャン紹介の記事」で、これに登場してくださった「さとちき」さんが、来校し、ミニライブをして下さいました。中国楽器、二胡の演奏と、アコースティック・ギターを引きながらのメッセージ・ソングと2曲も演奏してくれました。二胡はいいですね。旅で出会った体験が染み出てくる感じでした。
 ありがとうございます。
 1月29日に代官山でライブがあるそうなので、興味がある人はこちらへ。

 ライターの仕事には、人間関係が大事です。技術は磨けるけれど、人徳には素質が要ります。引地君の発表に来てくれた。その関係を感謝し、大事にして欲しいと思います。

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もう少しコメントしたいことはあるのですが、ここで時間切れ。
さあ、仕事仕事
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深淵:龍の器

 先日、書き込みました「龍の子、半妖精」関連で再度、質問が来たので補足。
 一応、ここで回答はしますが、以下の2点を踏まえてお受け取り下さい。

【1】製品版では修正される可能性があります。
 本Blogは現時点での朱鷺田の構想を公開メモの形で発表するものです。最終的な製作の工程で修正する場合もありますし、紙幅の関係で言及されない可能性もありますのであしからず。

【2】幻想性を維持するために、修正する可能性があります。
 『深淵』の目的として、TRPG体験の中で幻想物語を再現することがあります。そのために、世界設定をわざと曖昧にしたり、空白を残したり、ゆらぎや矛盾を残したりする場合があります。それを決めないこともデザインだとする場合もあります。不親切かもしれませんが、その空白も矛盾もゆらぎもまた『深淵』であるとお受け取りいただければ幸いです。
 そして、『深淵』のマスターをされる方は、自らの生み出そうとする幻想のために、以下の設定を適宜、無視したり、歪めたりしても構いません。

すべては幻想的な物語のために。

■龍の器
 龍、魔族などは「器」を作り出す能力を持つ。
 この力によって、人の子に自らの子を懐胎させることができる。能力的には分身といってもよいが、意識は別々である。往々にして、自分の正体に気づいた後、『親』の影響を受けて精神的に束縛された傀儡になってしまうことが多い。
 妖精騎士もまた同様の魔法を持っているが、望んで使用することは少ない。闇の妖精族クラディス・ラオパントは、これを躊躇わずに使うだろう。

■神話的な性別と懐胎
 『深淵』の世界は、偏ったシンボリズムで形成されている。以下はガイドラインと受け取って下さい。

 魔族は混沌に属する超越的な存在なので、自身の性別にかかわらず、(人の子の)女に子供を産ませ、(人の子の)男の子供を産むことができる。通例、彼らは性別の関係なく、女性を懐胎させることを望むだろう。自らが男性であるのに男性の子を生むことを楽しむのは混沌と倒錯を信条とする一部の者に過ぎない。

 龍は、神話的には、男性格として扱われる。そのため、自身の性別に関わらず、(人の子の)女性に子供を生ませることができる。通例、この能力は意図的には使われない。火龍は、人の子に己の血を与える価値などかけらも感じていないからだ。

 妖精騎士の神話的な性別のイメージは、七族のそれぞれで偏っている。多くの妖精騎士は男性格で顕現するが、紫妖精族は女性格で目撃された例が多い。輝きの妖精キラルキア・イルジナスは男女両方が目撃されている。また、その性別格が適切であるかは不明である。
 半妖精の多くは妖精騎士によって人の子の女性が懐胎させられる形で生まれた。妖精騎士の血を引くという名族は妖精騎士と人間の姫を祖先とする。
 妖精騎士の女性と恋をした男の伝説は世界各地に残っているが、実際にそうしたカップルから生まれた子供がいるかどうかは不明である。

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January 24, 2006

日々雑記:学校の日々

 昨日は学校なので、その授業メモ。ライティングを2コマ×2
 ターム2の課題「20枚以上の歴史小説」に赤を入れて返却する。明らかに100枚とか書いてくる生徒もいるので大変でしたよ。

●時の流れを感じる
 生徒に『蒼天の拳』と『多重人格探偵サイコ』など漫画の塊を貸す。『蒼天の拳』の説明をするために、『北斗の拳』との関係を語るのであるが、『北斗の拳』を読んだこともアニメ版を見たこともない生徒がいて、時代の流れを感じる。もちろん名前ぐらいは知っているのだが、どんな話か分かっていないのである。

 時代であるから仕方ない部分もあるが、ならば、今読め!ということになる。

 我々講師にできることは、結局、名作を語り継ぎ、その理解を助けることなのかもしれない。司馬遼太郎の『世に棲む日々』にて、吉田松陰の九州遊学編を読みつつ、そんなことを思ってみたりする。

●テキスト講読
 テキスト講読は『プロ論』、そして、ターム2の小説作品から2編。
 『プロ論』はB-ingで連載された、仕事と人生に関するインタビュー集。

 生徒作品は二つ。
 ライター科からは、大正ロマンの義姉弟の悲恋物。いわゆる美少女ゲーム系のタッチでお約束の展開ながらも、作者の好みが明確に出ていたのでセレクト。
 企画科シナリオ専攻からは、義経を追う若武者の話。義経が飄々とした、どちらかと言えば、坂本龍馬的なキャラクターに描かれ、そのまま、ジンギスカン伝説につながっていく。八尺の薙刀と三尺の野太刀の戦いで、野太刀有利とか、色々突っ込み所は多いが、それなりにまとまっていたのでセレクト。
 セレクトの判断基準には、長さ、本人が出席していることなどが関係しているため、これがすなわちナンバー1という評価ではありません。

●便利な結びの文句
 小説を返却しながら、アドバイスした点として、「定番の締め方」がある。歴史物の中でいくつかの分野には便利な終わらせ方があるのだ。

・新撰組
 ……新撰組は鳥羽伏見の戦いで大きな被害を受け、戊辰戦争の中で壊滅する。【登場した隊士の名前】がその後、どうなったかは記録には残っていない。

・三国志、戦国
 ……【扱った英傑、戦国武将】は、その後、【その業績と死を語る】。

・ジャンヌ・ダルク
 かくして聖乙女(ラ・ピュセル)は天に召された。彼女の名誉が回復されるのは……。

・ローマ帝国
 その後、ローマ帝国は衰退、東西に分裂していく。帝国の栄光は失われ、中世の暗黒が始まるのである。

●RPGカードゲームの作り方
 企画科の生徒から「カードゲームの作り方」が知りたいというので、鈴木先生の名著を貸し出す。
 TCG以前の本ではありますが、とても勉強になります。
 古本屋で見つけたら、お見逃しなく。

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深淵:十二とひとつの大いなる神の集い

 昨日の「捕らわれし魂」に関して、質問のメールをいただきました。また、誤字の指摘もしていただきましたので、一部、修正しました。

Q:『十二とひとつの大いなる神の集い』とは? そこで出てくる魔族とは?

A:シナリオ用の封印破壊の儀式です。沼に封じられていた魔道書に書かれていますので、妖精代初期、あるいは巨棲代のいずれかに生み出されたものではないかと思います。
 召喚の金貨を用いて、十二とひとつの星座に属する強力な魔族の幻影を呼び出すことにより、本来、破壊できない強力な封印を破壊するというものです。

 十二とひとつの大いなる神の集いで、どの魔族を呼ぶかは定まっていません。各星座からひとりずつ、GMは自由に自分の好みの魔族を出現させて下さい。
 今回は、仮に以下のようなリストを作成しました。

黒剣  剣の侯爵ロンゲイン    
翼人  蒼き死の公女ルハーブ
指輪  美の王ノスプール
戦車  炎の大公ヴァニール 
通火  火の侯爵ノマ
野槌  顔の大公ナイラトラッド
青龍  槍の侯爵シュトロア
原蛇  腐肉の大公キネズ・ゴーラ
海王  雫の大公ヴェパーレ
牧人  蜘蛛の大公スフィン
古鏡  鏡の大公ルドラウ
風虎  雷の大公メア・ゴーン
八弦琴 竪琴の公女アレイア

 大公、公女、王、侯爵あたりまでをずらりと並べ、魔族の幻影を次々夢見るというシナリオ進行です。
 PCの運命に関わる魔族を適宜入れ替えていただいてよいかと思います。今回はキネズ・ゴーラ解放が目的となりましたが、その儀式を使って、魔都の封印解放の儀式を試みる魔族結社とかあってもよいかと。今から振り返って考えるに、翼人を草原の大公マキラスカに切り替え、最後の瞬間、マキラスカが出現して封印をぶった切るというのも美しいですな。

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 ついでに、深淵CONのあと、ENT氏より寄せられた質問2点についても、この場で回答しておきます。

Q:龍の子、半妖精などがありますが、これらの子供はどうやってできるのか? 性別はあるのか? 生殖はするのか?

A:まず、彼らは不死に近い長寿を持つ魔法的、神話的な存在であり、人の子とは全くスケールの異なる長い人生を送っています。彼らには一応の性別はあり、生殖もしますが、人の子ほど頻繁なサイクルではありません。
 妖精騎士は人間に近い身体構造を持っており、実際に人の子と交わり、子供を為すことが可能ですが、本来、禁忌に近い行為であります。
 火龍は人間とは全く異なる次元の生き物で、直接、人の子と火龍が交わることはありません。しかし、火龍の気というのは恐ろしく強力なものであり、強い龍の気に触れてしまった人の子の女性が懐胎する場合があります。かつて多くの火龍が死んだ場所で、龍の子が生まれ、復讐を果たしたとも言われています。

Q:TRPGサプリ第六号で公開された「第二版ルール」の貫通武器を使った場合、「少ない数字の除去」と、「演出ダメージが残るルール」のいずれが優先しますか?

A:数字の低いものが除去されます。第一版にあった「演出ダメージが残る」ルールは排除されます。

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January 23, 2006

深淵:捕らわれし魂

数えるたびに1枚、ちゃりん。
黄金の音が1枚、ちゃりん。

 昨日は東京深淵CONシキサイにて、『深淵第二版』のGM。
 タイトルは『捕らわれし魂』。

●GM紹介時の予告
 怪物退治の冒険は終わった。
 しかし、事件は終わってはいなかった。
 1年後……

●PC
 ヴァルゼート・ローダニス卿
  故郷を守るべく戦う騎士
  運命:依存症(家紋を刻んだ指輪→菫色の公女フェレスの招く声が聞こえる)、任務(シナリオ目的)

 従者トール
  盗賊上がりの小者。不義の子であったことから父に嫌われてぐれ、盗賊の道へ。
  運命:不義の子(父は禁断の知識に触れたもの)、(秘匿された運命)

 白馬を連れた娘ディア
  故郷を追放され、漂泊する少女。
  運命:追放、友なる動物(→近親憎悪)

 風虎のまじない師ジェイル
  親子代々のまじない師。急進派で放浪癖のある父同様、魔族の手がかりを追って世界を流離う。父殺しの予言を背負う。
  運命:猟犬、父殺しの予言

 弓兵ヤン:騎士の部下で優れた弓兵。魔族の教団「杖の巡礼」に加わっていたが、魔族[暁の騎士]と出会い、これに帰依したことで、教団脱出を図る。
   運命:教団からの脱出、帰還を待つ者

●捕らわれし魂
 村に近い沼沢地に現れたおぞましき人食い巨人。
 騎士ローダニス卿率いる一行は、この怪物を倒し、その宝、魔剣、魔法の盾、召喚の護符、古文書、金貨100枚を手に入れた。
 一行は黄金を20枚ずつ分けた後、ローダニスがすべての名誉を、小者トールが魔剣を、少女ディアが魔法の盾を、まじない師ジェイルが古文書を、弓兵ヤンが召喚の護符を手に入れた。

 そして、1年後、その中の一人、小者トールが病気で倒れたと聞き、5人は再会する。

 再会して驚いたことは1年の間に、トールが大金持ちになっていたことだ。あの金貨20枚を元手に商売を始め、今や枕元に金貨40枚を積み上げていた。どうも毎日、金貨を数え直さずにはいられないという。商売がうまく行き、毎日、金貨は増えていくのだとかいう。

 まじない師のジェイルは、ここ1年の間におぞましき魔族の巨人の幻影が2度も目撃されたことから、まだ事件が終わっていないのではないかと疑っていた。彼が預かった古文書の中に『12とひとつの大いなる神の集い』というおぞましき封印破壊の儀式が記述されたからである。
 トールの病気はその不安な予感を刺激した。
 それを敏感に察知したローダニス卿は、トールに湯治するように進める。

 温泉に向かう一行は、奇怪な巨人の幻影を見る。
 湯治中にも現れる新たな巨人の幻影。その恐ろしさに、少女ディアは蟻恐怖症に陥る。

 蟻が金貨を運んでくる。

 奇怪な現象に1年前の事件を振り返るべく、沼の怪物から手に入れた魔法の品をそろえた途端、突然、虚空から金貨が降り注ぎ、三柱の巨人の幻影が通り過ぎる。
 ジェイルは気づいた。
 金貨こそが呪いのもとだ。この金貨が一定数増えるたびに、魔術の儀式が進んでいくのだ。
 時間が経つほどに、そして、トールが数え直すたびに金貨はどんどん増えていく。
 金貨を封じなくてはいけない。

 金貨をかき集め、沼に戻すことに決めた一行は今や90枚まで膨れ上がった金貨を金櫃に入れ、馬車に乗せて沼へ向かうが、途中で、金櫃の中で金貨が増え始め、ついに、重さで馬車が転倒、路上に100枚もの金貨が散乱、騎士は覚悟を決め、魔法の盾で分別した呪いの金貨30枚を背負って沼へ向かうのだが、そこには1年前、倒したはずの沼の巨人が。
 すでに、金貨の呪いに捕らわれていたトールは、必死の想いで一行から離れることにするが、どうも気持ちが抑えきれず、後を追いかけ、金貨が散乱した現場に追いついてしまう。加速する事態に、他の人々も沼へと向かう。
 3度に渡る騎兵突撃でやっと怪物を倒すも、呪いに捕らわれたトールが金貨を持ち逃げようとして死んだ。
 残った4名は、金貨と魔剣、盾を沼に埋め戻し、事件は終わった。
 しかし……今もヤンの懐には召喚の護符が。

●シナリオ・ネタ
 今回のテーマは二つ「あれから1年」というネタをやりたかったこと、普段、使わない魔族を使うこと。
 前者については後述しますが、後者は「魔剣」でない「魔剣」を持つ魔族「蟻の王キメデサーリ」を出して見ました。いくら使ってもなくならず、逆に増えてしまう金貨が勝手に封印破壊の儀式を進める、というのが肝ですね。
 演出として、『十二とひとつの大いなる神の集い』があり、十二とひとつの星座の魔族の大物が、夢歩き限定ながら、次々出現し、プレッシャーを与えていきます。
 最終的に解放されるのは、腐肉の大公キネズ・ゴーラですが、通例、ここまでは行かず、実際には、沼の巨人との戦いが最初と最後にあります。

●打上
 打上は、近所の中華料理屋で。人数がいると中華料理は安くてうまいという感じになりますよね。
 3ヶ月に1回しか来ない団体客を、常連扱いしてくれるのはありがたいですな。

 自己紹介から始まるが、しばしば脱線し、どこか違う世界に。
 前回、巫女萌えをカミングアウトした京都のZ氏が、さらに熱く巫女論を語った件はさておき、ツクダの『源氏物語』RPGをマスターしたことのある人物がいるとは。
 私は歴史に詳しいT女史と、歴史談義。
 なぜか話題は歴史とBLの関係に。
 BL的にカップリングを楽しむ視点はすでに平安朝から成立したとか、日本史最初のカップリングは、スサノオ×アマテラス(アマテラス男神説)か、ヤマトタケル×従者ではなかろうかとか、源氏物語のもBL要素があったとか、イエスにまつわるBL疑惑とか。

●仮面ライダー響鬼 最終回
 「そして、1年」というネタにした理由のひとつが朝見ていった「仮面ライダー響鬼」の最終回でした。
 前回、「オロチ封印のための激闘開始!」といって引いたのですが、なぜかその激闘はOPで終了。本編は1年後から始まります。そして、響鬼、明日夢、桐矢ら主要人物の1年後が語られた。

 人が鬼となり、妖怪(魔化魍)と戦う「響鬼」のテーマは「人生をどう生きるか」だったので、鬼と出会い、それに憧れた少年、明日夢が入院、レギュラー落ち、善意と悪意の葛藤などを乗り越え、多くの人を救いたいと考え、医師を目指すエンディングはそれでよいと思いますし、最後の数分間はとても素晴らしいものでした。

 惜しむらくは明らかに1~2話足りなかったなと思えるシナリオ配分です。
 オロチ封印の戦いが竜頭蛇尾で終わったこと、いやな奴だったヘタレの桐矢が簡単に改心し、明日夢の代わりに鬼の道を歩みだしたこと、ヒロイン持田があっさりさらわれ、改造儀式の途中で救われるも何のフォローもないことなど、とても残念でした。
 前半の、2話1ブロック形式の丁寧な作りからみると、とても残念な状況であるとも言えます。

 それでも、響鬼という作品は非常に面白い作品であり、仮面ライダーの可能性を見せてくれた作品であったと思います。次の「カブト」が安易なムシキングにならないことを期待します。

●RED
 第19巻まで読了。
 傑作なり。作劇上、多々考えることがありますが、物語のエネルギーがそれを上回って余りある。
 少し落ち着いてから語ってみたい。
 これを連載で読めたら、幸せであったなと思う。

**一部加筆

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January 21, 2006

リアル塊魂、ボードゲームの会

 外は雪景色。
 朝から子供に叩き起こされ、雪合戦をし、雪ダルマを作ってきました。
 ころがしながら、子供が口ずさむのは『塊魂』のテーマ曲。
 ああ、そうだね。

●ゲーム会
 昨夜はアトリエサードのゲーム会 TNFへ顔出し。

・The Big Cheese
 チーパス・ゲームズの傑作ゲーム。ネズミ社員を働かせて、業績を競うもの。

・バナナ共和国
 バナナ共和国の大統領選挙を行うカードゲーム。基本的に票田を買収するものだが、伏せてある人物カードに、金や邪魔カードをつけていくというもの。面白いけれど、記憶力と読みが追いつかぬな。
 カードゲームの可能性を色々感じさせるなあ。

・COYOTE
 インディアン・ポーカー専用ゲーム。専用ハチマキ付き。専用カードを貼り付けて、セリをしていくBLUFF系。
 ゲーマーとプレイするとかなりダメなゲームになります。横から見ていると馬鹿笑いできる貴重なゲーム。

・通路
 アナログゲーム版のチクタクバンバン。
 もはや定番化してます。気軽に軽く回せるのはよし。

・FLUXX
 どんどんルールが変化するとんでもゲーム。
 勝利条件すらカード化されており、ゲーム中に書き変わっていく。
 アイデアは面白いが、ちょっとやり過ぎ。思考実験として、自分の番までゲーミングが持たないことと、1プレイヤーのプレイがやたら長くなりがちなのがよくないな。プレイ時間が見えないのも危険。

★さて、仕事に戻ろう。

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January 20, 2006

2月発売のR&Rに『真・女神転生X』記事

 作業中の呪文。
 生徒の課題チェック、企画原稿の直し、雑誌校正を終えて、『比叡山炎上』に戻ってきた。ちょっと眠いっしゅ。
 戦国時代の面白そうな人リスト作成中。いや、戦国大名の名前と略歴だけですでに面白いのですが、これに茶人や宗教関係、著名な宣教師とか加えるとかなりの分量。

●2月発売のR&R18号に『真・女神転生X』記事
 ……が掲載されます。西上君の手になる『金剛神界』対応のプレイガイド、ミニ・シナリオ3本と追加悪魔データ4Pという大サービス記事である。お楽しみに。
 『金剛神界』は今月末発売予定。
 来週になったら、プレビュー記事でも書きましょう。

●情報をねじる
 作業をしながら、22日の『深淵CON』のシナリオを考える。
 例によって、『深淵第二版』を持ち込む予定で、ちょっとひねりを加えたい。情報の公開スタイルを少し変えてみようかと思う。「上海退魔行 ~新撰組異聞~」や『真・女神転生X』で使ったキーワード管理のルールも面白い。どちらも『深淵』らしく、操作して、何か違う感触が生み出せるといいなあ。
 海かな。いや、今やるとクトゥルフになるから、北原か東方の魔法都市とかがいいかな。

●Tales of the Abyss
 子供たちがクリアするのを見る。アクションRPGっぽい戦闘はどうも苦手なので、子供たちのキャーキャー騒ぐのを横で見る。ムービーシーンだけではなく、チャットと呼ばれる顔絵・フルボイスつき会話シーンがここちよい。ネクロマンサーでリゾート・キングな変態魔道士ジェイド君がみんなのお気に入り。このあたりの遊びと真面目のミックス具合は興味深い。

●ケダモノ少年少女
 軽いHを前提にした少女漫画。掲載誌は少女コミック。
 だきつくとケダモノ(比ゆ的な意味で)と化すクラスメイトに恋する少女。迫ってくる少年が前のBFと同じ匂いだったので興奮してしまう少女。左手の法則。
 文章にして紹介すると、より淫猥な感じが出る。絵は可愛らしい普通の少女漫画だが、テーマが、高校生の肉体的な恋愛なのである。作品内年齢は高校1年だから、読者は中1あたりか?

●1限めはやる気の民法
 私立大法学部を舞台にしたBL系の恋愛コミック。お坊っちゃん、お嬢様しかいない「安全牌」ゼミに紛れ込んだ、真面目で貧乏な普通の学生、田宮は、政治家の息子、藤堂と出会い……。
 3~4年編の1巻はBLといっても、友達以上、恋人未満な上に、ドラマがしっかりしているので、割と面白く読める。意味不明の金持ち学生たちとのギャップが非常に面白い。
 後日譚にあたる2巻は、二人の同棲生活が始まるので、お好きな方向け。

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January 19, 2006

読書する日々

 戦国クトゥルフ神話『比叡山炎上』の原稿を書く傍ら、あちこち連絡したり、資料を読んだり。スケジュールも炎上気味。終わり次第、『真・女神転生X』のサプリ『金剛神界』とTruth in Fantasyの次の本、それからあの企画とか、リプレイ企画とかが待っている。頑張りますので、少々お待ちを。学校の仕事もある。今日も大騒ぎの予定である。
 そういいつつ、昨日は所用で駅前の本屋に行き、色々買い、色々読む。

●おれは権現
 司馬遼太郎の戦国物短編集。どちらかといえば豊臣期から江戸初期が多い。表題作は可児才蔵(かに・さいぞう)という豪傑の話。秀吉の腹心、福島正則の部下。福島も暴走型だったが、この人も自分は権現様の化身だと思い込んでいたとか。面白し。

●RED 1~7
 騎兵隊ブルー小隊に虐殺されたアメリカ先住民ウィシャ族唯一の生き残りレッドの復讐を描く長編アクション・コミック。白髪のインディアン戦士レッド、西南の役を生き残ってしまった肥後の鉄砲足軽、伊衛郎、白人娼婦で銃とギャンブルの名手アンジーが辿る旅路の物語。雑誌連載でぱらぱら読んでいたが、完結祝いに、古本でまとめて購入。やはり面白いですね。とりあえず、外輪船編の途中まで。

●旋風伝レラ=シウ 1
 朝松健氏の北海道伝奇ウエスタン・ファンタジーの復刻第一巻。陥落した五稜郭から脱出した斯波新之助が辿る逃亡と戦いの日々。傑作。
 よく考えたら、レッドが西南の役後で、これが五稜郭の後、どちらも江戸武士の終焉を語る銃の物語である。

●月刊ムー2月号
 クトゥルフ神話的には、東雅夫の書く「魔道書『ネクロノミコン』誕生秘話」が目玉。タイスンの『ネクロノミコン アルハザードの放浪』(学研、1/24発売予定)にあわせた特集である。ムーなので、色々書き方がアレですが、その実、大瀧啓裕氏のインタビューあり、プレビューあり、近年のクトゥルフ展開に関する情報まとめありと、ラヴクラフティアンならば、一読の価値あり。ガイドブックの項目で拙著『クトゥルフ神話ガイドブック』も名前が上がってあります。東氏の『クトゥルー神話事典第三版』の予告や青心社の新企画情報はかなり期待したいところ。

 朱鷺田的には、巻頭の「新説 幻のムー大陸 スンダランド」もヒット。『ブルーローズ』『超古代文明』で扱ったスンダランドの解説が別の面から書かれているのに加えて、スンダランド=ムー大陸説につながる。

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January 18, 2006

本能寺:狂気ではなく、それは天才の孤独

 信長は先進的な改革者であった。
 ゆえに理解されず、ゆえに孤独であった。
 彼は戦国を終わらせ、日本を変えるために、既得権益と戦い続けたのだ。

●本能寺
 池宮彰一郎「本能寺」読了。『比叡山炎上』の資料として読み始めたもののひとつ。
 信長の天才性、先進性に富み、既得権益の破壊を目指したという解釈の上で、明智光秀と織田信長の辿った道を語り起こす歴史小説。歴史解釈が思ったより、今日的で、最終的に織田信長がローマ共和制を目指した、という解釈が面白い。
 光秀の兵団を突撃軍団とし、秀吉が水攻めに拘った理由が、戦指揮ではなく、政略普請の戦いだったからであるとするなど、ずいぶん着目点がよかったように思える。信長の狂気を徹底的に否定し、周囲の無理解に還元している点が斬新である。

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January 17, 2006

日々雑記:占い師のビジネス・モデル

 『比叡山炎上』作業中。
 シナリオ・ソース編での信長、秀吉、光秀の扱いにあるアイデアを思いついたので、書き始める。
 うむ、これで面白くなるぞ。

●信長はラマ教?
 知人から電話。織田信長がラマ教の秘術を駆使していたという説があるとか。おおお。
 確かに元朝はチベット仏教であったから、元朝皇帝の側近はラマ僧である。つまり、元朝のあった鎌倉末期から室町初期にかけて、ラマ教が中国や朝鮮半島、日本に達していた可能性はある。
 そして、クトゥルフ神話サプリメント「Secret of Japan」にはエメラルドのラマ僧という、ハスターの化身、いわゆる黄衣の王のラマ僧バージョンがいて、日本仏教を捻じ曲げる活動をしているという。
 うむうむ、これだから歴史は面白い。

●学校が始まる
 昨日から学校が始まったので、そのメモ。
 第三ターム(1月~4月の13週間)は、ライター科と企画科のライティングが月曜日に2コマずつ。合計4時間。月曜日は、土曜日・日曜日のイベント疲れが残りがちなので極力避けてきたのであるが、しかたがない。
 ライティングの授業は、基本的に変わらない。
 毎週コラムを書き、添削し、小説を読み、感想を発表する。読み書きである。

 コラムのテーマは相変わらず、「今週の面白かったこと」。ゲームネタ不可、内輪ネタ不可。
 ターム開始時なので、冬休みの範囲も許可する。そこで「実家に帰りました、懐かしかった」とか、「コミケに行きました、凄かった」はダメだぞと言っても書いてくる奴が必ずいる。

 それは面白いのか?

 面白さが何か考えて欲しい。
 まだ、お約束通り「成人式で暴れちゃいました」という奴のほうが呼んでいて楽しい。キャラとしての魅力が出る。まあ、そこで暴れた場面の描写が甘いと突っ込んでしまうのであるが、まだ可能性が見える分、よい。
 ゲーム学校なので、「クリスマスは、聖地・秋葉原で寂しく過ごしました」とかいうネタもあり、自虐ネタでも面白ければよい。「同じゲーマーの彼氏は、クリスマス前に買ったゲームに夢中でした」とか。リアルにそれはどうかと思うぞ、ヒゲの彼氏(笑)

●新成人
 さて、成人式で「暴れる」という話であるが。
 個人的には成人式に新成人が暴れて問題になるのは、社会の対応力が落ちている証拠だと思う。
 公式に酒が飲めるようになり、正月早々、田舎の旧友と再会、盛り上がっている若者が酒を飲んで暴れるのはある意味、当然である。それを大人しい器に入れようとするのが間違い。
 暴れることを前提に、しつけたり、すぐ上の世代が目を光らせているべきだ。
 しつけもなっていない暴れたい盛りで酒も入った20歳の若者を集めて、周りにいるのは40~60のおじさまばかりで、威圧も対抗もできない。そこで田舎だと、青年会が協力したり、あるいは、皆がもう大人で、最初から暴れる場面をわきまえていたりする。青年会が明確でない都市部ではこれもうまくいかないのだろうなあ。
 それこそ神輿でも担がせたほうがいいのだろうが……。

●占い師のビジネス・モデル
 もうひとつ、生徒のコラムから。

「姓名判断を受けたら、苗字がとても悪いと言われた」

 えー、これは当然です。
 それが姓名判断のビジネス・モデルですから。

 いわゆる、占い師には、明確なビジネス・モデルがあります。

【パターン1】カウンセラー系
【パターン2】物販系

 前者は、話を聞いて助言することで、カウンセリング効果を生み出すもの。手相、人相、タロットなどはこの方式の人が多い。見料が主な収入源となる。
 何かあったら、どこどこの母とか言われる占い師に相談するという人がいますね。このように、割と占い師の人格や話術によるもので、リピート効果が重視される。

 後者の物販系は、その人物の運命がよくない理由を見つけ、それを修正するためのアドバイスを行い、しばしば、運命を変えるための物品を販売することで販売益を得るというものである。お守りを売るタイプで、霊能系、分析系、方角術系などに多く、姓名判断はこちらに属する。これは具体的なものとして、「安心」を買えるから、お金を使って安心を買いたい人にとってはありがたいものである。西洋系の占いでも、ハーブや香油、水晶、守り石などを売る場合もある。

 姓名判断のビジネス・モデルは以下のようになる。

【1】姓名に現れた運命を占う → よくない点を指摘する。
【2】よりよい名前をつける   → その名前の印鑑を作らせる。

 印鑑を作らせるためには、「苗字がよくない」と言わざるを得ない。名前だったら、印鑑は作らない可能性があるから。

 こういうと、占い師の方を非難しているように聞こえるかもしれませんが、占い師の方はその才能と技術、そして、それが生み出す安心と霊的な安全を提供しているのです。継続的に提供するために、ビジネス・モデルが必要となる訳です。ただで占いをしていては食えない訳ですし、その人を救うために、何かが必要だった場合でも、その何かが生み出されるためには、経費がある訳です。

 だから、占い師が高めの見料を取るのはよいことです。

 高いならば、(ひやかしが減り)本当に占いを必要としている人およびお金が余っている人だけが来る。高い見料で生活できれば、占いが(貧しさで)濁りにくい。物販に頼らずに済む。

 ところが、物販で儲かることが分かってしまうと危険です。
 溺れるものは藁をもつかむ、と言います。心の揺らぎを救うためであれば、いくらでもお金を出してしまう人がいます。その不安に付け込む話術と洞察力があれば、原価5000円の印鑑が10万で売れてしまうのです。

 その生徒がかかった姓名判断師がそこまで行ってしまった人かどうかは分かりません。お父上の友人だということですが、だったら、父親にも同じことを言っているはずですねえ。どうなのでしょう。しかし、開口一番、苗字が悪いという姓名判断師は少々、気をつけないといけないでしょうねえ。
 ちなみ、姓名判断だけならば、2~3冊本を読めば、流派が分かりますよ。

●テキスト講読
 授業の後半は、テキスト講読。今回は『異形コレクション アート偏愛』から『怪物画趣味』と、『AV女優』から『姫乃木杏奈』『永沢光雄』『刹那紫之』を。

 『怪物画趣味』は有栖川有栖によるオーソドックスな怪物画ネタで連続猟奇殺人事件の話。ピックマン系ですねえ。これ以上はネタばれになるので省略。

 『AV女優』は以前にも紹介しましたが、1991-96年にAV関係雑誌に掲載されたAV女優インタビュー連載を一冊にまとめたもの。
 レズビアン系の『姫乃木杏奈』は入門編。出だしの歌舞伎町2丁目話がうまい。いや、ある意味、あの年代のライターが持つ何かを体現した匂いがある。入門編としては、『白木麻実』「窓の外を見てると、ディズニーランドから風船が飛んでくるの」と悩んだが、白木の写真は目線入りだったので、避けた。

 『永沢光雄』は解説代わりに、本を企画した大月隆寛が、永沢を探し出してインタビューしながら、本の成立過程を紹介したもの。体裁そのものが、永沢のインタビューを踏襲している。実は、この項目が面白いといえるかどうかが、ひとつの鍵である。
 ライター科にとって、永沢の姿は20年後の可能性のひとつだ。ゲーム・レビューだけで一生食っていけるかはまだ誰にも分からない。40を越えてゲーム誌で仕事をしているライターも少なくないが、編集者になったり、出版社の重役になっていたり、作家になったりした人も多い。体力勝負の攻略記事ならば、部下を使っていなければならないだろう。
 SM、スカトロ、レズ、コミケと正直凄まじい人生を経たAV女優兼AV監督『刹那紫之』は上級編。まあ、19~20でこれが楽しめるのは相当の実力があるか、かなりいっちゃった奴か、どっちかだ。

 今タームは途中から生徒にも作品を選ばせるので、ライター科には班分けを指示し、クラス混成の企画科は6班に分ける。1班は2月第一週にテキスト講読用の作品を探してくる。A4コピー10枚以内。
 ライター科と企画科のをまとめて、翌週に配布する。
 さて、どっちのセレクトのほうが面白いか、勝負だ。

●期末課題
 3月末提出で、原稿用紙10枚以上50枚以内の小説。
 テーマは自由。
 ゲームのノベライズもOK。
 ただし、その場合、以下の条件が加わる。
 【1】オリジナル・ストーリーであること。ゲーム・テキストをそのまま書き写してくるのは不可。
 【2】すでにノベライズが出ている場合、それをチェックし、リストを添付すること。

●ピースメイカー

 ちょっと思うところがあり、『新撰組異聞 PEACE MAKER』(鐵でないほう)1~6を読み直す。新撰組最大の功績、池田屋事件を中心に、少年隊士、市村鉄之助の青春を語る。狂気の吉田稔麿とか、忍者・山崎丞とか、「上海退魔行 ~新撰組異聞~」的なネタに困りませぬな。

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January 15, 2006

松永弾正謀反

 反逆こそ武士の本懐。
 この平蜘蛛が欲しくば、信長自身で取りに来るがいい!

 色々多忙で、更新の間があきました。
 何とか『金剛神界』のかたもつき、『比叡山炎上』も大騒ぎ。来週月曜日には学校も始まるので、その準備もあってジタバタしております。進行中の別企画が口をあけてまっているので、怪しい資料を読んだり、年表をひっくり返したり、まあ、色々であったりなかったり。土曜日にはライター科が新年会をやっていたはずだが、諸般の事情もあり、『比叡山炎上』のテストプレイを。
 テストプレイヤーは4名。
 今回は初めて参加の人もいたので、戦国日本の世界観をざっと説明する。

 時は戦国、修羅の世界であった、と。

 そこに降臨する天才的な革命児、織田信長! その天才性と狂気のほどをざっと語る。困ったことにほとんど事実を話しているのに、すでに「クトゥルフ神話」のごとき危険なイメージが散りばめられていく。
 さすが、信長様。

 システム説明の後、出来上がったPCは以下の4名。

 茶室で戦うために、拳を鍛え上げた謎の茶人、慈久(じきゅう)。茶聖、千利休の弟子でありながら、茶道の闇、闇千家茶道(別名・フルコンタクト茶道)を極めた男。
 妖魔退治の神剣と不動金縛りの術を使う性別不詳の陰陽師、賀茂良久
 大和の国に詳しい狩人・平八とその愛犬、平九郎。
 織田軍団に雇われた不死身の忍者、小鉄。

 殺(や)る気満々だのぉ。
 ところで調査系能力は?

●松永弾正謀反
 天正5年(1577年)8月、織田信長は上杉謙信との決着をつけるべく、柴田権六勝家に大軍を与え、越後へ派遣する。しかし、その背後を突くべく、大和国信貴山城の松永弾正久秀が謀反を起こし、城に立て籠もった。
 松永弾正と言えば、室町幕府第13代将軍足利義輝を殺し、東大寺大仏殿を焼いた悪逆非道で知られる戦国武者である。その後、信長に下った弾正はその側近として武功を重ねた後、信長の代官として大和を支配していた。いまや老境に入り、楽しみは茶だけといわれていたが、その心はいまだ下克上の世を生きていた。
 上杉との密盟により、信長を討って天下の覇者とならんとしたのである。
 されど、信長は迅速であった。羽柴秀吉、明智光秀を派遣して信貴山城を包囲した。

 ここから、物語は始まる。

 信長の側近、千利休に呼び出された茶人、慈久は、松永を説得して開城させよと命じられる。信長は松永という武将、そして、松永が持つ大名物「平蜘蛛の茶釜」を惜しんだのである。
 慈久は陰陽師の賀茂良久、忍者の小鉄、狩人の平八を連れ、信貴山城へ。松永と会見した彼らは信貴山城に潜むおぞましき影に気づいた。

 『比叡山炎上』でネタにする予定なので、詳細は避けますが、幾野銀山を探索したり、安土城建設現場で織田信長、森乱丸、ルイス・フロイスから奇怪な話を聞いたり、となかなか面白い展開となりました。最終的に、史実通り、信貴山城は吹き飛んだのですが、その背景にはおぞましい邪神の存在があったのです。
 ちょっと「へうげもの」が入っていましたが、比叡山焼き討ちの後日譚にもなり、綺麗にまとまった。ふふふ、あとは、信長様が神になる「黄金安土城卍返し」で本能寺まで突っ走ろうや。

●コミック
のだめカンタービレ 14
絶対可憐チルドレン 3

読了。いい感じで進んでいますなあ。

●仮面ライダー響鬼
 次回で最終回。鬼として生きる自分の背中を見せようとする響鬼の表情がいい。
 明日夢の選択をじっと見守りたい。

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永遠の冬21:感謝

 緑なす谷。心地よい風。
 これこそが我が故郷。

 ウィリス11歳の夏は、ゆっくりと始まった。
 去年から予定していた通り、ウィリスは婆とともに、バッスルの都グレイドルへ向かうことになった。そこには、冬翼様に近しい神、《冬の統領ル・ウール》様の大社がある。《冬の祠》という。そこで、さらに冬翼様について学ぶのが、今回の目的である。

 最初に、ゼルダ婆がそれを言い出したのは春の終わりだった。
 風見山の一件から一月ほどが経ち、すでにウィリスは元気を取り戻していたが、大事を取ってゼルダ婆はもう一月ほど出立を延ばし、しばらく、尾根の狼煙台と往復するようにいった。
 最初は尾根を上がる途中で息が切れた。
 坂の途中でへたり込んでいると、メイアが上がってきた。
「婆が見て来いって言ったのよ」
 メイアは笑いながら、汁気のたっぷりした果実を差し出した。茜色の皮をむいて、少し酸っぱい汁と身をすする。ほんのりした甘みとすっぱさが口一杯に広がった。
「おいしいね」
 メイアの言葉にうなづき、ウィリスは立ち上がった。
「行こう、狼煙台で少し練習があるんだ」

 風にウィリスの歌が響く。
 冬翼様へ捧げる祝詞に節をつけたものだ。
 狼煙台の脇にある、ちょっとした広場でウィリスは、祝詞を謡いながら、舞う。

「ありがとう、と言ってなかったような気がするんだ」
 ウィリスはメイアを振り返る。
「ありがとう?」
 狼煙台の隅に腰掛けて、舞いを見ていたメイアは小首を傾げる。
「誰に? ウィリス」
「君に、だよ」とウィリス。
「あのとき、迎えに来てくれてありがとう」
「ううん」
 メイアは軽く首を振って、狼煙台から地面に飛び降りる。
「私も婆も気づいただけ。
 あなたを助けたのは彼ら」
 両手を上に向けて見上げる。
 その上空、風の中にはいつも間にか、半透明の雪狼が舞うように飛び交っていた。
「あなたの舞いと歌が届いたのね。
 あなたのありがとう、が」
「うん」
 ウィリスはうなづく。
 そして、舞いをやめて、メイアのほうに1歩踏み出す。
「雪狼にも、ネージャ様にも、感謝している。
 ありがとう、雪狼たち。
 ありがとうございます、ネージャ様」
 もう1歩。
「でもね、メイア。
 僕は、君に言いたいんだよ。ありがとうってね」
「ウィリス」
 メイアは少年の顔を見つめた。
 いつの間にか、少しだけしっかりしたような気がする。彼の父ジードに似てきたかもしれない。
 ウィリスは正面からメイアを見つめた。
「ありがとう」

 狼煙台からは、グリスン谷が見下ろせる。
 細い谷川に沿って広がる小さな谷だ。
 丘の上に広がる畑。林檎林や小さな牧場、川にかかる水車小屋。

「また、修行の旅に出るの?」
「うん、今度は少し長くなる」
「どのくらい?」
「たぶん秋の半ばまで。
 婆は冬翼様のお迎えまでには戻れと」
「寂しいね」
「寂しいね」
「……」

 夏のはじめ、ウィリスはグレイドルへ旅立った。

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第四章グレイドル編第一話。
出発の話を書こうと思ったら、別な場面が降ってきてしまった。
まだグリスン谷ですが、次は旅の途中の話を。
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January 12, 2006

地を穿つ魔

 最近、Blogは読書日記と化している。
 資料と趣味の境界が曖昧なこの仕事であるので、読んだ本はすべて勉強である、とも、全部、楽しいとも。まあ、どっちでもよい。問題は果てしなく本を買い込む悪い癖が直らないことである。
 おかげで本の置き場所が足りない。
 読み流す本やコミックはどんどん学校に寄付したり、古本屋に売ったりもするのだが、当世資料本の類は一度手放すと二度と手に入らない。図書館で借りられる本はよいが、人気の本はそうもいかないので、やむなく積む羽目になる。
 おかげで今、仕事場は本の山状態で、暖房も出せない。寒いっす。

●地を穿つ魔
 タイタス・クロウ・サーガ第一弾。「The Burrowers Beneath」(1972)の翻訳。
 シリーズ第一弾は、地中に住むクトーニアンと人類の戦いを描く。ミスカトニック大学の教授ウィルマースが作った、対邪神組織ウィルマース財団が登場、イギリス随一の霊能者タイタス・クロウをバックアップする。
 ホラーとしては、財団が出てくるまでの、タイタス・クロウ&ド・マリニーの苦闘がいかにもでよい。館船の会見はなかなかいいですな。
 財団が出てくると途端に話が大きくなるのであるが、何しろ敵はクトーニアンである。成虫でSIZ50、地震を起こし、邪悪な精神波さえも使う。このあたりは最近のクトゥルフものに近い。
 エンディングもなかなか。いや、こうじゃないと。
 第二巻「Transition of Titus Crow」が翻訳されるのが楽しみである。

 30年前に書かれた第二世代クトゥルフ神話なので、ネタはネタですが、グ=ハーン断章などクトゥルフ神話ネタが出てくるとやはりわくわくする訳で、色々クトーニアン関係の設定が明らかになり、これは使わねば!となる。
 いやいや、でかいだけの地底怪獣じゃないですよ、シャッド・メル様

 CCD=クトゥルフ眷属邪神群(クトゥルフ・サイクル・ディーアイティーズ)という言い方はこれから流行るのかな?

●旧交を温める
 年賀状で「Blog始めました」と書いたら、イラストレーターの槻城ゆうこさんからメールをいただく。
 別冊FSGIやRPGマガジンの頃からお世話になっている方で、クトゥルフ神話コミック『召喚の蛮名』の作者と言えば、説明の必要もないだろう。最近は徳間書店の『怨霊記』など小説のカバーで活躍されている。私も、一昨年の『クトゥルフ神話ガイドブック』でも表紙や挿絵を描いていただいた。非常に知的かつ美しい方で、クトゥルフ神話や錬金術にも通じ、話していると、逆にこちらが勉強させていただくことが多い。
 昨年末にお引越しされ、心機一転、頑張っておられるとのこと。R&Rの記事で友野さんや北沢さんとTRPGをされ、ずいぶん楽しかったとか。では、今度はホラーものでもいかがでしょうか?

●リアルなムシキング
 昨夜、雑学ネタのバラエティ「トリビアの泉スペシャル」を見る。
 以前、見逃した「日本刀VS銃弾」シリーズをまとめて放映しないかと思ったのだが、放映されなかった。それでも、相変わらず、面白いネタが多い。
 「カブト祭り2005」は本物のカブトムシを世界中から集めて、リアル・ムシキングのトーナメントを実験するというものだが、カブトムシたちがリアルに技を繰り出し、相手を叩き落したり、挟んだり、ひっくり返したりするのが凄い。日本のカブトムシが健闘し、決勝では巨大なヘラクレスオオカブトを相手に1-1のタイに持ち込み、最終戦で敗れたものの、持ち上げられても最後まで必死に抵抗するなど実に見ごたえがあった。
 ムシキング好きな息子はゲームのカードを持ち出し、解説する。うんうん、分かったから、目の前の熱戦を評価してあげようね。きっと日本中の家庭でこういう展開があったのであろうなあ。

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January 11, 2006

日々雑記:校正とかイベントとか

 タイタス・クロウ・サーガ『地を穿つ魔』購入。
 邪神ハンターの霊能探偵対地底邪神シャッド・メル!
 詳しくは読後。

●『金剛神界』校正終了

 昨日は、『金剛神界』の校正。ディベロップの西上君とアークライトへ。色々ひーひー言いながらチェック終了。今月末には出る予定。
 黒百合姫さん渾身の表紙カラーイラストが、『真・女神転生』ファンには泣けます。扉イラストもかっこいいし、悪魔イラストもKaji君が頑張ってくれました。ありがとう!

●イベント予定

1月20日  アトリエサードのイベント・スペース、タナトス6にて
       ボードゲームの会「TNS」出席
       金曜夜のボードゲームの会です。詳しくは→TNS

1月22日  東京深淵CONシキサイ 
       GM 深淵第二版にて。ネタはまだ未定。

1月29日  R&Rステーションにて、JIVE-CON
       『真・女神転生TRPG~魔都東京200X~』
       『金剛神界』対応の高レベルシナリオを予定。
      要予約なので、ぜひ申し込んで下さい。
      (申し込み多数のため、15日には締め切りとのこと)

●へうげもの
 モーニング連載のコミック。主役は戦国末期から江戸初期に活躍した数奇者大名、古田織部。かぶいた信長様がたくさん見られますよ。

**JIVE-CONの締め切りを加筆

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January 09, 2006

ミ=ゴという名の天使

 『比叡山炎上』のため、戦国史とクトゥルフ神話を融合させる作業が続いており、リアルにSAN値が低下中。オリジナルのクトゥルフ神話はムー大陸仮説を前提に書かれているので、その辺を色々盛り込みつつ、聖徳太子とか、空海とか、義経とかじたばた。東大寺の大仏建立と『アル=アジフ』執筆がほぼ同じ時代なので、何か仕掛けに出来ないものかな。

●ミ=ゴという名前の天使
 戦国日本で、ミ=ゴはどういう扱いになるか?
 Secret of Japanではあまり登場しないが、どうやら、鉱山採掘のため、深山に出没し、天狗と戦っているらしい。天狗はもともと宇宙人で、ミ=ゴに故郷を滅ぼされ、地球に逃げてきた宇宙人の末裔であるという。
 義経が学んだのは鞍馬八流ではなく、対ミ=ゴ用に開発された天狗戦闘術の奥義であったのか!
 このあたりは色々いじる予定であるが、個人的には、ミ=ゴそのものが天狗めいた存在ではないかと思う。そんなこんなで解釈をいじり回していたら、思いついたのが、天使+ミ=ゴ説である。

 カソリックの聖堂によく描かれている昇天図の天使がミ=ゴであったなら、どうだろう。
 有翼でピンク色の生き物にかしずかれ、昇天していく聖人。
 その脳はすでに金属の筒の中に納められている。
 おぞましくも、クトゥルフ神話の世界ではありえる物語かもしれない。

●功名が辻
 昨夜は戦国の資料といいつつ、NHK大河ドラマ『功名が辻』とTV朝日の大型時代劇『風林火山』を見る。
 『功名が辻』第一回は桶狭間であるが、舘ひろしの色黒な織田信長(当時27歳)に悶絶する。クールではあるのだが、昨年の渡哲也版平清盛ぐらい凄いインパクトだ。
 全4巻の原作とはかなり違った解釈で、桶狭間からスタートする。
 信長、秀吉、家康と三代を生き延び、土佐24万石にいたる山内一豊とその妻、千代が主役だが、今後、どうなるものやら。

●風林火山
 TV朝日の『風林火山』は北大路欣也主演で、信玄がジャニーズの松岡である。軍記物かと期待したら、その実、信玄の大奥における女の戦いが中心である。
 京都の公家から嫁いだ正室、三条の方が怖い。だまし討ちした諏訪家の姫を信玄が側室とした際、側室が懐妊した祝いに、京都の菓子を持ってくるのですが、このあたり、すわ毒殺か!と思わせる迫力で側室を圧倒する。
 あの迫力だけで普通の人は死にますよ。ええ。

●槍使い
 戦国日本、特に信長以前の戦闘は、一に弓、近接しては槍、そして、剣という順番でした。
 今回、そのあたりを期待していたのですが、『風林火山』は武田信玄の名差配、上杉謙信の電撃戦というあたりが表現されず、合戦場面でも槍働きの図式があまり見えなかったのが残念。武将の多くが槍を持たず、馬上から剣を振るっている。これでは、下の足軽には当然届かない。
 それでも、さすがに北大路欣也が槍を振るい始めるとかっこがいい。馬上から兵を突き下し、落馬して後も、突いて引き、囲まれれば、ぶんと振り回して、周囲を切り伏せる。
 『功名が辻』はさすがNHKで、槍中心のバトル。山内一豊が、親の仇の信長を、槍を刺そうとして、穂先を切り落とされる。後で再会し、「おぬしの槍は短いわ」と一喝するあたり、史上最長の三間半(6m)の長槍隊を作った織田信長らしいな。

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January 07, 2006

日々雑記:螺旋の王国

 子供たちの見るアニメと特撮の音で起きる。
 「韋駄天・翔」と「ふたご姫」を見て、渋谷へ。
 所用のついでに、バンタン卒業生の川嶋君と落ち合い、コズミックリージョンの「ストライクフリーダム・ガンダム」と、ジオノグラフィの「ザクF2」をいただく。着彩済みのフル可動フィギュアで、ザクは砂漠仕様の茶色、パーツ交換でMS-06D ザクデザートに変わる。川嶋君はマニュアルを手伝ったそうだ。
 ガンダムは初代直撃世代で、近年のSEED系もファンなのでありがたい頂き物である。

●日本の甲冑武具事典

 神保町に出て、打ち合わせの帰りに、歴史系の古本屋、大雲堂書店で、「図解 日本の甲冑武具事典」と「日本戦国史国語辞典」を入手。
 前者はタイトル通りの甲冑資料。古墳時代から江戸期までの甲冑に関する図解事典である。
 面頬や前立てのページもあり、上杉謙信の前立て・飯縄(飯綱)権現はダキニ天、蜂須賀の卍印はインド由来の塞縛采底迦(サバスチカ)とさも普通に解説してある。それは、ナチスのスワスチカですねえ。蜂須賀党の家紋はスワスチカですか。おいしいネタですねえ。
 後者は戦国資料を読み解くための用語集だが、漢和辞典もあるとか。世の中、とんでもない本があるものだ。

 大雲堂で、久しぶりに「世界のマーシャルアーツ」を目撃し、懐かしく思う。戸隠流忍術の宗家がアメリカやインドを巡って、忍術を教えたり、各地の格闘技を紹介したりするものであるが、後半はカラリパヤットの諸技芸を写真で解説しているのがとにかく特色である。柔らかい軟式の刃をいくつもまとめた奇妙な武器ウルミンを使っている図もある。
 カラリパヤットに関しては、英文ながら、協会の公式HPがあるので、興味のある方はどうぞ。 →リンク

●螺旋の王国

 コバルト文庫。広瀬晶のデビュー作。読了。
 ラスベガスの郊外で、非人道的な医学実験施設に働くクリスとオスカーは、ある日、オスカーが拾ってきた少年シェルとの出会いを通じて、自分たちの心の闇と直面する。
 すらすらと読めた。クライマックスが少し急ぎ足だが、読み応えあり。

●今日のアニメ

韋駄天・翔(ジャンプ)
 MTBですべてが決するファンタジー世界に飛ばされた現代の小学生MTBライダーが、地球に戻るために、世界を旅していく。お話としてはどこでも突っ走る自転車バトルが毎回のクライマックス。今回は、紅一点のヒロインがひねくれ王子様のお妃候補になるのだが、ひねくれ王子とお妃候補が結婚をかけて、ヴェネチア風の運河都市でMTBバトルするのは痛快。

ふしぎ星のふたご姫
 火の国の秘宝を手に入れるため、ドラゴンを笑わせる演芸大会。どれも昨年前半目の古いネタばかり、シェイドさまのヒロシ・ネタとか。質のいいアニメです。

BLOOD+
 ベトナム編最終回。出会いの悲しい終わり。ホラーですよ、ホラー。
 次回は沖縄へ戻るが、ベトナム編で悲劇の運命を辿る少女と小夜の同級生が似ているのが怖いですねえ。

●世界ふしぎ発見 南インド紀行

 今日の「世界ふしぎ発見」は南インド。グジャヤナガル王国とか、ジャイナ教とか、なかなか面白かった。昔、光栄(現コーエー)さんの歴史エンターテイメント雑誌「ダ・ガマ」で大航海時代の読者参加ゲームを行っていた頃のことが思い出されます。
 今回の注目は、ゴアのボン・ジェス教会。
 ザビエルの遺体が今も安置されている教会です。奇跡的に腐らなかったザビエルの遺体が公開されていますが、その映像もきっちり流れました。日本人従者アンジローのエピソードもあってまっしぐらですよ。

 ザビエルの奇蹟の遺体に関しては、色々解釈できそうで、これも『比叡山炎上』のネタかな。

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January 06, 2006

劇場版ムシキング、セイザーX

 もはや仕事モード。
 『比叡山炎上』に向けて、日本史資料記述中。日本史を書きながら、クトゥルフ神話の事件史を対比する。東大寺大仏殿建設とアル=アジフ執筆が同じ時期だとか、ミスカトニック大学日本調査隊が残した謎の記録であるとか、歴史年表とにらめっこしたり。
 さて、資料読みにも取り掛からねば。

●ドリル戦艦 轟天号

 朝から息子にせがまれ、調布パルコキネマにて、『劇場版 甲虫王者ムシキング グレイテスト・チャンピオンへの道』と『劇場版 超星艦隊セイザーX』を見てきました。
 前者は、ファンタジー分あふれるTV版とは異なる、遊戯王系のバトルもの。よく出来ています。
 後者は、同名の特撮TVシリーズの劇場版で、前シリーズの『超星神グランセイザー』『ジャスティライザー』がゲスト出演する。主に、ジャスティライザーの三人組と、セイザーXが絡み、グランセイザーの敵ヴォスキートが復活、さらに、国防省の最新兵器『防衛戦艦 轟天号』が出撃するというもの。
 ドリルですよ、ドリル。
 最後には、グランセイザーも召喚され、総勢10体の巨大ロボットが出現する。
 やっぱり、轟天はかっこいいなあ。

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永遠の冬20:間奏02:棘のある雛菊

 雪に悪意はない。
 風に悪意はない。
 されど、積もった雪は家を潰し、冷たい北風は旅人を凍えさせる。
 そういうものだ。

 殺意、というものが単独で存在することはありえない。
 何かが何かに向けて放つものである。
 しかし、その日、風見山の麓の木々は一瞬の殺意の波に現れた。

 どこからともなく、波の音が響き、やがて、雪解け水のたまった池がざっと輝いた。
 次の瞬間、池の水面に反射する光の中から一人の女性が飛び出し、池の縁に降り立った。
 女性、いや、少女と言えるだろう。
 愛らしくも無邪気な笑顔をたたえた少女である。
 レースを多用したゆったりしたドレスをまとっている。年齢は12か13ぐらい。
 人形のように綺麗な少女。
 いつぞや、ウィリスが峠道で出会った少女のような「何か」。
 それが、池の水面から突然、出現したのだ。

 そして、それに応じるかのように、殺気を帯びた北風が木々の枝をざわめかせた。

 少女は一瞬、その殺気に押されるようにふらついたが、しっかりと池の縁に立った。
 そのまま、林の中へと進んでいくと、雪が残っていた。
 春が終わろうとしているというのに、この林の中は今だ冬の様相だ。
 振り返れば、風見山は今も白く雪化粧している。

「もはや、ここは冬の領土であるか」

 少女はひとり呟き、両手を合わせ、目を閉じた。

「死者の中に、あの子供の影はなし。
 ほお、水の騎士をこれほど完全に砕かれるとは……」

 少女は微笑んだ。
 艶然と。
 また、風が殺気をはらんで、粉雪を巻き上げた。

「汝らの主を傷つける気などないわ」
 少女は虚空に語りかける。
「我らも、《永遠の冬》に仕える者。
 その証はアヴァターにてお見せいたしましょう」

 風の中に何かがささやいた。
 少女は答えもせずに、雪野原に背を向け、池の縁まで戻ると、上代語の詠唱を始めた。古き時代、妖精騎士と神々が使いし、魔力ある言葉が紡がれる。その力は少女の周囲にきらめき、渦巻き、やがて、鏡のような水面に広がった。詠唱に答えるように、どこからか波音が響いてきた。次の瞬間、少女の姿は消え、詠唱の声も消えていった。
 あとはただ季節外れの寒風が吹きすぎていった。

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第四章に入る前に、間奏を1回。
ええ、彼女です。
一応、一回こっきりの登場ではなく、どこぞで暗躍中、という訳で。
次回こそ第四章、グレイドル編の予定。
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January 05, 2006

すれ違い通信

「すれ違い、すれ違い」
 10歳になる息子は冬枯れの公園をそう言いながら走っていく。

 冬の早い日はもはや落ちかかり、残念ながら、すれ違うのは犬を連れた大人ばかり。
 小さな丘を越えた先に行ってしまう息子を追いかけて公園の中に踏み込んだら、背後から父と呼ぶ声がする。振り返ると、どこから回ったのか、公園の入り口で妻と息子が並んでいる。
「どうだ、すれ違えたか?」
 近づきながら、問いかけると、
「ダメ」と、息子がDSを出す。

 今、息子はニンテンドーDSで「ポケットモンスター 青の救助隊」を遊んでいる。「トルネコの冒険」や「風来のシレン」のポケモン版と言えば、分かりやすかろうが、新しいハードであるDS版には色々工夫がある。すれ違い通信はその機能の一つで、電源を入れたまま、持ち歩いていると、同様にしている子供とすれ違い様に無線LAN機能が起動して、お互いにデータ交換をする。その結果、なにやら素晴らしいアイテムが手に入るらしく、遠出の際にはいつもDSを持っている。
 初詣もこの調子だ。
 自転車で走り過ぎる距離が長いほど、何かとすれ違う可能性が高いから、プレイする暇もなさそうなDSをわざわざ持ってくる。

 息子は小4であるが、「青の救助隊」でインターネットにまた親しむようになった。
 公式サイトに行くと、ゲーム・タイトル通り、救助依頼の掲示板がある。ゲーム中、ダンジョンの奥で全滅したら、ここで救助依頼を出すことができる。救助依頼は昔懐かしいパスワードを打ち込む。この掲示板を見た人はそのパスワードを打ち込むと、自分の「青の救助隊」でその人を救助するシナリオが遊べるようになる。救ったら、救助後に出るパスワードを掲示板に打ち込む。救助された人はそれを入力すれば、助けられた状態からアイテムまで改宗されて、ゲームの続きができる。
 ずいぶん手間のかかるものであるが、こうして助けたり、助けられたりの関係が息子にはずいぶん面白いらしい。今度は僕が助けるぞとか言っているが、どうも、助けられてばかりである。

「こんな寂しい公園ではすれ違おうにも子供がいないじゃない」と、妻は指摘する。
「本当にすれ違いたければ、新宿か渋谷にでもお行きなさい。それとも、東京駅のポケモン・センターか」
(あるいは、秋葉原か)という言葉を私は飲み込んだ。
 あの辺でどんなキャラクターがすれ違っているやらと思った。

 ふと、DSにまつわるひとつの話が思い出された。
 私は、執筆の傍ら、ゲーム学校で非常勤講師をしているのだが、その生徒のひとりが語った話がある。
 一昨年の年末、DSが売り出された直後のコミケでの話だ。開場前の行列の中で、その男はDSのピクト・チャットを起動した。手書き文字を使った無線LANシステムで、お絵かきチャットができるというものである。
 おそらく誰かがつながっているだろうと思い、一言書いた。
「ざわっ」
 『賭博黙示録カイジ』で使われる緊張感の表現である。これまたマニアックなネタとも言えるが、そこはコミケである。通じるのだ。たちまち、手書きの文字が画面に現れた。

「ざわっ」

 どこかの誰かが同様に、ピクト・チャットを起動していたのだ。
 そして、さらに別の文字が現れる。これもまた。

「ざわっ」

 さらに、手書き文字が次々と現れた。

「ざわっ」
「ざわっ」
「ざわっ」

 木霊のように連なる様はまさに『カイジ』の一場面であるかのようであったという。

 思い立った私は息子の手からDSを受け取り、ピクト・チャットを起動する。
 さて、答える人はいるだろうか?

「いあ! いあ!」

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最後の3行をのぞき、ほぼ実話である。
冬枯れの公園を「すれ違い、すれ違い」と口ずさみながら走る息子の姿に、ハイテクを感じた。
何か書いておきたかった。
いずれ短い小説にでもしたい風情である。
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January 04, 2006

日々雑記:故郷も合併流行、新撰組!!続編

 昨日まで、一時帰省してきました。
 本日より仕事始め。
 さあ、頑張りましょう。

●故郷も合併流行

 2日に千葉の実家に帰省。今年は娘が高校入試なので、ひとりで実家に戻り、父母、家を継いだ兄、叔父代わりともいうべき父の友人などに挨拶回りをし、、2日の夜には高校時代のSF研究会の新年会があるというので参加する。もはや高校を出て25年、まだ新年会に出てくる面子がいるだけ凄い。結局、関連業界に進んだのは私以外に3名。翻訳家にゲーム会社の広報。あと、兼業ながら、UFO研究家がひとり。

 そこで聞いて驚いたのが、故郷の街も平成の大合併の最中であったことだ。
 私の実家は、八日市場市(ようかいちば・し)という。よく誤変換して「妖怪血婆」(ようかい・ちば)となるのがお約束ということぐらいの、のんきな田舎町である。明治の頃に、10ほどの村が合併して出来た市である。
 これに隣接するのが野栄町(のさか・まち)、光町(ひかり・まち)といい、私が生まれた頃は野栄町にいた。まとめて匝嵯郡市というのだが、このうち、八日市場市は、野栄町と合併し、匝嵯市(そうさ・し)となるそうだ。この一月下旬という。
 もはや故郷の地名があと一月もない、というのは驚きである。
 光町は匝嵯市になることを嫌い、隣接する横芝町(よこしば・まち)と合併し、横芝光町(よこしばひかり・まち)になる。
 隣接する旭市(あさひ・し)も、干潟町(ひかた・まち)、飯岡町(いいおか・まち)、海上町(うなかみ・まち)を吸収し、九十九里浜の北端は、北から、銚子、旭、匝嵯と広域市が広がる形になる。
 ここで、拙著『クトゥルフ神話ガイドブック』をお読みになった方は思い出してほしい。朝松健編の『秘神』の舞台、海底郡の根拠となった海上郡もなくなってしまうのである。少々残念な話である。

 3日は朝から、父の親友で叔父代わりとも言える方にご挨拶。仲人をしてくれた方である。すでに70代であるが、無類の酒好きで、朝からたっぷり日本酒を飲まされる。楽しい方であり、もとは小さな出版社におられたこともあるので、私の仕事には比較的理解もある。それでもまあ、こちらの業界は全く分からない。
 ぐでぐでになって列車に飛び乗り、帰宅する。

●新撰組!! 土方歳三最後の1日

 04年の大河ドラマ「新撰組!」の続編。近藤勇の死で終わったシリーズのその後、土方の死を描く。
 そんなこんなでグデグデになって帰宅したものの、これだけは見逃せない、と、仮休憩の後、NHKにかじりつく。榎本武揚と土方歳三、ある意味、生き方も出自も経歴も全く異なる二人のぶつかり合いがよし。吹越満が大鳥圭介がいかにも小物っぽくて味がある。
 こういうやりとりがとても「上海退魔行 ~新撰組異聞~」的でよいなあ。

●功名が辻
 今年の大河ドラマの原作である。読み落としていたことに気づき、帰省のともに購入。全4巻。現在2巻目に入り、あっさり織田信長が死んでしまったので、これからどうなるやらと。さすがに司馬遼太郎は面白い。
 
●いとしのエリー
 新年会があって、深夜に戻ってきたら、兄貴と飲んで、翌朝、仲人と痛飲という、アルコール三昧のまま、ぐだぐだで乗り込んだ電車では小説も読めない。
 そこでキオスクで選んだのが、ジャンプリミックスで復活した高見まこの「いとしのエリー」。
 20年ほど前の恋愛物で、年上の女教師と高校生の純愛物であるが、二人が恋仲になる前半ではなく、二人が引き裂かれる後半をコンビニ本2冊、計950Pにまとめたもの。
 懐かしいねえ。

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January 02, 2006

新年のご挨拶

 新年あけましておめでとうございます。
 本年も、スザク・ゲームズをよろしくお願いいたします。

 昨年中はありがとうございました。
 今年も、TRPGのデザインを中心に、様々な仕事に挑戦していきたいと思います。
 まずは、『金剛神界』と『比叡山炎上』を世に問うこととなります。ご期待下さい。

                              朱鷺田 祐介

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