『比叡山炎上』作業中。
シナリオ・ソース編での信長、秀吉、光秀の扱いにあるアイデアを思いついたので、書き始める。
うむ、これで面白くなるぞ。
●信長はラマ教?
知人から電話。織田信長がラマ教の秘術を駆使していたという説があるとか。おおお。
確かに元朝はチベット仏教であったから、元朝皇帝の側近はラマ僧である。つまり、元朝のあった鎌倉末期から室町初期にかけて、ラマ教が中国や朝鮮半島、日本に達していた可能性はある。
そして、クトゥルフ神話サプリメント「Secret of Japan」にはエメラルドのラマ僧という、ハスターの化身、いわゆる黄衣の王のラマ僧バージョンがいて、日本仏教を捻じ曲げる活動をしているという。
うむうむ、これだから歴史は面白い。
●学校が始まる
昨日から学校が始まったので、そのメモ。
第三ターム(1月~4月の13週間)は、ライター科と企画科のライティングが月曜日に2コマずつ。合計4時間。月曜日は、土曜日・日曜日のイベント疲れが残りがちなので極力避けてきたのであるが、しかたがない。
ライティングの授業は、基本的に変わらない。
毎週コラムを書き、添削し、小説を読み、感想を発表する。読み書きである。
コラムのテーマは相変わらず、「今週の面白かったこと」。ゲームネタ不可、内輪ネタ不可。
ターム開始時なので、冬休みの範囲も許可する。そこで「実家に帰りました、懐かしかった」とか、「コミケに行きました、凄かった」はダメだぞと言っても書いてくる奴が必ずいる。
それは面白いのか?
面白さが何か考えて欲しい。
まだ、お約束通り「成人式で暴れちゃいました」という奴のほうが呼んでいて楽しい。キャラとしての魅力が出る。まあ、そこで暴れた場面の描写が甘いと突っ込んでしまうのであるが、まだ可能性が見える分、よい。
ゲーム学校なので、「クリスマスは、聖地・秋葉原で寂しく過ごしました」とかいうネタもあり、自虐ネタでも面白ければよい。「同じゲーマーの彼氏は、クリスマス前に買ったゲームに夢中でした」とか。リアルにそれはどうかと思うぞ、ヒゲの彼氏(笑)
●新成人
さて、成人式で「暴れる」という話であるが。
個人的には成人式に新成人が暴れて問題になるのは、社会の対応力が落ちている証拠だと思う。
公式に酒が飲めるようになり、正月早々、田舎の旧友と再会、盛り上がっている若者が酒を飲んで暴れるのはある意味、当然である。それを大人しい器に入れようとするのが間違い。
暴れることを前提に、しつけたり、すぐ上の世代が目を光らせているべきだ。
しつけもなっていない暴れたい盛りで酒も入った20歳の若者を集めて、周りにいるのは40~60のおじさまばかりで、威圧も対抗もできない。そこで田舎だと、青年会が協力したり、あるいは、皆がもう大人で、最初から暴れる場面をわきまえていたりする。青年会が明確でない都市部ではこれもうまくいかないのだろうなあ。
それこそ神輿でも担がせたほうがいいのだろうが……。
●占い師のビジネス・モデル
もうひとつ、生徒のコラムから。
「姓名判断を受けたら、苗字がとても悪いと言われた」
えー、これは当然です。
それが姓名判断のビジネス・モデルですから。
いわゆる、占い師には、明確なビジネス・モデルがあります。
【パターン1】カウンセラー系
【パターン2】物販系
前者は、話を聞いて助言することで、カウンセリング効果を生み出すもの。手相、人相、タロットなどはこの方式の人が多い。見料が主な収入源となる。
何かあったら、どこどこの母とか言われる占い師に相談するという人がいますね。このように、割と占い師の人格や話術によるもので、リピート効果が重視される。
後者の物販系は、その人物の運命がよくない理由を見つけ、それを修正するためのアドバイスを行い、しばしば、運命を変えるための物品を販売することで販売益を得るというものである。お守りを売るタイプで、霊能系、分析系、方角術系などに多く、姓名判断はこちらに属する。これは具体的なものとして、「安心」を買えるから、お金を使って安心を買いたい人にとってはありがたいものである。西洋系の占いでも、ハーブや香油、水晶、守り石などを売る場合もある。
姓名判断のビジネス・モデルは以下のようになる。
【1】姓名に現れた運命を占う → よくない点を指摘する。
【2】よりよい名前をつける → その名前の印鑑を作らせる。
印鑑を作らせるためには、「苗字がよくない」と言わざるを得ない。名前だったら、印鑑は作らない可能性があるから。
こういうと、占い師の方を非難しているように聞こえるかもしれませんが、占い師の方はその才能と技術、そして、それが生み出す安心と霊的な安全を提供しているのです。継続的に提供するために、ビジネス・モデルが必要となる訳です。ただで占いをしていては食えない訳ですし、その人を救うために、何かが必要だった場合でも、その何かが生み出されるためには、経費がある訳です。
だから、占い師が高めの見料を取るのはよいことです。
高いならば、(ひやかしが減り)本当に占いを必要としている人およびお金が余っている人だけが来る。高い見料で生活できれば、占いが(貧しさで)濁りにくい。物販に頼らずに済む。
ところが、物販で儲かることが分かってしまうと危険です。
溺れるものは藁をもつかむ、と言います。心の揺らぎを救うためであれば、いくらでもお金を出してしまう人がいます。その不安に付け込む話術と洞察力があれば、原価5000円の印鑑が10万で売れてしまうのです。
その生徒がかかった姓名判断師がそこまで行ってしまった人かどうかは分かりません。お父上の友人だということですが、だったら、父親にも同じことを言っているはずですねえ。どうなのでしょう。しかし、開口一番、苗字が悪いという姓名判断師は少々、気をつけないといけないでしょうねえ。
ちなみ、姓名判断だけならば、2~3冊本を読めば、流派が分かりますよ。
●テキスト講読
授業の後半は、テキスト講読。今回は『異形コレクション アート偏愛』から『怪物画趣味』と、『AV女優』から『姫乃木杏奈』『永沢光雄』『刹那紫之』を。
『怪物画趣味』は有栖川有栖によるオーソドックスな怪物画ネタで連続猟奇殺人事件の話。ピックマン系ですねえ。これ以上はネタばれになるので省略。
『AV女優』は以前にも紹介しましたが、1991-96年にAV関係雑誌に掲載されたAV女優インタビュー連載を一冊にまとめたもの。
レズビアン系の『姫乃木杏奈』は入門編。出だしの歌舞伎町2丁目話がうまい。いや、ある意味、あの年代のライターが持つ何かを体現した匂いがある。入門編としては、『白木麻実』「窓の外を見てると、ディズニーランドから風船が飛んでくるの」と悩んだが、白木の写真は目線入りだったので、避けた。
『永沢光雄』は解説代わりに、本を企画した大月隆寛が、永沢を探し出してインタビューしながら、本の成立過程を紹介したもの。体裁そのものが、永沢のインタビューを踏襲している。実は、この項目が面白いといえるかどうかが、ひとつの鍵である。
ライター科にとって、永沢の姿は20年後の可能性のひとつだ。ゲーム・レビューだけで一生食っていけるかはまだ誰にも分からない。40を越えてゲーム誌で仕事をしているライターも少なくないが、編集者になったり、出版社の重役になっていたり、作家になったりした人も多い。体力勝負の攻略記事ならば、部下を使っていなければならないだろう。
SM、スカトロ、レズ、コミケと正直凄まじい人生を経たAV女優兼AV監督『刹那紫之』は上級編。まあ、19~20でこれが楽しめるのは相当の実力があるか、かなりいっちゃった奴か、どっちかだ。
今タームは途中から生徒にも作品を選ばせるので、ライター科には班分けを指示し、クラス混成の企画科は6班に分ける。1班は2月第一週にテキスト講読用の作品を探してくる。A4コピー10枚以内。
ライター科と企画科のをまとめて、翌週に配布する。
さて、どっちのセレクトのほうが面白いか、勝負だ。
●期末課題
3月末提出で、原稿用紙10枚以上50枚以内の小説。
テーマは自由。
ゲームのノベライズもOK。
ただし、その場合、以下の条件が加わる。
【1】オリジナル・ストーリーであること。ゲーム・テキストをそのまま書き写してくるのは不可。
【2】すでにノベライズが出ている場合、それをチェックし、リストを添付すること。
●ピースメイカー
ちょっと思うところがあり、『新撰組異聞 PEACE MAKER』(鐵でないほう)1~6を読み直す。新撰組最大の功績、池田屋事件を中心に、少年隊士、市村鉄之助の青春を語る。狂気の吉田稔麿とか、忍者・山崎丞とか、「上海退魔行 ~新撰組異聞~」的なネタに困りませぬな。