深淵:捕らわれし魂
数えるたびに1枚、ちゃりん。
黄金の音が1枚、ちゃりん。
昨日は東京深淵CONシキサイにて、『深淵第二版』のGM。
タイトルは『捕らわれし魂』。
●GM紹介時の予告
怪物退治の冒険は終わった。
しかし、事件は終わってはいなかった。
1年後……
●PC
ヴァルゼート・ローダニス卿
故郷を守るべく戦う騎士
運命:依存症(家紋を刻んだ指輪→菫色の公女フェレスの招く声が聞こえる)、任務(シナリオ目的)
従者トール
盗賊上がりの小者。不義の子であったことから父に嫌われてぐれ、盗賊の道へ。
運命:不義の子(父は禁断の知識に触れたもの)、(秘匿された運命)
白馬を連れた娘ディア
故郷を追放され、漂泊する少女。
運命:追放、友なる動物(→近親憎悪)
風虎のまじない師ジェイル
親子代々のまじない師。急進派で放浪癖のある父同様、魔族の手がかりを追って世界を流離う。父殺しの予言を背負う。
運命:猟犬、父殺しの予言
弓兵ヤン:騎士の部下で優れた弓兵。魔族の教団「杖の巡礼」に加わっていたが、魔族[暁の騎士]と出会い、これに帰依したことで、教団脱出を図る。
運命:教団からの脱出、帰還を待つ者
●捕らわれし魂
村に近い沼沢地に現れたおぞましき人食い巨人。
騎士ローダニス卿率いる一行は、この怪物を倒し、その宝、魔剣、魔法の盾、召喚の護符、古文書、金貨100枚を手に入れた。
一行は黄金を20枚ずつ分けた後、ローダニスがすべての名誉を、小者トールが魔剣を、少女ディアが魔法の盾を、まじない師ジェイルが古文書を、弓兵ヤンが召喚の護符を手に入れた。
そして、1年後、その中の一人、小者トールが病気で倒れたと聞き、5人は再会する。
再会して驚いたことは1年の間に、トールが大金持ちになっていたことだ。あの金貨20枚を元手に商売を始め、今や枕元に金貨40枚を積み上げていた。どうも毎日、金貨を数え直さずにはいられないという。商売がうまく行き、毎日、金貨は増えていくのだとかいう。
まじない師のジェイルは、ここ1年の間におぞましき魔族の巨人の幻影が2度も目撃されたことから、まだ事件が終わっていないのではないかと疑っていた。彼が預かった古文書の中に『12とひとつの大いなる神の集い』というおぞましき封印破壊の儀式が記述されたからである。
トールの病気はその不安な予感を刺激した。
それを敏感に察知したローダニス卿は、トールに湯治するように進める。
温泉に向かう一行は、奇怪な巨人の幻影を見る。
湯治中にも現れる新たな巨人の幻影。その恐ろしさに、少女ディアは蟻恐怖症に陥る。
蟻が金貨を運んでくる。
奇怪な現象に1年前の事件を振り返るべく、沼の怪物から手に入れた魔法の品をそろえた途端、突然、虚空から金貨が降り注ぎ、三柱の巨人の幻影が通り過ぎる。
ジェイルは気づいた。
金貨こそが呪いのもとだ。この金貨が一定数増えるたびに、魔術の儀式が進んでいくのだ。
時間が経つほどに、そして、トールが数え直すたびに金貨はどんどん増えていく。
金貨を封じなくてはいけない。
金貨をかき集め、沼に戻すことに決めた一行は今や90枚まで膨れ上がった金貨を金櫃に入れ、馬車に乗せて沼へ向かうが、途中で、金櫃の中で金貨が増え始め、ついに、重さで馬車が転倒、路上に100枚もの金貨が散乱、騎士は覚悟を決め、魔法の盾で分別した呪いの金貨30枚を背負って沼へ向かうのだが、そこには1年前、倒したはずの沼の巨人が。
すでに、金貨の呪いに捕らわれていたトールは、必死の想いで一行から離れることにするが、どうも気持ちが抑えきれず、後を追いかけ、金貨が散乱した現場に追いついてしまう。加速する事態に、他の人々も沼へと向かう。
3度に渡る騎兵突撃でやっと怪物を倒すも、呪いに捕らわれたトールが金貨を持ち逃げようとして死んだ。
残った4名は、金貨と魔剣、盾を沼に埋め戻し、事件は終わった。
しかし……今もヤンの懐には召喚の護符が。
●シナリオ・ネタ
今回のテーマは二つ「あれから1年」というネタをやりたかったこと、普段、使わない魔族を使うこと。
前者については後述しますが、後者は「魔剣」でない「魔剣」を持つ魔族「蟻の王キメデサーリ」を出して見ました。いくら使ってもなくならず、逆に増えてしまう金貨が勝手に封印破壊の儀式を進める、というのが肝ですね。
演出として、『十二とひとつの大いなる神の集い』があり、十二とひとつの星座の魔族の大物が、夢歩き限定ながら、次々出現し、プレッシャーを与えていきます。
最終的に解放されるのは、腐肉の大公キネズ・ゴーラですが、通例、ここまでは行かず、実際には、沼の巨人との戦いが最初と最後にあります。
●打上
打上は、近所の中華料理屋で。人数がいると中華料理は安くてうまいという感じになりますよね。
3ヶ月に1回しか来ない団体客を、常連扱いしてくれるのはありがたいですな。
自己紹介から始まるが、しばしば脱線し、どこか違う世界に。
前回、巫女萌えをカミングアウトした京都のZ氏が、さらに熱く巫女論を語った件はさておき、ツクダの『源氏物語』RPGをマスターしたことのある人物がいるとは。
私は歴史に詳しいT女史と、歴史談義。
なぜか話題は歴史とBLの関係に。
BL的にカップリングを楽しむ視点はすでに平安朝から成立したとか、日本史最初のカップリングは、スサノオ×アマテラス(アマテラス男神説)か、ヤマトタケル×従者ではなかろうかとか、源氏物語のもBL要素があったとか、イエスにまつわるBL疑惑とか。
●仮面ライダー響鬼 最終回
「そして、1年」というネタにした理由のひとつが朝見ていった「仮面ライダー響鬼」の最終回でした。
前回、「オロチ封印のための激闘開始!」といって引いたのですが、なぜかその激闘はOPで終了。本編は1年後から始まります。そして、響鬼、明日夢、桐矢ら主要人物の1年後が語られた。
人が鬼となり、妖怪(魔化魍)と戦う「響鬼」のテーマは「人生をどう生きるか」だったので、鬼と出会い、それに憧れた少年、明日夢が入院、レギュラー落ち、善意と悪意の葛藤などを乗り越え、多くの人を救いたいと考え、医師を目指すエンディングはそれでよいと思いますし、最後の数分間はとても素晴らしいものでした。
惜しむらくは明らかに1~2話足りなかったなと思えるシナリオ配分です。
オロチ封印の戦いが竜頭蛇尾で終わったこと、いやな奴だったヘタレの桐矢が簡単に改心し、明日夢の代わりに鬼の道を歩みだしたこと、ヒロイン持田があっさりさらわれ、改造儀式の途中で救われるも何のフォローもないことなど、とても残念でした。
前半の、2話1ブロック形式の丁寧な作りからみると、とても残念な状況であるとも言えます。
それでも、響鬼という作品は非常に面白い作品であり、仮面ライダーの可能性を見せてくれた作品であったと思います。次の「カブト」が安易なムシキングにならないことを期待します。
●RED
第19巻まで読了。
傑作なり。作劇上、多々考えることがありますが、物語のエネルギーがそれを上回って余りある。
少し落ち着いてから語ってみたい。
これを連載で読めたら、幸せであったなと思う。
**一部加筆
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