« 日々雑記:校正とかイベントとか | Main | 永遠の冬21:感謝 »

January 12, 2006

地を穿つ魔

 最近、Blogは読書日記と化している。
 資料と趣味の境界が曖昧なこの仕事であるので、読んだ本はすべて勉強である、とも、全部、楽しいとも。まあ、どっちでもよい。問題は果てしなく本を買い込む悪い癖が直らないことである。
 おかげで本の置き場所が足りない。
 読み流す本やコミックはどんどん学校に寄付したり、古本屋に売ったりもするのだが、当世資料本の類は一度手放すと二度と手に入らない。図書館で借りられる本はよいが、人気の本はそうもいかないので、やむなく積む羽目になる。
 おかげで今、仕事場は本の山状態で、暖房も出せない。寒いっす。

●地を穿つ魔
 タイタス・クロウ・サーガ第一弾。「The Burrowers Beneath」(1972)の翻訳。
 シリーズ第一弾は、地中に住むクトーニアンと人類の戦いを描く。ミスカトニック大学の教授ウィルマースが作った、対邪神組織ウィルマース財団が登場、イギリス随一の霊能者タイタス・クロウをバックアップする。
 ホラーとしては、財団が出てくるまでの、タイタス・クロウ&ド・マリニーの苦闘がいかにもでよい。館船の会見はなかなかいいですな。
 財団が出てくると途端に話が大きくなるのであるが、何しろ敵はクトーニアンである。成虫でSIZ50、地震を起こし、邪悪な精神波さえも使う。このあたりは最近のクトゥルフものに近い。
 エンディングもなかなか。いや、こうじゃないと。
 第二巻「Transition of Titus Crow」が翻訳されるのが楽しみである。

 30年前に書かれた第二世代クトゥルフ神話なので、ネタはネタですが、グ=ハーン断章などクトゥルフ神話ネタが出てくるとやはりわくわくする訳で、色々クトーニアン関係の設定が明らかになり、これは使わねば!となる。
 いやいや、でかいだけの地底怪獣じゃないですよ、シャッド・メル様

 CCD=クトゥルフ眷属邪神群(クトゥルフ・サイクル・ディーアイティーズ)という言い方はこれから流行るのかな?

●旧交を温める
 年賀状で「Blog始めました」と書いたら、イラストレーターの槻城ゆうこさんからメールをいただく。
 別冊FSGIやRPGマガジンの頃からお世話になっている方で、クトゥルフ神話コミック『召喚の蛮名』の作者と言えば、説明の必要もないだろう。最近は徳間書店の『怨霊記』など小説のカバーで活躍されている。私も、一昨年の『クトゥルフ神話ガイドブック』でも表紙や挿絵を描いていただいた。非常に知的かつ美しい方で、クトゥルフ神話や錬金術にも通じ、話していると、逆にこちらが勉強させていただくことが多い。
 昨年末にお引越しされ、心機一転、頑張っておられるとのこと。R&Rの記事で友野さんや北沢さんとTRPGをされ、ずいぶん楽しかったとか。では、今度はホラーものでもいかがでしょうか?

●リアルなムシキング
 昨夜、雑学ネタのバラエティ「トリビアの泉スペシャル」を見る。
 以前、見逃した「日本刀VS銃弾」シリーズをまとめて放映しないかと思ったのだが、放映されなかった。それでも、相変わらず、面白いネタが多い。
 「カブト祭り2005」は本物のカブトムシを世界中から集めて、リアル・ムシキングのトーナメントを実験するというものだが、カブトムシたちがリアルに技を繰り出し、相手を叩き落したり、挟んだり、ひっくり返したりするのが凄い。日本のカブトムシが健闘し、決勝では巨大なヘラクレスオオカブトを相手に1-1のタイに持ち込み、最終戦で敗れたものの、持ち上げられても最後まで必死に抵抗するなど実に見ごたえがあった。
 ムシキング好きな息子はゲームのカードを持ち出し、解説する。うんうん、分かったから、目の前の熱戦を評価してあげようね。きっと日本中の家庭でこういう展開があったのであろうなあ。

|

« 日々雑記:校正とかイベントとか | Main | 永遠の冬21:感謝 »

Comments

The comments to this entry are closed.