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February 28, 2006

授業メモ:もえけんとか、芥川賞とか

 昨日は学校。今日から原稿三昧。やること沢山なのだが、2月も最後の日である。

●授業メモ
 昨日のライティングのテキスト講読では生徒セレクトの対決第三回。

【1】ねむりの森のひめ   ペロー作
 企画科選択……って、童話かね。
 比較的原作に近い形態のもので、よく知られる「妖精の呪いで眠った姫の話」に加え、「人食い鬼のお妃との対決編」あり。意外にも読んだことがないという生徒が4分の1ほどいたりするものですよ。ドラクエ8のイメージ・ソースのひとつでもあります。(間違っても「ドラクエに似ているなあ」とは言わないように。順番が逆だから)

【2】もえけん 萌える都道府県
 ライター科選択……小説じゃないし。
 「もえたん」に始まる「萌え~~」シリーズも、流行の県民性ネタと合体した。2見開き(4P)単位で、47都道府県と秋葉原の県民性(?)を体現した萌え(方言)少女との恋愛模様をミニ・ストーリーで解説する。ネタとしては面白いし、売れてもいるようですが、小説というカテゴリーからは外れているので、このチームには再提出を指示。

【3】沖で待つ
 両選択がこれなので、文藝春秋2006年3月号より第134回芥川賞受賞作を。
 会社の同僚で、同期入社以来の腐れ縁である男女の間に続く友情。愛もセックスも絡まない不思議な関係だったが、男の急死によって、女はある約束を果たすことになる。
 よく出来た都会のファンタジー、と言っていいのかな。よく分からないや。
 そんなコメントが似合いそうな。

 相変わらず、選評をあわせ読むと面白い。石原慎太郎など作品の話などひとつもしない。以前にもそういうことがあった。芥川賞作品は必ず単行本化されるが、やはり、文藝春秋で発表時に読むほうが選評のある分、お徳である(実は価格的にもお徳なことが多いが、「沖で待つ」は他1篇が含まれ、1000円なので十分か)。

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永遠の冬22:ヴェイルゲン

 崇めよ、冬の風を。
 讃えよ、果て無き眠りを。

 砂の川原から、バッスル侯国の首都グレイドルへ向かうには三つの尾根を越えなければならない。徒歩では半月近い行程である。
 一つ目の尾根を越えた先は、グリスン谷と変わらぬ小さな村しかない山間の土地だった。砂の川原へ続く分だけ、道行きは盛んで、一日に2、3度、騎馬の商隊とすれ違った。それぞれの村は砂の川原と同じく、プラージュの神々を崇め、グリスン谷の《冬翼様》とは類縁にあったので、夜は村の祠に泊めてもらった。
「こちらが、当代お迎え役でござるか?」
 いずれの村でも、司祭がウィリスと婆を丁寧に迎えてくれた。
 わずか11歳の少年を下にもおかぬ歓待であった。

「お迎え役にして、獣の王たるウィリス殿。
 御身の件はすでに我らプラージュの神殿には伝わっております」
 砂の川原にあるプラージュの神殿によった際も、神殿長がそう言った。
「あの日、雪狼たちが伝えてきた。
 獣の王が生まれ、風見山は永遠の冬の領土となったと」
 神殿長はウィリスの前に跪いた。
「神殿長、辞めて下さい」
 ウィリスはかつての恩師に駆け寄ろうとして、婆に止められた。
「これが汝の定めじゃ、ウィリス」
 それから、婆は神殿長に向かい、膝を屈する。
「歓迎痛み入ります。
 我ら、これより『冬の祠』にて修行を致しますが、当代はまだ若年の身、よろしくお願いいたします」

 雪狼たちの言葉はプラージュの社を司る司祭たちに伝えられていた。
 彼らは歓待をしつつも、心配げに問いかける。
「永遠の冬とはいかなるものでありましょうや?」
 しかし、いまだ、ウィリスに答えはない。
 確かに、風見山は夏に至る今も雪に覆われた冬の山になった。それは雪狼の姫ネージャの領地になったのであるからしかたないことである。冬の魔が住まう場所はそうなるものだ。バッスルの北、アヴァターの高き砦にも冬の力が封じられ、夏でも解けぬ雪原が広がると言う。

 二つ目の尾根を越えるとずいぶん雰囲気が変わってきた。
 広い谷が広がり、その中央には街道を押さえるように城壁を持つ街があった。高い塔の上には弓兵が立ち、旗が翻っていた。バッスルの宝玉の旗に加え、龍の旗が翻る。
 ヴェイルゲンである。
「ここからは、ネージャ様の地ではない。プラージュの地でもない。
 冬の頭領ル・ウールと、ライエルの地だ」
 ル・ウールはバッスル本国で崇拝される冬の神である。《冬翼様》の社では、ネージャ様の叔父御となっているが、血縁はないとも言う。それでも、《冬翼様》とはご縁があり、代々の当代はバッスルの都グレイドルで、仕上げの修行を行うことになっている。ライエルは田畑の神々で、狩人や杣の少ないあたりで信じられているという。

 城に近づいていくと、開かれていた城門から、異様な影が二つ飛び出した。
 馬ではない。
 馬よりもさらに大きい。
 鱗に包まれ、巨大な顎を持った銀と灰色の巨大なトカゲといえなくもないそれは2本足で立ち、まるで鶏か何かのような感じで素早く走ってきた。
「婆!」
 ウィリスは思わず、婆にすがった。
「ヴェイルゲンの龍騎士じゃ」
 ウィリスも話だけは聞いたことがある。ヴェイルゲンには遥か南方、龍の都スイネから、やってきた小型の龍に乗る騎士たちがいるという。バッスル西方を守る軍事拠点である。先日の騒ぎで出仕した父ジードはここに通じる二つ目の尾根まで来たそうだが、ヴェイルゲンの谷には入らなかったという。
 確かにその背中には銀の鎧をまとった騎士が乗っている。槍を片手に、もう片方で巧みに龍を操っている。龍の鱗は灰色で、そこに銀飾りのついた皮の装具が着けられている。龍の頭部に見える赤い羽根ははみについた羽飾りだ。
 龍に乗った騎士たちは、ウィリスらの1歩手前で止まり、槍の石突きで街道をカチンと打った。
「グリスン谷のお迎え役ウィリス殿と、介添え役ゼルダ殿であられるな」

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グレイドル編……というか、その途中その2。
ロクド山中の治安維持をする龍騎士ヴェイルゲン騎士団登場。
次回もヴェイルゲンにて。
来週の予定。
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February 26, 2006

最後の楽園

それは最後の楽園。
秩序と平和が残る最後の城。

●YS-CON:最後の楽園
 本日は、イエローサブマリン秋葉原RPGショップにて、YS-CON。
 私は『真・女神転生X』のGMで、『金剛神界』大破壊後のシナリオ『最後の楽園』をプレイ。
 GP20。

 大破壊から20年。新宿でトレジャー・ハンターとして生きるPCたちに、最後の楽園「ブルードウェイ」を探す仕事が、ガイアースの女幹部「りえ」から与えられる。高田馬場からつながる東西線のトンネルの向こうに、まだ、発見されていないコロニーがあるというのだ。そこは大破壊とともに消滅したと思われていた地域、中野である。かつて、そこにはかつて警察学校があり、その人々がコロニーを築き、大破壊前のテクノロジーを維持しているというのだ。
 その仕事を引き受けた一行は、「無情なる神が待つ」という警告を得つつも、東西線へと乗り込んでいく。
 トンネルの守護者、ナーガを平和裏に買収した一行は、ガーディアンであるタロン、門番のビットボール×2を撃破して中野にたどり着く。そこには、マシンで身を守りながら、中野のショッピングモール、ブロードウェイとサンプラザを改造し、20年に渡って生き延びた警察学校の生徒たちと避難民たちがいた。わずかにガソリンで発電し、生活環境を維持してきた。しかし、それは間もなく限界に達しようとしていた。そして、ガイアースに知られれば、その存在はきっと略奪の対象となるだろう。

 PC一行は、そこで考える。

 中野コロニーの人々の存在を、ガイアースに伝えてもよいのか?
 そうすれば、恐らく悪魔たちは中野を襲い、全てを殺してしまうだろう。
 20年を必死に生き延びた人々が滅びるのだ。

 彼らを守るため、PCたちは残された最後のガーディアン、ゴーレムを起動するパーツを求めて、銀座へと向かい、トレジャー・ハンターのコネクションでパーツを手に入れるが、東西線の入り口に戻ると、メシア教団の尖兵である、天使がガイアースと戦っている。天使がついに最後の楽園に気づいたのだ。
 粛清を与えるべく、中野に出現した天使パワー。
 中野のコロニーを救うため、PCたちは天使と戦うのであった。

【感想】
 初めての方もいましたが、そういう訳で何とかクリア。
 PCが中野を略奪しようとした場合には、BOSS扱いのゴーレムが暴走するという展開も用意したが、そこまでは至らず。皆さん、お疲れ様でした。

●火の神
 本能寺で、信長はキリストとなった、とする竹山洋の小説を読了。
 語り手は、ミケランジェロの不詳の弟子でアジアに逃げたフェデリコ。信長が最後の晩餐を行うなど、ユニークな発想の集積。

●コミック
・多重人格探偵サイコ11

 原点確認編。仕掛けが色々明らかになっていく。

・蟲師 7
 美しき桜の話「花惑い」など、情緒溢れる物語4編。蟲師の特異な家系の物語もまたあり。
 ファンタジーRPGのシナリオ・ソースとしても魅力あり。

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February 25, 2006

ゴキブリ・ポーカーの夜

 昨日は朝から原稿、シナリオ1.5本。今日中にもう一本上げて、あれもこれも。2月は28日しかないのだよね。

●買ったゲーム
 夕方、スイッチが切れたので、アトリエサードのボードゲーム会「TNF」へ顔出しついでに、新宿西口YSでゲームの買出し。知り合いが何人か同様に買出し中。まあ、そういうものだ。
 先日、西上邸でプレイしてから、欲しかった「アフリカ」などを購入。

●TNF
 アトリエサードのイベント会場「タナトス6」で開かれる月1ボードゲームの会。

・カルカソンヌ系新作
 タイトルをメモし忘れた。コマの回収と得点計算が別アクションになったバージョン。そこは恐らくよいのだが、ポイント計算が、従来シリーズと大きく変わり、混乱した。後半、細かい回収で追い上げたが、1点足らずに2位。
 二個置けば、2回得点などユニークな点はあるが、微妙にカウントが変わるので注意、注意。

・ゴキブリ・ポーカー
 嘘つき系カードゲーム。害虫ばかり8種の昆虫のカードを押し付けあう。

「あ、これ、ゴキブリ」
「ハエだそうです」
「嘘」
「だからハエだって」

 という感じである。4枚同じものを押し付けられると負けで、ゲーム終了。
 前回は6人でプレイしてなかなか疲れたが、今回は4名の、適度にダメ人間で、またブラフのパスが通じやすい面子でプレイしたら、ずいぶん面白かった。酒が入るとさらにオカシイ。

・コヨーテ
 定番化したインディアン・ポーカー専用ゲーム。相変わらず面白い。はたから見るとかなり馬鹿ですが、そういうのがよいと。

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February 24, 2006

関連リンクに追加

女子フィギュアで金メダル。カーリング娘。たちは大人気。
これはめでたいのですが、反面、それ以外の競技が大変なことになってますね。

●関連リンクに追加
 関連リンクに、今週日曜日、秋葉原RPGショップでYS-CONを開催するイエローサブマリンの公式HPを追加しました。イベント申し込みはすでに締め切っていますが、キャンセルが出る場合もありますので、興味のある方は直接、お店にお問い合わせをして下さい。当日のキャンセル待ちについては同HPのイベント案内を参照のこと。

 当日は、友野詳先生の「ガープス第四版」、田中公侍先生の「ゲヘナ・アナスタシス」など。
 私は『真・女神転生X』のGMの予定。「金剛神界」対応で、大破壊後シナリオなぞを。

●今週の信長様
 「信長はキリストの転生」とか、
 「信長は大陸支配を目指していた」とかそういう本を読みつつ。
 今週のモーニングの『へうげもん』では、ついに本能寺の変。おおお、そう来ましたか!

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February 23, 2006

暁けの蛍

 今日は娘の高校入試。近所の都立高校に朝から出かけていきました。
 私はあいかわらず原稿中。大分、朝が辛くなってきた。

●暁けの蛍
 朝松先生の新作を読了。一休と世阿弥が幻想の中に己の半生を振り返る、室町幽玄物語。今までの室町幻想物語の集大成というべき傑作。
 なお、クトゥルフ物ではございませんので、あらかじめ、ご了承を。

●機動戦士ガンダムMS IGLOO 第603技術試験隊中間報告書
 ガンダム外伝のCGアニメのムック。「ヨルムンガンド」「ヒルドルフ」「ヅダ」編の設定集だが、タイトル通りの形式が嬉しい。

PS: 大楽絢太氏の第二作『七人の武器屋 結婚式をプロデュース!』を入手。勢いに乗っている感じがひしひしと伝わってくる。期待。期待。

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February 21, 2006

日々雑記:上海哀儚

 昨日は学校。

●授業メモ
 ライティング。生徒選択のテキストは2回目にして、短編小説を発見できず、長編の冒頭2編が登場。そして、顰蹙を買う。

【1】『Itと呼ばれた子』より、「僕は悪い子?」
 企画科の選択。
 苛酷な虐待から生き残った少年の記録から。おかしくなっていく母親による虐待が加速していく初期の場面を。問題作であるが、主人公が幼い少年なので、読みやすい。内容は虐待初期だが、十分にショッキングである。
 これを読んで、「ぬるい」とかいう感想は、どこかネジが外れているので、反省するように。

【2】吉川英治 『三国志』冒頭~「白芙蓉」まで
 ライター科の選択。
 吉川版三国志の冒頭。劉備登場のエピソードのみ。関羽も張飛もまだ出てこない、劉備と黄巾賊の話。まあ、これから面白くなってくるところ。
 これを読んで「主人公は?」と聞く生徒あり。
 「三国志演義の主人公は劉備であり、曹操は敵役」という常識は通じないらしい。確かに、曹操の方が現代的ではあるが、やはり、日本における三国志の基礎なので覚えておいてほしい。とはいえ、吉川英治(1892-1962)の時代は半世紀前だ。三国志の執筆は昭和13年である。

●上海哀儚 BLOOD THE LAST VAMPIRE
 2001年に執筆されたOVA版「BLOOD」に基づく外伝。タイトル通り、1930年代の上海と現代の横浜中華街をつなぐもの。著者、藤咲淳一はTV版「BLOOD+」の監督、シリーズ構成を努める。
 上海の歴史絵巻もまたよし。

●コミック
酒ラボ

 宇仁田ゆみの農大青春物。「もやしもん」ほどのセンスはないが、この人のゆるゆるした感性は、それはそれで心地よし。

死がふたりを分かつまで
 『スプリガン』のたかしげ宙が原作を担当する現代アクション。盲目の剣士が、予知能力を持つ少女を守るため、あらゆる物体を断ち切る単分子剣を振るう。

カムナガラ9
 クライマックス加速中。様々な怨念が渦巻く中、マガツヒが解放され……。
 『Nocturne』ではないけれど、一種通じるものもあり。

●暁けの蛍
 朝松健先生の新作をやっと購入、今、読んでますよ。
 一休と世阿弥の出会いと語り、そして、物語は幻想の世界へ。

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永遠の冬22:弔いの声

 僕は見える。彼らを。

 ウィリス11歳の夏。

 グリスン谷を旅立った婆とウィリスは、砂の川原に至り、ミネアス様の館に立ち寄った。グレイドルへの修行の旅に出るための挨拶である。
「グリスン谷の祭祀介添え役、ゼルダ。
 当代お迎え役ウィリスの修行付き添いにて、王都グレイドルへ向かいまする」
 婆が口上を述べる。
 村の守護神、雪狼の姫ネージャのお墨付きを得たウィリスはすでに、当代のお迎え役である。先代のゼルダはその後見人たる祭祀介添え役となっている。
「お役目ご苦労。
 砂の川原代官、ミネアスの名において、グリスン谷御当代を歓迎する」
 ミネアスはいかめしい顔でそう答えた後、やや青ざめた顔で微笑んだ。
「館の一室を用意したゆえ、くつろぐがよい。
 それから、風見山の一件では息子が世話になった」
 風見山の麓で水の騎士によって殺されたカルシアスは、ミネアス様のご嫡男である。
「ウィリス。幼少の身で苦労したな。
 もし、良ければ、息子の末期のこと、語ってはくれぬか?」
 そこで、ミネアス様は横に控える奥方とご家族に目を向けた。
 上品な奥方は、もはや30を越えられておられるであろうか、その横にはカルシアスさまによく似られた若き騎士が2名と御令嬢が付き添っておられる。若き騎士は二人とも成人されておられたが、おそらく18歳にもなっておられぬだろう。ご令嬢はウィリスと変わらぬ年である。そして、周囲にはカルシアスさまが率いていたのと同じ赤揃えの兵士たちが集っていた。ゾークたちの同僚であろう。
「さあ、ウェリス」と婆はうながした。
 二人とも、このことは予期していた。

 ジードが戻り、ウィリスが言葉を取り戻した数日後、婆はウィリスに言った。
「生き残った者には義務がある。
 死者のことを家族に伝えるのだ」
 そこでじっとウィリスの目を見た。
「幼いお前には酷なことかも知れぬ。
 だが、お前は御当代であり、ネージャ様の御加護で生き残った。
 その感謝を形にするのだ。
 お前が語る言葉で、死者の魂は弔われる」

 最初に、婆の薬草小屋を訪れたのは、ダーシュの母親エナだった。
 息子の死に様を聞きたいと言って涙を流した。
「僕はダーシュの横にいました」
 ウィリスはゆっくりと言った。
 水の騎士と水魔の襲撃を話した。話しながら、ダーシュが水の騎士に殺された瞬間を思い出して声が詰まった。エナは涙に咽びながら、ウィリスの体を抱いた。
「ありがとう、ありがとう」
 エナは繰り返した。
 泣きながら、嗚咽を漏らしながら。

 エナが帰った後、ウィリスは婆を振り返った。
「見えました」
 婆がうなずいた。
「あそこに」
 指差すのは薬草小屋の隅。
 ウィリスとエナが泣きながら、ダーシュの話をしている間中、小屋の隅、暗く光の届かぬあたりにずっとひとつの影が座っていた。
 悪しきものではない。
 そう感じた。
 その影がウィリスに色々な言葉を促した。
 おぼろげであった出仕の軍行の様子が細かに思い出された。ダーシュがどんな様子で旅先で野営したか、初めての軍行で苦労したか、あるいは、カルシアス様と赤揃えたちがダーシュに剣を教えようとした様子。
 エナが薬草小屋を去った時、影はもう消えていた。
「それがお前のお役目なのじゃよ」

 数日後、水車小屋のヤンの妻キアラがやってきた。残された6歳の息子がついてきた。
 彼らもまた、一家の主の死を聞きたがった。
「ヤンは僕を助けてくれた」
 ウィリスの言葉にキアラは泣いた。息子は涙目でじっと母親とウィリスを見つめていた。
 ヤンの死に触れた時、ウィリスも声に詰まった。キアラもまた、ウィリスを抱きしめた。息子も一緒に抱いた。
 それから、何度か日を置いて、村人たちがウィリスを見舞い、死んだ息子や父、兄弟の話を聞いていった。百人ばかりの小さな村だ。村人の半分以上が死んだ者の血族である。
 彼らが訪れるたびに、薬草小屋の隅に影が集い、物語が終わるたびに消えていった。

「それは風見山の麓でありました」
 ミネアス様の前で、ウィリスはとつとつと話を始めた。
 部屋の隅に集った影がひとつひとつ消えていくのには、夜遅くまでかかった。

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一月近く、合間があいてしまいました。
まだ修羅場進行中なのですが、だからこそ、心に引っかかるものを一つずつ一つずつ解決していきます。
グレイドル編へ行きたいのですが、さてさて。
次は来週になってしまう予定。
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February 20, 2006

日々雑記:ボウケンジャー

 引き続き、比叡山に潜行中、ぐねぐねしたり、もにょもにょしたり。
 日曜日はBGV代わりに色々見ながら、原稿原稿。

●轟轟戦隊ボウケンジャー

 TV朝日系、日曜日朝7時半から9時にかけてのゴールデン・タイムがあります。
 特撮戦隊物、仮面ライダー、魔法少女物(近年は「プリキュア」)の三番組が続く時間帯で、最近、面白いので見る頻度がぐっと上がりました。そして、1~2月は、この時間帯が1~2週ずらして次々代替わりしていきます。そして、ついに、「魔法戦隊マジレンジャー」が先週、大団円を迎え、昨日から始まったのが「轟轟戦隊ボウケンジャー」です。これが、トレジャー・ハンター物で、超古代文明の残した「力ある遺品」(プレシャス)を回収し、保存するのが目的。これに対抗する複数の秘密結社が登場し、主人公たちと宝を奪い合う。

 えー、どこかで聞いた設定ですね。
 まあ、近年のトレジャー・ハンター物はこのあたりに落ち着かざるを得ない訳ですが、「ブルーローズ」的には見ていて楽しいですよ。小物が多いし。

 初回も冒頭から海底神殿に眠る謎の超エネルギー源「ゴーダムの心臓」を求める冒険に突入、溶岩の海を渡るトラップ・ブリッジを渡ったり、分裂爆弾のトラップを解除したり、その挙句に、元は名トレジャー・ハンターだったレッドが、大人の風格を示しながらも、「冒険だ」とスリルシーカーぶりを見せたりしている。
 メンバーの乗るマシンが、レッドのデカトラ、ピンクの深海作業邸、イエローのブルドーザーとガテン系重機でまとめ、巨大ロボの武器がスコップとツルハシで、合体し、剣にもなる。
 新加入の黒(トレジャー・ハンターで赤と対抗意識を燃やす)と黄色(幸運の遺伝子と予知能力つき、なぜかガテン系でブルドーザー担当)が、「心臓」を横取りして逃げようとして、超古代文明の神官に奪われてしまい、超古代文明の神像復活、ロボで合体して、撃破するも、神官はひとこと「プレシャスはまだまだある」とか言った挙句に、海底から出現した龍に飲まれてしまう。新たな敵(龍の一族らしい)が出現し、次回以降も、まだまだ残る「プレシャス」を巡って争奪戦を展開する。
 30作記念ということで、なかなか力が入った感じ。楽しみである。
 新加入の黒が「ボウケンブラックなんて恥ずかしい名前で呼ぶな。往年のトレジャー・ハンター『不滅の牙』も、今はヒーローごっこかい!」とかいう台詞もあり、なかなかよし。

PS:ちなみにボウケンジャーとは「冒険者」だそうで、色々さすがである。

●何かあると開く皮の表紙

 「ボウケンジャー」からの流れで、そのまま「題名のない音楽会」へ。
 徳永英明が歌うラブソング特集なのだが、「卒業写真」の歌詞を見ていて、吹きそうになる。それは『ネクロノミコン』ですか? 『妖蛆の秘密』ですか?
 徳永さんのクリスタル・ボイスで歌われると、オーゼイユ街から聞こえてきそうですねえ。

●距離感

 「功名が辻」にて。岐阜から京都まで120キロ。馬で走って1日、徒歩行軍で3日。
 徒歩行軍の移動速度は1日40キロかい。朝から1日歩いて10時間? 1時間4キロで40キロか。
 そのまま、NHK特集で地球温暖化の脅威を聞きながら、原稿書き、2100には東北でみかんが取れて、デング熱が日本に蔓延、アマゾンが砂漠化する。二酸化炭素問題はやたら加速しそうだな。

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February 18, 2006

ダイスで選択

 色々立て込み、ジタバタ。日本史を往復してますよ。
 生存報告代わりに、メモを。

●ダイスで選択
 困ると、すぐに、ダイスで考えを決める人、いますね。
 まあ、そういうロールプレイもありますが、キャラクター選択まで、それでやられると、GMとしては辛い。特に、「深淵」では、困る。「深淵」はテンプレートからキャラクターを選択することが多いのですが、その選択の際には、

「出来るだけ、魂に近いものを」

と、示唆する。これは夢歩きなどを出来るだけ楽しむために、プレイヤーの本質に近いものを選んだほうがよいと考えるからだ。(個人的にはプレイヤーとキャラクターの完全分離は無理だと思っているが、これはいつか別に論じよう) ダイスを振って決する、というのは、迷いから解放される責任転嫁である。迷った挙句、決断の代わりに、というのは確かにそれもあるかもしれないが、最初からそうするのは、GMとして悲しい。

●イベント
 東京深淵CONシキサイから、「次は4月30日ですよ」と連絡。前向きに対処の予定。
 もう一件、先に、知人のサークルからお誘いが来ているが、割とぎりぎりな締め切りとか、別件の打ち合わせを兼ねた何かが入りそうな予感がするので、お待ちいただいている。

●コミック
カペタ 10 曽田正人
 フォーミュラ・スクール編。ついに、カペタがレーサーに乗る。

紅壁虎(ホンピーフー) 1 山本貴嗣
 タイトルは中国語で「紅ヤモリ」。中国系の女性暗殺者の話。山本さんは強くて色気のある女性を描くのが得意である。

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February 14, 2006

日々雑記:バレンタイン

 世の中は聖バレンタイン・デイで、チョコレートが乱舞しているそうですが、在宅の物書きは外出しないので、関係ないです。まあ、妻と娘から義理チョコをもらったので、それでよし、ということで。

●雑学マニアはオタク?
 さて、聖バレンタイン・デイの始まりに関して。チョコレート屋と広告代理店の陰謀はさておき、一応、ローマ時代、ひそかに恋人たちの間を取り持ったキリスト教の聖人の事跡がもとになっております。娘が、この話を中学校でしますと、驚かれたそうです。

「なんで、そんなことを知っているの?」と。

 どうも仕事柄か、私も妻も雑学はまあ当然のたしなみというところがあり、娘もその延長にある訳なのですが、どうも世の中はそうでもないらしい。
 まあ、そこはよいのですが、その後に、出てくるのが。

オタクじゃないの?

という言葉。まあ、娘がオタクであることは否定はしませんが、アニメでもゲームでもない、誰でも知っていそうな雑学を披露して、オタク呼ばわりされるのはちょっと困ります。あえて言えば、その程度の低いラインで、オタクかどうかを判別しないで欲しいというのが本音。
 もしかして、自分にない知識の持ち主はみんなオタクなのかな?
 ちょっと、ドキドキします。
 あ、ちなみに、昨年末のTVチャンピオンの『アキバ王コスプレ選手権』以来、近所の小中学校では「萌え~」が流行語らしいです。意味不明に「萌え~、萌え~」と叫ぶとか。

●授業:中島らも 対 高田馬場探偵局
 昨日は学校。今回より、企画科とライター科の推薦短編を対決させる。

【企画科推薦】中島らも こちら日の出通り商店街 いきいきデー
 中島らも版『バトル・ロワイヤル』というべき、不条理コメディ短編。「天ぷら屋が襲ってきた」という一行目で全てが語られるべき傑作。短編集『白いメリーさん」収録。

【ライター科推薦】高田馬場探偵局 第226話 「白雪姫と七人のこびと殺人事件」
 サブカル系の同人誌「PLANETS」1号より。高田馬場のカラオケ屋で起こる殺人事件。W大ライトノベル研究会にひそむ奇怪な人間関係をカラオケの内容から推理する……ってミステリじゃないです。いわゆる、近代オタク事情解説的な作品。犯行動機の一行に涙するか、笑い飛ばすかで評価は分かれるはず。
 ……というか、最初から同人誌かよ!

●拝み屋横丁顛末記
 妻の友人から借りて読む。コミック。タイトル通り、拝み屋が集まる横丁で起こる怪事件を中心にしたコミカル・ドラマの連作短編。主人公は霊感のない高校生だが、元拝み屋の三老人、冷酷な大家、年中ネタに詰まっている女流作家、霊障を招きやすい美少女、横丁にいついてしまった明治の書生の幽霊などなどが織り成す物語。
 傑作。

*中島らも関係、加筆修正

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February 12, 2006

黎明に叛くもの

●宇月原晴明「黎明に叛くもの」
 読了。
 松永弾正久秀を、ペルシアの暗殺者アサシン教団の末裔、波山とする戦国伝奇ファンタジー。
 美形の傀儡使い、松永久秀が戦国を生き抜き、己の道を邁進する姿に、斉藤道三、織田信長、明智光秀が複雑に絡み合う。
 傑作なり。
 冒頭、信貴山城に、異国の地を重ねあわすその手妻はまさに神妙。

 『比叡山炎上』でも、この怪老人は登場させる予定だが、これはなかなか凄まじい。松永の東大寺焼き討ちはこの上を行かねば。

●パソコンはどのように便利ですか?

 小4の息子が持ち帰った「小学生作成のアンケート」に答えてみる。
「どこが」とか、「どの機能が」という、機能やポイントではなく、
「どのように」と、その描写を問われてしまったので、擬音で答えるしかあるまい。

「うねうねと」
「もぞもぞと」
「ほのぼのと」
「ぐねぐねと」
「しゃきしゃきと」

 さて、あなたのパソコンは「どのように」便利ですか?

●魔法戦隊マジレンジャー
 最終回。「赤くて黒いクトゥルフ」絶対神ンマが時間を喰らったり、悪の大幹部ダゴン神が粛清したはずの眼鏡委員長系スフィンクスに謀殺されたりと色々ありましたが、最後まで家族の絆できちんとまとめました。さすが。
 次の「轟轟戦隊ボウケンジャー」が、どうもオーパーツ物のようなので、「ブルーローズ」的に楽しみである。

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February 10, 2006

イベント予定

 色々締切が爆発中。長女の高校入試とか、図書館で宇月原晴明の『黎明に叛くもの』を見つけてしまうとか、色々大変なのですけど、とりあえず決まったので、イベント予定をお知らせ、お知らせ。

2月24日(金)
 アトリエ・サードのボードゲーム・イベント TNF
 毎月20前後の金曜日夜7時半から終電まで、ボードゲームで遊ぼう、というもの。
 その他、鈴木銀一郎先生が遊びに来られています。 

2月28日(日)
 イエローサブマリン 秋葉原RPGショップにて『真・女神転生X』

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February 09, 2006

バッテリー 4

 もどかしくも、心地よい物語。

 年末に、あさのあつこ「バッテリー」の第四巻が文庫で出ていた。原稿の隙を見てやっと読了。
 新田東中に入った天才ピッチャー原田巧は、信頼するキャッチャー、永倉豪とバッテリーを組むが、近隣の強豪、横手中との練習試合でめった打ちに合う。ギクシャクし、会話さえできなくなる二人。チームの監督は見かねて、キャッチャー変更を命じる。一方、中途半端だった試合に満足しない横手中のスラッガー、門脇と瑞垣が新田を訪れる。

 原田巧と永倉豪の関係は、あまりにもピュアで、幼くも、(野球に対して)真摯であることがどれほど貴重で、同時につらいことなのか? ゆえに、周囲の行動が魅力的だ。吉貞、瑞垣、青波の行動が不思議なほどに魅力的である。

「中学生で、運命の出会いができるか?」

 そういう問いに対して、私は「YES」と答えよう。

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February 08, 2006

香菜三昧、『真・女神転生X』投稿などなど

 昨日は打ち合わせ。『『比叡山炎上』の構成を詰め、大詰めに。これから大騒ぎである。その他、色々打ち合わせし、また企画書も書かねば。頑張ります。

●『真・女神転生X』:投稿、投稿
 『比叡山炎上』が終わり次第、とりかかるいくつかの企画もちょっと打ち合わせ。『真・女神転生X』も、ミレニアムの話をしつつ、あれこれ準備中。
 いくつか投稿が到着中。ありがとうございます。
 長文のものもあり、『真・女神転生』シリーズの底力を感じます。ご意見、ご感想も含めて、皆さんの声がシリーズの力になります。JIVE公式ホームページ質問コーナーにメールアドレスがありますのでこちらからどうぞ。

 少しだけ投稿のコツを。

【1】熱意をダイレクトに
 要望系の投稿は、ぜひ、ここがいい! あれを作って!という熱意をダイレクトにぶつけて下さい。
 「ギリシアな神様をぜひ!」というメールをいただきました。ギリシア系の神様はかなり多いので、どのあたりがよろしいでしょうか? 『真・女神転生』的にいうと……。

 A:おっぱいが100個ある美の女神様
 B:おっぱいな片方なくなっていそうなアーチャー系狩りの女神様
 C:モビルスーツの名前にもなっている武闘派の女神様
 D:超古代地中海文明の女神様、これもピンクのMSだな。
 E:「男」というより「漢」な、地中海の覇王様、トライデント付き
 F:ヘカトンケイル
 G:その他

 並べると割と変。

【2】長文は添付ファイルに
 長文も増えています。ありがとうございます。
 長文はメールに添付して下さい。メモ帳のテキストをそのままメールに張るのは……。
 あと、ネットワーク上のURLを張るのは避けて下さい。我が家のPCのセキュリティ・ソフトが何か言い出してドキドキしました。
 以下、意訳。

ソフト:警告します。Hで俗悪なサイトにアクセスしようとしています。
私:いや、そんなことはない!(なぜか声が上ずる)
ソフト:何かHで俗悪なファイルをダウンロードしようとしていますね!
私:いや、仕事だ、仕事。だいたい、読者投稿をHで俗悪などというかああ!
ソフト:危険なキーワードが含まれています。「悪魔」とか。
私:あ、キッズ・ガード、OFFにするの忘れていた。

 投稿なので、送って下さい(笑)

追記:2月26日、イエローサブマリン秋葉原RPGショップのYS-CONで『真・女神転生X』をGMすることになりました。詳細はまた近づいたら。

●ソビエツカヤ

 NASAが人工衛星でまた南極の氷の下に、古代の湖を発見した。→ニュース元
 南極の地底湖としては、ボストーク湖が有名であるが、クトゥルフ神話的には、ここはやはり、「テケリリ、テケリリ」と言っておくべきか。「ブルーローズ」のネタとしてもいいなあと思っていたら、ニューギニアの秘境では、新種生物60種以上発見とのニュースが。まだまだ未踏の土地があるのだなあ。

●香菜三昧
 最近、我が家は香菜ブームである。
 香菜(シャンツァイ)は中華料理系のハーブであり、東南アジア系ではパクチーという。原産地は地中海、東欧で、英語名ではコリアンダーである。セリ科の植物でさっぱりした鮮烈な香が特徴で、癖になるが、ダメな人はたぶん多いだろう。
 東南アジア系の麺でよく上に乗っているが、パスタにもあう。
 最近は、普通の袋ラーメンにも乗せる。それだけでちょっとエスニックな気分である。ニョクマム(魚醤)をちょっと足すと、サッポロ一番が妙にベトナム風に。
 お茶漬けに葉っぱ1枚乗せてみたら、ずいぶんと雰囲気が変わって美味しかった。これは発見発見。

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February 07, 2006

日々雑記:話を聞いたり、聞かなかったり

 昨日は学校。4コマ授業をした後、講師連で夕食をとりながら、情報交換。店を出たら、雨が降っていて、間もなく雪に。放射冷却で一気に冷えましたね。今日も打ち合わせがあるのだが、電車が止まらなければいいな。

●話を聞かない男、地図を読めない女
 授業はライティング。
 テキストは「話を聞かない男、地図を読めない女」と、「〈映画の見方〉が分かる本」より『ロッキー』。

 「話を聞かない男、地図を読めない女」は、男女の性差を、脳の構造から考えるというベストセラー。ややトンデモな瞬間もあるが、生物的な意味合いでは面白い。男脳女脳テストはやや米国人向けであるが、こういうアンケートをすると面白い。
 あと、この本ではP68の男脳、女脳の構造図が秀逸。男の脳の中心にはセックスがあり、冷蔵庫や食器棚の中身を探す能力は豆粒ほどしかない。これはぜひカップルで読んで笑って欲しい。
 ええ、僕も冷蔵庫の中のバターを探すのは苦手ですよ。

 「〈映画の見方〉が分かる本」は、映画秘宝で活躍中、町山智浩の映画レビュー集。やや少し古い本であるが、なぜか生徒のひとりが読ませたいと持ってきた。それも『ロッキー』を推奨。
 おい、お前は幾つだ(笑)
 ちなみに、『ロッキー』を見ていない生徒はライター科では18名中6名、企画科で14名中2名。まあ、『ロッキー』第一作の頃には欠片も存在していなかった訳だから、しかたない。
 今年最新作が出るので、それまでに、ぜひ見るように。

 あと、表紙になっている『時計じかけのオレンジ』は傑作なので、チェックすべし。
 特に、有名なあのシーンとか。
 ちなみに、これはSFなので注意。当時はSFだった(おそらく過去形)
 原作小説へのエントリーを横に置いておきます。

●鉄のラインバレル
 生徒から「ぜひ読んで下さい」と1、2巻を渡される。
 どこかから飛来した巨大ロボット型の何か、マキナを巡るロボット・アクション。1、2巻は主人公が覚醒し、マキナの力を手に入れて暴走、マキナを巡る戦いに巻き込まれていく過程を丹念に描く。傑作。

 この他、借り物のアニメDVD多数。いつ見れるのかな。
 特に、シーマ様。

●ンマ様
 忘れないうちにコメントを残す。
 次回はすでに最終回を迎える「魔法戦隊マジレンジャー」であるが、最終BOSSの絶対神ンマ様が、蛸頭の巨人で蝙蝠翼つきという、クトゥルフさま形態で、圧倒的な破壊力を行使中である。天空聖者たちの住まう天空世界マジトピアは全滅、地上へ降臨するという展開である。配下の邪神10人衆の筆頭が、魚頭のダゴンであるとか、眼鏡っ子のクール系女性スフィンクスとか、微妙に神話要素が散見される。

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February 06, 2006

上海退魔行NPC:オーベット・マーシュ

「時はまもなく来る。星辰の整いたる時は近い」
「そうやって、全てを失うのか? 愚かしい」
「富が空しいと思う時もあるさ」

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「上海退魔行 ~新撰組異聞~」お蔵入りNPC第三弾。
インスマス中興の祖、オーベット・マーシュ船長。
逆算すると、このあたりで太平洋をふらふらしていそうである。

割としゃれにならない状況なので、生存報告代わりに。
あと、南北戦争末期のあのと、会津大好きの外国商人が残っているのでいずれ機会を見て。
いや、先週土曜日「BLOOD+」はグレゴリイ・エフィモヴィッチで反応してしまった。
アナスタシアではなく。「ブルーローズ」好きは是非どうぞ。
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オーベット・マーシュ
男性 年齢50
属性:火 国籍:アメリカ   レベル3
主星 冒険家  伴星 魔術師/シリアル・キラー
知恵7 身体8 地位12 魅力1 敏捷6
運気10 堕落10 生命点32 社会点48

【特技】 
邪悪な顔
悪夢の誘い

恐怖
スプラッター・アクション
ヒュプノス
エレメンタル(水)
謎の秘密結社(ダゴン秘密教団)
(対応天命の特技すべてを修得)

【キーワード】
プラス 黄金3 冒険3 邪神5 不老不死3
マイナス 貧困4 信仰3 キリスト教3 アジア4

 米国マサチューセッツ州インスマウスからやってきた魚顔の船長。南太平洋で海の魔物<深きもの>と出会い、ダゴン秘密教団の秘儀と黄金を獲得する。魔道書『ネクロノミコン』を所有し、堕落が加速している。

【シナリオ・ソース】

「キャプテン・オーベット」
 南太平洋の冒険で、大量の黄金を持ち帰ったアメリカの冒険商人オーベット・マーシュが上海に上陸、その不気味な容貌と多額の資産、そして、上海オペラ座の名華マリア・タリオーニのスポンサーになったことで注目を浴びる。
 そんなおり、英国人貿易商ジョナサン・クロウリーがPCたちに救いを求めてくる。マーシュが彼の娘ローズを自分の妻にしようと脅しをかけてきたのだ。彼とローズはすぐさま結婚し、子供を作る運命にあるのだという。
 マーシュの調査に当たったPCたちはマーシュが南太平洋で不気味な怪物と契約を結んだ魔術師であり、稀代の魔道書『ネクロノミコン』の所持者でもあるというのだ。

「闇の呼び声」
 ノース・チャイナ・ヘラルドと海援隊、独逸帝国空軍が企画した南太平洋探検隊。しかし、その企画者エインジェル教授が奇怪な死を遂げ、不気味な悪夢をつづった日記が発見された。教授を殺したのは誰か? そして、南部湿地帯に出現した怪物たちの正体は? 
 坂本龍馬の依頼で事件の真相を追うPCたちは、やがて太平天国の残党から、彼らの水上都市「海上天国」がダゴン教団に乗っ取られたと聞く。独逸帝国空軍の支援を得て、PCたちは海上天国のマーシュ船長と対決する。

会党 ダゴン秘密教団
海底の邪神クトゥルフを信仰する邪教結社。世界各地で密かに活動し、邪神復活の陰謀を進めている。
【キーワード】
プラス 邪神5 不老不死3 海4
マイナス キリスト教4 科学5 治安維持4 道徳3

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February 02, 2006

投稿感謝&芹沢鴨の過去

 朝から原稿原稿。色々多忙ですが、頑張ります。『永遠の冬』の続きは少々お待ち下さい。

●投稿感謝
 JIVEさんより、早速、投稿メールが転送されてくる。
 ありがとうございます。
 西上と一緒に検討し、『TOKYOミレニアム』製作の参考とさせていただきます。

・次回製作希望悪魔として要望のあったものをメモ。
 プルシキ、十二神将、邪神パレス、和風妖怪系、クトゥルー神話系などなど。
 えー、ネミッサは……。

●芹沢鴨は神官
 別件で再調査中。『新撰組!』の影響で、芹沢再評価が進み、故郷の茨城県玉造町が芹沢の過去を調査しています。近年、分かっている情報をまとめると……。

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芹沢鴨(せりざわ・かも) 1830?-1863

本名:芹沢光幹(せりざわ・みつもと)
別名:下村継次(しもむら・ことつぐ)

 茨城県玉造郡玉造町大字芹沢字御殿に生まれる。玉造の豪農、芹沢幹基の三男。足利時代から続く武将の家柄で、郷士上席の扱い。長兄は早世し、一度は他家の養子となった次兄多氣二郎が家業の薬師業を継いだ。
 神道無念流を学び、免許皆伝となる。
 松井村の神官下村祐斎の婿養子となり、下村継次と名乗り、松井鎮守の丞殿神社と磯原の天姫神社(天妃山弟橘媛神社)の2代目神主となる。
 勅書降下事件に際して、天狗党の母体となる玉造組に参加したが、藩内の政変で捕えられ、死罪となるところを清河の献策で水戸藩にも波及した勤皇派恩赦で生き延びる。

 以降、芹沢鴨を名乗り、江戸へ。翌年、新撰組の母体となる浪士組に参加する。
 初代筆頭局長となるも、文久3年(1863年)9月16日(18日とも)、新撰組屯所内で近藤一派に暗殺される。酒乱による乱暴狼藉が原因と言われている。
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 芹沢鴨が神官出身という話は聞いていましたが、弟橘媛(オトタチバナヒメ、ヤマトタケルの奥さんで海神の怒りを鎮めるために海へ身を投げる)を祭っていたとは知りませんでした。
 天狗党の資金集めのために、佐原の豪商と交渉したり、飲んで、鉄扇をふるって暴れたり、清河八郎が訪ねてきたのに飲んでいるからと会わなかったり……新撰組時代に通じる活躍をしてますね。

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