深淵:葬送の海
昨日は東京深淵CON~シキサイ~にお邪魔して、「深淵第二版」を回してきました。
今回は、久しぶりにテンプレート決め打ちで5名ということで、比較的初めての人もおり、ドキドキしながら、南海の旅を。
●GM予告
南海の果てにある、海神の島へと向かう人々が体験する数奇な運命。
波涛の彼方に彼らが見るものは何か?
●指定テンプレート
原蛇の魔道師
プラージュの下級司祭
吟遊詩人
傭兵
白馬を連れた娘
●キャラクター
禁断の知識を求める原蛇の魔道師アザル・ストーウラ。魔道書の導きにより、渦の大公グビレーの無限図書館の存在を知り、青の島へと向かう。そして失踪した妻ステラもまた、その島にいると知り……。
(運命:禁じられた知識 > 知識の探求に取り付かれた存在。知識の探求(5)。その代わり、シナリオに1回、無条件で知識技能の判定に成功する)
(運命:失踪)>妻ステラ
渦の王の住む青の島を探索するプラージュの女性司祭ログコア。しかし、彼女の魔力は神より下された「無垢」の恩寵により、すべての魔力が失われていた。
(運命:任務。>渦の王の支配する青の島の探索)
(運命:無垢) すべての刻印を失い、魔法から隔絶された身となる。魔法への抵抗に+10.ただし、魔法を受け入れると、過大な反動が……。
魔法の白馬ロビンと愛で結ばれた少女リュシカ。死の予言を受け、ロビンと「永遠の愛」を生きるため、ロビンの父祖であるグビレーの宮廷を目指す。
(運命:友なる動物/白馬 → 白馬の運命:魔族の血:渦の大公グビレー)
(運命:死の予言)
自称、世界一の吟遊詩人アエネアス・レーギウス。その魂は邪悪な魔剣と狂気めいた妄想に支配され……。
(運命:魔剣 → 海の亡霊の腕ダスールの魔剣<真珠の曲刀> 特殊効果:海の亡霊群の召喚)
(運命:妄想 → 自分は世界一の吟遊詩人である)
黒き翼の手先なる傭兵カテキン・ミディペット
(運命:教団からの脱出:教団<暗黒の塔> 黒き翼ガープリスの教団)
(運命:呪われた出自:幻視者の血筋 (夢歩き+5))
●魔性の海
まず、物語は嵐の海から始まる。
稲妻が天空を走る。一行が乗り合わせた船は嵐に会い、木の葉のように揺れている。おぞましき嵐の魔神が海原を駆けているのか? それとも、天空で、妖精騎士と魔族の騎士が戦っているのか?
波間には、巨大な鯨の姿も見える。
そして、天空より落ちた稲妻の槍は打ち砕き、一行はそのまま、嵐の海へ。
巨大な鯨が大きな口をあけて迫ってきているではないか?
●大魚の胎内
気づくと、鯨の胎内にいた。
ここでやっとお互いに自己紹介をし、協力して脱出を考えることにするが、どうも、色々見えている人がいたり、魔族の血を引く馬ロビンの言動が妖しい。
とはいえ、このまま、鯨の栄養にもなりたくないので、潮吹き孔を抜けて外へ。
●破壊された島
鯨の胎内から出ると、そこは青の島の入江である。
浜辺の街は稲妻で焼き払われ、人影もない。
そして、島の中央にそびえる小山の頂上には魔力を放つ封印の槍が輝いている。
ここで、あの封印の槍を抜くことこそグビレーの宮廷、あるいは、無限図書館への道だと知った一行はバラバラになるながらも、山の頂上を目指す。
封印の解放が生み出す危機を熟知したアザルは、グビレーを解放せずに、その道を開く方法を思い出す。
封印を守護する魔物を殺してしまわぬまま、槍を一瞬だけ引き抜き、扉が開いた瞬間に飛び込み、外に残った者がそれを差し直す。魔物が生き残れば、そのまま封印を保持し、世界の破滅を免れるに違いないと。
しかし、この賭けには一つの罠が隠されている。
嵐の中、船を破壊したのは妖精騎士。
島を焼き払ったのも妖精騎士。
封印に揺らぎがでれば、すぐさま彼らが現れ、試みたものを焼き払うに違いない。
時間はわずかしかないのだ。
●封印を巡る戦い
槍の周囲にいた守護者の魔物は3体。
石化の力を持つ半蛇の女魔族、【庭園の貴婦人キスネスク】と骸骨兵2体。
傭兵カテキンが突っ込み、骸骨兵を引き寄せる間に、ロビンに乗ったリュシカとラグコアが横から回り込む。反対側からはアゼルがひとり忍び寄る。
2体の骸骨兵に囲まれた傭兵が苦境に陥り、吟遊詩人が魔剣を抜いて走る。
リュシカはロビンを駆り、キスネスクの横をすり抜ける。リュシカはラグコアに槍を抜かせようとするが、世界の破滅を恐れるラグコアはためらい、ロビンの背を降りて、槍に背を向ける。キスネスクが振り返り、リュシカに迫る。厳しい状況に、リュシカは自ら槍をつかみ、恐ろしい封印の力を打ち破って、槍を引き抜く。
開かれるグビレーの無限図書館への扉。
ロビンとともに、飛び込むリュシカであったが、封印の槍を持ったままであった。
このままでは魔神グビレーが解放され、世界が破滅すると知った、ラグコアは追いかけて、扉を抜け、リュシカを切り伏せる。倒れる少女から槍を奪ったラグコアは再び扉を出て、封印の槍を突き刺し直す。
それはたとえ【無垢】の加護の助けがあっても、もはや、人の子の出来る行動ではなかった。
ここで命の尽きたラグコアはそのまま大地に倒れる。
ラグコアの献身にも関わらず、運命の傀儡たちは貪欲であった。
妖精騎士の蹄の音が天空に響きだした瞬間、妖精騎士の血に目覚めながらも、無限図書館への思いを断ち切れぬアザルは再び、槍を抜き、自らもグビレーの宮廷へと逃げ込む。彼らが大地を再び、焼き、封印を蘇らすだろうと信じて、槍をその場に残し、扉をくぐったのだ。すでに魔族の手先であったカテキンもその後を追う。
●終焉
残されたレーギアスは吟遊詩人として、異世界に封じられることをよしとしなかった。彼は命がけで歌い、吟遊詩人として、妖精騎士の偉業を語ることを誓った。魔剣を捨て、苦痛の刻印を受け入れたレーギアスは、妖精騎士の魔法で遥かな岸辺へと送られた。
そして、リュシカは無限図書館の床に横たわりながら、人の姿で自らを抱きしめるロビンの声を聞いていた。
「ずっと一緒だよ」
-FIN-
●感想
ちょっとタイトルとは違う方向へ流れてしまいました。
海でのイニシエーションの話をしようと、鯨に呑まれる話を長引かせたのが敗因かな。
今回は、グビレーの宮廷にある無限図書館を求めるシナリオですが、いつもは味方っぽい妖精騎士をシナリオ・エンドに使って見ました。
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