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May 02, 2006

雷雨の中で墓穴を掘る

 朝から雷雨。
 昨日は30度の猛暑で、死にそうになりました。慌ててクーラーをいれましたが、あまりの気温差にぐったり。

●雷雨の中で墓穴を掘る

 ややダークな話を。

 朝、起きると、我が家の庭によく遊びにきていた猫が死んでいた。我が家の庭は狭いながらも、オープンで、植物が多いので、よく日向ぼっこに来ていた。外傷がほとんどないことから、車にはねられたか、昨日の猛暑でどこか体調を崩したのかは分からないが、かわいそうなので、タオルに包んで、庭の片隅に埋めてやることにした。

 今日は午後から強い雨が降るというので、小雨のぱらつく中、合羽を着て、庭に穴を掘り出すが、あまり深く掘らないうちに、砂利交じりの硬い粘土層にぶつかり、難渋しているうちに雷鳴が響き始める。
 とはいえ、目の前には中途半端に掘った穴があり、家の中にはタオルに包まれた猫の死体がある。いま、辞めるわけにはいかない。
 雨が強くなり、稲妻が光り始める中、金属シャベルを握って硬い土と格闘する。
 稲妻と雷鳴の間隔が狭まっていく。

(1、2、3……1キロかい……)

 こういう時、余分なイマジネーションというのは危険なもので、私の脳裏には、ハマー・プロばりの映像が浮かんでいる。

 雷雨の中、両手を泥だらけにして穴を掘る合羽の男……。
 輝く稲妻、轟く雷鳴、その間には土を掘る音が続く。ざく、ざく。

 ホラー映画に出てくる墓泥棒か、死体を隠そうとする殺人犯の気分。
 
 さらに、雷鳴がどんどん近づいてくるというのに、金属シャベルを振るっているというのは、明確な自殺行為のような気もするが、死者にしてやれることはこのぐらいしかない。
 合掌。

●ダ・ヴィンチ・コード
 遅まきながら、読了。いわゆる、レンヌ・ル・シャトー関係の話をベースにした、伝奇ミステリー。映画公開に間に合ってよかった。軽快な歴史ミステリーで、ダ・ヴィンチの作品やスケッチを元にしたアイデアが面白く、これはうまいと感じた。
 謎の中核にある、シオン修道会の話は、宗教学や歴史学の分野では20年ぐらい前から議論されており、私も、昔、光栄(現・コーエー)さんの雑誌で、『大航海時代』の読者参加ゲームをやったときに、ネタとして使ったことがある。あの時はインド到達前夜の設定だったので、まさにテンプル騎士団の財宝という話になった。「ブルーローズ」のネタにもした記憶があるなあ。

 「ダ・ヴィンチ・コード」では、これに、現代の原理主義宗派「オプス・デイ」を組み合わせる。それは、当然の対比とも言えるが、アルビノの修道僧まで含めて、ずいぶんと、デジャブーを感じさせる部分がある。「薔薇の名前」とか、色々思い出すものがありますねえ。「レンヌ・ル・シャトーの謎」を読んで構想したのは明確ですね。日本では10年ほど前に、荒俣宏さんがこのネタで「レックス・ムンディ」という伝奇ミステリーを書いており、それもまたかなりの怪作ですので、興味のある人にはお薦め。
 いや、まず、「レンヌ・ル・シャトーの謎」を読まれるとよい。

●コミック
・センゴク 9

 織田軍団に襲いかかる武田無敵軍団。一般的な信長物だと、三方ヶ原の迂回戦術で終わる前の多方面戦術を丁寧に描いているあたりがよい。
 山形昌景が表紙になるなんて、普通ないですよ。

・機動戦士ガンダム MS IGLOO 603 第二巻
 ジオンの試作兵器開発秘話を描くCGアニメのコミック化第二弾にして完結編。
 オリジナルの海洋ビーム砲VS水中用ボールの対決、ズダの話、機動偵察ポット「バロール」の三話に加え、エンディング代わりに、主人公が試作兵器評価に進んだ理由を語るエピローグ。
 個人的には、ズダ編で、オデッサから撤退してきた地上用ザク-Jが、宇宙で溺れるシーンにもっと悲壮感が欲しかったなと。宇宙に撤退するのに、地上用MSを持っていかねばならないあたりですでに、ジオンの悲劇というべきかもしれない。
 続編がガンダムAで続いているので、それを楽しみにしています。

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