日々雑記:フローレス島のホビット、神統記
神話本の原稿で、ギリシア神話と格闘中。
●愛の神の誕生
ヘシオドスの『神統記』を片手に、ギリシア神話の創世神話を読み直し、混沌から生じた最初の三柱の神が、ガイア、タルタロス、エロスであることを確認する。大地母神であるガイア、煉獄ともいうべきタルタロスは分かるが、不死の神にして、人の思慮と気力、体力を奪う愛の神エロスがここに含まれているあたり、ギリシア人の業を感じさせる。
夜が出来る前、というのも、また。
●フローレス島のホビット
神話つながりで、インターネット検索をしていたら、「フローレス島のホビット」という、昨年発見された超小型人類の化石の話が引っかかる。詳しくはHot Wiredのニュース記事へ。
これは面白い。小人族が本当に存在していた可能性が出てきた訳ですね。ここで、通称、ホビットと名づけるあたりが、最近の発見である。
●SFマガジン 2005年1月号
ライティングの授業で読ませる短編を探していて、発掘。
SFマガジンは、早川書房から出ている専門誌です。SMマガジンでありません(ベタベタなネタですが、よく間違われるし、昔、注文したら、間違われたこともある)
一昨年の末になくなられたSF翻訳家・矢野徹先生の追悼特集でした。
矢野先生の翻訳で数多くのSFを読んだ。また、大学生の頃、SF大会などに出入りしていた時代に、宿泊会場で先生が開かれていた『狂乱酒場』で何度か飲ませていただいたこともある。近年はSFファンダムから離れていたので、お葬式も知らなかった。店頭でこの号の表紙を見た時にはずいぶんショックだった記憶がある。
久しぶりに、「さまよえる騎士団の伝説」を読み直し、生徒に読ませることで、おそまきながら、矢野さんへのお別れの言葉にしようと思った。
●さまよえる騎士団の伝説
追悼特集で再録された短編。
ドイツ留学中の日本人学生とドイツ系の女子学生が、さまよえる騎士団の伝説を追って、辺境の村へと向かう。そこで起こった事件とは?
初出は1974年。
『昇天する箱舟の伝説』に収録。
●風に乗って
同じSFマガジンに掲載された草上仁氏の新作。
地球人調査隊に捕獲された植物型知性体のエイリアン。「ゲスト」という名目で、拘束される彼らを待ち受ける運命とは?
愛らしいイラストと、エイリアンの動きが印象に残る一編。
●心にひそむもの
同じSFマガジンに掲載されたデーモン・ナイトの社会風刺系SFの短編。1952年の作品。
犯罪的な精神傾向を抑圧する革命的な治療方法が開発されたが、そこにはおそるべき暗黒の未来への可能性が秘められていた……。
時期的に、色々、思い当たるものを感じる一作。ちなみに、これに近いことがもうすぐ出来るようになりつつあるのもまた真実。
●リーンの翼1
コミック版1を読了。忠実なコミック化ということで。
●ゼーガペイン
夏休みへ突入。夏祭り編で、ロボットは全然出てきませんが、色々舞浜サーバーの謎がさらに深まってきて、どんどん面白くなってきています。主人公のクラスメイトや教師たちの恋話とかもうまく描かれていて、いい。
映研の先輩の残したビデオ・ムービーというネタがなかなか泣かせます。
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