TGR-CON:深淵「廃城」
原稿の修羅場は色々進行中ながら、昨日は渋谷のTGR-CONにゲスト参加し、『深淵第二版』をマスターしてきました。シナリオは、戦乱で滅びた国から逃げ出した難民が、廃棄された山城で出会う怪異というお話。
●PC
傭兵ガラン 妖精騎士の啓示を受けた、龍の血筋の青年。左手が龍の鉤爪である。
奇妙な旅人ジャン・ジャック・ローランド いまだ鎌槍に拘る「緑の猟犬」の一員。
娘エル(6)を溺愛し、娘にかかった「血の代償」の呪いを解くため、異端結社に身を投じるが、身に刻んだ刻印ゆえに、触れれば、娘を傷つけることとなるため、別居中。娘に「すまない、愛している」と告げたいと思っているが、果たせない。(運命「言えなかった一言」。
白馬を連れた娘エステル 友殺しの予言により、孤独な人生を歩む少女。戦乱で家族を失い、愛馬グラニー以外に、孤独を分かつ友を持たない。友なる愛馬の導きで、魔剣「氷河」を入手し、英雄の道を歩み出す。
後に、英雄王ジェラールを追う「猟犬」となる。
盗賊 『鬼火の子』ザジ 貴族だった父は、秘密結社『英雄の岸辺』の一員になってから常軌を逸し、没落、最後は領主の館に放火して斬首された。(運命「罪人」) 自らも破滅の予言におびえつつ盗賊として生きる。
後に、父の死は壮大な契約の儀式であり、自分で知らぬ間に魔族「四つの顔を持つスクラ」と死の約定を交わし、魔剣「氷河」に従う下僕となっていたことが明らかになる。
●英雄王の廃城
かつて、山の小城から発した英雄王ジェラールの帝国は今、滅びようとしていた。英雄王の死後、覇業は途絶え、国は衰退し、ついに、魔族と結託した隣国によって最後の街も滅びてしまった。
燃え上がる街から脱出した4名の難民は、満月の光の下、かつて廃棄された山城へ通じる道を逃げていく。麓からは山狩りの松明の光がゆっくりと登ってくる。
おぞましい予感におののきつつも、土砂崩れで破壊されたため、放棄された廃城に踏み込んだ4人は、その2階に、英雄王ジェラールのミイラが今も座る玉座を発見する。ミイラの足元には魔力ある王笏、王の頭には黄金の王冠、そして、百年以上も放棄されたまま、光を失わぬ黄金の玉座、それらはかつての覇業をもたらした魔法の品であった。
ジェラールの死体にはおぞましいものを感じたガランによって火を放たれるが、三つの魔具は燃えぬまま、少女と異端者、そして鬼火の子を魅了する。少女こそ正しき血筋と見切った異端者と、少女の従者たる鬼火の子は少女を玉座へと招く。
一人、正気を保つガランの制止を無視して、王笏を手にした少女は、英雄王ジェラールが、おぞましき幼子の生贄によって、『大地を揺るがす者ラレイン』の魔力を手にしたことを知る。この王笏はラレインへ生贄を捧げるおぞましき祭具であり、王笏を握りし者はそのおぞましき供犠の儀式をなまなましく感じる。少女はおぞましき祭祀を受け入れ、王冠に手を伸ばすが、鬼火の子と異端者は、そのおぞましさに恐れおののく。
ベルベットの絨毯のように玉座の下に広がる床の黒い染みは、おそらくその血なのであろう。
恐怖のあまり、少女に殴りかかった盗賊は、そのまま、もつれ合うように転がって玉座に転がりこみ、玉座の魔力で少女に取り込まれてしまう。
融合せよ、汝の生き様を我に分け与えよ。
おぞましき融合の果てに、玉座に帰還した英雄王ジェラール(=少女エステル&盗賊ザジ)は、ガランの一撃を正面から受け、そのまま倒されるが、最後に、身を捧げて『大地を揺るがす者』の魔力を呼び起こし、巨大な土石流を巻き起こす。
城は飲み込まれ、傭兵ガランと異端者ジャンは必死に逃げ出すも、土石流に飲み込まれ、離れ離れとなる。何とか生き延びたガランは朝日の中、すべてが滅びたことを知った。また、別の場所で息を吹き返したジャンは心のよりどころである娘と再会するために、故郷へ戻っていった。
●感想
シナリオ内時間はおそらく2時間ほどなのですが、二転三転する運命の変転が非常にドラマチックで面白いセッションでした。皆様、お疲れ様でした。
TGR-CONでは卓ごとにMVPを決めるということで、ザジがMVPとなりましたが、皆さんがいてのものであったということで、楽しんでいただけたら助かりました。
●神代の呪物
打上では、実際に神社の神官をしている青年がいたので、神社の裏話を聞く。
最近は、氏子連の維持のため、神主さんも話術や気配り、イベント企画の実力が問われるという現代的な側面は興味深かった。最近は、巫女萌えで神官を目指す人とか増えているそうですが、神道も結構、荒行があるそうで、各地に派遣されて大変な目にあったりするとか。
オカルトネタも聞いたが、突然、神社に送られてくる呪物のが本当にあるというのは恐ろしい話である。
なかでも凄いのが、神代文字のお札で封印された細工箱。中には、明らかに幼児の人体パーツから作った呪物が入っており、しばらくご本尊の横で浄化しないと、お祓いなどできないという。クトゥルフ神話のシナリオにそのまま、なりますなあ。いや、作った人の背景とか妄想が止まりませぬな。
●キル・ウィザード
週刊少年マガジン連載中の魔法戦闘ファンタジー。カウンター・マジックを専門とする美少年魔法使い、ファーデンクォート(通称ファー)と護衛の神殿騎士ロードナイトを主人公とする魔法ファンタジー。イラストはライトノベルズ系に見えて、かなり本格的な感じでよし。内容も、ラノベ的な女装ネタとか交えつつ、硬派な魔法詠唱戦闘がきちんと描かれており、エキサイティング。ある意味、『オーフェン』や『スレイヤーズ』の正当な後継者である。どの辺が? という人は一度、小説を読み直して欲しいところ。
さて、仕事に戻ります。
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