冥界を辿る夢
神話本、インド編終了。
ちくま書房の『バートン版千夜一夜物語』(全11巻)で、シンドバッドの七つの航海を読み直す。色々、ダイナミックな部分に加え、『オデュッセイア』とほぼ同じエピソードがあるのを見て、興味深く思う。(ちなみにシンドバッドの冒険が掲載されているのは第七巻)
昨日は某所で打ち合わせ。むにゅむにゅと企画書を渡し、仕事の流れを整理する。
年内の仕事が決まった感じ。
色々各方面にお世話になっております。
JGCまで〆切りの連続でジタバタしそう。まずは後三日。
●サガラと6万人の息子
インド編より、インド神話版「海の起源」を。
人間界の王サガラには、6万人とひとりの息子がいた。ひとりの息子は出来がよく、長じて不死の者となるが、6万人の息子は別の妻の産んだ瓢箪からまとめて湧き出してきたので、出来が悪い。
彼らは、祭の生贄に選ばれた馬が逃げ出し、それを探して冥界まで6万里もの穴を掘り、やっと馬を見つけるが、冥界に隠棲する聖仙の瞑想を邪魔してしまい、ヴィシュヌの天罰で全員、焼き尽くされてしまう。
どんな出来が悪い息子でも、冥界で灰のままというのはかわいそうなので、インドラの天国へ送りたい一族は4代かけて、聖なる河ガンガーを地上に下す。その水が6万里の穴に注がれ、冥界まで達したことで、6万人の魂は解放されるのであるが、その際、穴に水がたまって出来たのが「海」だという。
『ガンガーの地上降下』という、シヴァ神の活躍する説話の一部である。
穴を6万里も掘って冥界に行ってしまうあたりが、なかなか壮大でよいなあ。
冥界の話は、どこかでじっくり語りたいものである。
あ、深淵CONのネタにする?(かなり暴走中)
◆復刊ドットコム 深淵復刊投票中◆
The comments to this entry are closed.
Comments