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September 14, 2006

キャラクターコンテンツ

 リプレイ書き中。調べ物も並行中。

●ズゴック

 知人のK氏より、ジオノグラフィ・シリーズのMSM-07S「シャア専用ズゴック」をいただく。

 赤いズゴックですよ。
 その上、なんと、ゾゴックとアッグに変形する!

 ありがとうございます。
 いずれ、どこかで遊びましょう。

 ゾゴック:試作型格闘戦用MS。明らかに作業用っぽい。
 アッグ:両腕がドリルで、移動手段がキャタピラというかなり等身の小さい試作型MS。

●シャドウラン:ネタメモ「呪われた魔銃」

 シャドウランの装備データ確認中。
 2070年代には、あらゆるものに、デジタル・センサーとワイアレス・リンクがつき、ICチップが搭載されている。これは、所有者の登録をしたり、流通管制をしたり、ダイアグノーシス(自己診断と修復)のサポートをするものであったりする。例えば、スマートガン・リンクは多くの銃についているアクセサリーで、所有者のサイバーアイ、ゴーグル、コンタクトレンズ、あるいは、視覚神経そのものに、ターゲッティングのための信号を出力し、射撃精度を高めるものであるが、同時に、手を触れていない状態で発砲させたり、あるいは、敵に奪われたりした場合に、セーフティをロックしたりできるものである。

(注記:スマートガン・リンクは、2050年代はサイバーアイ側のアクセサリーだったが、2070年代は銃器のアクセサリーに変更されている。トロード(電極)でも使用可能)

 しかし、ここで考えてみると、銃にも弾道があり、わずかながら、重力や風によって、コースがずれる。反動が大きい銃ならば、逆に銃口があがってしまう可能性もある。
 スマートガンの進化形ではそれも想定し、弾道を計算しているのではないだろうか?
 この考えを敷衍していくと、銃器がユーザーの癖を学習して、信号を偏向させることで、より命中精度を高めるということが実際に進行している可能性すらある。その場合、ターゲティングのために出力信号がいじられてしまうと、特定の歪みを持った武器が発生するのではないだろうか?

 いわゆる「呪われた銃」の誕生である。

 さて、もう少しネタを練ってみよう。

●ノベルジャパン創刊

 ホビージャパンより総合小説誌『ノベルジャパン』創刊。
 おめでとうございます。

 HJ文庫と完全連動ということで、五代ゆう、神坂一、榊一郎、庄司卓など著名作家が連載を掲載、ボトムズの外伝あり、「五代ゆう&榊一郎の小説指南!?」やコミック連載もあります。朱鷺田的には、編集長さんとか昔、お世話になった方が編集部にたくさんおられますので、書店で手に取りました。
 この創刊に感じるのはやはりキャラクターコンテンツの強みでありましょう。
 小説やコミック、アニメなどから発したキャラクターが、メディアを変え、コンテンツ資産として多重的な利益を生んでいく。その構図が、本来、プラモやミリタリー、そして、アナログ・ゲームを専門としていた出版社を小説界へと殴りこませた。今後、注意深く見守っていきたい現象であると思います。
なんにしても、神坂さんの新作が読める訳で、次号も楽しみです。

 ……という訳で、早速、授業の素材に使わせていただきました。

●キャラクターコンテンツ

 さて、火曜日、水曜日は学校でした。
 水曜日のライティングは、いつものように、コラム添削とテキスト講読です。
 ここで、新創刊の『ノベルジャパン』を紹介、「五代ゆうと榊一郎の小説指南!?」および連載小説の一部を配布し、コンテンツ産業の可能性を論じる。
 
 小説指南は第一回ということで、マインドセットを中心とした精神論が中心ですが、実のところ、フリーになりやすいゲームライターや雑誌編集者にも同じ精神論が必要になることが多いのです。
 特に、マニュアル論は通じないよというのは重要なキーワードでありましょう。

●オタク層は増えていない?

 「小説指南」で気になった発言がひとつ。
 榊先生がアニメ関係者から、「実はオタク層は増えていない」という話を聞いたという趣旨の発言がありました。オタク産業そのものは順次一般化し、マーケットは拡大しているのですが、そのコア層というべき「オタク」自体はあまり増えておらず、「オタク」コア層はそのまま30代に突入しているのではないかと。
 これは初代ガンダム直撃世代にとってはリアルな共感です。
 本来の「オタク」層にとって、それぞれの作品は脳に焼きつくまで観賞する対象であり、さらなる作品への踏み込みは当然な欲求でした。

 この辺は岡田斗司夫氏による「オタク学」関係書に詳しいのですが、70-80年代のアニメーション作品を巡る環境がもたらした飢餓感がひとつの端緒になっています。予約が1つしか出来ないビデオレコーダーが20万以上、2時間のビデオテープ1本が1000円以上した時代に、初代ガンダム以降の衝撃的な作品群に対応しなければならなかった若いアニメファンのサバイバル術が、過剰とも言える作品への傾倒でありました。
 その飢餓感を経験した世代ほどの濃さを、環境が整ってきた現在のオタク層が持っていないのは、当然でありましょう。

 ゆえに、私たちは、ゲーム学校で、濃い世界を語るという授業を出来るのでありますが、特に、その飢餓感の一片も持っていない若者に歯がゆい思いをするときもあります。この辺は歴史語りの老人の気分ですよ。
 発展や環境の充足をあしざまに言う老人にはなりたくありませんので、そのあたりのエネルギーを伝えるために、もう一工夫していきましょう。

●ディプロマシー後編

 企画科向けの「アナログ・ゲーム」は「ディプロマシー」の後編。そろそろ裏切りや陰謀が具体化する1903-4年をプレイし、戦略級マルチ・プレイヤー・ゲームの魅力(と恐らく闇)を堪能してもらいました。
 今回はクラスを七つに分け、直接、交渉を行いましたが、これがネットを使って、1週間、1ターンでプレイすると、胃が痛くなるほどの緊張を味わえますよ。さすがに携帯メールを使いだす人がいなかったのは、ある意味、健全かと。

 あるクラスでは、欠席国があったので、空白地帯を担当、久しぶりの交渉も楽しいですねえ。

 これで「アナログ・ゲーム」は終了。
 生徒の皆さんはさらに多くのゲームを体験してくれることを期待します。

●エロス、タナトス、萌え

 企画科2年向けの「ファンタジー」は、エロスと萌えということで、エロスとタナトス、生物的人間と社会的人間の乖離がもたらすファンタジーエロの発生から、萌え現象、ヤオイの仕組み、記号化する萌えの可能性について語る。萌えが、平安朝文学の精神を引き継いだ話とか、ロリータの原点と日本的な変容とか。あるいは、パーソナル・スペースと社会性の面から「妹萌え」の発生、そして、「シスプリ」がもたらしたブレイクスルーとか。
 その一方で、生徒たちに持って来させた「萌えグッズ」を解説しました。

・キャラクターのシーツ
 いわゆるシーツに、等身大の美少女キャラクターがプリントされたもの。
 販売価格3000円から5000円。シーツの原価を考えると、キャラクターの代価は5割以上。これがコンテンツ産業の実力といえよう。
 なお、正しいユーザーはこれを使用しません。
 買ったことが「愛の証明」なのです。

・抱き枕カバー
 抱き枕のカバーに、等身大の美少女キャラクター(以下略)

・「ときメモ」キャラクター・グッズ
 恋愛シミュレーションの金字塔「ときめきメモリアル」ももはや12周年。
 そこにはキャラクターグッズの栄光の歴史があります。
 そして、「ときメモ」の作った2次元的なゲーム・インターフェース(立ち姿の止め絵、背景、テキスト表示、BGM)が今も愛用されているのは、「萌え」における「記号化」と「脳内補完」のサイクルにもっとも最適化したものだからである。

 「ファンタジー」は補講が1回、残っているが、そこではホラー映画を見る予定。

●”文学少女”と飢え渇く幽霊

 文学作品を食べるほど愛している文学少女と、元”美少女作家”およびヒキコモリであった少年のコンビが、怪事件に巻き込まれる話。基本的に、文学の名作を題材に、愛憎のドラマを描くというもの。
 個人的には、本好きがどう講じても、本のページは破れない、という本好きの立ち位置から言って、好きな小説をページから破って食べて味わう”文学少女”の設定は最初、ストレスがあった。

 そういう発言をする奴が、「破って使って下さい」という『龍王経典』(「深淵」の限定サプリメントを作るのか?と問われれば、本好きだからこそアレには背徳的な楽しみがあるのですよ、と答えますな。
 そういう意味で、立て続けに2巻まで買ってしまったのは、彼女の異常性、ゆえに、存在する悲しみが伝わってきたからであろう。
 正直、このシリーズの登場人物は全員トラウマ持ちであり、何らかの理由で愛する者を失い、かならず性格が歪み、それゆえに異常な人生を辿りつつ、あるいは辿った経緯がある。

 その上で、この作品は明確で、かつ、適度なミステリと適度な異常さがあいまって面白かった。

 でもね、鉛筆書きの原稿用紙を毎日食べるのは止めようね、先輩。

●涼宮ハルヒの憂鬱

 コミック版1・2読了。
 どうも谷川流との出会いがうまく行かなかった私は、長らく『ハルヒ』を読み出すきっかけを見失っていたのであるが、新宿の陳麻亭で、冷やし坦々麺と暖めた紹興酒をいただいた帰りに、コミック版を発見、読了。
 うむ、了解。
 次はビデオ屋でアニメを探そう。

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