ヤクザガール・ミサイルハート
低回転中。そこら中の神社で例大祭のシーズンなので、神楽を見に行きたいのであるが、火曜から少し風邪っぽいので、大事を取って、家で資料を読んだり、雑誌の記事を書いたり……遅れている原稿と戦っていますよ。
●ラヴクラフトの世界
ラヴクラフトに捧げられた短編集『Return to the Lovecraft Country』の全訳。仕事の資料チェックに追われて、横に置かざるをえなかったものを読了。独特の大瀧訳は、妙に時代がかった言葉遣いが、ラヴクラフトめいており、ずいぶん気になるのであるが、おそらく意図的な演出とニュアンスのために選んだ訳語であろうと受け取る。古びたコミューン話から、現代的なダニッチのその後まで、個人的には『裏道』のような辺境話が好きである。クトゥルフ神話物ですが、クトゥルフ自身の出番はほとんど無し。あの神格が意外にも出てくるのは驚き。
後書きにある、漫然とした読みへの批判は自戒としよう。
●ヤクザガール・ミサイルハート
謎の異能により、広島への核攻撃が封じられた世界。その「奇跡」から30年余り。
広島は、彼岸、または異境の力を使うヤクザの鉄砲玉同士が戦う異形の街になっていた。ジュヴナイル・サミットのため、この街を訪れた少年アドルファス・クーリッジは、ヤクザの鉄砲玉である少女、アカリと出会う。
朝松先生の『果ての街』を思わせる異世界と融合した広島でヤクザの鉄砲玉となって戦う謎の少女、というなかなかキレた設定のライトノベル。タイトルのセンスで買いましたが、独特の筆致が面白かった。続編が出るなら、ぜひ買いたいところ。
現代異能物のTRPGだと非常に相性がよさそうかな。
●隠の王 3・4
謎の秘術、森羅万象を巡る現代の忍者たちのバトルもの。
……といいつつも、不器用に生きるキャラクターたちの個性が独特で、しごく繊細でガラスめいたもろさと鋭さを持った物語。
忍者として生きる限り、心が……という苦さを示す。
●斎宮志 伝承の斎王から伊勢物語の斎宮まで
巫女本用の資料。古代文化叢書。
タイトル通り、古代天皇家から神の嫁となった斎宮に関する本。
ちょうど伊勢関係を再チェックしようとしたところなのでありがたい。
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