共鳴せよ! 私立轟高校図書委員会
暖冬のまま、春がこようとしています。北極寒気団の停滞期とエルニーニョ現象の組み合わせによるものだとか。雨が降っては暖かくなるというリズムのおかげで、スタッフ内ではすでに花粉症の時期に突入した者もいます。私は花粉症ではないのですが、はたから見ていても、苦しそうです。
あいかわらずの状況ですが、前向きに頑張っています。
生存報告までに、読書メモとか思いついたことを。
●DMSO
えんえんと調べ物しつつ原稿を書く、あるいは、原稿をチェックするという作業が続いています。チェック・ミスを減らすために、頭の中から情報を追い出して、素に戻る必要もあり、脳の切り替えスイッチとかあったら、楽だなあと思うことしきり。
そんな中、調べ物をするたびに、世の中、私の知らないことがまだまだたくさんあるなあと思います。
例えば、『シャドウラン』ではおなじみの覚醒パッチに使われているDMSO(ジメチルスルホキシド/硫酸化ジ・メチル)は、溶剤として優秀な(色々なものをよく溶かし込む溶媒である)ので、実験用試薬の溶解に使われる他、剥離剤として、電子基盤の洗浄に使われている。経皮浸透性が高いので、最近は医薬品を皮膚から浸透させるのも使われるようになった。希釈すれば、関節炎や腰痛に効くとか、効かないとか。
こういうものを見ると兵器に応用するのが、ゲーマーの悪いところで、『シャドウラン』最悪の武器のひとつである、猛毒水鉄砲ことスーパースクァートは重装甲モンスターを麻痺、もしくは中毒死させるのに、役に立つ。
その広い可能性は、ゲーマーでもある医師から聴いてはいたのであるが、 念のため、ネット検索をし直して見たら、養毛剤に使われていたり、近年、硫黄系化合物が食用にも解禁されたため、健康サプリメントになっていたり、色々ドキドキする。サイバーパンクの世界はNOW GOING ONで進行中。
ああ、重要な台詞を忘れていた。
知人のSF評論家に聞いたところ……。
「サイバーパンクSFというムーブメントは始まった瞬間に終わった」
……ということだそうで。
今残っているのは、サイバーパンクという洗礼を受けたSF、もしくはそのスタイルを継承したエンターテイメントな訳で、つまり、サイバーパンクとは、ムーブメント(運動)というよりも、ショックウェーブ(衝撃波)だった訳ですね、アルビン・トフラー先生。
ところで、何番目の波でしょうか?
●新書の雑誌化
気分転換に書店で入ったところ、新書の雑誌化が加速していて、驚きました。「この本、3年後にはないな」と思えるテーマの新書が平台に並んでいる。そして、内容が平易で、読み流しやすい。思わず1冊、立ち読みしてしまい、「はっ」となりましたが、1時間経過していない。あれあれ? 特に、対談やインタビューを起こして整理した企画型の本を見ると、リプレイまで書いている身としては、色々感じるものがあります。ビジネス・スキームの変化でしょうか?
●共鳴せよ! 私立轟高校図書委員会
娘が買ってきた、4コマギャグ。
図書委員会の人々のおかしな日常を再現するというもので、陰謀家の副委員長とか、ゲーマーな会計とか、腐った心根の美少女とか、昔アイドルとかホステスとか何かやっていたらしい顧問の司書先生とかが出てきます。「そんな奴あいねえ!」を現代的にした感じですが、こっちのほうが可愛い。
いいところの坊っちゃんの守役おねえさんとか、MOFと日銀を批判し、株トレードにはまるコギャル二人組とか脇に色々ツボなキャラが出てきます。はい。
●シュピーゲル 2本
冲方丁氏の同時多方面作戦、シュピーゲル・シリーズの1(壱/I)を読み終える。
手馴れた筆致で、空戦用のMSS要撃小隊《火火火妖精/フォイエル・スプライト》と、陸戦用のMPB遊撃小隊《犬犬犬/ケルベロス》//三つ並べて1文字//の、それぞれ三人をその生い立ちとトラウマから確実に語りおろし、民族差別と宗教差別が兵器商人に扇動されて発生する都市テロとの戦い(OK、911以来のやり口)に描きこむ手法は、まさに作家の《オイレンシュピーゲル/死にいたる悪ふざけ》。
//ここまでくるのに6年//ミー国はまだイランでやりたいらしいが?//とはいえ、ひとつの快楽でもあり、おそらくは意図的に食いつく層も多かろうと推測。77%(MPB広報部調べ)。
ふと、ADポリスの先進性を思い出してみたりする。
なお、文化委託法により、他国の名前を受け入れると補助金が出る。すてき都市ミリオポリス//本来名ウィーン//かつてナチスに占領された都//おかげで、各国の名前を混ぜてもOK!
●異形コレクション読本
ホラーアンソロジー「異形コレクション」10周年記念の解説本。
お蔵だしの短編が3本載っているので購入。
これから楽しむ予定。
●コミック
カペタ13
曽田正人氏お得意の天才発動モード。気持ちいいんだよね。
絶対可憐チルドレン8
電波編、ももんが編終了。ギフト編へ。この話、やさしくて楽しい。
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