シャドウラン4th:2070年の魔法使い
何とかデスマーチ・モードが終焉にたどり着きつつあります。
もう少し頑張ります。
そんな状態ながらも、昨日と今日はゲーム学校のスタートアップ授業で、合計10時間、「ブラフ」を用いて、ダイス・ゲームの講義です。3月が完全執筆モードだったので、丸1日の授業は結構、きついですね。
とりあえず、糖分とカフェインで稼動する予定。
そんなこんなですが、月内締め切りがもー一冊あるんで、状況は相変わらず、ハードです。4月19日は「P3フェス」の発売日なのですが、私はゲームが出来るんでしょうか?
●シャドウラン4th:2070年の魔法使い
まだまだ忙しいんですが、このブログも、そろそろ復帰して、TRPGを中心にゲームの紹介とかしていきたいところです。『深淵』のウェブ連載『永遠の冬』も復活せねばなりませんし、『シャドウラン4th』のプレ記事とか、少しずつ書いていきたいところです。
それでまあ、指慣らしに前振りを。
『シャドウラン』が誕生したのは1989年。すでに18年になる訳ですが、サイバーパンクRPGの最後発作品と言えるもので、翌年にはマルチ・ジャンル活劇RPGにして、おそらく当時最新のギミックを投入した「トーグ」が出現する時代です。
サイバーパンクは、1982年の「クローム襲撃」から始まるSFのムーブメントですが、SF評論家たちが「サイバーパンクは始まった瞬間に終わった」というように、SFを、夢ある未来を描く実験小説から、現実に追いつかれつつある苛酷な境界文学へと変質させていきました。おそらくサイバーパンクは「ネット」「現実世界でのテクノロジー暴走」「現実のドライなメタファーとしての近未来像」を提供した衝撃波だったのでしょう。
ここで誕生したスタイルは、エンターテイメントにどんどん取り込まれ、サイバーパンクRPGにまでいたる訳ですが、最後発といえる『シャドウラン』は、「サイレント・メビウス」や「ADポリス」といった日本発のサイバーパンク・エンターテイメントを前提にし、よりエンターテイメント指向を満足させつつ、独自の世界観を生み出すために、「魔法とサイバーパンクの融合」を目指しました。製作元は、「バトルテック」などでもともとSF系に強かったFASAです。FASA社はトラベラーのサプリメント作りからスタートした会社ですから、SF好きが多かったのでしょう。『シャドウラン』の基本アイデアである「魔法+サイバーパンク」という設定は、深く検討され、練り込まれていきました。
サイバーパンクの世界で、魔法使いはどう生きるのだろうか?
『シャドウラン第一版』に納められた四つのアーキタイプ、「Burn-out Mage」「Former Wage Mage」「Street Mage」「Street Shaman」は、最初の答えでした。
「Burn-out Mage」(燃え尽きた魔術師)は、戦闘のために、魔力を低下させてもサイバーウェアを入れて、テクノロジーと魔法をともに使いこなす戦闘系魔法使い。
「Former Wage Mage」(元企業魔術師)は、大学の魔法学科を出て、大企業の魔法関係R&Dや警備本部で活躍していた、元サラリーマン魔法使い。
「Street Mage」(ストリート・メイジ)は自由を求め、企業の支配しないストリートで、独自の道を探し求める伝統的な魔法使い。
「Street Shaman」(ストリート・シャーマン)は、本来、野外生活の中で発達したシャーマニズムを、都市に持ち込み、都市という自然の精霊を友とするに至った、現代的なシャーマン。
魔法使い、テクノロジー、伝統の文化と現代的な企業支配。さまざまな要素がすでに魔法使いキャラクターたちの実例に反映されています。そして、後には、公害に汚染された地域の精霊がねじくれ、これを崇拝するToxic Shaman(トキシック・シャーマン//毒されたシャーマン)の出現にいたります。
2070年の魔法使い。
それはさらに興味深い存在なのです。
『シャドウラン』の魅力はその世界観にあります。奥深く、知れば知るほど魅力的な世界です。
また、機会を見て、その辺に言及しようと思っております。
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以下、メモとか日記
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●ゴールドベルグ変奏曲
仕事の合間に読了。HJ文庫。五代ゆうのデビュー前に書いた作品。歌で幻を生み出す幻奏を使いこなす異能の芸術家たちの学院で起こる殺人事件とその背景にひそむ巨大な謀略、そして、幻奏の達人が目指したものとは……。
●ジナス
モーニング連載中の現代ホラー。中核の謎の人物が出てきましたが……顔が……。
*:追記:年号ミスを修正
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