集合的不道徳
朱鷺田@鼻炎かな
相変わらず、鼻がずるずるしながら、作業中。
校正をしつつ、リプレイの作業をしています。
●集合的不道徳
「誰かがやってくれると思ってたらいけないよ」
家で煮詰まって作業していたら、誰かおばさんにどなられた。
えっと思ったら、どうも、家の前を通り過ぎた老人たちの世間話である。
一瞬、幻聴かと思うぐらいグッドタイミングだった。
不思議なものである。
その後、気をつけていると、「周辺雑音」というべきものの中に、妙にタイミングのよい「助言」や「誘惑」が色々混じっていることに気づく。一歩間違うと、神経過敏症かと言われそうな事柄であるが、本来、切捨て、フィルターしている周辺雑音や外的な情報の中には、色々な「個人の意見、感想、軽口やジョーク」までが満ちている。
我々は生存の都合上、フィルターしている情報が我々の内面に影響しているのではないだろうかとも思った。
そして、米田淳一の「プラスティック・エンジェル」シリーズを読み進めていくうち、脳波操作系の発展により、脳内の軽口さえ、ピックアップされる時代の大事故の事件が語られる。脳内のちょっとした不満や愚痴が拾われ、集合化した結果、特定集団の総意として、電子的なサービス・ネットワークへ拾い上げられ、虚体と呼ばれる作業AIやロボットたちの「好意」で具現化されてしまう。大半はサービスの改良として具現化するが、ある日、ついに、通学路への砲撃という「最終解決策」にまで至ってしまう。
神経直結(DNI)という現実に近づく今、集合的な無意識ではなく、集合的な道徳性が問われているのかもしれない。