疲れが出たのか、ちょっとダウンしてました。
目覚めたら、もう朝で、台風が上陸、都内の交通はまだ混乱しているようですが、学校に電話したら、午後はやるというのでこれから出講の予定。学校が終わり次第、池袋に飛んで宴会に乱入、年来、ご挨拶できなかったやっと朝松先生にご挨拶が出来そうです。
帰ってきたら原稿直しの続きが待っているので、飲みすぎないように。
●JGC4:深淵:騎士の嫁取り
JGCレポ続き。
朝5時半に寝て、8時起床。朝マックで朝食を済ませる。「娘。」は朝マックが始めてなので、興味深そうに色々頼んで大騒ぎになる。朝とはいえマック、舐めると大変ですよ。一旦、部屋に戻り、「Reborn」を見るんニャア!とか言う「娘。」を部屋に放置して、私はR-CONの「深淵第二版」卓へ。
今回、会期中、3回、「深淵」を回すため、GMとして、大よその計画を立てておりました。
1日目の深夜の体験会は、即興型をハード目にブン回す、2日目昼間はユーモラスで軽快に即興型、プレイヤーもGMも疲労が抜けきれない3日目は、使い慣れた渦型シナリオでスピードアップし、状況を明確にした定番パターンに向けていく。
今回は、テンプレートをマゼンダでコピーし、ちょっとしたインパクトを与えつつ、第二版用に調整したカードに、赤札を追加するという派手目の展開にしました。あとは全部即興。
PCは以下の4名。
復讐心に燃える弓兵ハンスベル
なぜか舌に「満月の守り手」の呪いがかかり、寿命と引き換えに、銀の舌が勝手に禁断の知識を語りだすという異形を持つ。今回は、舞台となる砦で騎士の命を狙う。
女王の声を持つ吟遊詩人ライアス=シーカー
父親は、謎の予言をしたために、人々に殺された予言者で、その背景にはなにやら鏡の魔族が関わっていたらしい。いわゆるミイラ取りがミイラになった人。
プラ-ジュの下級司祭イース
任務によって赴任した司祭。妖精騎士を目撃したことがある。
今回、唯一の「深淵」経験者で、ただひとり、事態の解決に奔走した苦労人。
白馬を連れた娘アグリ
白馬の運命で「近親憎悪」を引いたため、ライバル(本人と同スペックで、運命だけが違う)が誕生する。ライバルは「王者の相」を持つ人気者。その上、自分の運命で引いたのが「不幸」。
なんというか、同じ牧場の娘なのに、この格差はどういうことでしょう。
ライバルの名はエリザベータ様。
ここまでが午前の部。
さて、軽く食べ物を摘んで帰ってきた頃には、少女2名のライバル関係が脳内で回転し始めましたので、ハンスベルの仇敵である騎士ルイ=ブラウフォン卿(征服戦争の英雄にして、自己犠牲の運命を持つ)が、ついに新たに建設した砦で行われる嫁探しのお祭りにそれぞれ乗り込むことになりました。
ハンスベルは、祭りの騒ぎに紛れて復讐を果たさぬと。
ライアスは父の罪の真相を知るために。
イースは、教団の命令でこの砦に赴任するのですが、同時に、この周辺で何か起きるという神託があり、それを確かめるために。
そして、アグリとエリザベータは、騎士のお嫁さん候補、あるいは、婿探しに……。
●馬ブラシとか、悪夢の声とか
まず、アグリの持つ「不幸」という運命は、非常にひどい運命で(笑)ルール上、GMは「君は不幸だから……」ということをいくら言ってもいいとルールブックに書いてあります(というか、オレが書いた)
おかげで、アグリの婿様探しはもう大変です。
エリザベータが華麗に挨拶して衆目を集めるのに対して、愛馬イングリとともに御前に出てしまい、「馬の品評会じゃない」と言われたり、踊りの練習をしていたら、ドレスの裾を踏んでこけたり……しかたないので、夜は泣きながら、厩で愛馬の世話をして心を癒していたものの、なぜか、そこを通りかかった騎士に向かって、馬用ブラシを投げつけて、命中したり……
とりあえず、ドジっ娘フラッグを立てまくります。
他の3人は各自の思惑に沿って、暗躍開始。
「深淵」というゲームは、各自が独自の目標(運命の解決)を目指す上に、PCがパーティを組んでいる訳ではないので、シティ・アドベンチャー系のセッティングになると、途端に各自がバラバラな行動を始めます。
まず、司祭として着任したイースが、騎士の執務室に行くと、そこには巨大な魔法の鏡があります。早速、これがヤバイと感じるイースですが、単独で立ち向かうには、その鏡にひそむ魔性は強大すぎるように思え、一度、午前から退いて、対策を練ることに。
ライアスは吟遊詩人という立場で、騎士に歓迎されますが、父親同様、たちまち鏡の公女エリシェに取り込まれ、同じく支配下にある騎士とともに、娘たちの中からエリシェ復活の儀式に使う生贄を探す側に。初体験ながら、このプレイヤーがノリノリで、GMと悪の側のロールをば。
ハンスベルはしばらく静かに情報収集をしていましたが、二日目の弓試合に優勝して、騎士の親衛隊に取り立てられます。エリシェの魔手は彼にも伸びますが、エリシェに支配された風体を装い、復讐の刃を研ぎます。
二日目の夜、嫁取りの二次審査というべき、踊りの披露会が始まる。
誰もを魅了したエリザベータの踊りの後、アグリが舞台に上がった瞬間に事態が急変した。エリザベータの踊りに魅了された騎士の背中に向かって、ハンスベルが復讐の剣を振るったのだ。その刃は騎士の片足を深く切り裂き、瀕死の騎士はそのまま、昏倒してしまう。
とどめの一撃を!
と、ハンスベルが剣を振り上げたところ、目の前に飛び込んできたのは、短剣を腰ダメにして体ごと突進してきたアグリである。
「騎士さま!」
妙なフラッグのおかげか、あるいは、未来の夫を守るためか、必死の一撃でハンスベルを一歩後退させ、騎士を守るように立ちはだかる少女。
微妙な緊張感が行き交う。
そこに発生したのが、鏡から響く不可解な気配。そして、次の瞬間、吟遊詩人ライアスが、エリザベータをひっつかんで、騎士の執務室へと走り出した。背負われたエリザベータが悲鳴を上げる。
ハンスベルとアグリの間の緊張がおかしな感じに崩れる。
「騎士さまをよろしく!」
今度はライアスを追って、走り出すアグリ。
妙に気をそがれたハンスベルは、昏倒した騎士を残し、少女の後を追うことに。
一度、公女に支配されたハンスベルにはわかっていた。
復讐の一撃を振り下ろす前、騎士を守る公女の力がふっと消えたことを。おそらくは、あの鏡の邪悪さに気づいた司祭イースが何かしたのであろうと。
騎士が倒れ、鏡の力が消えたことで、そのしもべであったライアスは儀式を急がねばならないことに気づいたのだ。候補のひとり、エリザベータを鏡の前に連れていき、王者の血を捧げればよいのだと。
さて、舞踏会の合間に、騎士の執務室へ忍び込み、鏡を布で覆ってその力を仮に封じたイースであったが、騎士とライアスに封印を破られないようにしなければいけない。おそらく、騎士はハンスベルがどうにかしてくれるだろうが……
廊下に出てみると、はたして、生贄候補の女性を抱えたライアスが突進してくる。おそるべき一撃を何とか受け流し、にらみ合う二人。
しかし、そこに背後からアグリが全力で体当たり。
エリザベータ、ライアスもろとも、ずってんころりん。
もはや直前の緊張感漂う剣戟も何もありません。
どこか、頭を打ったのか、一瞬、エリシェの束縛から逃れたライアスは、自らの持つもう一つの力に気づきます。
「女王の声」
それは魔族と対等に会話する稀有の力。
「おのれ、シーカー一族、こんな形でしくんでおったか?」
かくして、エリシェの魔鏡はそのまま封印されました。
めでたしめでたし?
一応、後日談。
騎士の嫁取りの話は征服者が地元の娘を集めて、砦の兵士や関係者との縁を結ぶ「地元融和政策」から来たものなのと、今回の一件で自分が魔族に操られていたことを自覚した黒騎士は、ハンスベルを許し、あえて副官として取り立てます。
イースは功績を認められ、砦の常任司祭に任命されることに。まあ、魔鏡の管理人とも言いますが。
ライアスも許されますが、砦の一件を各地に語り、この地域の融和が進み、弓の達人がその軍勢に加わったと触れ回ることを命じられて旅立ちます。
さて、アグリですが。
責任感の強く、命知らずな(運命「自己犠牲」)騎士は、自らの命を救ってくれたアグリに求婚しますが、アグリはあっさり断ってしまう。
「ごめんなさい。私はやはり牧場の娘。
騎士の妻は務まりません。
エリザベータともども、村に戻って平和に暮らします」
さりげなく、ライバルを巻き込む娘。
足に大怪我を追った騎士は納得。
二人に、嫁入りの時のための持参金を持たせて村に返しましたとさ。
とっぴんぱらりのぷぅ。