サブカルチャーとケルト文化
22日午後は、日本アイルランド協会のイベント「2009年 セント・パトリックスデーの集い」というイベントに出席、「日本のサブカルチャーとケルト文化」というトークセッションに参加してきました。
日本アイルランド協会は、ゲームとは全く無関係のまじめな海外文化研究組織で、アイルランド文化大好きな皆さん(多数のアイルランド文化研究者を含む)が集まって、交流するものです。
昨年、聖パトリックとクーフーリンに関する松岡先生の講義が聴けるというので、取材に伺ったご縁で、今年の新テーマに合わせて、ゲームに登場するケルト文化の紹介を行ってきました。
依頼をいただき、同じトーク・セッションでレポートされる方に、「猫のフォークロア」などのアン・へリング先生、さらに、大学でライトノベルや児童文学と、英文学を比較研究されている鈴木章子さんがおられると聞き、こちらの立ち位置が決まったものの、PCゲーム系で落ちがありそうなので、急きょ、「堕天使がわかる」「図解クトゥルフ神話」の森瀬繚さんを巻き込んで出撃します。
当日の開場は天王洲アイルのアイリッシュ・バー「ラウンド・ストーン」。
ごあいさつしたら、鈴木さんがエルリックなどファンタジーの翻訳で名高い井辻朱美先生のお弟子筋であることがわかり、どきどきします。
さて、トーク・セッションですが、まず、鈴木さんの「日本のサブカルチャーにおける妖精のイメージ -バンシー-」。英文学のバンシーと、コミック「クリスタル・ドラゴン」、ライトノベル「お留守バンシー」の比較研究で、ケルトを源泉とするバンシーのイメージがどう変容したかを紹介します。アカデミズム、特に児童文学サイドからの検証でしたので、状況を了解した朱鷺田は予定通り、ネタに走ります。
まず、『真・女神転生X』のクー・フーリンのフォトを見せます。
美形化されたクーフーリン像とか、女性化したアーサー王(Fate/Stay Night)、マギノビなどの写真を紹介しながら、現在、ゲーム、アニメ、マンガなどでのケルト・モチーフを紹介、萌えとエンターテイメントにおけるケルトの変容を印象付けます。
その後、森瀬さんにバトンタッチし、「神話がなぜ、用いられるか」のお話をしていただきました。アーサー王もののTVアニメ、「燃えろアーサー」の話は色々インパクトがあったようです。
その後、アン・へリング先生が、アメリカ日常社会に生きるケルト文化(アイルランドの個性)を紹介されましたが、「日本でのケルト・イメージには、ケルト民族が不在である」という苦言もあり、色々勉強になりました。
その後の質疑応答で、なぜか、「謎の円盤UFO」とか、「ウルトラセブンにおける沖縄の政治性」とかの話で答えていたのは、自分でもちょっと暴走していたかなとか思います。非常に刺激的なセッションでしたので、また、どこかでこういう話をしたいものです。