クトゥルフ神話でTRPG@SF大会T-con2009
土日は那須塩原温泉で開かれた第48回日本SF大会「T-Con2009」に参加してきました。SF大会というのは、日本のコアなSFファンが毎年、開催しているSFファンのお祭りで、今年も700人以上のSFファンがホテル・ニュー塩原へ集まり、一晩、さまざまなイベントをするというもの。
JGCと違うのは、これが完全にアマチュア・ベースのまま、50年近く行われていることです。スタッフも参加者もアマチュアで、ゲストとしてSF業界のさまざまな方が参集する特異な空間と言えます。
大学生の頃、朱鷺田は熱心にSFファン活動をし、色々なイベントに顔を出しておりました。当時はスタッフとして関わった大会もあり、古い知人たちがずいぶんいるのですが、何しろそれはもはや四半世紀以上昔の話でございます。最近はJGCと重なったり、SFファンらしいこともしていなかったので、あまり参加しないようになり、2001年のゲーム企画を最後に、顔を出しておりませんでしたが、今年は、クトゥルフ神話関係で付き合いのあるゲーマーさん2名から誘われ、分科会のクトゥルフ神話企画でゲスト参加してきました。
●塩原へ
前夜、Mixiで、作家、科学解説家の志水一夫さんがガンで亡くなったと聞く。と学会会員としても知られた方です。若い頃、通っていた渋谷の金曜会で何度も楽しい話を聞いた。久しぶりのSF大会で会えるかと漠然と思っていた方がもういないというのは、なんとも悲しい話である。ご冥福をお祈りします。
朝7時過ぎの電車に飛び乗り、例によって各駅停車の旅に。前夜、記事原稿の構成で頭を悩ましていたため、睡眠時間が4時間弱であったので、赤羽から宇都宮行きの快速に乗った途端、意識が途絶える。
宇都宮で乗り換えると、知人のライトノベルズ作家で今回、パネルのゲストをお願いした内山靖二郎さんがいたので、塩原までだべりながら移動、宇都宮では「ベン・トー」のアサウラさんが合流、ご紹介いただきつつ、以降、この謎の三人組でうろうろする。
宇都宮駅についたSF大会専用送迎バスに乗り込み、40分ほどかけて塩原温泉へ。11時頃到着。企画開始まで1時間をだらだらしつつ過ごす。企画エリアをうろうろしていたら、昔懐かしい顔が多々通過していく。
加藤直之さんが、等身大の「グイン」の絵を描いている。
(うお! 写真を撮り忘れた!)
東京創元社(SF短編賞募集中!)の小浜氏からライトノベル評論家の榎本秋氏を紹介されたら、以前、お世話になった編集さんだった。お互い、苦笑い。世の中、狭すぎるよ!
「ライトノベル」「本屋」のパネルを見た後、自由広間の隅でやっているボードゲーム企画へ顔を出したら、「ドミニオン・陰謀」を持ってきた人がいたので、「星雲賞授賞式」そっちのけで、ゲームする。相互作用が強くなったのと、多様性を持つカードが増えたので、プレイ時間は若干長引いた感じがするが、面白い。「貢物」はなかなかの危険物かと。「ハーレム」「偵察者」「大広間」のあたりが定番コンボになりそうだ。
●クトゥルフ神話でTRPG
夕方には、仕事で入りが遅れていた森瀬繚さんも来場、ウェルカム・パーティの後半はパネルの打ち合わせ。その後、1時間ほど仮眠を取り、体力を回復してから、深夜1時から、実際のパネル。
30名ほどが入る小部屋で画像を投影しつつ、クトゥルフ神話TRPG回りの紹介と最新情報を紹介する。「SANチェック」普及の背景を内山さんが話してくださったり、クトゥルフ神話関連書籍の刊行情報を森瀬繚さんが紹介してくださったりと色々濃い情報発信ができたかと思います。
記憶を頼りに書きますので、タイトルとか、内容が間違っていたら、笑って流してください。
『這い寄れ! ニャル子さん2』
『ラヴクラフトの評論集』
『リン・カーターのクトゥルフ神話大全』
『C・A・スミスのゾティーク短編集』
『萌え萌えクトゥルフ神話』
●まったりと帰路へ
イベント終了後、知人と手を振りあったり、まったりしつつも、限界を感じたので、風呂に入ってダウン。
朝起きて朝食を食べた後で、やっと同部屋に、ずっと昔、SFファングループ連合会議で活躍されていた門倉純一さんがいたことに気づく。どれだけ部屋にいなかったんだ、オレ。
クロージングまで1時間余り、まったりと話しながら過ごす。すでに会社も定年を迎えられ、悠々自適で、大会後は奥様とともに野岩鉄道で鬼怒川へ向かわれるとか。
部屋は7階だったが、窓の外では、千々乱れつつ、谷を吹き抜ける風に乗り、スズメたちが実にエアリアルな動きで虫を追っていた。
クロージングは、合宿大会らしいグダグダさながらも、楽しい時間だった。各種賞に交じって、ジェンダーSF研究会から、功労賞を贈られた故・栗本薫先生の御主人からのメッセージが心を打つ。ガンとの闘病の最中、わずかな時間しかパソコンに向かえないのに、グインを書く傍ら、発表の予定のない同人小説シリーズを2万枚以上も描いたという。まさに書くことが息をすること、生きることそのものであった栗本先生らしいエピソードである。
改めて、黙祷を捧げます。
塩原へのバスが混みそうなので、内山さん、アサウラさんと早めに動いて駅へ。
わずか1分前で、各駅が捕まったので、そのまま、宇都宮行きに飛び乗る。昼飯代わりに、宇都宮駅前で餃子屋巡り。一件目(餃子館)では普通の焼き餃子とビールを楽しんだ後、二件目(宇味屋)では焼き餃子、水餃子、揚げ餃子、フライ餃子をつつく。フライはすでにやりすぎ感があるが、水餃子はうまかった。三件目(餃天堂)は独自のもっちりした焼き餃子をマヨネーズでいただく。ホウレンソウ入りの水餃子も面白い。
なんというか、駅前の角三件で満腹。
駅に入ると、これまた、新宿湘南ライナーが止まっていたので、飛び乗って帰ってきた。座ったら、おなかが一杯になり、小山を越えたあたりから爆睡。気づくと大宮を過ぎていた。
あっと言う間の二日間でした。
四半世紀前の友人が結構、今も家族連れで来ていて、10年近く会っていないはずなのに、能天気に挨拶しあっていたり、SF大会独特のまったり感に浸ってきました。みんな、年取ったなあ。
今回は、内山さん、アサウラさんと適宜、合流しつつうろついていたので、久しぶりの大会もまったり楽しめました。お二人に感謝。仕事を押してかけつけてくださった森瀬さんにも感謝します。
来年はTOKON10。
久しぶりの東京での都市型大会です。
●メモ:パチスロ『真・女神転生』
公式サイト。
『真・女神転生3Nocturne』準拠のようですね。