京都深淵CON：邪悪の黒き巫女: 黒い森の祠

September 21, 2010

京都深淵CON：邪悪の黒き巫女

　土曜日から月曜日まで、京都で行われた「京都深淵ＣＯＮ」にゲストとして参加してきました。場所は、浜大津という、滋賀県の琵琶湖沿岸……「京都ちゃうわ！」というツッコミは、先日の「科捜研の女」最終回ＳＰで第一の殺人（銀閣寺を中心にした京都五芒星殺人計画で、水の場）の舞台となったことで、ご容赦ください。

●ミード！

　まず、18日早朝の新幹線に飛び乗り、京都へ。
　ミード（蜂蜜酒）関係でお世話になっております、「ミール・ミイ」さんに立ち寄り、新作ミードを試飲する。

　バーソロニューのフォレスト・ミードは爽やかさが一段と増した飲みやすいお酒。さらに、メイプルのお酒が二本、純粋なメイプル・ワインとメイプルにブリーベリーを混ぜた物があります。+ブルーベリーはさわやかで日本向けかと。結婚のお祝いにも人気だそうです。さらに、現在、輸入準備中のポーランド・ミードは、ハーブがしっかりと浸け込まれた薬酒系ですが、これも飲みやすい。

　番頭さんが体調不良でご不在でしたが、中世風を復古したミーディバル・ミードのサンプルをいただいてしまいました。ありがとうございます。
　宿泊者向けに「フォレスト」を１本持って浜大津へ。
　……とその前に、関西に来た時の儀式食として、「うどん」を食う。
　ほら、出汁の違いで関西を体験する訳ですよ。
　という訳で、なか卯のハイカラうどん。

　ミール・ミイのあるのは、京都、烏丸御池。目の前の京都文化博物館で「オルメカ文明」の展示をやっていたのですが、今回は時間の都合でパス。ここから地下鉄東西線に乗り、そのまま京阪京津線に乗り換えて、琵琶湖畔の浜大津へ。途中から地上に出て、最後は路面電車になります。会場は浜大津駅のすぐ近くにある明日都（アスト）。

●宿泊ＣＯＮ１：霊障都市捜査ファイル

　前夜祭に当たる宿泊CONが昼からスタート。朱鷺田はまず製作中の「霊障都市捜査ファイル」の公開テストプレイ。５名の刑事が集まりました。キャラクターはテンプレートを使用。名前はランダム決定表で。

・江本裕二（30）
　新宿ＣＳＩ（科学捜査官/専門技官）
　運命：地獄耳、懐疑的
　科学捜査のベテラン。新宿の外人娼婦を情報屋として雇っているなど裏の多い人だが、科学捜査の腕は抜群。

・葵さやか（28）
　アメリカ帰りの女捜査官（捜査官/ＳＷＡＴ）
　運命：エリート/評判（射撃）
　アメリカ帰りの女性捜査官。凄腕のプロファイラーだが、ＦＢＩ研修時代の感覚が抜けず、すぐに銃を抜く。

・大西ケイ（26）
　新人刑事（新人/エッジ）
　運命：母の愛/無鉄砲
　電脳捜査を得意とする新人類系の新人刑事。少しマザコンが入っている。２話目にして、管理官にクラス・チェンジ。キャリアであったことが判明するが、やっぱり年上趣味だったことが判明する。

・田中雅也（50）
　執念の老刑事（叩き上げ/捜査官）
　運命：病気/未練の事件
　かつて、談合事件を解決できなかったことを悔やんでいる老刑事。病気に冒され、命は長くない。

・原勲（36）
　ステゴロ刑事（ベテラン/組織対策）
　運命：野良犬/喪失
　闇カジノのボス、エリック・ウーを宿敵とする元丸暴のベテラン刑事。最愛の妻を亡くし、家族問題に悩みつつ、事件の捜査に全力をかける。

第一話：几帳面な死体
　工科大学の女子大生が殺される事件が発生する。内部関係者の捜査妨害により、混乱する捜査の中、犯人の殺意だけが上昇、焦る刑事たち。新人の母親が容疑者に上がって消える。

葵「プロファイリングするわ…ＧＭ、犯人のカードがいるスートは？」
ＧＭ「ハート」
大西「おかんのカードがそこにあるような」
田中「お、わしもプロファイリング。性別は？」
ＧＭ「女性」
一同「犯人はおかんしかおらんわ！」

　ちなみに、無実でした。実際には、花屋の娘がささいな口論から友人をアイスピックで刺し殺してしまったという事件だった。殺意に押しつぶされ、壊れかけた娘を逮捕して事件は終了。ちなみに、次の殺人に走るまで後、１点。

第二話：砂場の恐怖

　第二話は本格的な事件簿を捜査。冒頭で新人が管理官にクラス・チェンジ、。

大西「実はボク、キャリアだったのですよ！」
一同「なんだって～」

　以降、大西管理官が辣腕を振るう訳です（プラスにも、マイナスにも）
　今回の事件は「埋もれた遺体」で、殺され、埋められた遺体が発見されたところから事件がスタートします。実際の殺人から11日目。発見されたのは「新大久保のとある幼稚園」。園児が砂場から腐乱死体を発見するという陰惨な事態に。鈍器とおぼしき何かで撲殺されたらしいが、遺体が腐乱しており、鑑識作業が遅々として進まない。その内、新宿最大のヤクザ組織の若頭が容疑者として浮上する。キレた男で、ささいないさかいの相手すら、拉致って、中国の壺で撲殺するという噂がある。
　捜査を進めると、妨害が入る。脅迫状が舞い込み、原の過去をえぐる。さらに、管理官が悪い女にひっかかり、４日ほど行方不明になった挙句、付き合った人妻が謎の撲殺死体として発見され、査問されることになってしまう。
　そんな状況でも、なんとか証拠をかき集め、ヤクザの若頭に逮捕状を突きつける。ヤクザの組員に囲まれ恫喝されるも、老刑事の執念で逮捕する。その後、ヤクザの顧問弁護士が出てきて、遺体の鑑識に関する捜査の不備をつくも、必死の鑑識作業で切り抜けた。

●宿泊CON２：G深淵：ペズン計画の遺産

　夜は宿屋に移動して、軽くもう一セッション。今回は「ガンダム深淵」。
　時は１年戦争末期、サイド６周辺での「コンスコン強襲」の後ぐらい。チベ級重巡「ペールギュント２」を与えられた試験中隊に、小惑星基地への強行偵察命令が出る。ちなみに陣容は……

・ラダ・ラバン少尉
　乗機：フルアーマー・ザク　（ザク重装試験型）
　運命：追加装備/失踪
　ペールギュント２の試験パイロット。チョバムアーマーを付けた重装型ザクで白兵戦を挑む。恋人が失踪中。

・アルベルト・日下大佐（35）
　乗機：チベ級重巡ペールギュント２
　運命：艦艇指揮官/覚醒の予感
　試験中隊の指揮官で、ペールギュント２の館長。何かを感じる。

・シルム・ソコル少尉（21）
　乗機：プロトタイプ・アイザック（強行偵察型ザク・フリッパー改）
　運命：ＮＴ/破滅の予感
　試験中隊に配備されたニュータイプその１、感知能力が高く、強行偵察機型のプロトタイプ・アイザックで、艦隊を導く。

・オーケ・サウーヌ中尉（42）
　乗機：ザクⅡ
　運命：誓いの言葉/忠誠（→キシリア様）
　試験中隊の試験パイロット。キシリア・ザビを熱狂的に信奉する一方で、連邦軍捕虜の女性パイロット、アイーザを愛してしまった。いつか彼女を重力の呪縛から解き明かそうと誓っている。

・マリア・ティエル少尉（18）
　乗機：サイコミュ試験型高機動ザク　（Ｚ型）
　運命：サイコミュ適性/愛する者を滅ぼす予言
　ララア・スン枠。サイコミュ適性を見出され、ジオングに先行するサイコミュ試験用ザクに登場する。武装は左右の腕につけられたメガ粒子砲によるオールレンジ攻撃。恋人は１年戦争を戦い、ニューヤークで木馬を倒せなかったことを深く後悔しているガルマ隊の生き残り。

　事件は、ペズン計画に関わる小惑星研究基地を、EXAM搭載のブルーディスティニーが襲撃していたというもの。そこに、ＰＣたちの消えた恋人たちが関わり、ペールギュント２の面々は苦戦するというお話。
　何しろ、乗機はすべて、ザク。
　改造されていてもザク。ノーマルのFまである。
　とはいえ、なんとか撃破して帰還。

　なお、ペールギュントⅡはその後、ソロモン要塞戦に参加したと言われるが、正式な記録はない。試作型のアイザックが、連邦軍のソーラー・システムを発見したが、間に合わなかったという噂もある。

●京都深淵CON：深淵：邪悪の黒き巫女

　開けて19日は、本番です。もちろんシステムは「深淵第二版」。今回は、北原、辺境騎士団領の商業都市タルタスが舞台。黒魔の群れが北方から南下中で、タルタスは危機に陥っています。R&R72に乗ったばかりのテンプレート「黒天教の神官」ナターシャ・スールがＰＣたちを誘惑しに来るという話。
　集まった５名のＰＣは以下の通り。

・傭兵ザルツ
　運命：友なる動物／死者たちの誘い
　タルタス軍に属する傭兵。主力軍による黒魔討伐が失敗し、全滅したことを街に伝えた。ナターシャの脅威をもっとも深く感じている。気づくと、貴婦人の護衛役に。

・呪われた天才剣士ベクトル
　運命：呪われた魔剣/血の渇き
　魔剣「大鴉」の持ち主でありながら、「鏡の公女エリシェ」のしもべとして、毎月、無垢なる少年少女を殺戮する。かつて父に疎まれた経験が心の傷となっている。

・貴婦人トワネ・トワ・リーアン
　運命：王者の相/心変わり
　タルタスの名家、リーアン家の奥方。夫の騎士ルイは、最近、獣くさく、怪しげな行動を取ったり、朝帰りを繰り返したりしている。

・戦災孤児アル
　運命：戦争の傷跡/妄想
　北原の戦乱で家族を失った少女。タルタスでは少年を粧い、路上で働いている。夢は「豪商王になる」！　ナターシャ・スールに騙されて騎士ダルスの家に潜り込む。

・騎士ギルバート・ダイ・ダロス
　運命：血に飢えた戦士／封印の守護者
　タルタスの地下に隠された月光の封印を守護する名家の騎士だが、恋人が失踪したトラウマから、狂戦士と化し、死神とあだ名される。

　OＰは各自の運命に黒魔襲来やナターシャの暗躍を絡めたシーンを。
　タルタスで殺戮を果たし、鏡の公女エリシャに生贄を捧げるベクトルに鏡の公女が、ナターシャ・スールを紹介する。間もなく、黒き滅びがこの街を覆うだろうと。
　一方、狂戦士となった騎士ダロスは、黒魔の群れを虐殺するも、味方まで巻き込んでしまい、死神の異名を受けることに、そこへ、貴婦人の夫である騎士ルイが黒魔戦の件でよからぬことを吹き込もうとするが、これは耐え切る。
　そのルイはナターシャに騙されて、獣となる呪いを受けていたのである。
　そのあたりを「側妻がいるのも、貴族の習い」と流す貴婦人だったが、ザルツが騎士ルイから邪悪な誘いをうけている間に、ナターシャが乗り込んできて、別の意味で大騒ぎに。財産問題まで絡んでザルツとともに、ダロスの家に避難する。
　ダロス邸には、ナターシャに買収されたアルが従者の少年として忍び込んでいた。ザルツと貴婦人が逃げてきて、状況を相談するうちに、ベクトルが訪ねてくる。狂戦士の騎士と血の渇きを抱く呪われた天才剣士、凄腕の傭兵と、殺気をはらむにらみ合いの末に、ベクトルとダロスは男の友情を構築。漂泊の天才剣士はやっと居場所を得る。
　その後、アルが正式な従者に採用されるにあたり、侍女たちに強制着替えさせられそうになったことをきっかけに、アルが過去のベクトルを思い出し、彼の優しい面を評価すべきだと思い始める（「運命：言えなかった一言」を獲得）
　しかし、ベクトルは、鏡の公女に求められた生贄を捧げない訳にはいかない。
　ダロスの館を離れ、夜の通りでまた一人の命を奪う。
　帰ってきたベクトルの発する殺気を見て、事態を察したダロスは一言「出て行け」という。ベクトルも揺るがぬダロスに感謝し、門に近い宿屋へ移動する。二人の友情を慮り、ベクトルを迎えに行こうというザルツに、ダロスは一通の手紙（カード）を託す。そのカードを見て、館に戻る決意をするベクトル。

　＞＞このあたり、運命カードを使って、キャラクターのメッセージを伝えている。

　だが、間にダロスの館には、ナターシャが現れ、ダロスの恋人シオーネを人質にして地下の封印へ案内するように共用していた。一族の任務と愛情の板ばさみになり、動けないダロス。
　そこへベクトルとザルツがもどってくるも、手を出せない。

貴婦人「男はもう～！」

　貴婦人トワネが業を煮やして、ナターシャに体当りして、シオーネを開放する。
　その瞬間、天才剣士ベクトルの魔剣が三度、ひらめき、ナターシャを打ち倒す。

　＞＞＞ここは暴走する大鴉を制御しつつ、ナターシャを気絶に追い込んだ。呪われた天才剣士でありながら、「殺さず」に敵を倒したのは、偶然とはいえ、あまりにも美しい結末である。

　かくして、黒天教の神官ナターシャ・スールの陰謀を撃破された。
　もちろん、まだ黒魔どもの脅威は消えていない。ダロスとベクトル、ザルツはタルタスを守るために、新たな戦いへと踏み出していくこととなった。貴婦人トワネは、ナターシャのために夫を狼に変えられたが、見事、仇を撃った妻として、家を守りきった。アルを養女にしようともしたが、アルは豪商王になるために旅立っていった。

●閉会式

　かくして京都深淵CON終了。
　閉会式で告知した内容はほぼ、JGCの新作発表と同じなので割愛。

　「霊障都市捜査ファイル」については、サプリメントとして、京都編を計画しておりますので、京都での刑事ネタの情報をお持ちの方はぜひ！

　その後、近所のしゃぶしゃぶ屋で打ち上げをした後、後泊組４名が宿屋に戻り、軽く「霊障都市捜査ファイル」を回す。事件簿のタイトルは「老刑事の心残り　～10％の良心～」。迷宮入りしかけた殺人事件が、残り時間わずかな状態で殺人課に回ってくる。あっという間に二人目の被害者も出て、刑事たちは焦りを感じる。残り時間はわずか、ただ10％の可能性にかけて犯人を救うべく戦った。

●取材回り

　明けて20日。将来の京都編作成を念頭に置きつつ、京都取材へ。時間が少なめだったので、以前から見たいと思っていた三面鳥居を訪ねて蚕の社へ。
　ルートとしては、一旦、荷物を京都駅のロッカーに置き、紙袋一つの身軽な状態になってから、四条大宮から嵐電に乗る。これは京都市内と嵐山方面を結ぶ路面電車である。

　蚕の社は、同名の駅から２～３分歩いた市街地の中のこんもりした森にある。
　入ってすぐのところに、稲荷社があるのだが、半地下になっていて、昼でも何かを感じる。

　神楽殿の先にある本殿にご挨拶したあと、よこの糺の池（干上がっている）の中にある三面鳥居を拝謁。

　その後、隣駅の太秦まで歩いて、聖徳太子由来の古寺「広隆寺」へ。
　国宝の如来像などを見る訳だが、太子堂の縁側で、若者に向かって、聖徳太子＝ユダヤ説を滔々と語る人々がおり、「祇園祭りは、ユダヤのシオン祭が由来」とかいう話が聞こえる。ムー読者にとっては、割と有名なユダヤ伝説のネタのひとつですが、リアルに太子堂の縁側で語られていて、衝撃を受ける。
　その後、酒神神社へ。
　秦の始皇帝を祀る古社ですが、機織りの他、大陸から造酒技術を持ち込んだ秦酒公（はたのさけきみ）を祀っています。古いお酒の神様ですが、非常に小さい上に、手水舎が干上がっているぐらいの放置っぷり。