JGC日記2:2日目、3日目:「霊障都市捜査ファイル」他
JGC日記の続き。
●『真・女神転生X』:謎のフォルマ
JGC日記2日目。昼の部、R-CON第二回は、『真・女神転生X』。先行発売された新サプリメント「異形科学」の須摩留設定に合わせた体験セッション。同サプリメントの冒頭リプレイに登場する4名の超能力者に加えて、ファイアスターター/サマナーの悪魔使いを加えた5名のPCで、L27の悪魔使いに挑む。
シナリオの時期は、「ストレンジ・ジャーニー」の約1年前、須摩留工科大学の極地研究所が持ち帰った謎の暗黒領域のサンプル(いわゆる「フォルマ」)を狙って、「先触れの魔女」が須摩留市に侵入、次々と騒ぎを起こすというもの。
OPから、秘神カンバリとの戦闘となるが、「氷の女帝」の面制圧能力が爆発、一気に片をつけてしまう。しかし、それは陽動でしかなく、その間に、研究所にあったフォルマが奪われてしまう。
残るフォルマの情報を追う一行だが、陸自に向かった連中がゾンビごっこでトラブルを起こしたり、兄大好きツンデレ妹キャラクターのPCがいつの間にかヤンデレ(いや、病んだまま)になって兄を殺しかけたりしているうちに、「先触れの魔女」の襲撃を受けて、研究所で戦闘に突入、研究室と廊下に分断されたPCたちであったが、なんとか撃退し、フォルマを守りきった。
●『霊障都市 捜査ファイル』:ハブ毒怪死殺人事件
R-CON夜の部は、現在開発中の刑事物RPG『霊障都市 捜査ファイル』。霊障が発生するようになった新宿では、殺人を犯した者の90%以上が49日以内に、霊障を発生させる猟奇殺人鬼に進化する現象が見られるようになった。これを防ぐため、新宿東警察署に「殺人課」が設置され、殺人事件の迅速な解決が図られることになった。
『霊障都市 捜査ファイル』のゲーム・システムは、2D6/3D6系の上方ロールによる判定系を持ちつつ、実際の捜査をトランプのカードによって行う。「凶器」「被害者」「現場」「動機」「犯人」などのカードを七並べ状に配置し、これをカードでつなげる捜査によって「証拠ポイント」を獲得、犯人ごとに定められたポイント以上になると、逮捕状が獲得できる。
実際に、ボードゲーム的に捜査をしつつ、それぞれの刑事には、設定が加わり、殺人事件との関係でドラマを作っていける。推理物の部分には、ランダムに事件を作るシステム、設定つきのNPC集、刑事らしい活動ができるクラスなどが用意されている。名前もランダムに決めることができ、今回も「安田久」というどこかで聞いたような名前の刑事が出てきて、殉職したら、どうしよう?とか思いました。
ルールがわかると回転が早いのがセールスポイント。今回もキャラクターを作って、構造型シナリオ1本、ランダムシナリオ1本を4時間ほどで回しました。
今回の刑事はこんな感じ。
・小早川舞(28)
クラス:エッジ/SWAT
運命:エゴイスト/美的センス
「ゴーイング・マイ・ウェイ」なSWATあがりの武闘派女性刑事。歌舞伎町でヤンキーを占めたり、容疑者の都議会議員を救うため、ピストルをぶっぱなしたり……
その辺の武闘派ぶりがたたって、二話目では、別件で容疑者扱いされたり。
・反町大地(45)
クラス:ベテラン/科学捜査官
運命:不信感/癒着
科学捜査のベテランであるが、都知事の親友で色々癒着中。実験室にいない時は、都内某所で都知事と密会し、事件の揉み消しを図っている。一話目では都議の犯罪に気づき、都知事への延焼を防いだ。
・安田久(29)
クラス:機動隊/叩き上げ
運命:婚約者/失われた勇気
元機動隊で、色々挫折して殺人課に。現在はだらだらしながら、婚約者とデートする平和な人生を行う。小早川とともに、殺人課のアクション担当。プレイヤー曰く「ジーパン刑事」枠。
・木島秀子(35)
クラス:管理官/専門技官
運命:その筋のコネ/恋のライバル
殺人課第二班のリーダーであるキャリアウーマン。部下を叱咤激励し、働かせるが、自分は医師の恋人を中学生の少女と奪い合う恋多き女。ヤクザの組長にも顔の聞くネゴシエーター。
・スタンレー・キャメロン(28)
クラス:機動捜査/捜査官
運命:失踪/心変わり
プロファイリング能力を持つ捜査官であり、初動捜査の得意な機動捜査班出身で覆面パトカーを乗り回す。
彼女に逃げられたり、心変わりされつつあったりするかわいそうな外人青年、実姉が新宿で外国人マフィアの女ボスであるため、警察にいても白い目で見られている。一話目では、犯人にでっち上げられそうになり、二話目では、先行し過ぎて、犯人との銃撃戦に巻き込まれる。
一話目「ハブ毒怪死殺人事件」
浮浪者のやっさん(本名不明)が変死し、鑑識に回されたが、数日後、奇妙な生物由来の毒が発見され、殺人課に再捜査の依頼が出る。刑事のひとり、キャメロンが容疑者扱いされるなど、不可解な圧力もかかる。捜査を進めていくと、新宿再開発派の都議が捜査線上に浮かぶ。最先端の科学者出身で知られる彼女はなんと蛇マニアで、ハブを初めとする世界中の毒蛇を飼っていたのである。都庁方面から迫る圧力により、なかなか逮捕状が降りない(VIPは逮捕するために必要な証拠ポイントが高い)。やがて、殺人事件の裏側に、バブル期の贈収賄事件が隠されていたことが分かり、やっさんが、かつては高名な建設会社の幹部だったことが明らかになる。都議は過去の事件を暴露されないために、毒蛇にやっさんを噛ませたのである。
証拠を揃え、逮捕に向かう刑事たちだが、都議は毒蛇で自殺を図る。そこで小早川の銃器がうなり、蛇の頭を吹き飛ばす。続いて駆け込んだ安田が説得し、自殺を思いとどまらせる。あとから来たキャメロンは、犯人にでっち上げられた怒りを爆発させるが、安田が代わりにその拳を受け止める。
安田:お前の怒りは分かる。だが、俺達は刑事だ。
なお、その頃、反町は鑑識作業の傍ら、都議の証拠書類の一部をこっそり隠匿していた。
二話目「歌舞伎町SMG乱射事件」
1時間ほど余ったので、ランダム事件発生システムを用いて、もう一話。
この方式の場合、各PCに関わるNPCに対応するカードを集めて、伏せたまま、事件ボードに配置するだけで、事件のあらましが決定できる。
ここで、いきなり、木島管理官の恋人である医師が、歌舞伎町で射殺される。敵討ちを誓う管理官だが、少しずつ明らかになるのは、医師が地下カジノで行っていた副業の高利貸しの話。その上、凶器となったSMGの行方が分からない。やがて捜査線上に浮かんだのは、サッカー選手。どうやら、スランプの際に、カジノに手を出してしまったらしい。
歌舞伎町周辺を追う刑事たちは、チャイニーズ・マフィアの幹部エリック・ウーの関与を知るものの、なかなか銃器と犯人が結びつかない。ついに、キャメロン刑事が機動捜査を行い、決定的な証拠を掴むが、怒ったJリーガーはSMGを乱射、キャメロンの愛車は穴だらけに。駆けつけた小早川、安田の活躍でJリーガーを取り押さえて事件は落着。犯人と顔見知りだった反町が締めの一言。
「あんたのキックは凄かったよ」
霊障の関係が少なめのシナリオでしたが、二話回したところで、好評な手応えを得られたのは収穫。11月末の発売を目指して製作を頑張ります。
●夜の深淵CON:龍王教団の陰謀
深夜1時半より、夜の深淵CON第二夜。
今回は、一夜目で出現した紫の光龍ソルーナ・ディヴィアンを召喚した龍王教団を撃破するというシナリオ。基本構造はR-CON1の「龍王教団追撃」と同じですが、一夜目との連動が大きな変更点で、こちらのほうがきちんとミッションに向き合った感じになりました。
PCは「絶望の老将」「龍殺し」「呪われた天才剣士」「漂泊の若き騎士」「異端イェロマーグ派の吟遊詩人」。
PCは、タルタスの命令で、龍王教団討伐へ向かう部隊の主要人物となり、大型投石機で龍王教団のキャンプを砲撃することになる。うまく、宿営地の近くに踏み込めた一行は、投石機を守るため、前衛に展開、初撃とともに、宿営地へ切り込んだ。漂泊の若き騎士は、一気に宿営地を突き抜けて、敵の目を引き寄せる。龍殺し、老将、天才剣士が第二陣として切り込み、龍の召喚を行なおうとする幹部に攻撃する。それでも、召喚値50の鷲龍ウィブラールが召喚されるが、これは「叙事詩に残る一撃」を握り締めていた「龍殺し」の一撃で粉砕され、龍王教団は総崩れになる。
ここで、無事ミッションもクリアされたので、EDに入るが、何か電波を受信していた「イェロマーグ派」が突然、龍王教団に入信、自らの身を生贄に捧げて、さらなる火龍を召喚してしまう。かくして、残る四人が巨大な火龍との戦いを決意するという、エンディングに。
●『ブルーローズ:ネクサス』:ピラミッドの謎
明けて三日目は、R-CONの四回目。『ブルーローズ:ネクサス』。
こちらは昨年暮れに発売したトレジャーハンター・アクション物。
全く初めての方も含めて、ピラミッドの謎に挑む。ギザのピラミッドに隠された埋没通路、それは超古代のエジプトに通じるタイム・トンネルだったのだ! 途中、UFOにさらわれそうになったり、チュパカブラに襲われたりしながらも、行方不明になっていた研究者を救出、アヌビスの三つの試練を越えて帰還した。
●また、来年もJGCで!
なんとか6セッション終了。サイン会、新作発表会を経てなんとかJGC2010も終了。
今年もなんとか終えることができました。一緒に遊んでくださった参加者の皆さん、ありがとうございます。夜の深淵CONを手伝ってくれたスタッフもご苦労様でした。
では、また来年もJGCでお会いしましょう!