「東京鬼祓師 鴉乃杜學園綺譚TRPG」(JIVE)発売中です! 基本編・上級編合わせてお買い求めください。公式サイトが開設されました。現在は紹介ページだけですが、今後、内容を充実させていく予定ですので、よろしくお願いいたします。
●TRPG文華祭
週末は、本郷で開催された宿泊型TRPGイベント「TRPG文華祭」にお邪魔してきました。私は新発売の「東京鬼祓師 鴉乃杜學園綺譚TRPG」を2回、開発中の「霊障都市捜査ファイル」の京都編を2回、GMした他、トークショーの司会っぽいことをしたり、チャリティ・バー「蓬莱酒家」でのんだくれたりしておりました。
●東京鬼祓師:陽炎の魔女、片想いの秋
初日1回目は、新発売の「東京鬼祓師 鴉乃杜學園綺譚TRPG」。
基本編についたサンプル・キャラクターを使うことを前提にした入門用シナリオ。原作の第四話「陽炎の魔女」に登場するNPC「アンジー・D」が引き起こす事件を、PCたち封札師とその仲間たちが解決することになる。
今回のPCは
・不良養護教諭:緋雲たくみ
・新聞部員(記者):三峯晋
・巫女女子高生:日向葵
・熱血野球部員:獄円仁久丸
えー、「シノビガミ」の忍者名前表を使うのは辞めましょう(笑)
鴉乃杜学園の校内で、春なのに、銀杏が黄色くなる事件が発生する中、野球部の正捕手「大佛三郎(おさらぎ・さぶろう)」に恋する合唱部の気弱少女「嵯峨根柊(さがね・ひいらぎ)」が失踪した。探索を依頼されたPCたちは、嵯峨根のクラスに転校してきたスペイン人の美女「アンジー・D」が恋占いで彼らを後押ししたことを知る。
ここで、チームメイトの恋の行方を心配する仁久丸は、カルパタルのカレー屋で事情を聞くうち、アンジーが妖しいことに気づくが、自らも少女たちの恋の対象になっていたことを知る。嵯峨根のクラスメート、岩切スミレが仁久丸に恋をしていたのである。
一方、銀杏の謎を調査にいったメンバーは、銀杏が黄色くなったあたりの中心に、閉鎖された古い洋館があり、今は、学園の物置になっていることを知る。なぜか緩んでいた鎖を外すと、床には真新しい足あとが二つ。小さな女子学生らしい靴跡、そして、ヒールの高い女性の足跡。後者はおそらくアンジーだ。その先には、なぜか地下へ向かう落とし戸があった。開くと上がってくる秋の風、そして、微か獣のうなり。地下に、呪言花札が産み出した洞(うろ)(本作におけるダンジョン)が誕生していたのだ!
消えた嵯峨根が秋の洞に踏みこんだと踏んだ一同は、準備にとりかかる。途中、岩切やアンがPCにアタックしてきたり、キャッチャーの大佛が行方不明になったり、緋雲先生が学内を徘徊し、日本酒を見つけてきたりした後、秋の洞に向かう。
入り口に踏み込もうとした一同の前で先に洋館へ踏み込もうとしたのは、岩切である。彼女はアンから聞いた呪い「愛のハライソ」を実行するために、秋の洞、二対石碑の間へ向かうことにしたのだ。仁久丸の制止を聞かぬまま、恋の成就を願って洞へと飛び込んでしまう。彼女を追ってダンジョンに突入。
最初の部屋「二対石碑の間」では、彼女がアンから渡された呪言花札「紅葉の屑・壱」を使い、「砕火の大岩」の仕掛けを発動させようとしていた。出現する隠人(オニ)、コウモリ型のハナヒリ、犬型の狗児(エノコロ)、謎のビームを放つ伽藍を倒す。障害に川を用意したが、仁久丸がそれを飛び越えて岩切の元に飛び込み、彼女を説得する。彼女は恋が叶ったと喜び、仁久丸に花札を渡す。
花札を使い、奥の間に向かった一行は、そこでアンジー・Dが、恋する二人を石像に変えつつあった。
アン「二人の愛のエネルギーで、新たな花札が目を覚ますのよ!」
巫女「なんでこんなひどいことを?」
アン「だって、アンは魔女だから」
アンジーはスペインから来た魔女という設定で、まさにこういう台詞を言うのだが、時節柄、卓の全員がある台詞を思いついて打ち消した。
「アンと契約して、魔法少女になってよ」
きっと、嵯峨根はそんな言葉に騙されたんだ(いや、違う)。
かくして、クライマックス。
「東京鬼祓師」の戦闘は3×3の戦闘グリッドでタクティカル戦闘である。次々と出現する敵の隠人を、1体倒すごとに上昇する攻勢値をためながら、ボス攻撃につぎ込んでいく。ボスは毎ターン、手下の隠人を補充する能力があるので、チームワークと連携が鍵となる。今回も、巫女や養護教諭が応援する中、野球部員の仁久丸が花札で強化したバットで隠人をなぎ払い、カメラ(本作では射撃武器)を使う新聞部員とともに、ボスを撃破した。
三峯「カメラで射撃攻撃!」
GM「隠人が一体、即死した」
一同「お前はスピードグラファーか? 写真取られると死ぬぞ」
敵は、10レベル相当に調整した「アンジー・D」(秋属性)、狗児、伽藍でしたが、なんとか撃破し、事件を解決しました。
・戦闘関係追記
「鬼祓師」では、GMはダイスを全く振らないので、ゲーム管理が非常に楽です。隠人の行動は戦術まで決まっているので、データ参照と進行管理だけでいい。
それに対して、PCは多数の雑魚隠人を含めた戦闘をどう有利に進めるか、複数の使い道がある花札をどう戦闘に活かすかなど、考えどころが多く、なかなか面白いものになります。
●チャリティ・バー「蓬莱酒家」
ゲームが終わり、夜食を取った後はトークショーへ。基本的にゲストの紹介、近況報告、テーマトークなど。朱鷺田は司会っぽいことをしつつ、自分も新作の宣伝などをします。今回は、震災の影響もあり、遠隔地にお住まいのゲストは欠席となってしまいましたが、それでも10名近いゲストがおいでになりました。
そして、登場したのが、新城カズマさん。
TRPG文華祭は、ゆったりとした宿泊コンベンションの関係で、いつの間にか、ゲスト部屋兼酒場になぜか大量の酒が集まる、というのがまたひとつの特色です。(半分はお前のせいだろ、というツッコミもありましょうが)
今回は、3・11大震災に関して、ゲーマーも何かできないか?ということで、新城カズマさんが中心になり、Twitterの蓬莱クラスターで始まったチャリティ企画の一環として、チャリティ・バー「蓬莱酒家」が開催されました。 クラスターのメンバーが運営するチャリティ・バーで酒を飲んで募金を行い、集まった義捐金を寄付しようというものです。初日は、トークショーの会場後方に設営され、トークショーの中盤から開店、弘司さんと九月姫さんのオリジナル・イラスト付きカップホルダーも提供され、大いに盛り上がりました。初日で目標額を突破、二日目も合わせて、8万円以上の義捐金が集まったそうです。よかった。
朱鷺田はトークショーの後、この酒場スペースで、主に呑んだくれていた訳ですが、神楽坂のアフリカ料理屋「トライブス」さんから分けてもらった珍しいお酒、あるいは知人のA氏にもらったバリ島のアラックなどを持ち込み、チャリティ・バーおよび隣の酒場スペースで飲んでいただきました。
トライブスさん、ありがとうございました!
①朱鷺田が持ち込んだ酒の一部・・・・(汗)
右から
アブサン「ブラック・ユニコーン」 エチケットが幻想的な黒のユニコーンというアブサン。濃厚な薬草酒で、砂糖を加え、水で割って飲むのがよい。目白の田中屋酒店にて購入。
椰子酒(パームワイン) トライブスさんからのいただきもの。ヤシの果汁を発酵させたカルピス系のドリンクです。うまい!
イエローテイル。カンガルーのエチケットが目印のオーストラリア・ワイン。会場近所のコンビニで夜食と一緒に購入。フランスパンに合う。
ミルクモルト。 ビールのために糖化させたモルトを使った甘いノンアルコール・ドリンク。写真はアフリカのキャッスル・ビールのものですが、他にギネスのモルト・ドリンク、キャッスル・ビールのゴールドもありました。
②真ん中3本がアフリカのビター。
右端は、知人A氏のバリ島土産。バリ島で日本向けに作られたアラック(蒸留酒)。ライスワインを蒸留したもの。左端はハニー君が持ち込んだ「炙りいりこ酒」、いりこの香りがかぐわしい。
この他、カラハリ砂漠の塩とか、バオバブの実のお菓子とかありました。
朱鷺田は、持ち込んだフランス・パンやくるみパンにオリーブ・オイルを垂らして飲み会モードへ。パテとか、チーズとか、お酒とか色々差し入れもいただき、大満足。
深夜3時頃、眠ろうかと思ったら、鈴木一也さんらに誘われ、「ピクショナリー」へ。絵を書いて当てるイラスト連想ゲームをスゴロク型にしたもの。奇数になったので、コンビ打ちルールを排除して、全員回答モード(正解した場合、書いた人と当てた人が進める)。アルコールがずいぶん入っていたが、途中でプレイヤーの癖が分かったので、なんとかぎりぎりで勝利。
●二日目昼:霊障都市京都編(仮):西陣自衛官殺人事件
明けて二日目。友人と参加する娘を迎えにいった後、昼の部は「霊障都市捜査ファイル」のGM、現在開発中の京都編マップと追加クラス、追加霊障データを使ったテストプレイ。NPCは新宿を流用。
ちょっとメモが移動の際に紛れ込んでしまったようなので、レポは簡単に。
今回は京都編で導入予定の追加クラスを使用しました。警察以外もできる市民クラスなど、ユニークなものが加わります。
今回のPC
・白田警部(検非違使/外事公安)
壬生に本部がある皇宮警察特別警備部は、対霊障装備である「破魔の剣」を標準装備し、検非違使、または本部の所在地から、新選組の通称を持つ。白田は公安から検非違使に進み、京都府警殺人課に出向。今回のメインアタッカーだが、開始早々、火炎車と一騎打ちして死にそうになる。能力値は総じて高いため、潜在力が足りない人。
・藍川検事官(叩き上げ/検事)
京都地検の男。ベテラン刑事上がりで地検の検事となり、捜査の指揮を取る。
・高杉(探偵/捜査官)
プロファイリングもできる名捜査官。探偵として地道な捜査をする。
・新井(組織暴力/報道)
元丸Bの刑事で、京都府警では広報担当もこなす。なぜか、婚約者がいて、事件の最中にプロポーズするハメになる。
渦型(即興の事件生成システム)でプレイしたところ事件簿は「ハートのAが出てこない」になる。これは殺人事件の背景で、PCの刑事の恋愛が進むという話だ。
起こった事件は西陣の路上で、自衛官が毒殺され、公務用に持っていた多額の現金を奪われたというもの。早速殺人課が捜査を始める。早速、新井が現場に近い金閣寺周辺で聞き込みをすると、霊障「火炎車」と遭遇、検非違使の白田が救援に向かうが、一騎打ちで大怪我をした上、霊障を倒せず、現場周辺は捜査困難になってしまう。自衛隊は隊員の死でいきり立っており、霊障退治に乗り気だが、金閣寺周辺を戦場にする訳にもいかず、現場周辺は封鎖されてしまう。
別の方面から捜査を進めるが、なかなか犯人の目星がつかない。
発端は別の場所から現れた。
火炎車との一騎打ちで大怪我をした白田が、ライバルの不良刑事、竜崎と祇園に繰り出した際、竜崎が多額の借金を重ね、行き詰っていたのである。
気になって捜査していくと、竜崎が容疑者として浮かび上がってきた。借金に困り、仕事を利用して多額の現金を持つ個人を狙ったのである。
そして、竜崎がまもなく第二の犯罪を犯すと踏んだ刑事たちは竜崎を尾行し、京都タワーでコンサート中のアイドル、天海瞳のつけていた高価な首飾りを狙った竜崎を逮捕したのであった。
●トークショー2:新作ゲーム企画会議
夕方からトークショーの二回目。今回は大喜利形式で、参加者から提出されたネタを元に、ゲストがゲーム企画を作れというもの。例えば、「ガンダム世界で」「家畜人が」「邪気眼を使って」「僕と契約してよとかいう不思議な動物と」戦うとかいうもの。
私に回ってきたテーマは「箱庭世界で」「(ワシヅのような)闇に落ちた天才が」「酒とつまみで」「侍のような何か」と戦うというもの。
私の回答は「大江戸麻雀黙示録・ゲンナイ」。
江戸元禄期の江戸、迫り来る外国勢は、開国を実現するため、麻雀対決を迫ってきた。それも、放銃すると、ロシア・ウォッカの一気飲みが待っている地獄の酒飲み麻雀である。困った幕府は獄死したはずの天才蘭学者、平賀源内に解決を命じる。源内は酒の脅威を軽減するため、うなぎをはじめとする日本の肴文化で対抗することを提案した。かくして、始める日露麻雀・酒対決に、豊臣残党や天草四郎が介入してきて…・・・
●みんなにほほえみを
二日目に出演された伏見健二さんから、参加者に贈られた相沢美良さんの鉛筆・手書きイラスト。
なんと、ゲームを遊んでいる皆さんに笑顔を届けるため、30枚もの手書きイラストで、参加者ひとりひとりに配られたもの。1枚1枚別のキャラで笑顔が描かれています。娘がいただいたものです。ありがとうございました
●二日目夜:霊障都市京都編(仮):西京極外国人娼婦殺人事件
トークショーの後、夜の部は霊障都市京都篇の2回目。今回の刑事は…
・眉村警部(機動捜査/検非違使)
市中見廻りをする魔剣使い。
・前田警視(管理官/学者)
学者肌の管理官。
・来栖・エリック(外事公安/ベテラン)
ハーフのベテラン刑事。公安出身。
・福知巡査部長(科学捜査官/捜査官)
捜査のベテラン、科学捜査とプロファイリングで犯人を追いかける。
西京極で外国人娼婦ペパー・キャグニーが射殺された。殺した街の不良、島崎龍馬は行方不明となった。前田率いる捜査班は被害者周辺を捜査していくが、島崎は祇園に近い鴨川西岸で殺されていた。難航する捜査は、桂川に出現した鵺騒動で混乱するが、ついに、京都御所でピストルが発見され、殺人課の小暮課長が行方不明なことが分かる。上賀茂神社近くに隠遁していた課長を見つけ出した刑事に、課長はピストルを奪われ、はめられたことを語る。捜査の限界が迫るのを感じつつ、捜査を続けた刑事たちは、真の黒幕が何者かの悪霊に操られた浮浪者のやっさんであることを突き止める。かくして、実際の犯人は逮捕されたが、京都の闇は深くなるばかりであった。
●東京鬼祓師「陽炎の魔女、片想いの秋」
三日目は秋葉原のイエローサブマリンに会場を移して、四回目のセッション。朱鷺田は、東京鬼祓師で、初日と同じ「陽炎の魔女、片想いの秋」をGMしました。
PCは以下のとおり。
・熱血野球部員:二条和
・古流剣術の伝承者:中大路佳祐
・冷静な射手:烏丸龍姫
・狛犬の姫:神無
・優しき養護教諭:一紘凪紗
シナリオは初日と同じですが、R&R掲載の神使「狛犬の姫」を導入、初期配布の花札に合わせて、ダンジョンの構造を変え、仕掛け装置を変えました。今回は熱心な原作ファンがいたので、カルパタルのカレー屋のあたりから暴走が始まり、野球部員を巡る恋の鞘当ても起きて盛り上がりました。
●戦い終わって
閉会式の後は打ち上げ。今回は「過橋米線」の上野店を借りきり、美味しい中華をたっぷりいただきました。
今年も楽しいイベントでした。
こういう日々ですから、元気に笑って元気をもらって元気になりましょう。
娘も一泊二日、ずいぶん楽しかったそうです。ありがとうございました。