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July 25, 2011

深淵:少女と夢見るカカシ、エクリプス・フェイズ:企業令嬢の野心、クトゥルフ本

 雑誌原稿に一区切りついたので、単行本記事と校正にとりかかる。今週も暇はなし。
 ……とはいえ、JGCまで毎週、週末はゲーム関係で埋まりました。
 今週末は、7/30の「Eclipse Phase体験会@R&Rステーション」でGMの予定。 「エクリプス・フェイズ」の紹介については、暇を見てもう1、2回したいところですが、あれもこれもの状態です。

●深淵:少女と夢見るカカシ

 日曜日は、「東京深淵CON~シキサイ~」に出席。テンプレートのテストをかねて、河下りの話をば。R&R連載のアミイのイメージで、オズっぽいカカシを投入してみる。

PCは以下の通り。

・少女 ゲルダ
運命:封印の守護者、魔族の走狗
 魔族《死霊の公子スナーダル》の封印を守っていた一族の娘が、スナーダル再封印の道を求めてさまよう・・・はずが、なぜか《剣の侯爵ロンゲイン》の手先となり、闇に落ちてしまう。ヒロイン枠だったはずなのに。

・騎士見習い(従士)タルクス・エンデバー
運命:残された瞳、依存症(一族の紋章を刻んだ盾)
 風の妖精騎士ヴィケルフの血筋を引くエンデバー家の若者。一族は滅ぼされてしまい、青年は一族の証たる盾にすがるように生きていく。主人公っぽい設定ながら、途中、赤札の《狂気》に脅かされる。

・船乗り ジェラルド
運命:王者の相、沈黙の刻印(死霊の公子スナーダル)
 類まれな王者の相を持つ南方の船乗り。スナーダルに沈黙の刻印を刻まれ、運命の旅人を運ぶ、船の主になる。冒険の介添え人という立ち位置だったが、王者の相のため、なぜかヒロインっぽい立ち位置に。

・夢見るカカシ アンドリュー
運命:奪われた肉体、魔法の力(破魔の瞳)
 畑に立っているカカシ。魔族の信徒によって肉体を奪われた古鏡の魔道師の魂が押し込められている。「オズ」や「ハウルと歩く城」のカカシだったはずが、破魔の瞳を得たことにより、車輪眼のカカシっぽい立ち位置に。

 今回のテーマは、新規テンプレートの運用実験。
 来月発売のR&Rに乗るアミイの話は船乗りとの話になりますが、アミイの話は「オズの魔法使い」っぽいネタを入れていくので、まずは、カカシの実装実験。このあたり、北陸深淵CONで女性プレイヤーさんから、「人造物っぽいものをぜひ!」という感想をいただいたのも、ひとつの理由です。

 「運命に翻弄される者たちが乗り合わせる船」というのは、ムアコックのエターナル・チャンピオン系のシリーズでよくある物語テンプレートなので、今回は少女、騎士見習いを船に乗せるという流れの半構造型。船を操る船乗りと、助言者相当のカカシを投入し、モーファット河流域の遺跡をめぐるというもの。

 導入は、龍の都スイネの南。魔族に命じられ、三角帆の河船を岸辺に寄せるジェラルド。そこへ運命に導かれ、騎士見習いのタルクスと少女ゲルダがやってくる。船を出そうとすると、上流から流れてきたカカシが引っかかったので、拾いあげてみると、これが話すカカシで、アンドリューと名乗り、旅に参加することになる。
 河を下り、火龍の住むファオンの野では、炎の守護者ザルナーンが上空を舞うも、妖精騎士の血筋を引くタルクスの存在で約定が守られる。
 ちなみに、カカシのアンドリューは、火炎のダメージが2倍という弱点が設定されていたので、このあたりはドキドキしている。

 続いて、川沿いに土鬼王国時代の遺跡が姿を現す。
 まずは、炎に焼かれしゾースニク。超高熱で焼き払われた形跡のある遺跡である。ここは、火炎が危険なので、パスするも、このあたりで、少女から赤札《狂気》をトスされた騎士見習いの精神が不安定になっていく。
 さらに下ると、封印されしカルースニク。妖精騎士が封印した遺跡であるが、ここで騎士見習いタルクスがもはや我慢できなくなり、妖精騎士の力を使って飛び上がり、遺跡へ突入してしまう。他の三人も慌てて上陸、後を追う。タルクスは妖精騎士の血筋をいいことに、守護者の像を説得して遺跡の中へ。途中、番人の魔女による警告も彼を止めることはできず、一行は刃の門をくぐって、魔族《刃の戦姫シャナ》の封印へ達する。

「魔剣を抜き、すべてを手にするがよい」

 なんとか踏みとどまったタルクスだったが、今度は少女ゲルダが動き出す。
 シャナを解放するため、ジェラルドを生贄に捧げるべく、かれの隙をついて、短剣で斬りかかったのである。慌てて赤札【守護者】を使い、介入するタルクス。

「やはり、足りないのか!」

 邪悪な企てを諦めない少女はさらに短剣を構えるが、アンドリューの瞳が金色に輝き、少女の刻印を焼く。激痛にのたうち回り、意識すら失った少女に向かって、冷徹なとどめを刺そうとするアンドリュー。だが、そこで、狙われた当人のジェラルドが少女とカカシの間に身を投げ入れる。

「なぜ止める?」
「まだ、幼い者を殺すのは……」
「あなたを殺そうとしたのですよ?」
「いえ、それでも!」

 ジェラルドの隙を伺い、とどめを刺そうとするアンドリューだったが、そこで風のように飛翔するタルクスが少女を戦場の外へと運び去った。

アンドリュー「あのように邪悪な存在を守るなど、理解できません」
ジェラルド「それでも、少女に更生の機会を与えたいのです。 彼女は、私が見守ります」
タルクス「では、その大きな器に従い、このタルクス・エンデバーはジェラルドに仕え、かの少女を見守ることにしましょう」
アンドリュー「賛成はしませんが、あなたがたがそう望むなら、私のなすべきことは終わったということでしょう」

 かくして、ジェラルドとタルクスは、少女を立ち直らせることを誓った。
 アンドリューは、いつの間にか、元の案山子に戻り、朽ち果てていった。

 ~FIN~

 ずいぶん、思惑とは違いましたが、これもまた面白いセッションでした。アンドリューのプレイヤーさんには、よい示唆をいただきました。案山子がテンプレートになるかどうかは、お楽しみに。
 こんなテンプレートがほしい!という向きはぜひ、R&R編集部にお手紙をば!

●エクリプス・フェイズ:企業令嬢の野心

 土曜日は、今週末の7/30の「Eclipse Phase体験会@R&Rステーション」に備えて、いつもメンバーで、「エクリプス・フェイズ」。

 今回のテーマは「フォーク」=魂(エゴ)のコピーです。
 PCはサンプル・キャラクターから。

・月のエゴ・ハンター マディ
 「ロスト・ジェネレーション」の生き残りのバウンティ・ハンター。非人道的な実験計画を推進した当時の科学者を追っている。

・スカムの用心棒 トビー・ショコラ
 小惑星の女海賊で、ドンパチとセックスと酒を愛するヤバいおねーさん。

・マーキュリアルの盗掘屋 東海林ショージ
 知性化されたタコで、廃棄された宇宙ステーションからの盗掘をお仕事とする。

・ダイレクト・アクション社の傭兵 ピョートル・べトロヴィッチ
 「Sunward」のサンプルキャラクター。ロシア軍人の生き残りで、大帝とあだ名される、戦闘マシーン。ヴェクター・スラストとイオンクラフトで飛行する円盤状の義体には、四連装のレールガンと、四本の機械触手をもつ。


 始まりは、土星の衛星タイタン。科学技術推進派のタイタン連邦。

 PCたちは、内惑星から観光にやってきたハイパーコープ「繁栄グループ」幹部のご令嬢シャーリー・ファンが何か企てているということで調査に当たっていた。
 シャーリー・ファンの義体に装備されたゴースト・ライダー・システムには、情報体(インフォモルフ)となっている科学推進派哲学者「ジョン・アトキンス」が脳内家庭教師として収まっていたが、彼は月出身の生化学者であり、数年前まで月面で行われていた「重大な遺伝子実験」に関わっていたとも言われているのだ。シャーリーの行動はアトキンス博士に影響を受けた可能性がある。

 シャーリーは、タイタン観光を加速するため、自らのアルファ・コピーを2体作成する。
 オリジナルとアルファ・コピーの1体はタイタンに残り、観光を継続、もう1体のアルファ・コピーは、天王星に向けて発信された。遠隔惑星への旅行にコピーを向かわせ、後で記憶を統合するのは、この時代、贅沢な旅行手段として行われているのである。

 やむなく、PCたちもアルファ・コピーを作成し、Bチームとして天王星に送り出す。
 タイタンに残ったオリジナルは、シャーリーのオリジナルとアルファ・コピーを追う。オリジナルは、タイタンの中枢であるニ・ヘブンで観光とミーティングに、アルファ・コピーは治安の悪いニュー・ケベックへ。ニュー・ケベックには、違法なエゴ・ウォーキング、モーフの密売などを手がける中華系ギャング「聖キャサリン党(St.Catherin Tong)」がおり、シャーリーのアルファ・コピーは彼らの根城のひとつ、「トロント・スペシャル・カフェ」に向かったのだ。
 慌てて、後を追う一行。
 犯罪者相手ならと、スカムの用心棒トビーと、タコの東海林が店に乗り込み、中華系ギャングのボス・フェイに面会、シャーリーとも仲良くなる。どこかネジが外れたようなシャーリーに気に入られ、ペット扱いされる東海林。部屋の奥に未登録のエゴ・フォーク施設があると踏んだトビーは、このシャーリーがコピーかもしれないことに気づく。

 外で待っていた大帝とマディは、裏口から移動するケース(もっとも安い人形のような義体)を発見、追いかける。近くの店に入り込んだところを急襲したが、すでに、ケースの中身は、エリスに向かって発信された後だった。

 エリス。カイパー・ベルトに浮かぶ大型の小惑星。パンドラ・ゲート「ディスコーデッド・コード」をめぐり、ウルティメイトの傭兵軍団と、外宇宙のウィルスで変貌してしまった「エクスヒューマン」の戦いが繰り返されている場所である。

 一方、天王星に送られたBチームは、アルファ・コピー2号を追うも、彼女が異星人「ファクター(代理人)」と接触しようとしたことを調べ上げるが、目が振るわず、アルファ・コピーを逃してしまう。

 エリスに到達したPCたちは、ウルティメイトを説得して、ゲートへ向かうシャーリーを追う。
 ゲートの入り口では、ウルティメイトとエクスヒューマンの戦闘が起こっていた。大帝とトビーが突入、ウルティメイトに加勢して、怪物化したエクスヒューマンを撃退して、シャーリーを捕らえた。彼女はパンドラ・ゲートを開いて、異星由来のナノウイルスを獲得、世界にばらまこうとしていたのだ。

 ~Fin~

 チームにコピーを作らせ、同時並行で調査を行うというものでしたが、Bチームの出目がファンブル続出で、PC一同「コピーはやっぱりダメだ」ということに。
 面白いものです。

●クトゥルフ本

007

 アマゾンよりクトゥルフ系コミックが2冊到着。
 Cocoさんの「異形たちによると世界は…」と青心社の「クトゥルーは眠らない」。後者の解説は新熊昇さん。
 本の下に見えるのはPHP社のクトゥルフ神話コミック・アンソロジー「ダゴン」のゲラ。8月末発売予定で、製作進行中。朱鷺田は解説を担当しております。

●写真日記

004

 チャーリーのプレイヤーからもらったザクの積み木。

009

 深淵CONで、北陸勢からいただいたラボン・サイダー。
 昭和初期に開発された空想上の果実を再現したものとか。

011

013

 深淵CONの打ち上げで飲んだ東北のお酒。震災支援ということで。

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July 23, 2011

日々雑記:明日は深淵CON、今日のエクリプス・フェイズ

 Amazonから、アリアンロッド2Eとか届いたが、締切の最中で細かいチェックまで出来ず。

●明日は深淵CON

 今週末というか、明日は「東京深淵CON~シキサイ~」に出席予定。テンプレートのテストを兼ねたシナリオにて、GMの予定。

●今日のエクリプス・フェイズ

 来週末は、7/30の「Eclipse Phase体験会@R&Rステーション」があるので、「エクリプス・フェイズ」の紹介記事も書きたいのですが、経済体制から始めると、硬くなりすぎそうなので、ちょっとストール中。
 キャラクターの属する勢力とか、選べるモーフとか、ハイパーコープの一覧とかあるといいなあ、とか思いつつ、発狂ルールの精神疾患系を読んでいる。ホラーよりなので、精神的なトラウマのあたりは、なかなか詳しい。

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July 21, 2011

ファイアウォールへようこそ:エクリプス・フェイズ紹介(その7)ミューズ

 「エクリプス・フェイズ」の紹介その7は、ミューズの話

 この連載は、7/30の「Eclipse Phase体験会@R&Rステーション」でGMするための、復習的なものです。未訳RPGの紹介ということで、手探りでやっている部分が多々ありますので、訳語の揺れはご容赦ください。

●特異点で変わる世界

 「エクリプス・フェイズ」の舞台とする未来は、かなり現代と違う部分があります。これは、現代のSFでよく言われるシンギュラリティ(特異点)を意識したものです。シンギュラリティとは、ある技術発達上のブレイクスルー、あるいは、世界的なイベントで、世界観が大きく変わることを意味します。「エクリプス・フェイズ」の未来世界も、いくつかのブレイクスルーにより、我々の世界と極端に違っています。

 いわゆる、「魂(Ego)」と「身体(Morph)」の分離は、「エクリプス・フェイズ」の特徴のひとつですが、他にも色々な違いがあります。

 例えば、貨幣を基本とする資本主義経済である「旧経済」と、常時オンライン化し、行動のすべてを記録するような全世界オンライン状態で発生した贈与経済/人物評価(Rep)をベースにした「新経済」の概念は、ゲーム的にも面白いものです。(両方が入り交じった移行中の複合経済構造の地域もあり)

●ミューズ

 今回取り上げるミューズはほとんどすべてのキャラクターが保有する「人生のパートナー」である支援AIとして、数十年前から普及しているメディア・エージェントAIです。

 〈大破壊〉以前から、人類は広大な情報ネットワーク、メッシュを作り上げ、極端なアナクロ主義者をのぞけば、すべての人類が常時、メッシュと接続し、その支援を受けています。AR、VRなどのネットによる情報補助、通信だけでなく、必要に応じて、検索し、調査し、あるいは、ネット上に広報し、つぶやき、はりつけ、あるいは介入します。

 多彩なメッシュ活動および自分の情報活動を支援するのが、ミューズと呼ばれる個人専用の支援AIです。ミューズは人間の幼い頃から、個人の情報(ライフログ)を記録し、体調をモニターし、メッシュとの関係を補助し、設定に応じて情報を検索し、必要に応じて個人の秘書役を努めます。ミューズにキャラクター付けをする人もいますが、それは、ミューズが長い間のやりとりから個人の癖や体質を読み、必要な対応を取ってくれる最適な補助プログラムとして成長していくからです。ミューズを失うのは、現代人で言えば、便利な携帯と愛するペットを同時に失うような喪失感を発生させるでしょう。

 ミューズの存在はなぜ、特異点なのか?

・ミューズは通信、生活習慣など秘書役として管理してくれます。

 目覚ましや予定管理から、友人リストの検索、ニュース検索の取捨選択まで、生活の各方面で支援してくれます。新経済、旧経済のいずれでも財産は電子化されていますので、ミューズに問えば、いつでも、現在の収支や口座の残高、Repの蓄積具合を知ることができます。

・ミューズに指示すれば、必要な情報を瞬時に検索するようにできます。

 おかげで、キーワードを投げておけば、その情報がメッシュに上がるたびに知ることができますし、誰かとの会話中に分からない単語が出てきたら、それをミューズに検索させて調べつつ、会話できます。

 脳内Googleですね。

 問題はこのおかげで、むやみに、会話に、マニアックな引用を多用するおバカさんが現れたりもしますが、それも、ミューズで検索合戦をすれば、対応できないではありません。

・ミューズは、ライフログを取りますので、近々の生活に関する記録を簡単に残せます。

 ミューズに頼らずとも、記憶は大脳皮質記憶装置のチップに記録されますが、常に、自分の行動を見ている存在がおり、必要に応じて、検索したり、質問したりできるのはまた別の世界です。

 ミューズは、あなたの人生におけるプライヴァシーをすべて共有するものなのです。

 このような存在がいる社会はどういうものなのか?
 それはある意味、恐怖と希望の入り交じった世界かもしれません。

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July 19, 2011

札幌海の日CON@多彩の渦:深淵:川船の邂逅、エクリプス・フェイズ:足跡

 この週末は、北海道札幌市で活動中の多彩の渦さんにお招きいただき、「海の日CON」に伺ってきました。

●白熱の東京から、雨の札幌へ

 出発は土曜日午後のANA。家を出た昼の段階では、東京はまさに真夏日。駅につくまでにすでに汗が吹き出ます。新宿経由で一度、目白田中屋に回り、おみやげ代わりに黄金の蜂蜜酒として、バーソロミューのスイートをゲット。家に残っていたポーランド・ミードと合わせておみやげです。

 1時間前に、羽田空港到着。羽田-新千歳のフライトはわずか1時間半ほど。
 降り立った千歳空港は雨模様で、少し肌寒いくらい。快速列車で札幌についたのが18時過ぎ。どしゃ降りで、気温18.5度。さすがに北国である。

 宿泊CONは、すすきのに近い小さな宿(夏なら、ハイカーやバイカーなどが集まりそうな感じ)を借り切り、19名が参加。まずは、持ち寄った海の幸やら、酒やらで夕食を兼ねた宴会。炊きたての御飯に、ウニやいくらを乗せてくらう。色々お酒もあり、鬼ころし、韓国の法酒、ジョニーウォーカー1820とか書かれているなどの謎のサンプルとか、色々いただきました。ありがたし。

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 韓国の法酒。熟成させた醸造酒。

006

 明らかに、ぶどうの育成限界に挑戦しているとしか思えない北海道産ワイン。

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 お土産にもらった「はっかない恋」と紹興酒。「はっかない恋」は、メンソール味の焼酎。

●エクリプス・フェイズ:足跡

 9時過ぎから、夜の部ということで、RPG。
 今回は、サンプル・キャラクターを使い、「エクリプス・フェイズ」をば。詳しくは、このBLOGの下あたりの紹介をば参照してください。

 今回は、基本ルールブックの冒頭小説「Lack(欠落)」にアイデアを得たシナリオです(内容はかなり違いますので、ご安心を)。
 月面でバックアップから再生されたファイアウォールのエージェントたちが、「前の自分たちが取り組んでいたミッション」を追い、「謎のパンドラ・ゲートに向かう」というもの。

 キャラクターは、試訳したサンプル・キャラクターから選択。

・ウルティメイトの傭兵 ウォルフ
 究極の人間を目指す「戦う哲学者」。侵入した企業では警備兵を一気に制圧。

・タイタンの探検家 ギル
 パンドラ・ゲートでの探検を行う冒険家。ゲート探索の先頭に立つ。

・アルゴノーツの異星考古学者 ジョルジョ
 異星文明に挑む考古学者。実はPsi(超能力)が使えたので、レリックの記憶を見てしまい、目がぐるぐる。

・エクストロピアの密輸業者 リジー
 蛇型のモーフを使う密輸業者。ずるずる這うのが楽しい。潜入や調査に活躍。エイリアンの残したレリックに接触して、目がぐるぐるする。

・マーキュリアルの盗掘屋 キタノホマレ
 知性化されたタコ。外皮の色変化を利用し、潜入に活躍したものの、動きが鈍く、逃げそこねることしばしば。チームの中では、「軟体動物」とか「ぬるぬるした奴」とか呼ばれていたが、楽しそう。

・スカムの用心棒 国丸
 宇宙海賊の暴走エロねーちゃん。戦闘の主役の予定でしたが、PLが宴会で飲み過ぎ、途中でダウン。

    *

 PCたちが目覚めたのは、月面のドーム都市のモーフ着装施設。
 ファイアウォールのプロクシー(連絡役)のジェスパーによると、PCたちは、2週間前、エイリアンのレリックを調査するチームとして、月面ドームに集められ、バックアップを記録した。その後、4日を経過した彼らは「パンドラ・ゲートに向かう」というデータだけを残し(なぜかバックアップなし)、どこかへ出発した。
 10日を経過し、彼らが太陽系内にはいない、もしくは、死んだと判断したジェスパーは、最後のバックアップから、6人を再生し、事件の再調査を命じたのだ。

ギル「セーブしろよ、二週間前のオレ」

 月面ドームを歩きまわったり、Repを使ってメッシュから情報を得たりした結果、ハイパーコープのひとつ、中華系の繁栄グループが、エラトー・クレーターに近いヘリウム3採掘場の跡地に、謎のレリックを運び込んだことが分かり、ウォルフ、リジー、キタノホマレが潜入する。知性化されたタコで、なぜか擬態能力を持つキタノホマレがひっかかったりしていたが、何とか忍び込み、研究室のレリックを発見、コンソールからデータを奪取する。リジーがレリックに接触してしまう。レリックは四次元っぽい謎の構造の円環球面で、見入ってしまったリジーは、バジリスク・ハック(光学情報で見たものをハッキングしてしまうというトラップ)され、脳内に謎の座標とパンドラ・ゲートの場所を刷り込まれるが、トラウマが大きすぎて、精神的な負傷をひとつ獲得、混乱状態で目がぐるぐる。
 逃げ出そうとしたら、警備兵に見つかってしまうが、そこは戦う哲学者、ウルティメイトの傭兵ウォルフが、レールガンを乱射して撃退。

ウォルフ「彼らも、大脳皮質記憶装置あるから、殺しても再生できますね」

 ひどい時代である。

 チームと合流したが、肝心のリジーがトラウマ状態なので、ジョルジョがPsi能力で彼の記憶を読み、情報を引き出すが、ジョルジョも脳内ハックされ、目がぐるぐる。それでも、パンドラ・ゲートの座標が分かったので、ジェスパーに頼んで宇宙船を確保し、小惑星帯へ。

リジー「セーブをお忘れなく」

 氷の小惑星に到着した一行は、小惑星の氷に人為的な穴を発見、ギルはそのやり方に親しみを覚える。

ギル「このトンネルはおそらく、前の我々が掘った物だ」

 穴の底で、未知のエイリアンの宇宙船を発見した一行は、内部に侵入、それがこの小惑星に隠されたパンドラ・ゲートと接続していることを発見する。異星言語学に秀でたギルは、異星の言語を解読、パンドラ・ゲートが「青い森」につながっていることを読み取り、既存のパンドラ・ゲートの情報と合わせて、起動させることに成功する。
 ゲートを抜け、異星の青い森へ踏み込む一行だが、そこには、巨大な青い樹木が生えているだけで動物の気配が全くない。ジョルジョが調査のため、円盤ドローンを飛ばしたところ、突然、樹木から発射された花粉の霧に巻かれたドローンが墜落する。

ウォルフ「あの花粉、戦闘用ナノスワーム兵器じゃないか?」

 ナノテクで作られたマイクロドローン群による殺戮兵器である。PCは慌てて逃げ出すものの、リジーとジョルジョが逃げ遅れ、花粉の霧にも見えるナノスワームに襲われる。ジョルジョがPsiの停滞場をクリティカルで張って何とか逃げ出し、全員、ゲートを抜けて帰還するものの、ナノスワームの一部も侵入、ゲートの部屋そのものを、テルミット爆薬で焼き払うことになる。
 ファイアウォール本部に報告し、支援部隊を待つことになるが、PCたちにはひとつ気になることが。

ジョルジョ「前の私たちは一体どこに?」
ギル「あの霧にやられたかも」
キタノホマレ「向こうの部屋にも、テルミット爆薬で何かを焼いた後が…」
リジー「人の形してない、これ?」
ウォルフ「ここに書いてあるな。『感染』とか」

 どうやら、前のPCたちは、ナノスワームか何かの疫病兵器に感染し、テルミット爆薬での自己処理を行ったらしい。

ジョルジョ「次のクローンはもっとうまくやってくれるはずです」
リジー「待て、我々のモーフは使い捨てだ、精神だけバックアップして、ここは浄化しよう」

 かくして、PCたちは危険なナノウィルス兵器に汚染された小惑星から、精神だけ脱出したのであった。

 ~Fin~

●深淵:川船の邂逅

 明けて、17日は札幌市民ホールにて、海の日CON。朱鷺田は、予定通り「深淵第二版」にて、モーファット河の川船を舞台にした渦型シナリオをGM。PCは以下の通り。

・騎士見習い プリオ(ピルプリオ・ポンパーフ・ペネロペ)
 運命:滅びた貴族の子孫、呪われた魔剣(石化)
 かつて、川沿いに広大な領地を持っていたペネロペ家の若者。一族を失い、今は、土鬼から領地を取り戻すべく、騎士見習いとして修行中。

・少年 パズー
 運命:死者たちの誘い、近づく気配(黒衣の公女パルガ)
 魔族「黒衣の公女パルガ」に狙われている少年。どうやら、パルガのかけらを身に宿しているらしい。川船に密航し、今は下働き中。

・少女 ターシャ
 運命:結婚の予言、無垢
 偶然、川船に乗り合わせた少女。間もなく結婚できるという占いが出てうきうきしていたら、事件に巻き込まれてしまう。

・船乗り グラム
 運命:再会の予言、言えなかった一言
 川船の船乗り。船の面倒を見つつ、滅びた村で幼なじみと再会することになる。

・翼人のまじない師シャフト
 運命:死霊の加護、邪教の呪詛(吸魂陣)
 魔族「黄昏の公女」の呪いで、10年の寿命を吸い取られたまじない師。死んだ妻エマの死霊と旅している。

             *

 スイネから南方へと向かう川船に乗り合わせた人々は、土鬼の投石で船に被害が出たため、岸辺に逃れて一夜を過ごすことになる。そこで、滅びた村に遭遇した一行だが、それ自体が、少年パズーを捕まえようとした魔族の罠であった。グラムの幼なじみの姿をした女は、魔族「黒衣の公女パルガ」に仕える烏の侍女であり、パルガのかけらを探して、少年の乗った川船をまるごと、廃村へと導いたのだ。

 このままでは、明け方がくれば、少年はパルガの操る鴉の群れに食われてしまう。

 騎士見習いのプリオとまじない師のシャフトは少年を助けようとするが、怪しげな客たちもそれに気づき、パズーの命を狙ってくる。そうこうするうち、少女は自らがプリオの腹違いの妹であることを知り、プリオに協力を申し出る。船乗りのグラムも加わり、少年を救うために、その片目に宿った「パルガのかけら」を、石化の魔剣でえぐり出すしかないという話になる。

 そこで、パズーを奪って魔族の好意を得ようとする、ギュラニン党の暗殺者と緑の猟犬が襲ってくる。相談していた船倉の小部屋に、トートの甘き毒の粉末を投げ込まれ、死にそうになりつつも、これを撃退、少年を説得して片目のみ石化して、モーファットの湖底に沈めたのだった。

 ~FIN~

 あらすじとしてまとめるとシンプルに見えますが、パズーを救うために、全員が協力を決意するまでが長かった。少女が超越幻視の結果、「隠された出自」を引き当て、「プリオの腹違いの妹」になったことで、一気に話が加速したのは、「深淵」ならではの展開と言える。
 いや、面白い展開でした。

●打ち上げとか

 その後、海鮮居酒屋で打ち上げ、札幌ならではの新鮮な海鮮類で酒を呑む。色々楽しいお話をさせていただきました。北海道では、サラダにラーメンを使うラーメン・サラダが定番料理とか。ラーメンの麺をサラダに使うのは面白いね。

 その後、合宿所に帰り、さらに一杯。少し飲み過ぎたのと、カオスフレアの2卓リンク・セッションが立つとのことで、GMはやめ、カードゲームを遊んだり、飲んだりしながら、まったりと過ごす。深夜になってから、札幌ラーメンを食べに、近所の「五丈原」本店へ。超大盛り極太麺の丈夫(ますらお)に挑戦して敗戦してみたり。

 明けて月曜日。朝一で宿を出て新千歳空港から帰宅。

 慌ただしい三日間でしたが、楽しい時間でした。主催者のふぁむさん他、参加者の皆さん、本当にありがとうございました。

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July 18, 2011

いただきもの:駅前魔法学園!! 

 北海道のイベントから帰宅すると、JIVEさんから「駅前魔法学園!!」が届いていた。
 ありがとうございます。

008

 藤浪智之さんの新作エブリデイ・マジックもの。
 小太刀右京さんと三輪清宗さんがディベロップに加わり、2D6上方系と、SRP風味のシステム回りながら、「魔法学園」「星見町」「常闇」などのキーワードが並んでいたり、マナソースをトランプで示したリ、プレイスという概念があったり、藤浪カラーが横溢、楽しげなゲームであります。

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July 16, 2011

ファイアウォールへようこそ:エクリプス・フェイズ紹介(その6)戦闘

 「エクリプス・フェイズ」の紹介その6は、戦闘の話

 この連載は、7/30の「Eclipse Phase体験会@R&Rステーション」でGMするための、復習的なものです。7/16-18の北海道遠征@多彩の渦コンベンションにも持ち込む予定なので、夜の部あたりで遊べればと思っております。という訳で出かける前の最後の更新。

●戦闘

 「エクリプス・フェイズ」でもしばしば戦闘が起こりますが、それはハードなものです。いかに技術が発達し、義体を乗り換えられるようになっても、武器も発達しますから、容易に無力化されますし、ましてや、真空の宇宙ではさまざまな状況がそのまま、死に結びつきます。

 「エクリプス・フェイズ」の戦闘の感覚は、比較的、「シャドウラン4th」に似ています。
 アクション・ターンは3秒。通常、1回の行動ですが、インプラント(改造)や戦闘ドラッグや何かで複数回動ける可能性があります。行動の順番は「イニシアティブ+d100」の高い順となります。

 攻撃の手順は対抗テストです(判定をテストと呼びます)。
 防御側の対応は攻撃の種類で異なります。

 

  格闘(Melee):回避(Fray)、または格闘
  射撃(Shooting):回避の半分。
  超能力(Psi):意志(Will)×2。

 ダメージは攻撃によって、「エネルギー(Energy)」「物理(Kinetic)」「その他」に分かれます。防具には、「エネルギー(Energy)」「物理(Kinetic)」の二種類の装甲値があり、それぞれの攻撃に対応し、ダメージを軽減します。我々が知っている、鉛玉が飛び出すような銃器は、実体弾兵器(英語ではKinetic Weapon(物理兵器))に分類され、白兵戦武器などと同様に、「物理」に分類されます。

 「エクリプス・フェイズ」は、HP制に近いシステムですが、負傷の概念があり、ダメージを受けると、ペナルティが累積していきます。基本的に、%ロールの修正が10%単位で積み重なると思ってください。

・一度に受けたダメージが、負傷値(Wound Threshold)以上ならば、負傷(Wound)を受ける。数は「ダメージ÷負傷値」(端数切捨て)、負傷1個あたり、-10の修正を受ける。蓄積したダメージが耐久値(Durability)以上になると、その義体は行動不能となり、致死値(Death Rating)以上になると完全に殺され、修復できない。

・精神的なストレスにも、同様のものがあり、一度に受けた精神的なストレスがトラウマ値(Trauma Threshold)以上なら、精神的な負傷に当たるトラウマを追う。数は「ストレス÷トラウマ値」(端数切捨て)、トラウマ1個あたり、-10の修正を受ける。蓄積したストレスが理性値(Lucidity)以上になると、行動不能、あるいは一時的な発狂となり、発狂値(Insane Rating)以上になると、完全に発狂し、もはや回復しない。

 イベント前の更新はここまで。
 次は来週後半になると思います。

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ファイアウォールへようこそ:エクリプス・フェイズ紹介(その5)

 「エクリプス・フェイズ」の紹介その5は、Repの話

 この連載は、7/30の「Eclipse Phase体験会@R&Rステーション」でGMするための、復習的なものです。7/16-18の北海道遠征@多彩の渦コンベンションにも持ち込む予定なので、夜の部あたりで遊べればと思っております。という訳で出かける前に更新。

●Rep経済

 「エクリプス・フェイズ」は、未来を舞台にしたSF-RPGなので、太陽系開拓時代にあるだろう、さまざまな政治形態、経済構造、社会構造なども、テーマになっており、場所によってさまざまな体制があります。

 例えば、お金の話。
 「エクリプス・フェイズ」の太陽系では、貨幣(クレジットという貨幣単位があります)および貨幣的な信用をベースにした旧経済、相互補助の精神と行動評価を経済レベルまで高めた新経済、双方の過渡期である過渡期経済が用いられています。

 新経済では、Rep(レプ=評判)という、なかばボランタリーな社会貢献を、数値化し、これを使って他人から有形無形の好意を得ることができます。普段から、色々な貢献を社会に対して行っている人は、他の人々から助けてもらえるというもので、人徳や業績の評判数値化というべきものです。Repはいくつかの系統に分かれていますが、基本的に、太陽系全土のメッシュ(いわゆるネット)で共有されており、ゲーム中、PCは、このRepを使って、さまざまな支援を調達できます。

 例えば、ハビタット内での情報がほしい時、Repを使って道案内情報を得たり、一夜の宿を借りたりもできます。高いRepの人は、初めていった場所ですら、かなり危険な部分での手伝いが得られるかもしれません。

 Repは以下の系統に分かれます。

【REP】
ジ・@リスト (@-rep:アナーキスト、バルスーム、外惑星、スカム、タイタン):
市民ネット (c-rep:木星共和国、月=ラグランジュ連盟、モーニングスター・コンステレーション、惑星連合、ハイパーコープ):
エコ・ウェ-ブ (e-rep:ナノエコロジスト、保存主義者、地球奪還派):
フェイム (f-rep:名士、芸術家、豪遊家、メディア):
グアンジー (g-rep:三合会他、無数の犯罪組織):
ジ・アイ (i-rep:ファイアウォール):
RNA (r-rep:アルゴノーツ、工学者、科学者、研究者):

 これは、新たな経済体制に関する思考実験ですが、すでに皆さんも、2011年現在、ネット上の評判、あるいは、Twitterのフォロワー数(別名、戦闘力)などで「Rep」の形成過程を目撃されているはずです。

 >>>先日、これに対して、米軍がネット上のペルソナを大量に偽造するソフトウェアを開発しているというニュースもありましたね。>>>

 Repはゲーム的にも便利なものです。
 なぜなら、「評判」がそのまま経済力になりますから、PCの情報収集能力や資材調達能力をRepで表現でき、さらに、この新経済環境下では、初めていった場所でも、Repを使って、物資や支援の調達ができるのです。

 ヒーロー物などで、突然、手助けしてくれる人がいますが、そういう面をこれで表現できる訳です。

 そして、Repは評判ですから、それまでの行動が反映されます。キャラクター表現にも通じますし、キャンペーンでは、背景の勢力との関係をRepの変化で表現できます。

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July 15, 2011

エロマンガノゲンバ

 外に出ると、熱いを超えて痛い日差しが。
 オゾン層が少々破壊されているんじゃないかね(汗)

 明日からは北海道・札幌にて、多彩の渦CONに参加予定。来週末は東京深淵CON~シキサイ~へ。

●いただきもの:エロマンガノゲンバ

 18歳未満の良い子は無視してくださいね!

 先日、大学SF研究会のOB会で会った後輩から、エロ漫画関係の評論同人誌「エロマンガノゲンバ」Vol.1~4をいただく。現役漫画家や関係者のインタビューを集めたなかなかの傑作である。師走の翁、月野定規、RaTeなど、私好みの作家もおり、なかなかありがたいことです。

002

 エロ同人を国会図書館に納品しに行くとか、なかなか熱いアクションがありますよ。

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July 13, 2011

ファイアウォールへようこそ:エクリプス・フェイズ紹介(その4)


 週末に向けての準備と仕事の都合があるので、まとめて更新。
 「エクリプス・フェイズ」の紹介その4は、キャラクター関係。

 この連載は、7/30の「Eclipse Phase体験会@R&Rステーション」でGMするための、復習的なものです。7/16-18の北海道遠征@多彩の渦コンベンションにも持ち込む予定なので、夜の部あたりで遊べればと思っております。そのためにも、キャラクター関係まで紹介してしまいます。

●キャラクター

 では、「エクリプス・フェイズ」では、どんなキャラクターが出来るのでしょうか?

 「エクリプス・フェイズ」の世界は、広大な太陽系であり、太陽のフレアの内部から、小惑星帯を越え、多数の月がある木星系、土星系、さらには、冥王星の彼方まで広がっており、それぞれが独自の文化や思想を持っています。旧弊な独裁国家もあれば、テラフォーミング中の火星の荒野に暮らす開拓農民、不老不死を得たセレブ、アナーキストの宇宙海賊、知性化されたタコやAIもいます。〈大破壊(The Fall)〉の際に、肉体を失い、デジタル化された「魂(Ego)」だけ逃げてきたまま、まだ、肉体を獲得できない「情報体の難民(Info-Refuge」もいます。

 SF-TRPGの常で、本当にとんでもなく、さまざまなキャラクターができます。
 その上、「エクリプス・フェイズ」のキャラクター作成は、1000ポイントで、能力値や特徴、装備や設定などを購入する完全構築型なので、ある意味、そのようなキャラクターでも作れます。
 例えば、サプリメント「Sunward」には、太陽のコロナの中を泳ぐ、宇宙鯨型の義体を持つキャラクター「Solarian Researcher」(ソラリアの研究者)がいますが、まあ、シナリオのPCにするにはなかなか覚悟がいりますね。

 そこで、手がかりになるのが、基本ルールブックのサンプル・キャラクターです。以下、ざっとをざっと紹介しますので、これで「エクリプス・フェイズ」のイメージが少しでもご理解いただければありがたいです。なお、訳語、解説につきましては、あくまでも、朱鷺田の私的なものですので、ご理解ください。

 また、これらのサンプル・キャラクターの中には、「ファイアウォール」との相性が悪いように見えるものもいますので、GMはシナリオに合わせて、取捨選択をするとよいでしょう。

 イラストは、ルールブックを参照してください。

●サンプル・キャラクター一覧

Anarchist Techie アナーキスト・テッキー
宇宙での機械技術者。無重力環境に適応するため、足が手になっているモーフを使用する。アナーキスト、すなわち、無政府主義勢力は、太陽系各地にいて、政府や国家体制に頼らない生き方を求めている。

イラストは「イーオン・フラックス」に出てくる相棒の雰囲気がありますが、そこまで武闘派ではなく、基本的に、技術職です。

Argonaut Xenoarcheologist アルゴノーツの異星考古学者
異星人の遺跡や遺物を研究する考古学者。アルゴノーツは科学技術推進派の科学者勢力。

Barsoomian Freelance Journalist バルスームのフリーランス・ジャーナリスト
火星独立派のフリージャーナリスト。
バルスームは昔のSF(E・R・バローズの「火星」シリーズ)における火星のことで、現在は、ハイパーコープに搾取されている下層開拓民などの主権獲得などを目指している。

Brinker Genehacker 境界民のジーン・ハッカー
太陽系辺境域で遺伝子をいじるマッド気味の遺伝子工学者で、モーフ・デザイナー。
境界民(ブリンカー)とは、太陽系外縁部などに孤立して住み、独自のライフスタイルを守るため、社会国家から距離を置いている人々の総称。

Criminal Hacker 犯罪社のハッカー
スリル好きのハッカー。
義体は群体モーフ(スワームノイド)で虫の群れのように見える。ルール上、群体として扱う。

Extropian Smuggler エクストロピアの密輸人
小惑星帯にあり、外惑星系と内惑星圏の両方に顔が利く自由商業ハビタット「エクストロピア」からやってきた、密輸業者。
下半身がヘビ型のスリザロイドという、機械式モーフを使用している。
エクストロピアとは、エクストロピー/反エントロピー主義という意味が含まれており、それは生命活動で宇宙を豊かにしようという思想だが、ここでは、ハビタット(宇宙居住区)の名前でもあり、そこを拠点とする自由商業主義者たちの勢力を示す。

Hypercorp Black Marketeer ハイパーコープの闇商人
内惑星系で、ハイパーコープの商品を闇取引しているエージェント。

Jovian Spy 木星共和国のスパイ
生体保守主義者(バイオ・コンサバティブ)の支配する独裁国家、木星共和国(別名、ジョヴィアン・フンタ)から、ハイパーコープや内惑星系に向かって放たれた秘密工作員。改造なし、遺伝子調整なし、魂のバックアップもしない「自然の肉体」で、科学の生み出した怪物たちと戦う誇りある戦士。

Lunar Ego Hunter 月から来たエゴ・ハンター
月=ラグランジェ同盟からやってきた、バウンティ・ハンターで、対人捕獲戦闘の専門家。かつて、強制的に加速成長させられ、多数が死亡した「ロスト・ジェネレーション」の生き残りで、超能力(Psi)を持つ。

Mercurial Investigator マーキュリアルの探索者
物質的な肉体を持たず、メッシュの海を徘徊しているインフォモ-フ(情報義体)。
ドローンやメッシュを操る情報生命体AGI(汎用人工知能)。
マーキュリアルは、水星の意味もあるが、同時に、AIや知性化種(アップリフト)などの自立や権利獲得を目指す勢力で、外惑星系に広まっている。

Mercurial Scavenger マーキュリアルの盗掘屋
知性化されたタコ。
主に、技術職として、廃棄された宇宙ステーションや宇宙船から資材を回収して回っている。日本語を母国語とし、水墨画を趣味にする。非常に柔らかい肉体と8本の腕を持つ。
マーキュリアルは、水星の意味もあるが、同時に、AIや知性化種(アップリフト)などの自立や権利獲得を目指す勢力で、外惑星系に広まっている。

Scum Enforcer スカムの用心棒
スカムは、小惑星帯や宇宙空間を漂う宇宙移民船、あるいは、船団で暮らす放浪の民。無政府主義で宇宙海賊や犯罪者が多い。
スカムの用心棒は、スカム社会で育った荒くれ女で、戦いとフリーセックスを愛する。

Socialite Escort 名士の随行者
内惑星圏に住む大富豪たちは、事実上の不老不死を手に入れ、堕落した退廃的な社交生活を送っている。このキャラクターは、彼らに随行し、ピエロのように娯楽を提供するとともに、ボディガードを兼ねるエスコート役。
義体は機械式で、娯楽専用のプレジャー・ポッドで、自由に外見や性別を変更できる。

Titanian Explorer タイタンの探検家
パンドラ・ゲートを使って別の太陽系の探査に挑む冒険家、ゲート・クラッシャーで、危険を愛している。
出身地であるタイタン連邦は、科学技術が発達し、サイバーデモクラシーが実現している土星最大の月タイタンを中心にした外惑星国家である。

Ultimate Merc ウルティメイトの傭兵
「戦う哲学者」とも言われる傭兵。
ウルティメイト(究極党)は、徹底した社会ダーウィニズム、選民主義、禁欲主義で、人間としての完璧を目指す思想集団で、小惑星帯や天王星に拠点を築き、自ら開発した究極の義体で軍事産業に従事している。

Venusian Negotiator 金星の交渉人
金星の大気圏上層に浮かぶ浮遊都市(アエロスタット)の連合国家である、モーニングスター・コンステレーションに所属する凄腕のネゴシエーター。政治の上層部において、メディア対策、世論の誘導、情報操作などを担当する。


 


注記1:この連載は、知人のゲーム・ライター 岡和田晃さんの主催するアナログ・ゲーム・スタディーズにも転載されています。こちらのサイトは、アナログ・ゲームを学術的に検証しようとするゲーム学的な志向の強いサイトで、一般のゲームサイトとはかなり雰囲気が違いますので、私のぐだぐだな解説でいいのかね? とも思いますが、同サイトで行われている「エクリプス・フェイズ」紹介の、敷居を下げる意味でバランサーになればよいと思います。

注記2:今回のネタではMixiのエクリプス・フェイズ・コミュのメンバーから的確なアドバイスをいただきました。感謝します。

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ファイアウォールへようこそ:エクリプス・フェイズ紹介(その3)


 「エクリプス・フェイズ」の紹介その3。ちょっと、ゲーム面の話をします。

 この連載は、7/30の「Eclipse Phase体験会@R&Rステーション」でGMするための、復習的なものです。7/16-18の北海道遠征@多彩の渦コンベンションにも持ち込む予定なので、夜の部あたりで遊べればと思っております。

●ちょっとゲーム的な話

 最初の2回は、「エクリプス・フェイズ」の世界観の触りを話しましたので、そろそろ、ゲーム的な話をば。

 「エクリプス・フェイズ」のルール回りは、皆さんも親しんでいる%ロール系のゲームです。一般のゲームで言えば、能力値に当たる適性(Aptitude)、HPやイニシアティブなどをまとめた特性値(Stat)、適性とリンクした技能値(Skill)があり、主に、技能値(だいたい20~90)を用いた%ロールが用いられます。

●テスト(行動判定)

基本:%ダイスを振り、判定値以下ならば、成功。
 ゾロ目で成功なら、クリティカル成功。ゾロ目で失敗なら、クリティカル失敗
 00は常にクリティカル成功、99は常にクリティカル失敗。
 成功の度合いを出したい場合、判定値-30以下なら良い成功(エクセレント)、判定値+30以上の失敗なら、際立った失敗(シビア)とする。

修正値:状況で+30~-30の修正がつく。(修正の合計値は最大+60~-60)
 技能なしの判定は、-30%。
 チームワーク:協力者1名につき、+10(最大+30)
 時間をかける:元時間の、50%の時間を増やすごとに、+10。
 負傷:負傷値以上のダメージを受けると、(ダメージ÷負傷値、端数切捨て)個の負傷を受ける。負傷1個あたり、すべてのテストに-10の修正を受ける。同様に、精神的な痛手(トラウマ)も、トラウマ1個あたり-10の修正。
 演出(オプション):かっこいい演出描写が出来たら、プラス修正を認めてもよい。

対抗判定:互いに成否を比べる。両方とも成功なら、出目の大きい方が勝利。

 少々オプションがありますが、%ロールのゲームに慣れた方なら、すっとご理解いただける範囲です。
 ゾロ目がクリティカル成功/失敗に当たるのは、ヒーロー・ポイントに当たるMoxie(勇気)で、10の位と1の位を入れ替える(アスキー版『真・女神転生』TRPGにおける、スワップ・ダイスの効果ですね)ことができるからです。


★Moxie(勇気) 1点を消費した場合の効果

・ダイスを振る前に使うと、すべての修正を無視できる。
・振った後に使うと、出目の10の位と1の位を交換できる。(『真・女神転生 覚醒編』のスワップと一緒)
・成功した判定なら、クリティカル成功にできる。
・クリティカル失敗を打ち消し、通常の失敗とする。
・アクション・フェイズで、最初に行動できる。

 これに、戦闘関係や精神的なトラウマ、「魂(Ego)」と「身体(Morph)」の扱い、アイテム、超能力、メッシュ(ネットワーク)などで、大量のデータが上乗せされますが、基本のルールは上記の判定系につきます。

 注目の点はオプション・ルール「Narrative Modifier(描写での修正)」がルール化されていることで、ストーリー派のプレイをする場合、かっこいい描写が出来たら、プラス修正をもらってもいい、と書いてあることです。実際、日本のプレイ環境から言えば、いまさらと思う方もおいでかもしれませんが、ルールブックに書いてあるというのは、面白いでしょう。

注記1:この連載は、知人のゲーム・ライター 岡和田晃さんの主催するアナログ・ゲーム・スタディーズにも転載されています。こちらのサイトは、アナログ・ゲームを学術的に検証しようとするゲーム学的な志向の強いサイトで、一般のゲームサイトとはかなり雰囲気が違いますので、私のぐだぐだな解説でいいのかね? とも思いますが、同サイトで行われている「エクリプス・フェイズ」紹介の、敷居を下げる意味でバランサーになればよいと思います。

注記2:今回のネタではMixiのエクリプス・フェイズ・コミュのメンバーから的確なアドバイスをいただきました。感謝します。

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July 11, 2011

7/16~18:札幌:多彩の渦CON セッション予定(深淵、霊障京都、エクリプス・フェイズ)

 JGCまで後40日ぐらい(ドキドキ)。

■7/17 札幌 多彩の渦CON セッション 予定

 今週末、7/16~18日は札幌の多彩の渦CONさんへお呼ばれしています。以下は、今回のセッションの予定で、ほぼ当日、パンフの内容と同一です。(忙しいので手抜きですまぬ)

■7/17 コンベンション 当日

ゲーム・タイトル:深淵第二版
シナリオ:タイトル:荒野の川船
プレイ人数:3~5
使用するダイス:2D6
初心者対応:システム初心者・可/TRPG初心者・可
内容:

奇妙な運命に導かれ、人々はモーファット河の川船に乗る。
記憶を失った少女、南方から来た船乗り、行き場のない騎士見習い、
さまざまな人々は荒野の川船で何に出会うのか?

キャラクター:テンプレートからの選択。プレイヤーの熟練度に合わせて、GMが推奨テンプレートを示し、相談しながら決めましょう。
GMからのメッセージ:
「深淵」ならではの、渦型(即興型)を主に行います。夢歩きによるストーリーテリングを楽しみましょう。

■7/16・17 夜の部

 プレイヤーとGMの状況で、以下のいずれかをプレイします。
 二夜あるので、両方できればありがたいですが……

・ゲーム・タイトル:霊障都市捜査ファイル 怨の街 京都
シナリオ・タイトル:京都連続殺人事件
プレイ人数:3~5
使用するダイス:D6を3~5個
初心者対応:システム初心者・可/TRPG初心者・可
内容:

渦型の自動生成シナリオで、霊障都市・京都に起こる殺人事件に挑みます。

キャラクター:サンプル・キャラクターから選択
GMからのメッセージ:
霊障都市・京都を舞台に、殺人課の刑事になって、事件に挑みます。ランダム・システムの奇妙さをお楽しみください。

・ゲーム・タイトル:エクリプス・フェイズ
シナリオ・タイトル:Lack(欠落)
プレイ人数:3~5
使用するダイス:%
初心者対応:システム初心者・可/TRPG初心者・可
内容:

 「今日は何日だ?」
 目覚めた「あなた」は、自分がバックアップから再生されたのを知った。前の自分たちは、人類を絶滅の危機から守る秘密組織「ファイアウォール」の一員として、何かのミッションによって、死んだのだ。
 前任者の死はなぜ起こったのか?
 太陽系を覆う暗い影の陰謀とは? 

基本ルールの冒頭小説「Lack」(欠落)にインスパイアされたシナリオです。

キャラクター:サンプル・キャラクターから選択。(GMが一部を指定)
GMからのメッセージ:
未来の太陽系を舞台に、謎の組織「ファイアウォール」の一員となり、「人類の危機」と戦います。最新の海外RPGをあそびましょう。できれば、SF好き、科学好きの方を希望します。

 →Eclipse Phase公式サイト

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PHP:クトゥルフ・コミック『ダゴン』8/27発売の解説を書きました

●クトゥルフ・コミックの解説記事を書きました

担当さんより、告知の許可が出ましたのでご報告します。

8/27 PHP社より発売のクトゥルフ・コミックに解説記事を書きました。クトゥルフ神話の原点となる『ダゴン』など4作の短編をコミカライズしたアンソロジーです。

『ダゴン』

 原作:ハワード・フィリップス・ラヴクラフト
 漫画:宮崎 陽介・原田雅史・他
 価格:1050円(消費税込み)
 発売日:8/27 予定

★表紙その他の追加情報が来ましたら、また、こちらで紹介させていただきます。

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July 10, 2011

深淵:「歌の龍王」更新、R&R82発売中、星雲賞速報、懐かしき場所その他

 ひどく熱い日が続く今日この頃、皆様もお体をお大事に。

●深淵:「歌の龍王」更新

 「深淵」のウェブ連載「歌の龍王」の連載を少しずつ再開して参ります。
 まずは、第53話「黒鉄の篭手と火龍の姫(1)」を登録いたしました。少しずつ、再開していきましょう。

●R&R82発売中


Vol82

 お世話になっております、TRPG雑誌「R&R」の最新82号が発売中です。
 朱鷺田関係は以下の通り。

・東京鬼祓師 鴉乃杜學園綺譚TRPG

 西上柾による記事です。原作にもありました「依頼」のルールを紹介しております。

・深淵第二版

 「アミイの旅立ち」第二回です。今回は、ハジの荒野を舞台にしております。
 追加テンプレートは、「従士(騎士見習い)」です。

・シャドウラン 4th

 情報コーナーで、新作のPDF版サプリメント「Unfriendly Skies」(敵意の空)などからの情報を紹介しております。

・霊障都市捜査ファイル

 今回は「霊障都市捜査ファイル 怨の街 京都:新人作家・一一九(にのまえ・いっきゅう)の迷宮推理」と題して、京都篇の紹介記事です。デニズンをPCとして使うための解説記事です。


●星雲賞速報

 今年のSF大会「ドンブラコンL」から、星雲賞の速報が飛んできた。
 TRPG系では山本弘さんが日本長編部門で受賞。おめでとうございます。

日本SFファングループ連合会議は、7月20日(日)12時30分に星雲賞の速報を
発表いたしましたので、SF大会参加者の方にお伝えします。

2011年の第42回星雲賞の受賞内容は以下の通りです。

【日本長編部門(小説)】
『去年はいい年になるだろう』
著者:山本弘 発行:PHP研究所

【日本短編部門(小説)】
『アリスマ王の愛した魔物』
著者:小川一水 発行:早川書房「SFマガジン2月号」掲載

【海外長編部門(小説)】
『異星人の郷』
著者/訳者:マイクル・フリン/嶋田洋一 発行:東京創元社

【海外短編部門(小説)】
『月をぼくのポケットに』
『宇宙開発SF傑作選 ワイオミング生まれの宇宙飛行士』(ハヤカワ文庫SF)収録
著者/役者:ジェイムズ・ラヴグローヴ/中村融 発行:早川書房

【メディア部門】
『第9地区』
監督:ニール・ブロムカンプ
製作総指揮:ケン・カミンズ、ビル・ブロック
製作:ピーター・ジャクソン、キャロリン・カニンガム

【コミック部門】
『鋼の錬金術師』
著者:荒川弘
発行:スクウェア・エニックス

【アート部門】
加藤直之

【ノンフィクション部門】
『サはサイエンスのサ』
著者:鹿野司
発行:早川書房

【自由部門】
探査機「はやぶさ」(第20号科学衛星MUSES-C)の地球帰還
独立行政法人 宇宙航空研究開発機構(JAXA)

●いただきもの

 大分県の内田さんより、完熟マンゴーをいただく。
 香気豊かな高級マンゴーに感涙。家族一同、美味しくいただきました。
 ありがとうございます。

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●懐かしきその場所

 土曜日は横浜にて、大学時代のクラブのOB会。
 私が横浜市立大学に在学していた頃、作ったSF研究会で、今年で結成30年目になります。残念ながら、クラブとしては数年前になくなってしまったそうですが、大学時代の私にとっては、このクラブは、家にも等しいものでした。当時の私は、SFファンとして、各地のイベントをめぐる一方で、横浜の南端にあるこの大学の仲間とSFの話をしたり、当時、やっと日本に入ってきたばかりのRPGを遊んだりしておりました。「深淵」の設定には、その時期に作ったものがずいぶん形を変えつつ、残っています。

 ほとんどの人々とは15年ほど前に開かれた15周年記念のOB会以来の再会で、皆、歳相応の外見です。懐かしいものです。OBの中で唯一、SF作家となった荻野目悠樹氏(なぜか、今回はタイ&バニの話題で盛り上がった)とは、時折、SF系のイベントで会いますが、それも年に何度もある訳ではありません。

 ずいぶん、懐かしい一時で、元気をいただきました。
 ありがとうございます。

●Twilog的な何か

・「スケバン刑事」などで名高い漫画家、和田慎二先生死去とのこと。ずっとファンでした。
 ご冥福をお祈りします。

 藤田和日郎先生のTwitterでのコメントがまた深い。

・火曜日 ゲーム学校より帰宅。暑さで死にそう。本日のテキストはSFマガジンの初音ミク特集より野尻先生の「歌う潜水艦とピアピア画像」。若いゲーマーには、クレギオンではなく、パンツを飛ばした人というと通じるあたりに時代を感じます。

(クレギオンと書こうとしたら、呉祇園と一発変換された。どれだけ、霊障都市京都編で訓練されたやら)

・片倉出雲「勝負鷹 金座破り」読了。いわゆる江戸ノワールのピカレスク物。白波(盗賊)稼業の勝負鷹が、江戸の金座に集められた古小判強奪に挑む。八州回りの凄腕も絡んで、シャドウラン脳にびんびんくるぜ。

5億年前、カンブリア紀の生物。千個の複眼を持つ生物の化石。(Gizmode)

・はあ、こんな論文があるそうな。浴衣圧の研究 : 着崩れおよび官能評価に関連して

・7月記のアニメ新番組をチェック中。
 とりあえず、宇仁田ゆみさんが好きなので、「うさぎドロップ」がいい感じ。
 「輪るピングドラム」は「綺羅星!」より、幾原演出大爆発で平和には終わりそうにないな。「生存戦略!」
 「Blood-C」の主人公の声が、キュアブロッサムなので、目を閉じると大変なことに。

・酒の日記 OB会で飲んだ生酒と横浜ビール

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ファイアウォールへようこそ:エクリプス・フェイズ紹介(その2)

 「エクリプス・フェイズ」の紹介その2。まあ、ゆるゆる行きます。

 この連載は、7/30の「Eclipse Phase体験会」でGMするための、復習的なものです。7/16-18の北海道遠征にも持ち込む予定なので、夜の部あたりで遊べればと思っております。

●SFホラーの世界

 さて、前回、「エクリプス・フェイズ」は宇宙冒険SF-RPGだと書きましたが、同時に、ホラーと陰謀の要素が含まれた作品でもあります。
 どことなく、映画「エイリアン」を思わせる謎の宇宙服と機械触手、宇宙ステーションが描かれたカバーにも「The Roleplaying Game of Transhuman Conspiracy and Horror」(トランスヒューマン時代の陰謀と恐怖を扱うRPG)と書かれています。システム的にも、精神的なトラウマやストレスに関するルールがあり、「クトゥルフ神話TRPG」に似た部分もあります。

 実は、宇宙版「クトゥルフ」なの? という受け取る人もいるかもしれませんが、それも少し違います。

 いわゆるSF-RPG、というと、私も昔、「パラダイスフリート」を作りましたし、現在もサイバーパンク・ファンタジーの「シャドウラン」に関わっていますが、実は、SFにはホラーの側面があります。SF設定をきちんと追求していくと、ある種の「想像したら怖い技術社会や超科学、異星人や人類自身が産み出した悪夢」と直面せざるを得ません。例えば、「フランケンシュタインの怪物(科学技術による、人間の創造)」や「ロボット(機械と人間)」は容易に恐怖の存在となります。

 「エクリプス・フェイズ」でも、「人類殲滅を決意した戦闘AI、ティターンズの戦闘機械」や「外宇宙から持ち込まれたらしい謎のウイルス」がそうした恐怖の対象と見なされていますし、あるいは、「ハイパーコープが発明した先端技術の結晶や、パンドラ・ゲート(次元の門)のかなたから持ち込まれた宇宙文明の遺産が暴走する」場合もあります。

 また、「エクリプス・フェイズ」は、「魂(Ego)」がデジタル化され、「義体(モルフ)」を自在に交換できる世界です。この結果、様々な恐ろしいシチュエーションが発生します。
 例えば、「エクリプス・フェイズ」のオープニング小説「Lack」(欠落)は、主人公が新しい義体に魂をダウンロードされて目覚めるところからスタートします。どうやら、主人公とその仲間たちは、「ファイアウォール」のエージェントとして、何らかの任務に挑み、おそらく、死亡したのでしょう。主人公は、なぜ、自分たちが死んだのかを自問自答しながら、「ファイアウォール」の指示に従い、前の自分達が失敗したのかもしれない新たな任務(?)に挑戦します。 「へびつかい座ホットライン」というSFをお読みになった方なら、イメージがわくかもしれません。あるいは、「キルン・ピープル」などでもかまいません。

 こうしたSF的な恐怖と戦うのも、このゲームのテーマのひとつです。

●陰謀の要素:コンスピラシー

 もうひとつのテーマが「コンスピラシー」(陰謀)です。

 現実がそれほど簡単なものでないことは、誰にでも分かっています。そのため、ゲームであっても、少しでもリアルな世界設定を考えていった場合、そこには、国家観の対立や政治信条などの食い違い、しばしば、利益追求のために踏みにじられる正義や平和などといった社会の闇の要素が組み込まれていきます。時には、まるで陰謀論そのもののような秘密の策謀やスパイゲーム、残虐な軍事ミッションすら求められます。
 それらは決して表に出ない闇の動きであり、近年、「コンスピラシー物」として、さまざまなSF-RPGに組み込まれています。例えば、「エクリプス・フェイズ」の開発者であるロブ・ボイルがライン・ディベロッパーを務めていた「シャドウラン」では、大企業同士の暗闘の最前線で戦うフリーランサーであるシャドウランナーが主人公で、失敗した際には「存在しないはずの存在」として、依頼人から切り捨てられる存在です。(このあたりは、「スパイ大作戦/ミッション・インポッシブル」にある「なお、この件に関して、君、もしくは君の仲間が捉えられたり、殺されたりしても当局は一切関知しない」という宣言に近い「お約束」なのですが。)

 サイバーパンクの発展として、「陰謀論的な世界の前線で戦うヒーロー」の時代が来ているのです。

 「エクリプス・フェイズ」のPCたちも、さまざまな陰謀と戦うことになります。
 「エクリプス・フェイズ」の太陽系に散らばる無数の宇宙居住区は、経済資本主義と社会秩序の過酷な実験場になり、それぞれがさまざまな信条を抱え、あるいは、生存のために模索しています。時には、表に出せない形でさまざまな行動をします。それは、奇妙な根回しであったり、違法行為であったり、隠された軍事行動であったりします。PCたちは、そうした各国の陰謀の網の一部に触れ、あるいは、陰謀を突き止め、それらが「人類の絶滅を招くリスク」を抱えていた場合、それと戦うことになります。例えば、

・ハイパーコープ(超企業):利潤のために、危険な状況を引き起こしたり、異星人やティターンズに由来する危険な技術を乱用したりします。 ・国家や勢力:太陽系に存在するさまざまな勢力が、人類全体のことを考えず、互いに争いあい、自らの都合を押し付けあったり、市民を搾取したりしています。 ・パンドラ・ゲート:銀河の彼方につながる次元ゲートです。そこから流入する異星人の技術が危険であったり、逆に、この次元ゲートを巡って暗闘や軍事行動、テロなどが繰り広げられたりします。 ・ティターンズの遺物:人類を破滅に導いた戦闘AI、ティターンズは消滅しましたが、その遺物である戦闘ロボットはまだ多数残っており、その技術や謎を巡って各勢力が暗躍しています。

 こうした陰謀を暴き、よりよい未来を目指して戦うのも、「ファイアウォール」の任務です。

●ファイアウォールの謎

 さて、PCは秘密組織「ファイアウォール」のエージェント「センチネル」となって、「トランスヒューマンに振りかかる絶滅の危機=エクスティンクション・リスク」と戦うと書きましたが、さて、この「ファイアウォール」とは何でしょうか?

 実は、よく分かりません。

 「ファイアウォール」は、謎の秘密組織で、PCたちのような構成員が社会のさまざまな場所に入り込み、必要に応じて呼び出され、チームを組んで「絶滅の危機」と戦うことになります。

 正義の味方?

 残念ながら、この時代における正義の概念はあまりにも多様化していて、「ファイアウォール」という謎の組織の目的が、正義とは見なされないことも多々あります。いくつもの法域では、違法組織と見なされていますし、多くの場合、国家がその存在を認めていませんので、都市伝説に過ぎないものとして、ほとんどの人が「ファイアウォール」の存在すら知らずに暮らしています。

 さらに、「ファイアウォール」の活動の中には、「大を活かすために、小を殺す」ような行為がしばしばあり、ハイパーコープ(超企業)やハビタット(宇宙居住区)に対するテロやサボタージュ、暗殺や強奪なども含まれます。もしかすると、ある宇宙船を守るために、いたいけな少女(おそらく、異星起源の危険なウイルスに感染)をエアロックから宇宙空間に放り出すような決断を迫られるかもしれません。

 組織の形態も秘密です。ルールブックにそれなりの説明はありますが、後半の「Game Information」に書かれた裏設定は、GMオンリーの秘密設定になっています。私が初版「ブルーローズ」で「秘匿情報」に指定したような背景設定で、ゲームを通じて少しずつ明らかにされるべき秘密設定だと思ってください。

 PCが知る範囲で言えば、前述の通り、「ファイアウォール」は「人類絶滅の危機と戦う秘密組織」であり、その全貌は謎に包まれています。慎重に構成された緩やかなネットワークで、PCがその全貌を知ることは、まず、出来ません。これは、敵の攻撃から組織を守るためです。それぞれのエージェントはメールなどでひとりずつ秘密裏に勧誘され、「バックアップからの復活保証」「資金や装備レベルの支援」などを条件に、エージェントになります。多くの場合、プロクシイと呼ばれる連絡役としか接点がなく、ミッションごとに、状況に応じたメンバーでチームが構成されます。
 義体も、任務に合わせて選ばれます。この時代、通信によるデータ転送は無限大のものにまで拡大しており、光速を超える「転送/Farcast」も可能になっているので、招聘されたエージェントが、「魂(Ego)」、あるいは、そのコピー(Fork)だけ現地に飛ばし、現地で義体にダウンロードして任務に当たるということもよく行われます。

 このあたりは独特の設定ですが、同時に、ゲーム的な効果もあります。

・PCが死んでも、バックアップがあれば、復活できる。(義体への再DLはしばしば精神に強い負担を与えます)
・物理的な距離を超えて、太陽系全土で活躍できる。
・状況に合わせて、外見や機能を乗り換えていける。
・必要があれば、コピーを同時に活動させることすらできる、(記憶や意志の再統合は、強い精神ストレスを生じますので、濫用にはご注意を)

 このあたりは、ゲームとして遊ぶためのご都合主義も含まれていますが、「人類絶滅の危機と戦うエージェント」を遊ぶためのギミックだと思っていただけるとたすかります。

●付記

 PCが「ファイアウォール」のエージェントとなるのは、あくまでも、デフォルト・キャンペーン設定(基本型として、デザイナーが推奨するパターン)になっています。ルールブックとしては、「エクリプス・フェイズ」の設定を生かした、どのような遊び方も、ユーザーの自由となっていますが、朱鷺田としては、それはあくまでもやりこんでからのものだと思いますので、この紹介記事では、プレイのイメージがわきやすい「ファイアウォール」から始めています。

 次回はできたら、コンベンションでゲーム告知に必要そうな、「サンプル・キャラクター」とか、「世界観」の話がしたいですねえ。

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July 06, 2011

ファイアウォールへようこそ:エクリプス・フェイズ紹介(その1)

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 7月30日に、 Eclipse Phase体験会@R&Rステーションで、SF-TRPG「エクリプス・フェイズ/Eclipse Phase」のGMをすることになりましたので、私の復習も兼ねまして、少しずつEPの記事をここでも書こうと思います。ただし、締切りの最中なので、少しずつ、少しずつ。
 公式サイトの方もぜひチェックしてください。
 イラストが実にかっこいいです。

●エクリプス・フェイズ(Eclipse Phase)の世界観

 「シャドウラン4th」のライン・ディベロッパーだったロブ・ボイルが作った「エクリプス・フェイズ」(ポスト・ヒューマン・スタジオ)は、人が「精神(Ego)」をデジタル化し、自由に「義体(Morph)」に移したり、セーブしたりできるようになった未来を舞台にしたSF-RPGです。トランスヒューマンSFというのは、そのようにして、人類が変革、あるいは、進化の途中にあることを示します。

 「エクリプス・フェイズ」の裏表紙に書かれた4行の宣伝文句は、この時代を端的に著しています。

Your mind is software. Program it.
Your body is a shell. Change it.
Death is a disease. Cure it.
Extinction is approaching. Fight it.

心はソフトウェア。      プログラムせよ。
肉体は入れ物に過ぎない。 交換せよ。
死は単なる病気だ。     治療せよ。
絶滅の危機が近付いている。 立ち向かえ。

 参考文献には、いわゆるサイバーパンクやシンギュラリティ系のSFと並んで、「攻殻機動隊」アニメ版全シリーズが列挙されているのは、まさに、ああいう世界を遊びたいのだというデザイナーの主張なのでしょう。
 そのおかげで、シャドウランよりさらに過激な身体強化(「イーオン・フラックス」に出てくる足が手の人)やユニークな義体(フチコマ風、群体、蛇型、あるいはドロッセル風)の使用、あるいは、異民族としてのAIキャラクター「インフォモルフ/情報義体」、猿や鴉、タコを知性化した「アップリフト/知性化種」などがプレイできます。

●世界絶滅の危機から10年(After Fall 10)

 世界はすでに滅びかけています。
 この時代、人類は太陽系全土に広がり、惑星や衛星、小惑星に拠点が築かれ、宇宙開発を進めていましたが、戦術統括AI「TITANs/ティターンズ」が覚醒して人類に叛旗を翻し、地球は壊滅しました。人類の90%以上が死滅し、生き残った人々も、肉体すら失った「インフォリフュージ/情報難民」として、月や他の惑星にある開拓地、あるいは、宇宙に浮かぶ人工居住区(ハビタット)で暮らしています。
 ティターンズはなぜか消えました。理由は分かっていませんが、世界はいくつもの勢力に分かれ、混乱し、反目と対立の中にあります。

 そして、「破滅(ザ・フォール)」から10年目の世界が「エクリプス・フェイズ」の現在です。

 PCたちは人類に迫る「絶滅危機のリスク(Extinction Risk)」と戦う秘密結社「ファイアウォール」のメンバー、「センチネル(前哨)」として、さまざまなミッションに立ち向かっていくのです。
 そのミッションは色々あります。例えば・・・

・人類を滅ぼしかけたティターンズの遺物の調査
・人類の危機よりも利潤を優先するハイパーコープの危険な実験の阻止
・人類に多大な被害を与えかねない国家間、勢力間の陰謀や軍事行動の妨害
・人類が生き残るために必要な知識を、ハイパーコープや独裁国家の隠蔽から奪い返す。
・パンドラ・ゲートの向こう側にある宇宙文明の調査

 「エクリプス・フェイズ」は現代SFの粋を取り入れ、新たに創り上げられた宇宙冒険SFなのです。

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July 05, 2011

訃報:那智史郎氏、SR4:Deadly Waves

 仕事場が資料や何からでぐしゃぐしゃになっており、色々ヤバい状況です。近々、断捨離を実行しなくてはならないように思われます。商売柄、溜め込んだ本や漫画、ゲームのうち、地層になりかけたもののいくつかを少しずつ処分していくところから始めることにしよう。

●訃報:那智史郎氏

 Mixiの朝松健先生の日記で、クトゥルフ研究の先達、那智史郎氏のご逝去を知る。国書刊行会の「定本ラヴクラフト全集」「真ク・リトル・リトル神話大系」「ウィアード・テイルズ」などで活躍された方である。日本におけるクトゥルフ紹介の大先達であり、その功績は計り知れない。
 ただただご冥福をお祈りいたします。

●SR4:Deadly Waves

 シャドウラン本家のカタリスト・ゲーム・ラボにて、海洋船舶のサプリ「Deadly Waves」が登場。ジェットスキーから潜水艦まで。

Deadlywavescover

 装備サプリメント「アーセナル」もバージョンアップされていますが、こちらは精査後にコメントしたいところです。


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July 02, 2011

霊障都市捜査ファイル The Novel 龍烈

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 「霊障都市捜査ファイル」の小説版「The Novel 龍烈」(著:天沢彰)の見本が届いたので、追加更新。
 「霊障都市」の設定協力をいただいた天沢彰さんの手になる警察小説です。帯も凶悪です。

「殺すのか?」
「違う。---処分する」

 殺人課がまだ凶悪犯罪課と呼ばれていた頃、霊障が出現する新宿に帰ってきたとんでもない女刑事がいた。その名前は、沢村涼子。外事二課で過酷な任務をこなしてきたタフな女は、謎の連続殺人事件の中へと飛び込んでいく。新宿東署と西署の対立も絡んで、事件は一転、国際的な犯罪へと加速していく。

 「霊障都市捜査ファイル 罪の街 新宿」の謎が今、明らかにされる!

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クトゥルフTRPG25周年、シャドウラン:覚醒まで後半年、イベント予定

 7月です。ええ、6月32日とか言ってられません(汗) 夏向けの本の締切りで大騒ぎです。
 あと、アニメのチェックも必要ですよね?

 そんな訳で、ストレス発散とお仕事メモ的にBLOG更新。

●TRPG版クトゥルフ、25周年とか

 RSW管理人さんのサイトが詳しいのですが、6月30日で、日本語版「クトゥルフの呼び声」発売から25周年とか。ああ、あれから25年経ちましたか。あっと言う間ですねえ。せっかくですので発掘、発掘。

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 開けてみるとなぜかフィギュア入れになっており、中身のルールはこちらの中に。

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 1986年と申しますと、私もデビュー前だったので、アバウトな使い方でした(汗)。

 ちなみに、英語版としては間もなく30周年だそうで、9月18日のクトゥルフオンリー・コンベンションは、「クトゥルフ神話TRPG 30周年記念コンベンション(仮)」ということです。ゲスト・キーパーで参加予定。

 ちなみに全然関係ないのですが、いわゆるクトゥルフ神話の初期短編が掲載されていたパルプ雑誌は、こんな感じです。国書刊行会さんの《ウィアード・テイルズ》。

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●イベント・スケジュール

7月17日 多彩の渦コンベンション@札幌(前後宿泊CON)

 7月の海の日前後は、北海道へ。お泊りCONもありますので、「深淵第二版」の他、「真・女神転生TRPG 魔都東京200X」「霊障都市捜査ファイル」「東京鬼祓師」あたりから、持ち込む予定。 希望があれば、「EP」も。
 往復のチケットを取りましたが、さすがに夏休み前の三連休で、最終日は朝一のエアドゥに。

7月24日 東京深淵CON シキサイ

 GMにて参加予定。東京での深淵CONも、季節開催でもう33回。

7月30日 Eclipse Phase体験会@R&Rステーション

 ……という訳で、R&Rステーションで、SF-TRPG「Eclipse Phase」をいたします。宇宙まで広がった「攻殻機動隊」か「スキズマトリックス」のようなサイバーパンク世界で「世界の危機」と戦います。「義体」に「精神」をダウンロードして暮らすのが当たり前の世界なので、例えば、こんなキャラクターがプレイできたりする訳です。

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 サプリメント「Sunward」に掲載されている「Direct Action社の傭兵」。レールガンや誘導弾ライフルを装備した球体装甲ドローン・ボディの上に、4本の機械式触手ですよ。ちなみに、フチコマ・タイプもあります。

 そんな訳で、時々、「Eclipse Phase」の記事とかもここで書いていこうかと。

8月19-21日  JGC2011

 現在、キャンセル待ち受付中とのこと。
 朱鷺田は、いつものように、娘。を連れて参戦予定。
 今年も二夜連続「夜の深淵CON」を開催予定です。R-CONもフル参戦で、GM三昧ですよ。
 いい加減、ルールブックの量が半端ないので、ゴロゴロした何かを検討中。

9月3-4日 SF大会 ドンブラコンL

  第50回記念大会は静岡。参加手続き終了、合宿も確保。クトゥルフとか、そのあたりの企画をやる予定。見つからなかったら、休憩所のボードゲームのあたりにいるかも。

9月18日 クトゥルフ神話CON

 詳しくは上記参照。30周年記念(仮)

11月27日 ゲーム・マーケット

●シャドウラン:2011年12月24日 《覚醒》 龍冥出現!

 イベント・スケジュールを確認していて愕然。

 シャドウラン者としては欠かせないイベントですね。何かやれるとよいのぉ。
 ……というか、後半年、切りましたね?

●HJ:ゲームジャパン 休刊決定

 ホビージャパンさんの「ゲームジャパン」誌が7月末の号で休刊とのことです。→公式サイト。

 マジックの現場から離れ、D&D系列には関わっていなかったもので、ここ数年は仕事上のお付き合いがありませんでしたが、RPGマガジンの頃に書き始め、ぎゃざの終わりまで10年以上、お世話になった雑誌が休刊になるというのは寂しいものです。まあ、TCG関係の新企画もあるようですし、またマナバーンも出るようなので、応援しております。

●Twilog的な何か:アニメなどのメモ

・「GOSICK」終了。最終的には世界の歴史の流れの中へ。

・「電波女と青春男」。野球篇まで。正真正銘の電波なキャラしかいないのにさわやかなのはなぜだ!
 来週から、木曜日深夜は地獄めいた様相に。ノイタミナ→TBS・・・
 「アリア」アニメ版のラスボスが「ブラド」だったが、なぜか人狼だったことを心の棚にメモ。

・「シュタインズ・ゲート」は欝展開ループに突入。

・金曜ロードショーがジブリ月間。「もののけ姫」を見るたび、「深淵」における刻印の暴走について考える。明らかに魔族とか、魔族の信徒っぽい連中ばっかり。アシタカの弓の威力がやっぱりオカシイ件について。明らかに、赤札使っている。

・意外に重要なことは、iPadをご使用されていることかも。>>>ローマ法王、ツイッターに投稿 (日テレNEWS24 - 06月30日 08:30) ドイツ人でロウ属性とあれば、機械のひとつやふたつでしょうが……

・MX-Tokyo 夕方1630からハトプリとは、俺を殺す気か!

・TBSニュース>>中国の空母、ロシアのワリャーグがベース

・なぜか、今、私の部屋にはミルトンの「失楽園」と白泉社のコミックアンソロジー「楽園」6が並んでいる。ゴロ合わせか?

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・「ガンダム UC0081 水天の涙」完結。
 歴代ガンダム漫画の中でも傑作。ぜひとも、OVAで動かしてほしいなあ。

008

・SFマガジン 8月号は初音ミク特集。なぜか巻頭の神林長平は〈さえずり〉の可能性を語る。うむ。

012

・これはいいねえ。>>W杯予選3日前にザック日本vsU22が対戦

・『ブルーローズ:ネクサス』向け? >>キャタピラ走行できるバイク「Hyanide」 - GIGAZINE

・ついに書籍流で死者が。朱鷺田もあの日は、いつも座っている椅子に某箱入りTRPGが直撃してましたから。
 明らかに恨まれている?

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