エクリプス・フェイズ:地球降下作戦@R&RS体験会
8月1日です(汗) 某方面締切に火がついております(汗)
週末のセッションまでに、色々クリアする方向で、頑張ります。
知人のAさんより、10シリング6ペンスのコーヒーをいただく。いつもおいしいコーヒーをどうも!
●エクリプス・フェイズ:地球降下作戦@R&RS体験会
週末は、「Eclipse Phase体験会@R&Rステーション」でした。「エクリプス・フェイズ」は、シャドウラン4thのライン・ディベロッパーだったロブ・ボイルが作成した最新SF-RPGです。
詳しくは、本ブログの「ファイアウォールにようこそ」、あるいは「エクリプス・フェイズ」関連エントリーを参照してください。
今回は、内惑星圏の資料サプリメント「Sunward」を拾い読みして、先週プレイした「企業令嬢の野心」のシナリオ・テンプレートに組み込んだものです。後、少しずつ訳語が変わっています。
参加PCは以下の通り。
・メルクリウスの盗掘屋 レイ=アンザイ
知性化されたタコの盗掘屋。メルクリウス(Mercurial)は知性化種やAIなどを保護する勢力。プレイヤーは、拙作「パラフリ」を長らく楽しんでくださったSF-RPG好き。ありがとうございます。
・情報体(メルクリウスの調査官) エレクトリック・バーバレラ
個性を持つまでに知性化されたAI。今回はドローンやVRコンパニオンとなって仲間を支援。プレイヤーは、クトゥルフ仲間のSさん。
・エクストロピアの密輸人 イ・キョンハ
ヘビ型のモーフを使う外惑星の自由貿易業者。企業令嬢に取り入るあたりで大活躍。プレイヤーは、GURPS系のベテランさんで、英語サプリにも親しんでいるとか。
・スカムの用心棒 アントン・D・ルッシィ(アンディ)
小惑星帯からやってきた宇宙海賊のアル中おねーさん。プレイヤーさんは、シャドウランの経験は若干あるものの、SF系の素養なし、前情報なし、「攻殻機動隊」も「知性化戦争」も未読、ということで、早く来てくださった時間を使って、一から設定を説明させていただいた。少々、情報オーバーフロー気味になってしまったかもしれぬ。
OP:コロナの目覚め
PCたちが目覚めたのは、水星の内側、太陽のコロナを間近にするバルカノイド小惑星群のひとつに隠された、秘密組織「ファイアウォール」のデータストア。ヴァーチャル・リアリティ(VR)内の情報体の状態であるPCたちに向かってプロクシ(組織の連絡役)であるジェスパーが説明する。
ジェスパー「前の、君たちが連絡を絶って2週間が経過したので、バックアップから君たちを再生した」
PC「前の私たち? ああ、先代は失敗したということか?」
ジェスパー「軍事企業ダイレクト・アクション社の企業令嬢フレデリカ・ファンが、火星で入手したエイリアン・テクノロジーの情報を利用する何かの計画を立てているという情報がある。その真偽を確かめ、必要とあれば、その企てを妨害するのが君たちの任務だ」
PC「2週間経過したのか? 今、フレデリカは?」
ジェスパー「彼女は、月=地球のラグランジュ5にあるダイレクト・アクション社の軍事要塞、ヘクサゴンを本拠地とし、太陽系全土のフォーク(魂/Egoのコピー)を送って交渉活動をしている」
この時代、自分の魂をコピーし、それを量子通信で各地に転送、その場に準備した義体(Morph)に乗って活動するということができる。資金さえあれば、複数のコピーを稼働させ、後で統合(Merging)することすら可能である。精神障害のリスクがあるが、そこはそれ金をかけた精神科医を横に置いて……
最新の情報によれば、フレデリカはオリジナルをダイレクト・アクション社の本社に置きつつ、2体のコピー(仮称、アルファ1、アルファ2)を作り、何らかの計画に必要な行動を行っている。
ジェスパー「アルファ1は、同じラグランジェ5にある宇宙海賊の巣、フレッシュ・キルズに向かった」
アンディ「あたしの出番ね」
ジェスパー「アルファ2がいるのは……」
その瞬間、VRの中でスクリーンがひらめき、「外の様子が映しだされた。間近に迫る太陽のコロナ。その中を泳ぐ何かがいる。まるで巨大な鯨のような何かがコロナの紅蓮の中を泳いでいる。
ジェスパー「太陽コロナ観測用義体、スーリヤ」
レイ「宇宙クジラ」
ジェスパー「あの中に、観光客用のゴースト・ライダー・システムと居住用データ・ストレージを備えた太陽観光船がいる。アルファ2は、コロナ観光の最中だ」
イ・キョンハ「豪勢なことだ」
ジェスパー「彼女はどうやら、このバルカノイドにあるパンドラ・ゲートを狙っているらしい」
パンドラ・ゲートは太陽系各地にエイリアンが残した超次元ゲートで、ゲートを通って異星へ向かうことができる。目的地の多くは人も済まない不毛の惑星であるが、場合によっては、高度なエイリアン・テクノロジーが手に入ることもある。
ここでフレデリカの危険性を理解したPCたちは相談し、5つのコピー・チームを作り、太陽クジラ、海賊の巣フレッシュ・キル、軍事要塞ヘキサゴン、月面のドーム都市、火星へ調査に向かわせることにした。
●アルファ4:月面:地球奪還派
月面のドーム都市に入ったPCたちは、ティターンズの戦闘機械によって壊滅した地球を取り戻そうとする地球奪還派の行動が盛んになっていることを知る。おそらくはその背景にフレデリカの存在があるようだ。
軍事要塞ヘキサゴンに潜入したアルファ5に、情報収集を依頼する.
警備の厳しい軍事要塞ではうまく動けないようだが、間もなく株主総会が開かれることを知り、総会に忍びこむことになった。
●アルファ1:コロナの密会
太陽コロナ観光のスーリヤに、デジタル状態の客(バーバレラはVR空間のコンパニオンに偽装)として乗り込んだ一行は、太陽の放つ壮大な電磁波嵐の中、通信途絶になりやすいことから、セレブな客たちがスーリヤを究極のプライバシーとして扱っていることを知る。
フレデリカのアルファ2も、それを利用し、いずれかのVIPと密談していたのである。密談の相手は、金星の浮遊都市を支配するモーニングスター・コンステレーションの重鎮であった。モーニングスター・コンステレーションは、バルカン小惑星にあるパンドラ・ゲート、「バルカノイド・ゲート」を所有している。
イ・キョンハ「やはり、狙いはパンドラ・ゲートか?」
●アルファ3:火星の痕跡
火星へ送られたアルファ3は、フレデリカが接触した知性化チンパンジーの異星考古学者、アンジェラ・A博士を尋ねる。彼女はマリネリス大渓谷周辺でエイリアンの遺跡らしいものの発掘調査をしていたが、12日前、謎の核爆発が彼女と遺跡を吹き飛ばしたのだ。現在、バックアップからの再生セラピーで入院中だった。
火星の政府関係者(バーバレラは従僕ドローンを支配する)を装い、彼女の話を聞く。どうやら、彼女の調査していた遺跡は、火星のパンドラ・ゲートに関係するもので、太陽系内で、未発見のパンドラ・ゲートの存在を示唆していたのである。そして、彼女はパンドラ・ゲート同士を繋げられる可能性に気づいた。
アンジェラ「まだ調査中ですが、地球上の可能性が高い」
アンディ「地球上にはまだあのターミネーターどもがうようよしてやがる。そこにゲートなんか開いたら」
アンジェラ「ええ、ティターンズの残した戦闘機械がゲートから湧き出してくることになる可能性があります。非常に危険ですね。……あのあなたとお会いしたことがありますか?」
どうやら、「前のPCたち」も、彼女に会いに来たらしいが、ここはごまかした。
アンジェラ「あの日、新たなスポンサー候補が遺跡を見学に来ました。
こういう仕事ですから、調査費を支援してくれるスポンサーが欠かせないのです」
レイ「そして、爆発が起きた」
前のPCたちは、決断したらしい。エイリアンの遺跡を跡形もなく吹き飛ばすことを。
●アルファ2:フレッシュ・キルズ:海賊王アリ
フレデリカのアルファ1を追い、ラグランジュ5の海賊の巣、フレッシュ・キルズへ向かったPCたちのアルファ1。どうやら大仕事が進行中ということで、海賊王アリが人手を集めているらしい。情報を収集すると、フレデリカが大規模作戦への参加を申し入れたらしい。
その名前は「地球降下作戦」。
海賊王の作戦に参加するべく、女海賊アンディのラインから謁見した一行は、気に入られて親衛隊に加えられ、計画の全貌を知る。フレデリカは、地球奪還派の資金を得て、ダイレクト・アクション社艦隊による、キリマンジャロ周辺への降下作戦を計画、海賊たちをそそのかして地球奪還派の拠点を作ろうとしているのだ。
そして、そこに彼らはお宝があると信じているのだ。
バーバレラ「お宝は、多分、未発見のパンドラ・ゲート」
レイ「人類の危機だね。いざという時の準備をしておこう」
●アルファ5:ヘキサゴン:株主総会
一方、その頃、ヘキサゴンでの株主総会に紛れ込んでいたアルファ5は、フレデリカが歴史的な計画に艦隊を稼動したことを知る。ダイレクト・アクション社の艦隊が総動員され、地球軌道に集結する一方、金星艦隊はモーニングスター・コンステレーションの支援を受け、バルカノイドへ向かうことが分かる。
●アルファ2:地球降下作戦
ついに地球降下作戦開始。
まず、ダイレクト・アクション社の宇宙艦隊による降下作戦が始まり、ティターンズの戦闘機械群への空爆に続き、キリマンジャロ制圧にかこつけた宝捜しのための海賊たちが降下する。PCのアルファ2は親衛隊のクルーザーに乗り、火星から戻ってきたアルファ3、アンディの妹分と称して海賊船で降下する。
フレデリカとアリは、アンジェラ博士の推測した座標に向かってキリマンジャロを離れたジャングルに降下する。未発見のゲートを手に入れようというのだ。親衛隊に紛れ込んだPCたちは、彼らの目的とするゲートの入り口調査に参加したが、フレデリカが、エイリアンの残したレリックを乱用し、無防備にゲートを開けようとしたので、自爆を選択した。アルファ2消滅。
●アルファ1:バルカノイド・ゲート
一方、宇宙クジラの中で、フレデリカと友人になったアルファ1は、宇宙商人の立場でフレデリカの計画に参加し、彼女がバルカノイド・ゲートと地球の未発見ゲートをつなげ、太陽系内のゲートを支配しようとしていたことを知る。彼女とともに、バルカノイド・ゲートに向かった一行は、ダイレクト・アクション社の戦闘義体が同行していたことから、実行をためらい、彼女を止めるタイミングを見計らうも、女海賊のアンディがぶちきれてフレデリカに襲いかかってしまう。
イ・キョンハ「彼女は囮になってくれたのだ、と解釈してフレデリカを守る振りをして射撃」
アンディはセミオート射撃を食らって昏倒、戦闘義体たちが彼女を護送していく隙に、フレデリカの使っているエイリアンの遺物を調査する。それが滅びた異星文明イクトミの遺産と知り、フレデリカの最終的な野心の中に、世界の危機を招いてもいいと考える、ある種の破滅願望があることに気づく。
フレデリカは、ゲート解放を迫り、残ったPCたちもまた、プロジェクトの妨害と、エイリアンの遺物の破壊を目指し、自爆を選ぶ。ゲート施設はがれきに埋もれる。護送中のアンディは戦闘義体とともに爆風で、バルカノイド小惑星の地表から宇宙空間へと放り出されてしまう。水星の内側はコロナも間近な灼熱地獄だ。宇宙船の影から飛び出した途端、アンディの肉体は蒸発した。
アルファ1もまた通信途絶。
●アルファ3:キリマンジャロ:決断
アルファ2のバックアップとして地球に降下したアルファ3は、遺跡の爆発からアルファ2の決断を知る。続いて、アルファ1との通信が途絶し、バーバレラがハッキングによってバルカノイド・ゲートでの爆発を確認、アルファ1の決断も知った。
遺跡の状況を調べていた一行は、海賊王の船から、海賊王とフレデリカのバックアップが出現、遺跡の入り口を塞いだ瓦礫の除去を命じたことを目撃、単なる爆破では彼らの動きを止められないことを理解する。バックアップが作れる限り、フレデリカの狂気と海賊王アリの野望を止めることはできないのだ。
それでも、現場で時間を稼ぐために、彼らは決断した。
まず、バーバレラが従僕ドローンを操り、戦闘バギーに乗っていたミサイル・ランチャーを操作して、発掘現場とともに、第二のフレデリカと海賊王を吹き飛ばした。
フレデリカは反撃してきた傭兵たちによって、従僕ドローンを吹き飛ばされ、アルファ3を失う。
残った3名は、戦闘状態になった現場を離れ、自分たちの乗ってきた海賊船を離陸させて、遺跡に特攻した。核融合炉が爆発し、遺跡を飲み込んだ。
アルファ3、通信途絶。
●ED:世論操作
この間、オリジナルはバルカノイドを離れ、天王星のデータ・ストアに避難していた。コピーからの情報を集積していた彼らは、フレデリカの動きを止めるため、彼女の行動情報をメッシュへ流し、フレデリカが未発見のゲートを独占、人類の危機を理解しながらも、既存のゲートと地球のゲートの接続を図ったことを太陽系全土に知らしめた。これにより、彼女はその野心を暴かれ、穏当な方法でゲート探索に望むしかなくなった。
「ファイアウォール」の目的は、人類絶滅の危機へつながる危険な道を閉ざすこと。
フレデリカの危険過ぎる野心は、こうして阻まれたのである。
~FIN~
パンドラ・ゲートをめぐる陰謀ということで、実に派手なシナリオになりました。
資金面での限界があるので、通常のキャンペーンでは、ここまで派手にはならない予定ですが、こういうネタもできますというのが、今回のデーマでした。
次回の「エクリプス・フェイズ」体験会は9/17の予定。