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September 15, 2011

ファイアウォールへようこそ(14):エクリプス・フェイズ:AF10年の太陽系

 「エクリプス・フェイズ」の紹介14。
 今回から、世界設定の紹介を兼ねて、様々な要素を紹介していきます。

 この連載は、朱鷺田祐介が「エクリプス・フェイズ」をGMするための覚書的なものです。「エクリプス・フェイズ」は、「シャドウラン4th」のライン・ディベロッパーだったロブ・ボイルが作成した最新SF-RPGです。詳しくは、本ブログの「ファイアウォールにようこそ」、あるいは「エクリプス・フェイズ」関連エントリーを参照してください。

 おかげ様で、翻訳が決定しました。
 来年夏予定です。(朱鷺田は監修です。詳しくはこちらのエントリーをどうぞ)
 未訳RPGの紹介ということで、手探りでやっている部分が多々ありますので、訳語の揺れはご容赦ください。現在、戦鎚傭兵団の待兼音二郎さんを中心に、訳語選定が進んでおりますので、順次、それに合わせていきます。

 9/17に体験会が、R&Rステーションで開催されます。詳しくはこちら。

●太陽系概略

 「エクリプス・フェイズ」の舞台は、AF(大破壊後)10年の太陽系です。

・地球

 戦闘AI、ティターンズ(TITANs)の反乱により、地球は戦闘機械群によって破壊され、人類の80%以上が死亡するという事態に陥りました。地球の表面は、戦闘機械のばらまいたナノスワーム兵器、あるいは、人類が反抗のために発射した核兵器、月面から投じられた質量兵器などで破壊し尽くされ、核の冬を迎えています。
 状況としては、「ターミネーター」の未来という説明が分かりやすいでしょうか?

 生き残った人々は、戦闘機械の襲撃を恐れて隠れ住みながら、救援を待っています。もちろん、反抗を続けている人々もいますし、月=ラグランジュ同盟の支援もありますが、圧倒的な戦力差によって、地球奪還には至りません。熱狂的な地球奪還派や、お宝目当ての盗掘屋をのぞけば、好き好んで地球に降りようとする者はいません。

・月=ラグランジュ同盟

ミーム:地球奪還
主要都市:エラトー(月面)、リメンブランス/追憶(地球軌道)

 月面はもっとも古い人類の拠点であり、テラフォーミングされた火星に次ぐ、最大勢力のひとつです。多くの人々が、月面のドーム都市や、月と地球のラグランジュ・ポイントに建設されたハビタット(宇宙居住区)に住んでいますし、地球が近かったことから、伝統的な地球の文化が残っている場所でもあります。
 なお、ラグランジュ・ポイントには、同盟に加わっていない海賊コロニー「フレッシュ・キル」など、独自路線を行くハビタットが多数存在しています。

・金星

政治組織:モーニングスター・コンステレーション
ミーム:金星の独立自治
主要都市:オクタヴィア

 濃厚な大気に覆われた金星は、テラフォーミングされていませんが、その大気上層には、エアロスタット(浮遊都市)と呼ばれる空中コロニーがいくつも浮かんでおり、金星地表での鉱山経営などを行う一方、独自の華やかな文化を育んでいます。ハイパーコープが結集した惑星連盟の一部ではあり、内惑星らしい豊かな国家ですが、独立自治を得るべく、活動しています。

・火星

 テラフォーミングが進む火星では、呼吸器を使用すれば、人類が活動できる環境が生まれつつあり、現在でも、赤い荒野の開拓が進んでいます。地球が壊滅したため、現時点においては、人類最大の拠点と言ってもかまわないでしょう。
 火星開発は、惑星連盟の本部である火星軌道のプログレスが主導しており、そこでは、重商主義的な搾取構造が成立しています。ドーム都市で安穏と暮らす企業系のビジネスマンと、赤い荒野で過酷な開拓生活を送る開拓民たちの間には、否応もない溝が刻まれ、搾取構造に怒った開拓民たちは、古典SFに登場する火星の異名「バルスーム」に習い、自分たちを「バルスーム人」と呼ぶようになっています。
 エリュシウム、オリンポス、ヴァレス=新上海など、独立したコロニー都市は、タルシス・リーグという緩やかな同盟関係を築いていますが、惑星連盟に対抗できるだけの力はなく、意志統一はなかなかできないでいます。
 なお、火星のマーディム・ヴァリスには、マーシャン・ゲートと呼ばれる超次元ゲートがあり、惑星連盟によって管理されています。

・木星共和国

ミーム:バイオ保守主義
主要都市:リバティ(ガニメデ)

 木星周辺には多数の衛星基地や宇宙コロニーがあり、惑星連盟から独立した自治主義者の政体に属しています。その中でも最大のものが、衛星ガニメデを中核とする木星共和国で、バイオ保守主義という、旧世代の思想で運営されています。これは、人体改造や精神のデジタル操作によって、人が新たな形に変わっていくとするトランスヒューマン思想に逆行する思想で、遺伝子治療や人体改造、時には、精神のバックアップを取ることすら拒絶しています。もちろん、知性化種やAIも敵視しており、「自然な人間として、生きて死ぬこと」を重視します。
 その思想を国民に押し付けているため、別名「木星独裁国家(ジョヴィアン・フンタ)」とも呼ばれています。

・タイタン連邦

ミーム:技術社会主義、サイバー民主主義
主要都市:タイタン

 土星の衛星タイタンには、北欧の開放的な民主主義に基づいた国家が築かれ、現在では最先端技術と開放的な民主主義が融合した独特の国家となっています。この国家では、サイバー民主主義という、メッシュによる電子投票を利用した直接民主主義制度(いわゆるサイバー・デモクラシー)が導入されており、全国民の総意によって国家の政策が運営されています。
 タイタン連邦は、技術の導入に積極的で、知性化種やAIにも寛容であり、役に立つ物は何でも取り入れるおおらかさがあります。それは、外惑星系という宇宙の最前線で暮らす者ならではの現実主義、能力主義でもあります。
 なお、土星の衛星パンドラには、最初に発見されたパンドラ・ゲートがあり、タイタン連邦は、この超次元ゲートを使って、異星の探査を行うことに熱心です。

・外惑星

 土星以遠の惑星や、惑星間宇宙にも多くのハビタットがあり、それぞれ独自の社会制度を持った政治形態が存在しています。自治主義者の支配する実験的な社会構造を持つコロニーから、孤立した小規模なグループ、ハイパーコープの開拓拠点、場合によっては、知性化種やAIだけの生活の場もありますし、人類とは違う何かに進化したと称するエクスヒューマンの巣窟も存在します。
 天王星には、アナーキスト勢力が支配する「フィッシャー・ゲート」が存在する他、現在、唯一、コンタクトできているエイリアン「ファクター(代理人の意)」のコロニーが隠されているとも言われています。
 さらに、海王星軌道の外側、カイパーベルトの浮かぶ小惑星「エリス」には、ディスコード・ゲートがあり、現在は、ゴニン・グループの支援を受けた究極党(アルティメット)の部隊が、外惑星のアナーキスト勢力、あるいは、エクスヒューマンと、その支配権を巡って戦闘を繰り返しています。

・太陽軌道

 水星の内側には、ヴァルカノイドと呼ばれる小惑星群があり、太陽フレアの熱にさらされていますが、ここにも人類は住んでいます。巨大な宇宙クジラの形で、コロナの中を泳ぐことすらできるスーリヤ、あるいは、小惑星の表面で活動できる人型のサラマンダーという義体を装着した人々が、太陽を周回する軌道に住んでいます。
 なお、ヴァルカノイド小惑星のひとつ、コールドウェルには、ヴァルカノイド・ゲートと呼ばれる超次元ゲートがあり、惑星連合傘下の企業、テラジェネシスの管理下にあります。

 ざっとメモ代わりの解説ですが、この他、小惑星帯などで活動している自由勢力、小集団、海賊、自由貿易船なども多く、いわゆるスペース・オペラ的な勢力が勢ぞろいしていると言ってもかまいません。

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