エクリプス・フェイズ:ゲートホッパー
この週末は、金曜日(某所打ち合わせ&クトゥルフKP)→土曜日(エクリプス・フェイズ体験会@R&Rステーション)→日曜日(クトゥルフ神話TRPG30周年記念CON@横浜開港記念館)と、三連続GMでした。
その反動か、昨日は首と背中が痛くてばったり。まだ、ちょっとヘロヘロなのですが、軽くレポをまとめましょう。
●エクリプス・フェイズ:ゲートホッパー
エクリプス・フェイズ体験会@R&Rステーション。
今回は、内惑星設定と「Gate Crushing」の異星設定をちょっと借りたシナリオ。
【シナリオ予告】
ゲートホッパー。
異星人が残した超次元ゲート「パンドラ・ゲート」の探索は非常に危険なものであるが、そこに挑む勇者たちが後を絶たない。彼らはゲート・クラッシャーと呼ばれるが、その中でも、特定の「パンドラ・ゲート」から出発してそのまま戻ってくるのではなく、別のゲートを旅して、ゲートの奥地へ進み、全く別のゲートから帰還する者がいる。幸運と実力を兼ね備えた稀有な成功者のことを「ゲート・ホッパー」と呼ぶ。
ビヨルン・オーランドーは、その稀有な一人である。
土星圏のパンドラ・ゲートから出発した彼は、未だつながりのないとされる、外惑星コロニー「フォーティアン」を経て、天王星の「フィッシャー・ゲート」から帰還した。極秘のルートを明かさないまま、惑星連合の支援を受けたビヨルンは金星に降り立った。
ビヨルンの行動に不審を抱いた極秘組織「ファイアウォール」は、彼の行動を監視するように、エージェント「センチネル」たちに指令を送った。
【今回のPC】
・ロクバッツ (メルクリウスの盗掘屋)
知性化されたタコ。廃棄されたコロニーから遺物を回収するサルベージ屋。あくまでも、便利屋っぽい立ち位置でしたが、なぜか大活躍。
・アヴェ(ハイパーコープの闇商人)
色々やばげな品物を融通する人。支援活動で活躍する。
・リオン(アルゴノーツの異星考古学者)
エイリアンの遺跡とか、廃棄されたコロニーの謎とかが大好きな学者さん。謎を見ると突っ込まずにはいられない人。ティターンズの遺跡とか危険な場所にも飛び込んで死にかけたり・・・
・ナシーム(金星の交渉人)
金星の浮遊都市アフロディーテの報道官。金星の自治確立のため、惑星連合と政治の暗闘を続ける人。ビヨルンの謎解明のために暗躍し、後始末を色々担当する。
・ホワイト・ラビット(ダイレクト・アクション社の傭兵)
円盤型の戦闘義体をまとったプロの戦闘員で、チームの火力担当。敵の8割は彼が倒した。
「Sunward」のテンプレートだったが、セッションのNPCとして多用されるので、データのみ仮訳にて投入。
【セッション】
惑星連合の肝いりで、ビヨルンが金星の浮遊都市「アフロディーテ」にやってきたところから、スタート。広報官として、彼を迎えたナシームには、もうひとつの顔があった。人類を絶滅の危機から守る極秘組織「ファイアウォール」のエージェントでもあったのだ。「ファイアウォール」からの指令は「ビヨルンの目的を調査せよ。もしも、それが人類の危機につながるものならば、抹消せよ」。
ナシームは、ビヨルンから情報を聞き出しつつ、エージェント仲間をビヨルンの護衛チームとして招集する。
ビヨルンは、最終的に、太陽近傍の「ヴァルカノイド・ゲート」から再度、ゲート・ホッピングから挑むのであるが、その前に、二つの場所によりたいと言う。
第一は「アフロディーテ・プライム」。
浮遊都市アフロディーテの上空に浮かぶ実験区画で、金星大気内を飛行する飛行生命体や飛行義体を開発研究するエリアで、ドームを持たない区画だ。
第二は「カロリス18」。
水星のホット・サイドに存在する鉱物採取目的のドーム基地だったが、10年前、戦闘AI「ティターンズ」の反乱の際、ドームの管理AIがティターンズ化して、ドームを強制閉鎖し、住民を強制的にムカデ型の義体へ押し込め、発狂させてしまうという惨劇が起きた。
惑星連合のゴリ押しもあり、立場上、快諾せざるを得ないナシーム。
PCたちは情報収集を行い、以下のような情報を得る。
・ビヨルンが帰ってきた太陽系外コロニー「フォーティアン」は零下80度にも達する極寒の氷惑星であるが、そこは、太陽系内の規制に囚われず、遺伝子改造の研究を行いたいという、遺伝子エンジニア、生物学者、義体デザイナーたちが集まった「マッド・サイエンティストの楽園」であり、最近は「想像上のモンスターの再現」に成功したらしい。
・フォーティアンの開発力を加速したのが、オルソン博士。彼女はかつて、月面で誕生前遺伝子治療に取り組み、「エクスヒューマン」と呼ばれる凶暴な新人類種族の誕生に手を貸したことがある。彼女は月から追放されたが、自由な研究の場所を求めて、弟子とともに、フォーティアンに渡った。
・ビヨルンが金星に入る際には、惑星連合の外交官特権で、入管・検疫が免除されている。
・ビヨルンの映像や情報を精査した結果、ビヨルンの行動にややおかしな面が見られる。ビヨルンには、ゴーストライダー・システムが搭載され、ビヨルン以外の「魂(Ego)」がその身体に宿っている可能性がある。
・ティターンズの活動があったカロリス18は、本来、立ち入り禁止区画だが、ロボット・メーカーからのゴリ押しで、ビヨルンの立ち入りが許可された。
【アフロディーテ・プライム】
翌日、アフロディーテ・プライムへ向かったビヨルンは、飛行義体の研究をしているアフメド博士と何か怪しい会話を交わす。その動きに警戒したPCたちがアフメド博士を問いただそうとすると、パニックした博士はいきなり翼を広げて逃げ出そうとするが、ホワイト・ラビットのレールガンで、皮膜を打ち抜かれて捕まる。
アフメド博士は、「フォーティアン」のオルソン博士と違法な遺伝子改造技術の交換をしていたことを白状する。ビヨルンの体内には、ゴーストライダー・システムがあり、そこに、オルソン博士のフォーク(魂のコピー)が存在しているのだという。
さらに問いただそうとしたところで、プライム上空に武装ヘリが侵入し、攻撃を仕掛けてきた。
どうやら、エコ・テロリストが、プライムの実験施設とビヨルンを狙っているらしい。
だが、このヘリは、ホワイト・ラビットのレールガンを食らってたちまち、金星の雲海に落下していった。
【水星、ホットサイド、カロリス18】
惑星連合のゴリ押しもあり、直接、ビヨルンからオルソン博士の意図を聞き出せないまま、一行は水星へと向かう。途中、エコ・テロリストによるビヨルン暗殺計画が続き、PCたちはその対処に追われた。
結果として、ビヨルンを問い詰められぬまま、一行は水星のホットサイドに降下する。
水星は死の星である。「水星の一日」は地球の170日にも達し、太陽に向いたホットサイドは常時150度以上に上昇する。カロリス盆地周辺は熱極とも言われ、近日点で700度、遠日点でも500度に達する。ナトリウム、カルシウム、水銀など沸点の低い金属は気化し、液状化した金属が大地を流れる。
その灼熱の地に立つ採掘基地カロリス18は、ティターンズの活動で崩壊し、死滅した場所だ。
ビヨルンは、ここにティターンズの情報を求めてやってきたのである。
灼熱の大気の中、耐熱宇宙服を来て、無人のドームへと侵入する一行。
ティターンズの痕跡が残るという、ドームの管理サーバーへ向かうが、そこで、太陽圏で活動できる耐熱義体「サラマンダー」を着装したエコ・テロリストの一団が襲いかかってくる。
ホワイト・ラビットが前進し、これを迎え撃つが、レールガンの斉射を受け、重傷を負ってしまう。
残ったPCのうち、遺物となると制御の利かないリオンと、ロクバッツが、ビヨルンとともにサーバーに突入。そこで眠っていたティターンズの戦闘兵器、ハンターキラーと遭遇する。リヨンはハンターキラーのレールガンを食らって倒れるが、ロクバッツが放ったフルオート射撃が、ハンターキラーの弱点を貫き、これを撃破する。
その後、ビヨルンの中のオルソン博士が、自ら「エクスヒューマン」の融合能力を発動し、ハンターキラーと合体するも、これもまた、ロクバッツのレールガンで死亡した。
オルソン博士は、ビヨルンの異星知識を利用して、ティターンズの戦闘機械を取り込み、強力な「エクスヒューマン」への進化を企てていたのである。
そして、水星で倒されたのは、オルソン博士のオリジナルではなかった。彼女はまだ、フォーティアンにおいて、新たな実験を企てているのである。
~END~
義体の乗り換えネタが続いていたので、今回は、太陽系外から帰ってきた男が「別人」だったというエイリアン・ネタ。「パンドラ・ゲート」のネタはまだまだ色々できそうであります。
クトゥルフCONのレポもしたいところですが、体調と締め切りの都合があるので、今週中のいずれかに。