ファイアウォールへようこそ（16）：エクリプス・フェイズ：犯罪組織

　「エクリプス・フェイズ」の紹介16。
　世界設定・編その３

　この連載は、朱鷺田祐介が「エクリプス・フェイズ」をＧＭするための覚書的なものです。「エクリプス・フェイズ」は、「シャドウラン４th」のライン・ディベロッパーだったロブ・ボイルが作成した最新SF-RPGです。詳しくは、本ブログの「ファイアウォールにようこそ」、あるいは「エクリプス・フェイズ」関連エントリーを参照してください。

　おかげ様で、翻訳が決定しました。
　来年夏予定です。（朱鷺田は監修です。詳しくはこちらのエントリーをどうぞ）
　未訳ＲＰＧの紹介ということで、手探りでやっている部分が多々ありますので、訳語の揺れはご容赦ください。現在、戦鎚傭兵団の待兼音二郎さんを中心に、訳語選定が進んでおりますので、順次、それに合わせていきます。

　Ｒ＆Ｒステーションで、体験会が予定されています。次回は10/29（土）の予定。

●太陽系に広がる犯罪組織

　ＡＦ（大破壊後）10年の太陽系にも、犯罪は存在する。
　そして、犯罪組織もまた存在する。

・三合会（トライアド）
主要拠点：青龍/Qing Long（火星軌道のトロヤ小惑星群）
　いわゆるチャイニーズ・マフィアである。《大破壊》前の段階で、多数の中国人が宇宙労働者として地球を離れ、さらに《大破壊》後も助けあい、独自の民族コミュニティを作った。当然のように、そこには三合会が進出した。三合会自身が、もともと漢民族の互助組織や港湾労働者の共同体から発したのであるから、当然の帰結と言えよう。
　三合会は、太陽系のありとあらゆる場所に進出している。その行動は過激だが、本来の仲間の絆も失ってはいない。内惑星ソースブック「Sunward」には「Triad Soldier」がおり、チンピラ然とした外見が素晴らしい。

・IDクルー
主要拠点：クロノス・クラスター（土星の小惑星レアを回る周回軌道上の葡萄型ハビタット）
電子犯罪の総合商社。情報売買からデータ窃盗、エゴ誘拐、フォーク誘拐などを行う。その正体はあまり知られていないが、情報義体に率いられたハッカー集団とされる。ＡＩも積極的に用いられている。
　ナイン・ライブスとの抗争中。

・ナイト・カルテル
主要拠点：ニュー・シシリー（小惑星帯）
　ハイパーコープと結びついて、古典的な闇の仕事に手を染める暴力集団。用心棒としてのみかじめ料から、誘拐、横流し、脅迫、ポッドによる強制労働の提供などに手を染める。

・ナイン・ライブス
主要拠点：レグバ（小惑星帯）
　人身販売を生業とするソウル・トレーダー。エゴやフォークの誘拐や強制労働、人身販売から闘技場ビジネスまで、幅広いビジネスを行う。メッシュのどこかには、奴隷化された情報義体のコロニーを作っているとさえ言われている。

・パックス・ファミリエ
主要拠点：アンビリーナ（金星の浮遊都市）
　ナイト・カルテルなどに近い古典的なギャング組織で、情報売買、株価操作、債権回収などを行う。この組織のメンバーはすべて、創始者であるクラウディア・アンビリーナのコピーであり、その記憶はＸＰ（経験情報）として、組織にフィードバックされている。そのため、裏情報を追って、彼女のひとりと出会ったならば、以降、彼女らはあなたがたの情報を持つようになるだろう。

・宇宙海賊
　この他に、多種多様な宇宙の海賊集団がおり、船、貨物、資材などを襲撃して強奪し、転売するビジネスに取り組んでいる。小惑星帯以遠で活動する宇宙のノーマッド、スカム（屑）は半ば商売人、半ば宇宙開拓者、半ば宇宙海賊である。また、地球のラグランジュ５にあるフレッシュ・キルは、スカムによる宇宙サルベージ業の中心地だが、同時に、地球圏最大の宇宙海賊の巣でもある。同地球奪還センターの長シュガリ・アリは、４本腕の戦闘義体を装備した海賊王である。

　他にも色々な勢力があるので、次回以降はそれを少しずつ紹介する予定。