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October 28, 2011

ファイアウォールへようこそ(19):エクリプス・フェイズ:義体

 「エクリプス・フェイズ」の紹介19。

 この連載は、朱鷺田祐介が「エクリプス・フェイズ」をGMするための覚書的なものです。「エクリプス・フェイズ」は、「シャドウラン4th」のライン・ディベロッパーだったロブ・ボイルが作成した最新SF-RPGです。詳しくは、「エクリプス・フェイズ」関連エントリーを参照してください。

 おかげ様で翻訳決定
 未訳RPGの紹介ということで、手探りでやっている部分が多々ありますので、訳語の揺れはご容赦ください。
 R&Rステーションで、体験会が予定されています。次回は明日、10/29(土)。来月は11/19(土)を予定。

●義体(Morph)

 また、サンプル・キャラクター紹介を兼ねたよもやま話に戻ろうかと思いますが、このあたりで、義体の話を少し。原語はMorphで、これは形状とか形態という意味があります。私は、サイバーパンク、特に「攻殻機動隊」的な意味合いで、義体と訳していますが、やや、これは「超訳」「意訳」の部分もあり、常に再検討の可能性を含んでいます。
 義体(Morph)は、およそ4種類に分かれます。
 生体義体(Biomorph)は、人間の人体をベースとした義体で、通常は本人の肉体、または、それをベースとしたクローン体です。インプラント加工や遺伝子改造をされているのがほとんどです。通常通り生まれるか、人工子宮で製造されます。通常通り成長する場合もありますが、促成栽培される場合もあります。
 知性化種の多くは、専用の生体義体を使用しています。
 PODは、工場生産されたクローン・ボディの未発達の脳をサイバーブレインで強化したもので、一般的には、AIが操作し、下層の肉体労働のために使われますが、魂(Ego)の入れ物としても使用出来ます。あくまでも労働用ロボットと同様の扱いであり、生殖機能などもありませんし、一部のハビタットでは奴隷労働とみなされ、違法とされていますから、これを義体として使用している場合、差別対象となる場合があります。ルール上は、生体義体の一種ですが、サイバーブレインであるため、常に、ブレインハッキングの危険性があります。
 合成義体(Synthetic Morph)は、完全に人工の義体で、ロボットの筐体をそのまま流用していることもあります。〈大破壊〉以降、義体の不足に対して、やむなく、合成義体を使用している人がたくさんいますし、合成義体には、宇宙環境で有利な点が多々あります。
 情報義体(Infomorph)は、物理的な身体を持たない、デジタルな存在です。魂(Ego)がデジタル化されたまま、メッシュ、もしくは、データ・ストレージの中で生きている状態です。実際の義体がないので、「情報体」と書く場合もあります。情報義体は、記憶強化の恩恵を受ける他、メッシュ活動に限定された追加の行動パスを2つ得ます。知性化されたAIおよび、再装着すべき義体を持たない魂(Ego)が含まれます。後者の中には、〈大破壊〉で強制アップロードされたまま、地球外での義体を獲得できずにいる情報体難民(Info Refuge)が多数含まれています。

●合成義体の長所と短所

 合成義体には、以下の長所と短所があります。

・生体機能の欠落
 合成義体は、呼吸、食事、排出、老化、睡眠などの生物的な問題がありません。
・痛覚フィルター
 合成義体は、痛覚信号を一部遮断できます。この機能をオンにした場合、負傷による修正を-10%まで打ち消せます。ただし、この間は触覚も阻害されるため、触覚による知覚テストに-30%の修正が入ります。
・ショック武器への耐性
 ショック効果を持つ電撃武器の効果を受けません。
・環境耐性
 合成義体は、火星の荒野、エウロパの海、宇宙の真空にも耐えられます。たいていの温度変化や気圧にも耐えられます。
・タフ
 合成義体は、生体義体よりタフです。耐久値がやや多くなり、たいていの場合、装甲値を持ちます。また、硬い外殻のため、格闘のダメージ値に+2されます。
・基本インプラント
 合成義体には、基本メッシュ・インサート、大脳皮質スタック、サイバーブレイン、アクセス・ジャック、記憶強化が最初からセットされています。
・サイバーブレイン
 合成義体はサイバーブレインを持つため、アクセス・ジャック、記憶強化の機能がありますが、同時に、ブレインハッキングの危険性があります。また、サイバーブレインを持つ義体は、パペット・ソケットを通じて遠隔捜査が可能です。

●義体の一覧

 基本ルールで「初期義体」として選択できるものを簡単に紹介します。カッコ内は必要なCPです。義体のいくつかは、デフォルトの特徴がついています。

▲生体義体
フラット(0):遺伝子調整をしていない普通の肉体。遺伝病などが残っている場合がある。バイオ保守主義者が使用する。
スプライサー(10):遺伝子調整をした人体。現在、生まれる子供もほとんどはスプライサーである。
エグゾルト(30):遺伝子レベルで改良措置を受けた、優秀な人体。
メントン(40):知性の面で強化された学者向け義体。
オリンピアン(40):運動機能を強化したもので、スポーツマンやダンサー、兵士向け。
シルフ(40):上流階級や芸能人などのために外見を強化した社交用義体。体臭やホルモンも調整済。
バウンサー(40):ゼロG環境に対応するように、柔軟な肉体と手のように使える足を持つ。
フューリー(75):戦闘用に生体編み込み装甲とニューラケム(神経化学加速装置)を導入した戦闘義体。
フューチュラ(40):ロスト・ジェネレーション専用義体。
ゴースト(70):カメレオン・スキンを装備した隠密行動用義体。
ハイバーノイド(25):宇宙活動のため、短い睡眠時間で活動できる他、一時的な冬眠もできる特殊義体。
ネオテニック(25):子供のように見える小型義体。空間の小さい宇宙船用に作られたが、芸能界や風俗業でも多用されるようになっている。差別的な対応をされる場合もある。
リメイド(60):アルティメットが産み出した次世代型義体。完全な人間を目指すがゆえに、「不気味の谷現象」を引き起こし、妙に人工っぽい。
ラスター(25):火星の薄い大気に適応した義体で、火星開拓民が多用する。
ネオ・アヴィアン(25):鳥の知性化種専用義体。
ネオ・ホミニド(25):類人猿の知性化種専用義体。
オクトモルフ(50):知性化したタコ専用義体。もちろん、8本足。

▲POD
プレジャー・ポッド(20):サービス業用のPOD。外見がよく、自由に聖別を変更可能。風俗などで性的なサービスに当たることが多く、差別されることがある。
ワーカーポッド(20):肉体労働用のPOD。
ノヴァクラブ(60):人体サイズに巨大化し、危険な環境での労働に適応したPOD。生体パーツもあるが、装甲と真空シーリングのおかげで、宇宙空間でも活動可能。

▲合成義体
ケース(5):一番安い合成義体。顔もおざなりなロボット風。
シンス(30):二足歩行するアンドロイド型義体。一応、人間の顔と外見を模しているが、ロボット義体であることは明白である。
アラクノイド(45):人間サイズの蜘蛛や白蟻のようなロボット義体。いわゆる「フチコマ」タイプ。
ドラゴンフライ(20):地球、もしくは、1G未満の重力下で空を飛ぶトンボ型の飛行義体。ターボファンで静かに飛行できる。
フレックスボット(20):状況に応じて、多脚ウォーカー、ホバークラフト、触手型に変化できる。
リーパー(100):戦闘ロボットを流用した重装甲軍事義体。四本の触手を持ち、最大4つまでの砲塔を装備し、状況に応じて歩く、跳ねる、イオンクラフト、ベクター・スラストの移動方法を使い分ける。
スリザロイド(40):2mのヘビ型をしたロボット義体。這いまわる他、まるまっったり、どグロをまいたりし、転がることもできる。
スワームノイド(25):指先ほどのロボットバグ数百体の群れで形成される義体。ばらけたり、まとまったりできる。まとまっても物を物理的に操作することは出来ない。

▲情報義体(0)
 肉体を持たないデジタル状態。メッシュ活動しかできないが、メッシュ内でスピード+2。

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